「おっ、鳳翔さん、いつもうちの豆腐買ってくれてありがとうな。良かったら今日はおからが大量にあるから、少し持っていってくれないか?なに、いつも買ってくれているから、これはサービスだ。」
普段私のお店で使う豆腐は、鎮守府の近くにある豆腐屋さんの物を購入しています。今日もお豆腐を購入するためにいつもの豆腐屋さんに行きますと、大量のおからをサービスでもらいました。折角のおからですし、今日はこれを使った料理をメニューに加えましょう。おからの料理というと、サラダに混ぜたり、ハンバーグに混ぜたりとヘルシーな料理がいくつも思い浮かびますが…やっぱり今日は定番のあの料理ですね。少し作るのに手間がかかるため、少量ではあまり作りたくないのですが、これだけのおからがあれば、一気にかなりの量が作れますから問題ないでしょう。
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それではそろそろ今日の下準備を始めましょうか。今日は豆腐屋さんから大量のおからを貰いましたので、これを使って卯の花を作ります。この料理はメインのおかずにはなりませんが、お酒のおつまみにも良いですし、ご飯と一緒に食べるちょっとしたおかずにもなりますから、たくさんの子達に味わってもらえると思います。まずは、干ししいたけを水で戻さなくてはいけません。ここで出来た戻し汁も卯の花作りには使いますので、生のしいたけでは駄目なのです。戻すのに少し時間がかかりますが、こればかりは仕方ありませんね。干ししいたけを戻している間に、次の準備をしてしまいましょう。
卯の花にはおからに様々な物を混ぜますが、やはり定番の物を外すわけには行きません。まずは人参を千切りにして葱も微塵切りにします。そして旨味を増やすために油揚げも入れますが、これをこのまま入れてしまいますと油っぽくなりすぎてしまいますから、しっかり油抜きをして…これくらいで大丈夫でしょうか。後は食感を少し変化させるために蒟蒻を入れますので、これも細切りにしましょうか。…そろそろ、干ししいたけも戻りましたね。それではこれを水から出して…しいたけも細切りにします。後は、彩りと歯ごたえを楽しませるために枝豆を混ぜますので、これを先に茹でておきましょう。
これで全ての材料の準備できましたので、油で一気に炒めてしまいます。干ししいたけと人参を軽く炒めて…大体火が通りましたね。それではここに干し椎茸の戻し汁を入れてから、蒟蒻を入れて沸騰させますか。後は油揚げを混ぜてから、おからを入れる訳ですが、おからを入れる前に、味をしっかり作っておかなくてはいけません。卯の花の味はあまり濃くなりすぎては駄目ですが、今回はこれ単独でお酒のつまみとしても使いますので、少し濃い目の味付けが必要です…。砂糖に日本酒、みりんに醤油、後はもう少し出汁を追加しておきましょう。…えぇ、大丈夫ですね。この味付けでしたら、お酒のおつまみでもご飯のおかずでもどちらでも大丈夫そうです。
それでは、いよいよメインのおからの投入です。実は卯の花を作るときは、ここが一番肝心です。あまりカラカラになりすぎては、卯の花を口の中に入れた時にパサパサになってしまいますし、汁気が残っていては今度は口の中でグチャグチャになってしまいます。ですから、おからがしっとりとなる程度にするため、入れる量を調整しなくてはいけません。…ここの部分はいつもそうなのですが、慎重にやる必要がありますね。…これくらいで大丈夫でしょうか。
ここまでくれば、後はもう少しです。茹でていた枝豆の中身と、葱を入れてしっかり混ぜます。後は、食べやすくなるような食感になるまで火を通したら、火を止めて出来上がりです。人参や枝豆、そして蒟蒻に椎茸に油揚に葱…彩りも食感も良いと思いますし、少し濃い目に味付けされたおからもしっとりとしていますので、おそらく皆さんに喜んでもらえるでしょう。
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「あっ、鳳翔さん、もう店開いてるか?悪いんだけど、今日はチビ達も一緒だから、このテーブルいいかな?」
「あら、天龍さん。えぇ、あと少しで開店時間なので、ある程度の下準備は終わっていますから、もう料理は出せますよ。それにしてもどうしたのですか?龍田さんと一緒ではなく、駆逐艦の子達と一緒に来るというのは珍しいですね。」
まだ開店まで少し時間があるのですが、天龍さんがお店にやってきました。天龍さんが私のお店に来る時は、だいたい相方の龍田さんと一緒の事が多いのですが、今日は駆逐艦の子を三人連れています。それにこんな時間に来るのは珍しいですね。何かあったのでしょうか。
「いや…実は、今日の遠征でチビ達に、頑張ったら鳳翔さんのお店で夕食を食べさせてやると言っちゃってな…。悪いんだけど三人分の夕食を出してやってくれないかな?俺はお酒とつまみだけでいいから。」
「ぅゅ~…天龍さん。チビじゃないぴょん!う~ちゃんには、卯月という名前がちゃんとあるぴょん!」
「私にも睦月という名前がちゃんとあるんだけどぉ…」
「…弥生も、名前があるよ…ううん…怒ってなんかないよ…怒ってなんか…」
「あ~、分かった、分かったから。悪かったな。とりあえず、そこの机に三人とも座っておけって。ちゃんと、今日の夕食は約束どおり俺が奢ってやるから。ということで、鳳翔さん頼むよ。」
なるほど、遠征任務のご褒美で睦月ちゃん、弥生ちゃん、そして卯月ちゃんを私のお店に連れてきたという事ですか。駆逐艦の娘達の中では、夕立さん達のような比較的年齢の高い子達は時々私のお店でも見かけますが、睦月ちゃん達は駆逐艦の子達の中でも年少組のため、お酒も出る私のお店で見かけた事はこれまでありません。おそらく、一度来てみたかったようで、天龍さんに連れてきてもらったのでしょうね。
そういう事でしたら、折角の機会なので、きちんとした夕食を出してあげなくてはいけませんね。ご飯にお味噌汁に、焼き魚にあと一品程出せば大丈夫でしょうか。たしか今日はマコガレイの一夜干しがありましたから、それを焼いてあげましょう。…ですが開店前の今、全ての準備をこれからするとなると、少しだけ時間がかかりそうです。
「鳳翔さん、悪いけど少し時間がかかるようだったら、チビ達に何か先に出してやってくれないかな。今日此処に連れてきてやると言っていたから、チビ達は昼食を少ししか食べていないみたいで、だいぶお腹空いているようなんだ。」
「うぅぅ…またチビと言ったぴょん!でも、う~ちゃん早く何か食べたいぴょん。」
あらあら…そんなに楽しみにしていたという事ですか…。それでしたら、私も期待に応えるために頑張らなくてはいけませんね。それと全ての準備が出来るまでの間、先程作った卯の花でも出して、先に少し食べていてもらいましょうか。おそらくこれを食べている間に夕食の準備は出来るでしょうから。
「わかりました、天龍さん。丁度今日は卯の花を作っていますから、小鉢で先に渡しておきますね。天龍さんもとりあえず、それとお酒でいいかしら?」
「おっ、ありがとな、鳳翔さん。俺の酒だけど、今日は初亀の純米吟醸を頼むわ。あ~、それとチビども、鳳翔さんが先に一つ料理を出してくれるみたいだから、これ食べて大人しく待っていろよ。行儀良くしていないと、もう連れてきてやらないからな」
「…分かった。弥生、大人しく食べて待っている。…それと、チビじゃない…。」
「やった~。楽しみ、楽しみ~。睦月も大人しく待っているよぉ~。あとチビ言うな~。」
「お料理が早速来たぴょん!やっと食べられるぴょん。…天龍さん、奢ってもらえるのは嬉しいけど…後で覚えておくぴょん!」
あらあら、本当に今日は開店前から賑やかですね。天龍さんのお酒は初亀ですか…。今日は辛口のお酒ではなく、少し甘口のお酒にするという事は、それ程たくさん飲むつもりはないようですね。初亀は天龍さんの名前の由来となった、天竜川が通る静岡県のお酒。その中でも純米吟醸は、値段はそれ程高くないのですが、甘口の飲みやすいお酒として有名です。龍田さんと一緒の時は、辛口のお酒をがんがん飲む天龍さんですが、流石に駆逐艦の子達と一緒の時は、それほど飲む訳にはいかないという事でしょうね。さて、それではとりあえず天龍さんのお酒と、四人分の卯の花をお出しして、急いで夕食の準備をしましょうか。
「はい、それでは先に卯の花をどうぞ。睦月ちゃん達も直に夕食作りますから、まずはこれを食べて待っていてね。」
駆逐艦 卯月
今日、天龍さんに連れていかれた遠征任務の最中に、たまたま鳳翔さんのお店の話題が出たぴょん。鳳翔さんのお店は、う~ちゃん達睦月型駆逐艦にとって一度は行ってみたい憧れの場所でっす。でも、う~ちゃん達のお小遣いでは、そんなに簡単には行けないのが残念だぴょん。だから運良く天龍さんが、遠征の後にう~ちゃん達を連れて行ってくれると約束してくれて、と~っても嬉しかったぴょ~ん。勿論今回の遠征、う~ちゃん達はと~っても頑張ったぴょん!
それと鳳翔さんのお店に行ける事が分かったから、う~ちゃん達は今日の昼食を少なめにして準備も万端なのでっす!それでいよいよ遠征の後、憧れの鳳翔さんのお店に天龍さんが連れていってくれて夕食を食べさせてもらう事になったんだけど…夕食の前に一つ料理が出てきたぴょん。鳳翔さんのお話では、この料理は卯の花という名前だぴょん。う~ちゃんの名前と良く似た名前の料理だから、きっと美味しいに決まっているんだぴょん。
えっと…よく分からないけど、ちょっと茶色い物の中に色々な物が入った料理だぴょん。どんな味なのか、と~っても楽しみなんだぴょ~ん。早速…ハムッ…あっ美味しいんだぴょん。こんな料理、う~ちゃん達の給食にはないぴょん…。少しだけ甘辛くて、と~っても食べやすい味で、滑らかな感じの美味しい料理なんだぴょん。
これが何の料理なのか、う~ちゃんにはよく分からないんだけど…一緒に入っている蒟蒻は、お口の中でクニュクニュして、と~っても面白い料理だぴょん。あっ、なんか緑色のお豆さんも入っているんだぴょん。お口の中でプチッとして、これも面白いぴょん!それに人参も椎茸も…あっ油揚も…う~ちゃんの大好物ばかりだぴょん。う~ちゃんの名前と良く似た名前の料理だから、う~ちゃんの大好物がい~っぱい入っていて、と~っても美味しい料理なんだけど、やっぱり何と言っても、この少し薄味の甘辛い茶色い物が、と~っても、と~っても美味しいんだぴょん。
丁度良い甘さと丁度良い辛さ…、それとお口の中がと~っても楽しくて、う~ちゃん感激だぴょん。この料理とっても好きになったから、鳳翔さんにお願いして、もっと食べさせてもらいたいよぉ~。これだけでお腹一杯食べたいぴょん!横を見ると、弥生達も無言でこの料理を食べているぴょん…たぶんみんな、同じ事を考えていると思うんでっす!それに…こんな美味しくて楽しい料理は、友達の如月ちゃんにも持って帰ってあげたいんだぴょん。
「鳳翔さん、う~ちゃん達にこの料理、もっともっと食べさせて欲しいぴょん!おかわりが欲しいのでっす!」
鳳翔
「弥生も…これもっと食べたい…」
「睦月もお願い~」
どうやら三人とも気に入ってくれたようですね。後少しで夕食を出せますが、そんなに気に入ってくれたのであれば、もう少し卯の花を出しましょうか。流石にこれだけでお腹一杯になってしまっては、折角夕食を作っている私としては困りますが、これ程気に入ってもらえたのであれば、もう少し出してあげましょう。最初、お酒のおつまみとして作った卯の花だったので、睦月ちゃん達には少し味が濃すぎたかな…と心配していましたが、それは杞憂だったようですね。
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「あら、龍田さんもいらっしゃい。」
「あっ、やっぱり天龍ちゃん先に来てたんだぁ~。あら?今日は駆逐艦の子を連れてきているの?」
「あ、悪ぃ~龍田。ちょっと遠征中に鳳翔さんのお店に連れてくるって、チビ達に約束しちゃってな。それでその約束を果たすために、今日は夕食に連れてきているんだよ。」
あら?天龍さんの答えを聞いて、龍田さんがちょっと難しい顔をしていますね。どうしたのでしょうか?
「天龍ちゃん…困った事をしてくれたわね~。たぶん、今日の事をこの子達は駆逐艦寮で他の子達に言いふらすわよ~。そうしたら、特にこの子達と仲の良い如月ちゃんあたりが怒ると思うの。なんで私だけ行けなかったんだ~って。それに、今如月ちゃんの面倒を見ているのは私なんだよぉ?…私も連れて行ってくれ!って近い内に言ってくる事間違いなしよ…。今月はちょっと私の懐は寂しいのに…どうしよう。」
あ~、なるほど。そういう事ですか。たしかに睦月ちゃん達と仲の良い如月ちゃんは龍田さんが率いる遠征艦隊ですから、この場には居ません。そして今日の楽しい出来事を睦月ちゃん達が如月ちゃんに言わないという事もありえないでしょう。そうなれば…。仕方ないですね…
「龍田さん、今度龍田さんの遠征艦隊の子達も一度私のお店に連れてきてください。私が多少は融通しますから…。流石に天龍さんの遠征艦隊の子達だけ私のところで夕食を食べた…というのは不公平になりそうですから…。」
「や~った!鳳翔さんありがとうございます。早速、明日にでも私の遠征艦隊の子達も連れてきますから、よろしくお願いします。」
「あ~っ、龍田ずるいぞ!」
最近私の持ち出しが少し多いような気もします…。まぁ、お店自体は繁盛していますから余裕はあるので問題ないのですが…。今回はある意味、天龍さんの気まぐれでこうなってしまった訳ですから…天龍さん達には、少し私のお店のために仕事をしてもらいましょうか…。とりあえず、今日の夕食が終わったら、次の遠征任務の際に少しお魚などを持ってきてもらうことを頼んでみましょう。…勿論、断ったら許しませんけどね…。
「鳳翔さん…卯の花…もう食べ終わった…弥生もっと食べたい…。」
「睦月も、まだまだいけるよぉ~」
「もう一回卯の花が食べたいぴょん!」
…あらあら。卯の花以外にも美味しい料理はありますから、卯の花はこれで今日はお終いです。このまま食べさせたら、際限がなさそうですから。それに夕食の準備も出来ていますから、これを出せば睦月ちゃん達もたぶん納得してくれるでしょう。
「三人とも、卯の花はこれでお終いです。それに、私のお店はこれ以外にも美味しい物は一杯ありますから大丈夫ですよ。さぁ、それでは夕食が出来ましたから、お腹いっぱい食べてくださいね。」
「やった~、一杯食べるぴょん!天龍さん、ありがとぴょん!」
「おぉー、この美味しそうな夕ご飯!睦月、感激ぃ!」
「弥生…一杯食べる…天龍さんに感謝…。」
…今日は開店前から本当に賑やかです。さて、そろそろ開店時間ですし、今日もお店を頑張りましょうか。
卯月と卯の花…名前が少し似ているので、ついついこの組み合わせにしていましましたw。まぁ、艦これ内に出てくる台詞で、その艦娘に関係している料理があればそちらを優先しますが(たとえば、加賀さんなら肉じゃがですかね?)、それ以外は、何となく合いそうな艦娘を好きなように組み合わせていたりしますので、今回のような事も…w
卯の花は、たぶん好きな人も結構いると思いますが、これを上手に作るのは結構大変だったりします。おからをしっとりと滑らかに仕上げるのは、意外と大変なんですよね。ですから私の家でも、これについては買って来る方が多いです。ですが本当に時々、なじみの豆腐屋さんでおからを貰ってくると、卯の花を自作する事もあります。そんな時は今回のように、蒟蒻、人参、椎茸、豆、油揚…とフルで具材を混ぜて、食感が楽しめるように仕上げる事が多いですね。
卯の花の味付けも、これは目的に応じて作り分ける事が多いですね…。酒のつまみにしたい場合は、少し濃い目にしますが、おかずの時は薄めに…なのですが、問題はこの料理、少量で作るよりは、少し大目に作った方がうまく行きやすいため、酒のつまみ用に作るときは注意が必要だったりしますw。私のところでは、おから300g以上で作る事が多いですかね。という事で、購入ではなく自分で作る!という人は、慎重に試してみてください。
材料はこんな感じですかね(あまり分量量った事ないので、かなり適当なところがありますがw)…調味料は好みがありますから、好きな用にやってくださいw(料理本で言うところの“適量”ってやつですw)
生おから 300g
こんにゃく 半分くらい?
枝豆 50gくらい
人参 1/2本(これでたぶん十分)
油揚 1枚(たぶんこれで十分w)
干ししいたけ 3~4枚で問題ないと思う…
ねぎ(刻み用) 少しだけ
味付けは自分が好きなようにw
今回も読んでいただきありがとうございました。