元モルモット君ダイワスカーレットと、モルモット君が大好きすぎるアグネスタキオントレーナー 作:雅媛
「似合ってるよ、トレーナー君」
「タキオンも当然だけどカッコいいよ」
タキオンの勝負服はいつ見てもカッコいい。
俺の愛バは最高だ~! と叫ぶ不審者さんは、トレセン学園では時々見かけられるが、その気持ちもわからなくはない。まあ、世界最高なのはタキオンで間違いないのだが。
一方、私が今着ているのはタキオンの勝負服のレプリカである。
有名なウマ娘になると、そのグッズの販売もURAや各家などを通じて行われる。
タキオンも当然そう言った有名なウマ娘に含まれる。
なのでグッズ販売は盛んにおこなわれているし、そのグッズの許可や製品の確認作業もあったりする。
そう言った作業は、現役時代は当然私がやっていたのだが、引退後も卒業後もなぜか私がやっており、最初の頃はタキオン本人にサインさせていたのに、いつの間にか私のサインだけで大丈夫になっている。本当に大丈夫なのだろうか。製品はちゃんと販売されているが。
何にしろ、今回のこのレプリカも、そう言ったグッズの一つである。
タキオンの勝負服を模した服は、売れ筋としてはそこまで良いわけではないが、根強い人気がある。売れにくいのは単純に高いからだ。とはいえ、子供用だと、破ける可能性があるから丈夫に作る必要があるし、大人用でも安い素材を使うとコスプレ感がひどいので、ある程度の質は必要である。
実物を確認するため、試作品を送ってもらっており、それを私が着ている、のが現在であった。
「やっぱり本物を使ってると違うね」
「いやまあ、市販品を勝負服にこれだけ使ってるのはタキオンぐらいだと思うけど」
勝負服というのは、着用するウマ娘の希望を聞いて作られる。フルオーダーの物も少なくないのだが、タキオンの場合、特注品は白衣と靴だけで、残りはレース用の高級品ではあるが市販のモノだったりする。
通常、勝負服の希望というのは学園入学時に皆提出している。
なので、タキオンも当然提出していると思っており、実際に勝負服が届くまでそれを疑ったことはなかった。
忘れもしないホープフルステークス1週間前、勝負服として届いた箱の中には白衣と靴しかなかったのだ。
「ああ、上着と靴はお願いしてたけど、それ以外はなにもに言っていなかったかもしれない」
あっけらかんと「下は体操着でいいのではないか」なんていうタキオンを置いて、私は市内のスポーツ用品店を駆け回った。
そして、レースに耐えうる服(無茶苦茶高い)を、給料三か月分吹き飛ばしながら買い集め、その中から今ある白衣と靴に合いそうなものを選んだのだ。
最終的に選ばれたのが黄色いノースリーブのセーターに黒い襟付きのシャツ、タイツにアンダースコート、0分丈のオーバーショーツであった。
一番苦戦したのが下半身で、ズボンもスカートもどうしてもいやがって「パンツで走る」とか言い出したタキオンを置いて、オーバーショーツを探すためにまたスポーツ用品店を駆け回ったのもいい思い出である。もう二度とやりたくない。
そういう意味で、タキオンの勝負服はほとんどは既製品でそろえられるのである。
ただ、白衣だけ特注にして残りは同じ既製品にすると、実はかなり高い。
レース用のおしゃれ衣装だけあって、そもそもが高いのだ。そしてそれに合うように白衣を作ると、また値段が跳ね上がる。しかもほとんどは既製品だから販売会社の利益も少ない。
そんなので難航した勝負服レプリカだが、結局本物と同じような豪華セットで作られたのが、今回のレプリカであった。かなり再現度が高い。
袖をくるくる回しながら
「これが研究の成果さ!」
と言えば気分は正にアグネスタキオンであった。
「そう言えば、トレーナー君の勝負服はどうしようか」
「ああ、申請しないといけないね」
入学時に皆申請する勝負服だが、私は当然ながらまだ申請をしていない。
GⅠに出場できるかはわからないが、その際に体操服はさすがに勘弁してほしい。
しかしデザインと言ってもなかなかピンと来ない。
「ムムム……」
「それなら私が考えてあげようか?」
「タキオンが? 白衣に体操服とかでなければいいよ」
「そんなクソダサ勝負服を愛バに着せるトレーナーなんていないよ」
「そんなトレーナーにあと少しでなりそうになったのが私ですけどね」
むくれる私の頭をタキオンが撫でる。
「まあ、楽しみにしてくれたまえ。すごくいいものを作るよ」
「じゃあ楽しみにしてる」
袖をくるくるさせながら、自信満々にタキオンは告げるのであった。
さて、次はスカーレット君に何を着せようか
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バニーガール
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振袖
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巫女
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ゴスロリ
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サンタ
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メジロマックイーンの勝負服
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サリー
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布