基本的には一週間に一話投稿したいと考えていますので、気長にお付き合い願えたらと思っています。今回の話はイントロの部分になりますので、今日の夜にでも本編の第一話を投稿したいと考えています。
pixvでも投稿中です。
私は鳳翔と申します。この鎮守府では、発足当時から提督と二人三脚で様々な戦場を駆け巡ってきました。そのおかげで、提督からは秘書艦として指名を頂いたり、第一線から離れた後も、新造艦の訓練など様々な仕事を任されてきました。とはいえ、現在の鎮守府は大きくなり数多くの新鋭艦も誕生しました。もう・・・私が活躍する場は、無くなってしまったのでしょうね。提督も私を持て余し気味のように感じましたので、私の方から退役を申し出たのですが・・・。
提督は、私の退役をお認めになりませんでした。そればかりか、いざという時には再び第一線に出てもらう事になるから、このまま鎮守府に居てほしいとまで頼まれてしまいました。私の小さな体では、現在の新鋭機を数多く搭載する事も出来ませんし、もう昔ほど活躍も出来ないと思うのですが・・・それでも、未だに頼られている事は素直に嬉しいところです。とはいえ、鎮守府にこれからも所属するとなった以上、私も何かしなければなりません。一体どうしたものでしょうか・・・。
そんな悩みを提督も理解してくださったのか、提督からは他の艦娘達の精神的なメンテナンスのためにも、鎮守府内で小料理屋を開いてくれないか?と言われました。たしかに現在の鎮守府で提供される食事は、栄養的にはまだしも味は微妙な所がありますので、私が小料理屋を開けば、艦娘達の士気は上がるでしょう。それに・・・将来は素敵な殿方と小さな小料理屋でも開いてみたい・・・という夢があったのも確かです。ただこれを引き受けてしまいますと、私は完全に第一線から離れる事にもなる訳ですから、悩むところです。
しかし提督は、私が悩んでいる間に海軍省に掛け合ってくださり、あっという間に鎮守府内で小料理屋を開く許可まで得てくれました。しかも、鎮守府内で野菜などを作る許可や、それに必要な妖精さん達の手配までしてくださり、気付いた時にはこの話を引き受けざるを得ない状況になっていました。また、開店に必要な資材を購入するための資金まで用意してくれたとなると・・・これでは断る事は出来ません。・・・ここまで甲斐性のある殿方というのも考えものです。
とはいえ、期せずして私の夢であった小料理屋を開く事も出来ましたし、素敵な殿方と一緒に・・・という夢は現在は叶っていませんが、近くに居てくれ・・・いいえ、何でもありません。いずれにせよ、これ程頼りにされている以上、私も全力でこの仕事を行いたいと思います。さて今日も仕込みは終わりましたし、開店時間になった事ですから、お店を開きましょうか。