「天音さん、離れてくれませんか?」
「なんでぇ?」
「明らかに近すぎますよ…」
「え~~」
天音さんは靴も脱いで、隣の僕に抱き着いている。一番おかしいのはまだお酒も入れてないし、天音さんがホストクラブに来て、5分ぐらいしか経過していないんですよね。
「…ほ、ほんとうにどうしたんですか…。お酒を飲んでから来たんですか?」
「のんでないよぉ~」
天音さんの吐息が当たるほどの距離にいるが、お酒臭くもないんだよね。さすがにこれぐらいになるまで飲んだらお酒の匂いがしてもいいと思うんだよね。
「ねぇねぇ~はなれないでよぉ~」
「さすがに少し驚いてしまって…」
「ぼくはしゃいんさんのことすきだよぉ~」
「そうですか。それはありがとうございます」
半分酔っているような人の話は話半分で流しちゃうのが一番いいからね。ここにファンの方でもいようものなら僕は袋叩きにあうところかも。
「え~~しんじてないでしょ」
「いや、信じていますよ。本当にありがとうございます」
「だきしめて…」
「わ、分かりましたよ」
僕は天音さんのことを優しく抱きしめた。お客さんが望むようなことをしてあげるのがホストの仕事だと僕は思っている。自分に出来る限りのことであれば。
「…あったかい…しゃいんさんって…しんぞうのおとがきこえる」
天音さんを抱きしめて改めて思ったけど、やっぱり女性はか細い。すぐにでも砕けてしまいそうなほどに細い。割れ物を扱うように優しくしないと天音さんが苦しいと感じてしまうだろうから。
それから5分以上も僕と天音さんは抱きしめ合った。天音さんは簡単に離してくれなくて中々離れることが出来なかった。
「しゃいんさんはやっぱりいいなぁ…」
「そうですか?」
「う~~ん」
「どうしたんですか?」
「…あたまぁ~」
すると、天音さんは僕の手を取って自分の頭の上にのせた。
「なでてぇ~」
僕は髪の毛を乱さないように優しく撫でることを心がけた。毎度、思うことだけどそんなに撫でられるって気持ちいのかなぁ。だって今も天音さんはとても気持ちよさそうな顔をしていますし。
「やっぱりいい~~」
「そんなにいいんですか?」
「いいよぉ~」
それからも天音さんの望みをかなえてあげているといつの間にか、天音さんは寝てしまった。元々いつ寝てもおかしくないほどに酔っている感じだったし、来る段階でお酒を飲んでいただろうに店に来てもお酒を飲んでたし。
さすがにこのままほっとく訳にもいかない。近くのビジネスホテルでも取って寝かせるのが一番いいのかな。でもさすがに女性を勝手にホテルに運ぶのはあまり宜しくない気もするんだよな。だからと言って僕の家に運ぶわけにもいかない。天音さんの自宅の場所も知らないし。
そして苦渋の決断をした。ホテルに運ぼうと…。オーナーに事情を離して今日は上がらせてもらうことにした。本当だったらこの後も掃除とか反省会とか色々とやることがあるから。
僕は天音さんをおんぶしてホテルへと運ぶ。予想以上に天音さんは軽くて簡単におんぶが出来てしまった。近くのホテルを一部屋を借りてベッドに寝かせた。天音さんは気持ちよさそうに眠ったまんまで全く起きる気配がない。
僕はベッドの隣に自分が座るようの椅子を置いた。そこに腰を下ろして天音さんが起きるのを静かに待つ。
「本当に整った顔をしているな」
僕が女性でここまで整った顔立ちだったらもっとこれを利用していたと思うな。でも天音さんは決してそんなことをすることない。
「…本当に可愛いですね」
すると天音さんの顔色が赤くなっていった。もしかして、熱でも出たのかと思って体温計でも買ってこようと椅子を立ち上がると同時に天音さんが体を起こした。
「な、なにを言っているの!!!」
顔を真っ赤にさせ、天音さんは涙目になりながら僕に言った。
「…い、いや、ただ可愛いと思ったので可愛いと言っただけですよ。それにしても起きてくれて良かったです」
僕は起き上がった天音さんのおでこを触って熱がない事を確認して一息を付く。熱だったら急いで薬なども含めて買いに行かないといけなかったので。
「…な、なんで…おでこを…」
「顔が真っ赤なのでもしかしたら…熱があるのかなぁと思っちゃって。でも、触った感じだと熱はないと思うので大丈夫そうですね」
それから天音さんと僕はホテルで一夜を過ごして、それぞれホテルから明日の仕事に向かうことにした。安心して欲しいのはタレントさんと関係を持つことはない。そんなことになってバレでもしたらホストとして働いている以上にヒドイことになるのは目に見ていますし。
作者のモチベーションのために感想を――――
ホロメンが社員を接待するというシチュエーションだったら誰がいいですか?
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天音かなた
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夜空メル
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常闇トワ
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猫又おかゆ
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潤羽るしあ