鎮守府の片隅で   作:ariel

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今年の通常版の投稿は、これが最後になります。いつもは水曜日投稿でしたが、明日は大晦日のため今日代わりに投稿します。今年最後のお話…やはりこの料理しかないだろうという事で、おでんにしてみました。今回の主役、順番的に駆逐艦だろうな…と考えた結果、そろそろこの子を出さないと…と思い、陽炎型駆逐艦の不知火に登場してもらうことにしましたが…。


第四〇話 不知火とおでん

大晦日を明日に控え、私のお店も通常営業は今日で終了です。明日は空母娘達が年越し蕎麦のために昼から蕎麦打ちに押しかけてくるようですが、それが終われば正月の三が日は休業予定ですから、後一頑張りですね。さてこの冬の寒い時期、艦娘達が好む料理といえばあの料理。この料理を準備しておかなくては間違いなく多くの艦娘達から文句が出ますし、この料理は美味しくなるまでに時間がかかりますから、毎日の下準備が必須です。そう、おでんです。

 

先日、とある正規空母娘が暴食の限りを尽くし、開店と同時におでんがほぼ無くなってしまった事、また某駆逐艦娘が特定の具材だけを食べ尽くした事から、現在私のお店ではおでんは一人三個まで。そして同じ種類のおでんは注文出来ないというルールを設けさせてもらいましたが、それでも来店する艦娘達のほとんどがおでんを注文するため、毎回途中でおでんは売り切れてしまいます。その結果、山城さん達を始めとする一部の艦娘達が、なかなかおでんにありつけない事が多いのですが、売れ残ってしまうのも問題ですから、今以上におでんを準備しようとは思いません。

 

おでんと言えば、様々な具材を思い浮かべますが、私のお店では、大根、昆布、ジャガイモ、卵、こんにゃく、白滝を始めとして、厚揚げ、ごぼう天、さつま揚げ、餅きんちゃく、そして竹輪と続き、変わり種として、毎日のようにゴーヤさんが持ってきてくれるタコ、そして牛スジなどを準備しています。どの具材にも根強いファンが居るようで、毎回注文が同じ艦娘も多いようです。

 

またおでんでは、そのつゆも重要です。私のお店では毎日毎日付け足しながらつゆを使っていますから、様々な具材から出た旨味がしっかり詰め込まれたつゆのため、このつゆを後から御飯にかけるのを楽しみにしている艦娘も居ます。私のお店のおでんは、関東風。出汁と薄口醤油、そしてみりんを中心に作る、どちらかというとアッサリした感じのつゆのため、最後に御飯にかけても美味しいようですね。それでは、今日も急いで具材の下準備だけしてしまいましょうか。とはいえ、ほとんどの具材はそのまま入れるだけなのですが…。

 

やはり大根はおでんの具材の王様、これがなければ始まりません。多くの艦娘がこの具材を注文しますので、これは毎回他の具材よりも大目に準備しているのですが、ほとんどの場合一番最初に無くなるのがこの具材です。今日もこれは少し大目に作っておきましょう。まずは大根を数cmの厚さに輪切りして、皮の部分は少し厚めに剥いておきます。また、おでんはどうしても長い間煮込む事で味を染み込ませますから、途中で煮崩れが起きないように大根の角の部分は面取りしておきます。また、大根程味が染み込んでいないと悲しくなる具材はありませんから、少しでも味が染み込みやすくするために、片面に十字型に切り込みを入れておきます。後は湯で下茹でして、おでんのつゆで煮込んでいる際に、大根からアクが出にくくすれば、大根の下準備は完了です。

 

次は旨味の王様の結び昆布ですね。このおでんも、一部の艦娘に根強い人気がある具材の一つです。特に、味にうるさい重巡洋艦の利根さんのお気に入りの具材のようですから、変な昆布は使えません。まずは昆布を一度茹でて柔らかくして…これを少し細く切り分けたら、綺麗に結んで結び昆布を作ります。この具材は噛めば噛むほど旨味が染み出て来ますので、大根と同じようにおでんの定番ですね。

 

少し変り種かもしれませんが、ホクホク感を楽しめるジャガイモも忘れる事は出来ません。ジャガイモは一度下湯でしてから皮を剥いたら準備完了。卵はゆで卵にして…これも人気メニューですね。特に後からつゆを御飯にかけて食べる艦娘達は、卵のおでんも注文して、つゆと一緒に卵のおでんを御飯の上で崩して一緒に食べる事が多いようです。

 

次はコンニャクの仕込みですね。コンニャクも、味が染み込みやすくするために表面に細かく十字型に切り込みを入れてから、臭みをとるために一度下茹でします。おでんは簡単な料理なのですが、このような地道な下準備をする事で、とても美味しいおでんになりますから、ここで手を抜く訳にはいかないのです。

 

さて、それではその他の具材の準備もしてしまいましょう。まず厚揚げは斜めに半分に切り分けます。またその他の竹輪などの練り物も、食べやすい大きさに切り分けて、一度熱湯を具材の上からかける事で、余分な油分を取除かなくてはいけません。この作業を忘れてしまいますと、折角のあっさりしたつゆに油分が染み出てしまいますから、全体的に野暮ったい味になってしまいます。ですから、多少手間はかかりますが、この作業も忘れる訳にはいきません。餅巾着。これは茹ですぎますと中の餅が溶けてしまいますから、これは別に煮ておきましょう。

 

後はタコと、牛スジ肉ですね。これらの具材も一度下茹でして…大体この辺りで下準備は完了ですね。昨日のおでんのつゆ…少し少なくなってしまっていますので、付け足し用のつゆも作ってしまいましょう。これは、出汁と薄口醤油、そしてみりんと味を整えるための塩と砂糖で簡単に作れます。元々残っているつゆには、これまでおでんを煮てきた旨味が全部残っていますから、このような簡単なつゆでも驚くほど美味しいおでんになる訳です。

 

それでは下準備した具材を、つゆに入れて1時間程しっかり煮た後、一端冷まして…後は開店時間近くに再度温めればいつでも食べられるおでんの完成です。今日はどの艦娘がどのおでんを注文するでしょうか。毎回の事ですが、私も楽しみです。

 

 

 

駆逐艦寮  不知火

 

 

今年も残すところ僅かになりました。不知火は今日も駆逐艦寮の風紀を守るために精力的に働いております。秘書艦の金剛さんから鎮守府の風紀粛清を任されている比叡さんより、この不知火に直接、駆逐艦寮の風紀粛清について頼まれた以上、手を抜くことは出来ません。残念ながらその結果、多くの駆逐艦娘達から不知火は煙たがられておりますが、提督を始め比叡さんの期待に応えるために今日も頑張っています。

 

「不知火?良かったら今日は私と一緒に鳳翔さんのお店で、おでんでも食べに行かない?」

 

「あっ、陽炎姉さん。お誘いいただき感謝いたします。」

 

多くの駆逐艦娘から煙たがられている不知火ですが、陽炎姉さんはそんな不知火に気を使っているのか、今回のように様々なお誘いをしてくれます。陽炎姉さんのご配慮は、本当にありがたいです。おでん…これは鳳翔さんのお店で提供されるこの時期の名物料理。不知火達のような駆逐艦のお小遣いでも時々なら食べる事が出来るため、他の駆逐艦娘達も時々食べに行くようですし、不知火も少し前まではその常連の一人でした。

 

しかし先日、とある正規空母の方が、あろう事かおでんを独り占めしてしまった事案、また同輩の駆逐艦の一人が特定の具材を食べつくしたという事案が発生しました。そしてその結果、鳳翔さんが怒ってしまい、おでんは一人三つまで、しかも同じ具材の注文は不可というルールが出来てしまいました。そのため不知火も、ルール変更後は大好きな大根のおでんを一つしか食べる事が出来なくなってしまいました。駆逐艦寮の風紀粛清を任されている不知火がルール違反を行う訳にはいきません。折角の陽炎姉さんのお誘いですが…肝心の大根が一つしか食べられないのでは…。

 

「あの…陽炎姉さん、おでんは不知火も好きなのですが、肝心の大根が一つしか食べられないのでは…。」

 

「あ~、大丈夫、大丈夫。ちゃんと不知火が大根を3つ食べられるように考えているから。もう一人助っ人も呼んでいるし、私に任せておいて!」

 

流石は陽炎姉さんです。不知火の悩みなどお見通しで、ちゃんとその対応も考えてくれていたようです。しかし助っ人と言いましたが、一体誰を呼ぶのでしょうか。自慢ではありませんが、不知火が同行すると言えば、嫌がる駆逐艦娘が多いと思うのですが…。

 

「…呼ばれたから来た…。…本当にタコ食べられる?」

 

「あっ、初雪ちゃんも来た来た。大丈夫、私に任せておいて!ちゃんと初雪ちゃんにタコのおでんを3つ食べさせてあげるから。さぁ、それじゃ出発よ。不知火もついていらっしゃい。」

 

初雪さんですか…。今回の鳳翔さんのお店のルール変更の原因となった駆逐艦の同輩です。この子があの時にタコを食べつくしていなければ、今頃不知火も大根を…。陽炎姉さんが何を初雪さんに言ったのか知りませんが、本当に大丈夫なのでしょうか…。流石の不知火も少し心配になってしまいます。とはいえ、これだけ陽炎姉さんに自信があるようですから、まずは大人しく陽炎姉さんに従いましょう。

 

 

 

食事処「鳳翔」  軽空母 鳳翔

 

 

「いらっしゃい。あら陽炎さん、今日もおでんですか?今日は…はぁ…不知火さんと初雪ちゃんも一緒ですか…。みんなおでんで良いですか?一人三つまでで、具材は全部ばらばらですよ?良いですか?それでは、注文する具材が決まったら、教えてくださいね。」

 

おでんは私のお店では比較的安価なため、これだけを目的に駆逐艦の子達が連れ立ってやってくる事が最近よくありますが、その中でも陽炎さんは常連さんの一人です。とはいえ、今日は陽炎さんに同行してきた二人の駆逐艦の子達に少し問題があります。まずは不知火さん、先日私のお店で、大根のみを食べ尽くした問題児です。挙句の果てには横に座っていた戦艦の山城さんが『私と姉様の大根のおでんが…不知火、少しは私達に配慮しなさい!』と文句を言った事に対して、『何か不知火に落ち度でも!?』と、山城さんを睨みつけながら凄みを利かせた子です。あの時は、不知火さんのあまりの眼光の鋭さに、山城さんの方が黙ってしまいました。

 

そして初雪さん。こちらは先日タコのおでんを食べ尽くした結果、タコのおでんを狙っていた重巡洋艦の利根さんとあわや一触即発の状態になりそうになった問題児です。この二人、今回のルール変更に自分達が関わっている事を本当に理解しているのでしょうか。少なくとも今回は、一人一つずつしか大根やタコは出しませんよ?今回は陽炎さんが同行して居ますし大丈夫だとは思いますが、少し心配ですね…。

 

「鳳翔さん、注文決まっているから注文するね。まず私は『餅きんちゃくと大根とタコ』、不知火は『卵と大根とタコ』、それと初雪は『竹輪と大根とタコ』。それじゃ、よろしくね!」

 

なるほど…陽炎さん考えましたね。三人で別々のおでんを注文して、後から具を交換する事で、結果的に不知火さんと初雪さんはそれぞれ大根とタコを3つ食べるという事ですか。まぁ、友達と協力することでルールを守りつつ自分の好みのものを食べる訳ですから、私としても文句はありません。それでは注文を受けたおでんをお出ししましょうか。

 

「陽炎さん、不知火さん、初雪さん。注文されたおでんを出しますね。それではどうぞ。」

 

 

 

不知火

 

 

流石は陽炎姉さんです。このやり方なら、ルールに違反せず不知火は希望の大根のおでんを三つ食べられますし、初雪さんもタコが三つ食べられます。まずは、鳳翔さんから渡されたおでんの皿からタコを初雪さんの皿に、そして卵を陽炎姉さんの皿に移します。そしてそれと入れ替わるように、陽炎姉さんと初雪さんから、不知火の皿に大根のおでんがやってきました。やはりおでんは大根に限ります。早速いただきましょう。

 

鳳翔さんの所のおでんは、つゆを付け足し付け足し使っていると聞いています。ですから、これまで様々なおでんが煮込まれてきた美味しい出汁がたっぷり入ったつゆが、しっかり染み込んだ大根のおでん。これは本当にたまらない美味しさがあるのです。まずは一つ目の大根から早速食べてみましょう。

 

十字に入った切れ込みに沿って、箸を使ってまずは大根の塊を半分に切り分けます。おそらくしっかり味が染み込んでいるからだと思いますが、不知火の箸に少し力を入れただけで、箸が大根の中にスーッと入っていきました。そして二つに分けられた大根の断面を見てみますと、中までしっかりつゆの色で染められており、この大根にはたっぷりおでんのつゆが染み込んでいる事を証明しています。このままかぶりつくのは、やはり行儀が悪いですから、もう一度箸を使って1/4に切り分けて一口大に取り分けましょう。

 

準備は完了しました。早速一つ目の塊をいただきましょう。あぁ…口の中に大根を入れて、一度歯をたてますと、それに沿って大根が分裂して…中から美味しい出汁がたっぷり入ったおでんのつゆが染み出てきます。薄い醤油味に様々な旨味が混じった、とても複雑ながらも落ち着く味…これは堪りません。本当に至福のひと時です。不知火は、これまで駆逐艦寮の巡察など嫌われ役を引き受けてきましたが、このような美味しい物を食べますと、その苦労が報われた気がしてきます。この素晴らしい塊…まだ切り分けていない大根が二個、そして切り分けた塊が三個…今日はまだ楽しめそうです。

 

隣では、初雪がタコのおでんにかぶりついていますし、逆側では陽炎姉さんが、満足そうに竹輪のおでんにかぶりついています。私も冷めない内に、残りのおでんをいただいてしまいましょう。ふぅ…どの大根も、出汁がタップリ入ったつゆの味が最高です。初雪さんや陽炎姉さんには申し訳ないのですが、やはり大根こそがおでんの王様だと思います。えぇ、不知火の意見に間違いはありません。

 

はぁ…至福のひと時でした。つゆがしっかり染み込んだ大根を三つも食べる事が出来て、不知火は本当に満足です。さて…それではつゆが冷めてしまう前に、不知火のもう一つの楽しみを実行しなくてはいけません。鳳翔さんにお願いして出してもらった白米の上から、このおいしいつゆをかけて…。お茶碗の中に先程までおでんが入っていた綺麗なつゆが入り、そのつゆの中に白米の島が浮かんでいます。まずは白米をしっかりつゆに馴染ませて…少しお行儀が悪いですが、これを掻き込んでしまいましょう。

 

美味しさや旨味が凝縮したつゆとそれに分散した米のつぶつぶ感、これぞまさに至高の味です。隣を見ると陽炎姉さんも不知火と同じようにおでんのつゆを白米にかけ、さらに卵のおでんを潰して黄身なども分散させた物を掻き込んでいます。やはりこれがなければ、おでんを食べた気分にならないのは、不知火も陽炎姉さんも同じですね。

 

 

 

鳳翔

 

 

目の前の三人の駆逐艦娘がうれしそうにおでんを食べていますね。それにしても…不知火さん、本当に美味しそうにおでんのつゆをかけた御飯を食べていますね。先日はあれだけ問題を引き起こしましたが、今日の美味しそうにおでん等を食べる姿を見ているだけで、私もうれしくなってきます。

 

大根だけを食べるというのはどうかと思いますが、どこかの空母娘とは違いきちんとルールを守った上で楽しんでいるわけですから、私としても何も文句を言うつもりはありません(鳳翔さん…私もルールはそれなりに守っているわ。)。あら?不知火さんのお皿に横合いから大根が一つ追加されましたね。大和さんに今日も連れられてきた初霜さんからのプレゼントですか。

 

「あの…不知火さん。初霜の大根もどうぞ。とても美味しそうに食べていたから…初霜のもあげますね。」

 

「あっ、初霜さん。感謝します。しかし良いのですか?その大根のおでんは、初霜さんも楽しみにしていたと思うのですが…。」

 

「はい、一人でも喜んでもらえたら、初霜はそれだけで満足です。それに…比叡さんの下で一生懸命仕事をしている不知火さんは、最近金剛さんの手伝いをしている私から見たら同僚の一人ですから。」

 

あぁ、そういえば初霜ちゃんは最近金剛さんの下でお手伝いをしていましたね。たしかに、比叡さんに指示をしている秘書艦の金剛さんの下で仕事をしている以上、鎮守府の運営という点で不知火さんと初霜ちゃんは同僚と言えるのかもしれません。それにしても…初霜ちゃんが金剛さんの下で働いていると聞いて、悪い影響があるのではないかと心配してしまった私ですが、とんだ誤解だったようですね。初霜ちゃんは、何も変わっていないようでホッとしました。

 

「初霜は相変わらず他の艦娘にやさしいのですね。ですが、折角の大根のおでんが無くなってしまいましたから…代わりに豚肉と大根の塩焼きを注文してあげますから、一緒に食べましょう。」

 

「あっ、大和さん。ありがとうございます!」

 

あらあら…タコに夢中の初雪ちゃんは別ですが、陽炎さんと不知火さんは、羨ましそうに初霜ちゃんを見ていますね。まぁ、たしかに周りから見れば色々と大和さんに奢ってもらっている初霜ちゃんを羨ましがる艦娘は多くいますが、それ以上に初霜さんも大和さんのために働いているようですから、あまりそのような目で見てはいけませんよ。今年も鎮守府は平和で終わりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダークサイド 初霜

 

 

丁度良い所で、不知火さんに会えたわ。不知火さんは、比叡さんから駆逐艦寮の風紀粛清を任されている艦娘。言ってみれば、駆逐艦寮の憲兵さんのような存在ね。となると、不知火さんと良い関係を築くのは、初霜にはとっても重要ね。いざとなれば、金剛さん経由で比叡さんと直接話をつけてしまえば良いのだけれど…なるべくなら金剛さんに借りは作りたくないわ。

 

たしか鳳翔さんのお店で先日、不知火さんは大根のおでんを巡って問題を起こしていたから、大根のおでんがとっても好きな筈。だとしたら、不知火さんが一番喜ぶ物をあげるのが賄賂…いいえプレゼントとして一番ね。それに…ここで大根のおでんを不知火さんにあげれば、それを見ている鳳翔さんや大和さんからのポイントもアップで、初霜的には一石二鳥…いえ、おそらく大和さんが代わりの料理を注文してくれるでしょうし、不知火さんの好意も受けられるから…一石四鳥ね。

 

秘書艦の金剛さんからも、駆逐艦寮の風紀粛清を任されている不知火さんには、色々な形でプレゼントをして印象を良くしておくようにとも言われているし…本当に今日は良い機会になったわ。

 

憲兵さんへの贈賄?とんでもないわ。あくまでも、初霜は善意で不知火さんに大根のおでんを渡すだけ。贈賄だなんて考えてもいないし、見返りも求めていないの。…えぇ、表面的には。それに…これによって不知火さんが、勝手に初霜に配慮してくれるのは、不知火さんの問題だから初霜には関係ないわ。…これで、駆逐艦寮で初霜も動きやすくなりそうだし…来年も良い年になりそうだわ…ウフフフ。




おでん本当に美味しいですよね。名古屋生まれの筆者としては、味噌ダレのおでんも好きなのですが(これは、普通の湯で茹でて、最後に赤味噌を砂糖とみりんを使って伸ばしたタレにつけて食べるタイプです。)、そういう地方色豊かなおでんよりは、今回は一般的なおでんの方が良いかな…と考え、通常のおでんで書きました。ちなみに、筆者の好きなおでんの具材は、この作品の不知火と同様に大根です。この他に、さつま揚げや餅巾着も良いですし、結び昆布も結構好きだな…と。結局、ほとんど全て好きという訳ですねw。

さて、この物語の不知火も、他の方々の設定と同様に憲兵さん的な役割をしていますが、問題はその元締めが比叡…すなわち金剛派の艦娘という設定にしています(本人の自覚があるかは別ですが、職務に忠実ですから結果的に金剛を利する事になっているような…)。…という事は、秘書艦の金剛は鎮守府内の警察権のような物まで把握しているわけで…我等が鳳翔さんにとっても頭の痛い問題になっているようですね。もっとも、いざとなったら鳳翔さんには、提督の正妻という伝家の宝刀がありますし、空母勢をしっかり把握していますから直接的な力もあるわけですが…。

『鎮守府の片隅で』を書き始める際、あまり全体のストーリーを作らないで、個別の単発の話で書いていく予定だったのですが、やはりそれなりの話数になりますと、どうしても登場した艦娘の性格が固定されてしまいますし、それによるサイドストーリ的な位置づけでエピソードも出てきてしまい…結果的にストーリーらしき物になってしまっているかもしれません。ですから最近は、完全な単発物という形になっていないかもしれませんが、あくまでもストーリーは刺身のツマ、メインは料理物という形で筆者はこの物語を書いていますので、その辺りは笑って許してもらえるとありがたいです。

今回も読んでいただきありがとうございました。



おでんのレシピですが、基本的には好きなものを入れれば良いだけですから、おでんのつゆのレシピだけを紹介します。

おでんのつゆ(鍋一杯分程度のおでん用)
出汁   2 L
薄口醤油 100 mL
みりん  50 mL
砂糖   10-15g
塩 適量

少し濃い目のつゆが好きな人は、薄口醤油を少し増やせばOK

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