鎮守府の片隅で   作:ariel

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今回は凄く久しぶりに登場させる気がしますが、お馴染みの飲兵衛二人組の物語です。春の料理を巡って大酒を飲んで…な感じになると思いますが、果たして二人は無事に鳳翔さんの店を出る事が出来るのでしょうか…w


第四八話 千歳と山ウドの酢味噌和え

あら?あのお野菜は…そろそろ時期的に終わりに近づいていますが、まだ天然物が置いてあるのですね。あの形の不揃い感や色合いを考えますと、栽培物ではないでしょう。少しほろ苦さがありますが、春を感じさせる料理には欠かせませんから、これも購入しておきましょうか。

 

「八百屋さん?あの山ウドは天然物ですよね?全部購入したいのですが…。」

 

「あぁ…やっぱり鳳翔さんに見つかったか。いや…今朝うちの爺さんが持ってきてくれたから、仕入れてきた野菜と一緒に店に並べておいたんだが、なかなか気づいてくれる客がいなくてな。売れ残りそうだったから、今日はうちの母ちゃんにウド料理でも作ってもらうか…と思っていた所なんだよ。」

 

そうだったのですか。それは申し訳ない事をしてしまいましたね。しかし、お客さんが気づかなかったと八百屋さんは言っていますが、おそらく栽培物のウドに慣れたお客さんには、これがウドだと認識されていなかっただけではないでしょうか。一般的に売られている栽培物のウドは、地下で栽培されるため白い部分のみが売られていますが、今回私が見つけた山ウドは、それは立派な緑色の葉までついています。この緑色の部分は、一般的な白いウドと異なりほろ苦さがある事から、春の料理には欠かせない物なのですが…。まさか、この八百屋さんで手に入るとは思っていませんでしたから、私にとっては幸運でした。

 

「八百屋さんも今日の夜に山ウドを食べようと思っていたのでしたら、数本は結構ですから、残りを私に包んでもらえますか?」

 

「おっ、鳳翔さんそれでいいのか?それはありがたいな。それと、天然物の山ウドの緑色の部分はほろ苦いから、普通の栽培物の白ウドと一緒に…って、鳳翔さんには釈迦に説法だよな。ま、折角うちの爺さんが持ってきてくれた山ウドだから、今日は楽しんでくれよ!」

 

まさか手に入るとは思っていなかった春のお野菜が手に入りましたし…今日はこれを使って春の料理が作れそうですね。折角の天然物の山ウドです…このほろ苦さが生かせる料理…そうですね…定番中の定番かもしれませんが、これを使って酢味噌和えでも作りましょうか。この山ウドで作った酢味噌和えでしたら、きっとお酒が進む良いおつまみになってくれると思います。

 

 

それでは早速、ウドの料理を作ってしまいましょう。今回は葉までついた立派なウドですから、酢味噌和えには使わない葉の部分や皮の部分は人参などと一緒に炒めてキンピラ風に料理したり素揚げするとして…。まずはウドの皮を剥いて、少しアクを抜いておかなくてはいけません。今回は折角の山ウドですから、薄緑色の部分も酢味噌和えにするために一緒に皮を剥いておきましょうか。後からキンピラにする皮の部分もそうですが、皮を剥いたウドを酢水につけて、20分ほどさらします。後は注文があった際に、アクを抜いたウドを一口大に短冊状に切って、酢味噌をかけてお出しすれば良いだけですから、非常に簡単な料理なのですが、これぞまさに春の味覚だと私は思うのです。酢味噌は、少し甘めの酢味噌を作るために、今回は味噌と砂糖と酢を混ぜて作っておきましょう。

 

酢味噌和えの下準備は一段落つきましたから、次はキンピラも作ってしまいましょう。こちらは、ウドの身と同じくアク抜きをした皮を細切りしてから、水気を切って一気に炒めてしまいます。今日は人参がありますから、これも細切りして一緒に炒めてしまいましょう。ただしあまり炒めてしまいますと、折角のウドのシャリシャリ感が無くなってしまいますので、強火で一気に火を通してしまいます。後はここに砂糖、醤油、みりん、ごま油を使って少し濃い目の味に仕上げたら完成です。こちらも簡単な料理ですが、お酒のおつまみには最高だと思いますので、お酒が進む事間違いなしでしょうね。

 

最後にウドの葉の部分ですが…これは素揚げにしておきましょうか。折角の貴重な天然物の山ウドですから、全てを料理しなくてはもったいないですからね…。今日はお酒に合う美味しいおつまみが揃いそうです。日本酒が好きな伊勢さん、日向さん、そして妙高さん達も喜んでくれるのではないでしょうか。

 

 

「こんばんは~、鳳翔さん。まずは…お酒が欲しいわ。最近は暖かくなってきたから、冷で。えっと…あっ、いい物見ぃつけた!そこにある真澄の辛口生一本でよろしくね!隼鷹はどうするの?」

 

「ここで日本酒以外の選択肢なんて、あたしにはないよ~。鳳翔さん、千歳と同じの頼むわ~。あっ、ジョッキで。」

 

…よりにもよって、こんな日に真っ先に来店したのは、この飲兵衛の二人ですか…。隼鷹が訳の分からない注文をしていますが、当然却下です。日本酒はジョッキで飲むような飲み物ではありません。それにようやく来た春ですし、この二人にも多少は季節感を持ってお酒を楽しんでもらいたいものです。折角ですから、今日はウドで作ったつまみもありますし、これを勧めて見ましょうか。

 

「二人とも、あまり飲みすぎはいけませんよ。それに折角の春なのですから、春らしい料理も一緒にいかがですか?」

 

「あの…鳳翔さん、これ普通のコップだよ?あたしが頼んだのは、ジョッキなんだけ…(私のお店では、これが『日本酒用の』ジョッキですよ、隼鷹。何か問題がありますか?)…い…いや、確かにこれがジョッキだよね、うん…いただきます。」

「春らしい物ですか、鳳翔さん。春らしいと言えば…花見酒…日本酒や日本酒や日本酒がいいかも…私、今日『も』たくさん飲もうかしら。」

 

「おぉ!千歳、流石に千歳は季節感があるね~、あたしも千歳にならって、日本酒や日本酒を頼んで、季節感を味わうよ!ヒャッハ~!」

 

…私は空母寮を既に退寮していますので、この問題児達を四六時中見ている訳ではありませんから、このような事があっても多少頭が痛くなる…だけで済むのですが…。いつも彼女達の尻拭いと面倒を見ている友人の龍驤には、同情するのと同時に、私の仕事を押し付けてしまったような気持ちになり申し訳なく思ってしまいます。あの人の話では、今度開始される大作戦にも龍驤は出撃するようですし…今度うちに来たら労ってあげないといけませんね。…いえ、その前にまずは目の前の問題児達をなんとかしなければ…。

 

「(バンッ!)二人ともいい加減にしなさい!いくら作戦待機前の休暇で気が緩んでいるとはいえ、そんなにお酒ばかり飲んでいてはいけません。今日は春にふさわしいおつまみも作っていますから、それを食べながら少しは落ち着いて飲んだらどうですか?」

 

「わ…分かったよ~。今日は少し自重して飲むよ…。」

 

「ほ…鳳翔さん。ち…千歳も本当は春らしい気分になりたかったので、よ…喜んで春のおつまみをいただきます。」

 

どうやら飲兵衛の二人も素直に私の提案を受け入れてくれたようですね。それでは準備していました、ウドの料理を二人に出して、今日は少しでも春らしさを味わってもらいましょうか。

 

「二人とも、今日は丁度ウドで作った料理を準備していますので、どうぞ。」

 

 

 

軽空母 千歳

 

 

ふぅ…。最近、私と隼鷹は鳳翔さんに怒られてばっかりかも。でも、いきなり鳳翔さんに『春らしい料理も頼んでみたら?』と言われましても、いつも私達は鳳翔さんが黙って出してくれる料理を楽しんでいただけですから、少し困ってしまいます。たぶん、妹の千代田でも同じ反応じゃないかなぁ…。それに鳳翔さんが勧めてくれる料理は美味しい料理ばかりだから、いつも全然不満はないですから…。何度か飲み友達の隼鷹と、『偶には違うお店で飲もう』という事で、鎮守府の外の飲み屋にも行ったのですけど、これまで鳳翔さんのお店の味に慣れ親しんでしまった私達には、外の飲み屋さんのおつまみや料理が口に合わなくて…。結局、数軒はしごをしても気に入った飲み屋が見つからなくて、鎮守府に戻ってきた事も何度かあったんですよね。

 

だから、いつも私達が凄く美味しいおつまみや料理を食べながら、お酒を楽しんでいるのは分かっているんですよね。まぁ千代田からは、『千歳お姉ぇは、もっとお酒を控えないと…』と言われているけど、こればっかりはどうしようもないわね。たぶんこれは、鳳翔さんのお店の料理が美味しすぎてお酒が進んじゃうのが原因だと思っているけれど、こんな事を千代田に言ったら怒られるし、鳳翔さんに知られたら、入店禁止になってしまいそうだから…絶対に言えないですけどね。

 

さて気を取り直して、今日も出されたおつまみで美味しくお酒を飲もうかな。この真澄の辛口生一本は、すっきりとした飲み口だから、どんな料理でも美味しく飲めるのだけれど、あれだけ鳳翔さんに勧められた春のおつまみだから、少し楽しみですね。私の目の前に並べられた料理は三つ。一つは白と緑色の野菜の上に、少し黄色っぽいお味噌が載った料理、そしてこれはキンピラ牛蒡かな…でも牛蒡とはちょっと違うかしら。後これは…緑色の野菜の素揚げね。素揚げは塩で食べれば良さそうだけど、今日のおつまみは味付けがシンプルそうだから、野菜その物が美味しいのでしょうね。こういうシンプルそうな味付けの料理はお酒にも合いそうですし、早速食べましょうか。

 

あっ、この白い野菜はウドですね。このシャリシャリ感、そして口に近づけた時にフッと鼻に入ってくる春の匂い。たしかに鳳翔さんが勧めてくれたように春らしい気持ちになれる素敵な料理ですね。そして上に載っていた黄色い味噌は酢味噌ですね…。この味噌に混じった少し強めの甘味と程よい酸味が、ウドの癖のない味と混じると全体の味にアクセントを加えてくれて、とてもお酒が…いいえ食が進んでしまいます(日本酒、お代わりお願いしますね!面倒なので三合徳利で。)。この白い野菜がウドだとすると、一緒に入っている緑の部分は…ひょっとして今日は山ウドが手に入って、白い部分と緑色の部分の両方を楽しめるような料理になっているのかしら。

 

…ん…はぁ…やっぱり、この緑色の部分は山ウドの緑色の部分ですね。白い部分よりも春の香りが強いですし、白い部分の癖のない味とは異なり、舌にほろ苦さがしっかり感じられます。しかしこのほろ苦さも、酢味噌と一緒に食べる事で緩和されますし、何と言ってもこのほろ苦さこそが春を強く感じさせてくれます。これは…どんどんお酒を飲まないといけませんね(日本酒、次のお代わりお願いします、鳳翔さん。何度も注文するのは嫌なので、次は五合徳利で。)。この舌に感じるほろ苦さを辛口の日本酒で洗い流すと、またこのほろ苦さが欲しくなる…本当に癖になる味かも…。あら?隣の隼鷹も私と同じように感じているのかしら…。いつも騒がしい隼鷹が、さっきから黙って日本酒とウドの酢味噌和えを忙しく交互に口に運んでいますね。

 

となると、このキンピラもキンピラ牛蒡ではなく、ウドのキンピラのようですね。先程の酢味噌和えとは違って、醤油がベースのキリッとした味の濃さが光る、見事なおつまみです。同じウドの料理でも、先程の酢味噌和えは異なり、濃い目のしっかりした味で、なおかつウドのシャリシャリ感と一緒に入っている人参のシットリ感が…これも日本酒がとても進みます。鳳翔さんは、私達に少しはお酒を控えるように…なんて言っていましたが、こんな料理を私達に出しておいて、あの言葉はないと思いますよ(鳳翔さん、お酒無くなってしまったので、もう一回お代わりを。次も五合徳利でお願いしますね)。

 

ここまで来れば、最後の素揚げの中身も簡単に予想がつきます。これは山ウドの緑色の部分を素揚げにしたものです。そうなると味は容易に想像がつきますし、私の中でこの料理へのワクワク感が更に広がります。それでは、この想像が正しいか確かめなくてはいけませんね。まずは日本酒で先程まで食べていたキンピラの濃い味を一度洗い流して…この素揚げに少しだけ塩を振ってからいただかなくてはいけません。

 

…はぁ、想像どおりの味ですね。素揚げされて表面がパリッとしていますが、その表面を噛んだ後にやってくるほろ苦さ…そして少し振った塩の塩味。これは本当に素晴らしいおつまみです。いいえ、おつまみとして食べるにはもったないと思う程素晴らしい料理です。…はぁ…何故か知りませんが、少し頭がボーッとしてきてしまいましたが、私今日そんなに飲んでいましたかね。たぶんこれは、春の陽気を感じてリラックス出来たために、頭が少しボーッとしてきただけでしょうね。こんな素晴らしい春の味や香りを楽しむことが出来て、今日はとても幸せです。…ふぅ…。

 

 

 

鳳翔

 

 

…この料理を、この飲兵衛の二人に出したのは大失敗でした。いえ、料理自体はとても気に入ってもらえたのだと思います。ただ…あまりに気に入ってしまったのか…もしくはお酒にとても合ったのか…どちらが理由なのかは分かりませんが、千歳も隼鷹も、お酒を空けるペースが早い事早い事。最初に私が『今日は少し落ち着いて飲んだらどうですか』と忠告したのですが、あっという間に冷酒が最初のコップから無くなってしまいましたし、大型徳利で追加注文したお酒もどんどん消えていきます。二人とも同じくらい注文していますから、既に飲んだ量は一人辺り優に一升は超えていますね…。

 

このままでは、今日はあっという間に二人とも引っくり返る事になりそうですね。いつもでしたら、やかましくお話をしながら飲んでいる二人ですが、今日はほとんど会話もなく、ひたすら料理とお酒を口に運んでいます。まぁ作戦前の貴重な休暇ですし、それだけこの料理を気に入ってくれたという事ですから、今回はお互いの姉妹艦に連絡して連れ帰ってもらうのは止めて、ゆっくりこのお店で休ませてあげましょうか。いつもいつも姉妹艦から怒られていては、この二人も嫌でしょうし、折角の春の陽気の中で楽しい時間をお互いに過ごしているのですから、偶にはこうしても良いと思います。

 

「あ…あれ?…あれれれ?…あたし…もう沈むの…?マジ?(バタン)」

 

「千代田…後の事は……頼んだわよ (バタン)」

 

あらあら…今日はあっという間に轟沈です。今日は珍しくカウンター席も空いていますし、毛布でもかけてそのままにしておいてあげましょう。

 

…そういえば、今日はいつもカウンター席で見かける大和さんと初霜ちゃんのペアも居ませんね。何かあったのでしょうか。

 

「あの…長門さん。すいませんが、そこの毛布を取ってもらえますか?この二人にかけてあげようと思いますので。それと今日は大和さん達の姿が見えませんが、何かあったのですか?」

 

「あぁ、鳳翔さん。この毛布でいいんだな?それにしても、この二人がこんなに短時間で酔いつぶれるとはな…珍しい物を見たな。まぁ、このおつまみは私もとても美味しいと思うから、気持ちは分かるが。…あぁ、大和は先日から南方に出撃中だ。たしか今日の夜遅くに鎮守府に戻ってくるのではなかったかな、陸奥?」

 

「そうね、たしか今日の夜に戻ってくるはずよ。なんでも提督に無理を言って、今度の作戦前に艦隊運動と護衛艦隊との連携をチェックをしたいという事で、護衛艦隊に矢矧や二水戦の天一号組を連れて行っているわ。提督は『燃料が…弾薬が…』と困っていたみたいだけど…。」

 

なるほど。大和さんも次の作戦に参加するために、自分の直掩艦隊との連携を再確認するために出撃しているのですね。そういえば、正規空母娘達も今日は訓練が長引いているようでまだ来店していませんし、今度の作戦に出撃予定の子達は既に作戦準備に取り掛かっているようですね。折角春の味覚を今日準備していたのですが、今回は大和さんや初霜ちゃんはお預けになりそうです。長門さんや陸奥さん達の話では、明日には戻っているという事なので、明日は何か違う春の味覚を準備してあげた方が良さそうですね。今日はいつもであればやかましい二人が、あっという間に沈黙してしまいましたし…鎮守府は平和…。

 

「鳳翔~。これだけでは、我輩には足りぬぞ?むぅ…何度も追加注文をするのは面倒くさいのぉ…。そうじゃ!そのボウルをそのまま我輩に寄越すのじゃ。我輩が綺麗さっぱり全て食べつくしてくれようぞ。幸いな事に、あの意地汚い正規空母どもはまだ練習から戻っておらんようだしのぉ…今の内に我輩が全部食べてしまうぞ!」

 

「利根姉さん…恥ずかしいから止めてください。それに…」

 

ガラッ

 

「こんばんは鳳翔さん。ようやく私達空母組も今日の訓練が終わりました。もうお腹がペコペコですから、何か…。あら、そのボウルの中身は。それはウドの酢味噌和えですね?…やりました。」

 

「加賀。その料理はもう我輩のものじゃ!」

 

「そ…そんな…。流石に頭に来ました…。」

 

全く…本当に皆さん困った人ばかりです。折角いつもは騒がしい二人が、珍しく早々に酔いつぶれて静かになったと思ったのですが…今日も賑やかな夜になりそうですね。




もうすぐ春のイベントが始まりますね。【発令!第十一号作戦】との事ですから、空母機動部隊の出撃になりそうなので、正規空母娘+高速戦艦四姉妹が活躍してくれるかな…と思っています。問題は…前回の冬イベントと同様にバケツを消費しての短期決戦をせざるを得ないリアル状態のため、今回も『丙提督』になりそうですがw。とはいえ、なんとかイタリアの戦艦娘を迎え入れたいところですね。もしイタリア娘が手に入りましたら、この物語で鳳翔さんのイタリア料理が出る事になるのかも^^;(そうなったらそうなったで、ビスマルクを筆頭とするドイツ艦娘派閥との抗争が勃発しそうですがw)

さてウドの料理です。話に聞くところによると、一般的なウドは、日に当たらないように防空壕の跡地で栽培されているようで、そのため味に癖のない白い美味しいウドが店頭によく並ぶようですね。とはいえ、今回のお話で出しましたように、ウドの緑色の部分もほろ苦くて私はとても好きでして…。そんな事もあり、今回は山ウドを登場させて、鳳翔さんに料理をしてもらいました。キンピラには緑の部分は合わないと思いますが、酢味噌で味がマイルドになる酢味噌合えや、シンプルに素揚げや天婦羅にする場合は、このようなほろ苦い部分が非常に合いますので、機会があれば一度是非トライしてもらえたらと思います。

今回のこの物語の鎮守府では、次のイベントを目指して正規空母娘達や戦艦娘の一部が追加訓練に出向いていますので鳳翔さんのお店がいつもより少し空いている状態です。飲兵衛の二人は今回はおそらく鎮守府待機組ですし、作戦参加がほぼ確実視されている航空巡洋艦の利根達は普段から忙しいので、あえてここで追加の訓練をしなくても…な感じで来店させました。いずれにせよこの後、利根VS正規空母達のウドのおつまみを巡る醜い争いが起こる事は、ほぼ確実ですが…おそらく最後は鳳翔さんに怒られて痛み分けになるでしょうね^^;

以前、私の友人で飲兵衛の奴が言っていたのですが、『美味しく酒が飲める店というのは、料理も上手い店だ』らしいです。私は食べる方が多いのですが、酒の方が多いその友人が言うには、同じ種類の日本酒を飲んでいても料理が上手い店と下手な店では、料理が上手い店の方が美味しく飲めるとの事。まぁ、考えてみれば当たり前の話ではあるのですが、やはり美味しい酒は美味しい料理で楽しみたいものです。

次回ですが、少し書いてみたいネタが出来てしまいましたので、おそらく鳳翔さんが全く出ない外伝になると思います。今回も読んでいただきありがとうございました。



山ウドの酢味噌和え(四人分)
山ウド(通常のウドでもOK) 1~2本
味噌             20 g程度
酢             15 mL程度
砂糖             30 g程度
(酢味噌の量は、比率を変えなければ良いので、総量はお好みで)


ウドのきんぴら(四人分)
ウドの皮 使用した分
人参  1/2~1本(ウドの皮の量に対応して調整を)
醤油  20-30 mL
砂糖  15-20 g
みりん 30-40 mL
ごま油 適量

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