社員さんが副業でホストをやっていたら   作:主義

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白上フブキ編②

 

「あ、社員さん!」

 

 

「白上さん?」

 

 

「来ましたよ~」

 

そう言いながら白上さんは僕の胸の中に飛び込んできた。

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「白上は社員さんの近くじゃないとだめなんです」

 

 

「そ、そうですか……」

 

 

「だから白上の側にずっと居てください」

 

 

「…分かりましたから一旦離れてください」

 

 

 

そして僕と白上さんはしっかりと席に付き、お酒を作って、お互いの近況について少し話した。

 

 

 

 

「それにしてもこれで本当に社員さんはホストですね」

 

 

「そうだね。今までは副業という形だったけど本当にホスト一本で生活していかなくちゃいけない」

 

貯金をしっかりしておいたのがここに来て役立つ。さすがにこのままホスト一本で生活するのは少し現実的じゃないので、次の職場を見つけるまでの小遣い程度を稼げればいいと個人的には思っていたりする。

 

 

[でもこれで白上は遠慮なく、社員さんと一緒にいられるよ」

 

 

「いや、普通は居れないでしょ。一応僕は会社をクビになった人間ですよ。そんな人間と一緒にというか、そんな奴のところにお客さんとして通っているとかマズイと思いますが」

 

 

「全然。逆に今まで社員さんがホロライブで働いていたから行きにくかった。バレちゃいけなかったし。でも、これからはそんなことを気にせず、ずっと社員さんの近くに居られる」

 

会社の人はもうちょっと白上さんの制御をした方が良いと思う。この狐さんは本当に好きなように動いてしまうので、しっかり手綱を引いておかないと。それに会社としても白上さんがここに通っていることをバレるのはスキャンダルになる可能性もあるんだから。

 

 

「まぁ…白上さんがお客さんである限りはしっかりとおもてなしをしますよ」

 

 

「うん!!白上のことをおもてなしして!」

 

 

 

 

 

 

「一つお願いしていいかな?」

 

 

「なんですか?」

 

 

「これからホロメンが来るかもしれないけど、その子たちの前で『白上フブキ』が一番好きって言って」

 

 

「僕に何をさせるんですか。それにホロライブメンバーの方はもう来ないと予想していますよ」

 

 

「それはないよ。白上みたいに他の子たちもすぐにここに来るようになると思う。それは社員さんがいくら予想しても難しい」

 

 

「そんなもんですか」

 

 

「うん、だって乙女心ってとても複雑なんだよ。今までスタッフさんのところに通って来たのは…少なからず社員さんに対して好意を抱いているから」

 

 

「…それこそないと断言できますよ。僕はメンバーの方に好かれるようなことをした覚えはないので」

 

 

「はぁ…本当に社員さんは分かってないなぁ…」

 

 

「そ、そんなため息を使えるようなレベルですか」

 

 

「そうだよ。女の子は特別なにかをしてくれたから惚れたりするわけでもないんだよ。普通に生活していく中でこの人いいなぁと思って惹かれていく時だってあるし、本人は何気ないことだと思ってやったことが相手には印象的に刻み込まれている時だってあるんだから」

 

そういうものなのかな。僕はあくまで男なので女性の気持ちというは分からないし、今まで理解しようとしてこなかった。だってする必要性をあんまり感じてこなかったというのが…正直なところ。

 

 

「僕には理解できないが、白上さんが言うならそうなんだろう。だが、その話を聞いても僕がメンバーに好かれているとは考えにくいな」

 

 

「…それでこそ社員さんですね。本当に鈍感で自分に対しての評価が低いです」

 

 

「自己肯定感はそんなに低くはないと思うが…」

 

 

「では、客観的に自分というものを理解していないのかもしれません」

 

 

「確かにそれはあるかも。最後に自己分析とかしたのは就活の時だし。あの頃から色々と変わっているだろうし」

 

そしてそんな風に話していると白上さんは自分のグラスではなく、僕のグラスの方のお酒を勢いよく飲んだ。

 

 

 

「白上は社員さんのこと好きです!!」

 

 

「ま、また酔っ払い発動ですか?」

 

 

「ち、ちがうもん!!まだそこまで酔ってないし!」

 

 

「じゃあ、なんで目の前のグラスじゃなくて僕のグラスの方を飲んだんですか?」

 

 

「それはのみたいから!!」

 

 

「理由になってませんけど」

 

その後も白上さんはどんどんお酒を飲んでいくので顔や耳が赤くなるのは時間の問題だった。

 

 

「ふぶきはしゃぁいんさんのことだぁいすきぃ~~」

 

 

「だ、だきついてこないでください!」

 

 

「いっしょ~いっしょ~~」

 

 

「白上さん、しっかりとよりは保ちましょうよ」

 

 

「いやぁだ~ふぶきときみはずっ~といっしょ~」

 

 

「一緒じゃないですよ。離れてくださいね」

 

 

「いっしょなのぉ~」

 

白上さんは隙あらば僕の体や服を掴もうとして来るので必死にそれを抑える。このままだと前と同じで白上さんは酔って行動が出来なくなってしまう。

 

なのでこうなってしまった以上は早いうちに帰した方がいいかもしれない。

 

 

「白上さん、そんなに酔っちゃったんだったら帰りますか?」

 

 

「かえらない!」

 

 

「帰りましょう。このまま続けて明日の仕事に支障が出ても責任とか負えませんし」

 

 

「か、かえらないもん!!ずっとぉここにいるもん!!!」

 

白上さんはなぜか胸を張りながら言い始めた。

 

 

「帰った方がいいですって」

 

 

「かえらない!」

 

 

「料金はいらないので帰ってくださいよ」

 

 

「かえらない!」

 

このままだとずっと平行線で一生交わることはなさそうなので強制的に家に帰すことにしようかな。でも、白上さんの住所とか分からないしと考えたところで僕は一つだけ案が思いついた。

 

携帯を操作してあるところに連絡するとその人はすぐに迎えに来てくれるということだった。

 

 

 

 

 

しばらくするとその人物がホストクラブにきてくれた。

 

「こんなところまでご足労頂いて本当にありがとうございます、大神さん」

 

 

「ううん。こっちこそ、フブキが色々と迷惑を掛けちゃってごめんなさい」

 

 

「いえ、白上さんはお客さんとして来てくれただけなので」

 

そして大神さんは白上さんのところまでいって「帰るよ」と言うと白上さんは「みお、かえらないもん!」と言い続けている。大神さんはそんな白上さんのことなんか気にしていないようでお姫様抱っこをして白上さんを運んでくれた。

 

 

「一応、タクシーは呼んでおいたのでそのタクシーに乗って帰ってください」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「こっちがお願いしたことなので。お金に関してはこれぐらいで」

 

僕は大神さんに5万円を渡した。

 

 

「え、こんなにはいらないですよ!」

 

 

「いいんです。大神さんには前のこともありますし、今回だってこんな時間にホストクラブにまで来させちゃったんですから」

 

大神さんはその後も納得できていないようで返そうとしてくれたけど、僕がどうしても引き下がろうしないのでさすがに諦めたようだった。

 

「それじゃあ、大神さん。白上さんのことをよろしくお願いしますね」

「わかりました。しっかりと任されました」

 

 

 

大神さんは白上さんのことをお姫様抱っこをしたまんま去っていった。さながら、お姫様と王子みたいだった。

ホロメンが社員を接待するというシチュエーションだったら誰がいいですか?

  • 天音かなた
  • 夜空メル
  • 常闇トワ
  • 猫又おかゆ
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