元モルモット君ダイワスカーレットと、モルモット君が大好きすぎるアグネスタキオントレーナー 作:雅媛
1 新学期
私がウマ娘になってから1週間、新学期が始まる。
新学期が始まればトレーナーにもいろいろ仕事が始まる。
そのうちの大きな仕事は教官の仕事だ。
ウマ娘たちに一般教養を教えたり、担当トレーナーが居ないウマ娘にトレーニングの指導をするのが教官の仕事だ。
そしてそれは、一部のトレーナーが持ち回りで行っていた。
担当が5人も10人もいるチームを受け持つトレーナーの場合、管理業務が忙しく教官の仕事までできない。
だが、新人や担当を持っていない、もしくは持っていても少数のトレーナーは教官の仕事をしていることが多い。
私だってトレーナーになって1年目は教官の仕事をしていたし、タキオンが卒業後は担当を持たずに教官の仕事をしていた。
主な受け持ちは歴史の授業と、レースに関する座学である。
教官をしていればそれなりに給料がもらえるし、良さそうな子を担当にするのも楽な場合が多い。そういう意味では手間に見合っただけのリターンもあるポジションだった。
私はウマ娘になったので、この教官の仕事はどうしようかと学園とも少し話したが、すでに新学期からのカリキュラムの割り振りが決まっていたため変更も難しく、そのまま授業をすることになった。
「それで、問題は服装なんだけど」
「今のその恰好でいいのでは?」
「……」
「いひゃいよとれーにゃーくん、ほっぺひっぱらにゃいれくれ」
タキオンが今着ているタンクトップホットパンツの格好で授業行くことを提案したので思わず頬を引っ張る。
確実にダメな格好である。普段の外出すら戸惑うレベルの服装で、トレセン学園の教壇には立てない。
とはいえ自前で今持っているのは、これに似た服かトレセン学園のジャージである。ジャージを着て授業もそれはそれで問題だ。
普通の学校ならばジャージを着ている先生もいるが、トレセン学園はお嬢様学校なので、雰囲気的にそういったラフな格好は推奨されていない。
できればちゃんとした服装をしたいのだ。
「そもそもタキオンはどんな格好をしていくつもりなんだ」
「私は勝負服で行くよ。白衣だしちょうどいいだろう?」
タキオンは新学期から、早速化学と物理学を受け持つことになっていた。
当初は、私としてはチームのサブトレーナーになってもらって、新入生を担当してもらおうかとか考えていたのだが、現状タキオンは私の担当トレーナーである。元担当ウマ娘が担当トレーナーになるという複雑な状況だが、何にしろタキオンは普段は私のトレーニングに注力してもらう予定であった。
だが、私自身も日中はトレーナーとしての仕事があるので、タキオンも私のトレーナーとしての仕事がない。そもそも最初の予定でも担当は一人か二人ぐらいしかとらない予定だったので余裕がかなりあったのもあり、タキオンも教官の仕事もすることになった。
そして授業の時の服装は、勝負服で行くらしい。
まあ、勝負服は正装だから問題はないだろうし、白衣モデルの勝負服と理科の先生の相性はいいだろう。
汚した時の洗濯が大変なのが欠点だが…… その場合は普通の白衣を着せればいいだろう。カレーうどんは食べないことを祈る。
「ひとまず私の服を買いに行くから、付き合ってよ」
「構わないが、どんなのを買うか考えているのかい?」
「……うーん」
タキオンに何も意見を言わずにお任せで服を選んでもらうとまた露出の高い服を選ばれそうである。
なので、タキオンにすべてを任せずに自分で大まかなイメージを決めてから買いに行った方がいいだろう。
と言っても服について何も知識がない。だから、誰かの格好を見本にイメージをするしかない。
少し考えて、ぱっと思いついたのはたづなさんであった。
あの人の緑のスーツっぽい服はおしゃれでいいと思う。
とはいえ緑色の服だと私の赤い髪と合わさったらクリスマスツリーみたいになってしまうので別の色がいいと思うが……
「あのたづなさんのみたいな服がいいかな。色はそうだね、赤とかで」
「ふむ、なるほど。じゃあさっそく探しに行こうか」
「女性向けのお店の当てとか全然ないんだけどタキオンは何か知ってる?」
「ああ、駅前のデパートにそういう店があるからそこにしよう」
どうやらタキオンにもうまく伝わったようだ。
タキオンの案内で、駅前のデパートへと向かうのであった。
タキオンに連れてこられた店は、デパートにあるウマ娘用の服を扱う店だった。
明らかに高級な雰囲気で、オーダーメイドまでしているという店だから絶対に高い。
気圧されている私をしり目に、タキオンは慣れた雰囲気で店のスペースに立ち入ると、お店の人を呼んだ。
「すまない、私たちはトレセン学園の教官なのだが、彼女にフォーマルな感じの服が欲しくてね。テーラージャケットにタイトスカートの組み合わせで、イイのないかな? 色はできれば赤がいい。彼女が赤が好きなんだよ」
タキオンがお店の人と話し、てきぱきと決めていく。
こちらはまるで分らないので、タキオンの注文を聞いているだけである。
タキオンは、私の体のサイズのデータを書いた紙を渡しながら、さらにいろいろ説明を加えていく。
「時間があまりないからセミオーダーで、今日中に作ってほしい。スカートの丈は短くていいよ。彼女の脚は魅力的だから。ああ、走る可能性もあるからスリットは深めで」
何を言っているかわからないのだが、タキオンの説明で一着の服が出てきた。
真っ赤なジャケットとタイトスカートの組み合わせだ。
正直かなり派手である。
同時にタイツと白いブラウスも出てきた。
「スカーレット君、タイツはたぶんサイズが合うし、ブラウスもサイズが合ってるだろうから大丈夫だと思うから、試着して、それで、サイズに問題なければスーツの方も試着しよう」
「わ、わかった」
タキオンに渡された服を着るべく、試着室に入る。
当然のようにタキオンもついてきた。
タキオンの手伝いがないと尻尾穴通らないし……
ひとまず下着だけになると、ブラウスを羽織って、タイツを履く。
サイズは特に問題はない。タイツの方は、尻尾穴を通さなくていいローライズなものである。
そしてひとまず先にスカートを履く。
タキオンに手伝ってもらって尻尾穴を通しながら履いてみる。
ちょっと腰がみっちりしてお尻が少しだけきついのだが、これくらいでいいのだろうか。
「これ、こんなもんなの?」
「伸縮性があるから動くのに支障はないと思うよ」
「あとスリットが結構深いんだけど」
「走れるようにだね。普通だよ」
膝上20cmぐらいとなかなか短いし、スリットもかなり深くて下着が見えてしまいそうなぐらいだが、タキオンがそういうなら普通なのだろう。
走れるようにするならしょうがない。
上着を羽織り、ネクタイを締めれば完成である。
「わるくないかな」
「よく似合ってるよ」
鏡を見て自分の姿を確認するが、結構いい感じではないだろうか。
赤が派手だが、自分としても似合ってると思う。
少し動いてみたが、スリットもそんなに気にならない。むしろ動きやすくてちょうどいい。
たづなさんの服と似ているし、ちゃんとしたお店で買うものだから、そんなにおかしくもないだろう。
「じゃあこれで」
「わかったよ。じゃあそのスーツと、あとブラウスとタイツを5枚ずつ」
タキオンがスーツインナーの予備も頼んでくれたので、これでひとまず暫くは大丈夫だろう。
値段が結構ヤバい金額になっていたが、仕方ない。必要経費である。
「タキオンも、こういうの買ってみない?」
「ふむ、悪くないかもね。考えておこう」
服も決まり、学校へ登校する準備も整った。
新学期の準備は着々と進んでいた。
さて、次はスカーレット君に何を着せようか
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バニーガール
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お揃い勝負服(白衣)
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振袖
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ゴスロリ
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サンタ
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巫女
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ドレス
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誰かの勝負服