元モルモット君ダイワスカーレットと、モルモット君が大好きすぎるアグネスタキオントレーナー   作:雅媛

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閑話 マンハッタンカフェのカフェ

「本当にウマ娘になったんですね」

「かわいいだろう? あげないよ」

「要りませんよ」

 

 

 トレセン学園近くにある喫茶店『シャット・ノワール』

 木目調の壁がおしゃれな隠れ家的喫茶店である。

 マンハッタンカフェが経営するそこにタキオンと来たのは実に半月ぶりであった。

 特に何もなければ下手すると毎日通っていたぐらいだが、さすがにここ最近はいろいろあって忙しすぎたのもあり、ずいぶんご無沙汰してしまった。

 平日の朝早い時間に朝食を食べがてら来たので、店内には私たちとカフェ以外誰もいない。

 

 

「それで、ご注文は」

「トレーナー君と一緒に食べるカップルメニューを」

「ありません」

「なんでだいカフェ!?」

「何であると思ったんですか。というか、タキオンさん漸くトレーナーさんと交際始めたんですね」

「そうなんだよ、先日から同棲を始めたんだ」

 

 

 めんどくさそうな表情をするカフェと、嬉々として話し始めるタキオン。

 いつ見てもよくわからない組み合わせである。

 仲が悪そうに見える割には、お互い絡みに行くのだからやっぱり仲が良いのだろう。

 

 

「トレーナーさん、タキオンさんが迷惑かけていませんか?」

「いや、いろいろやってくれて助かってるよ。服を選んでくれたり、体洗ってくれたり」

「タキオンさん、何セクハラしてるんですか」

「自分の嫁にそれくらい普通だろ」

 

 

 タキオン的には私の方が嫁らしい。どちらでもいいが、なんとなくしっくりくるというか、元男として複雑な気持ちというか……

 

 

「まあ、早く注文してください。トレーナーさんはなににしますか」

「じゃあ、紅茶とスペシャルパンケーキで」

「ウチはコーヒー専門店です。全くあなたもタキオンさんも、どうして紅茶を頼むんですか」

「この時期だとダージリンのファーストフラッシュだろう? 私はストレートで頼むよ」

「はぁ、わかりました。紅茶二つ、スペシャルパンケーキ二つですね。少々お待ちください」

 

 

 この喫茶店はコーヒーしかメニューにないが、紅茶を頼むと紅茶がちゃんと出てくる。

 タキオンと私で淹れ方から仕込んだメニューである。

 茶葉は季節ごとの高級品だし、淹れる手順もちゃんとしているので非常においしい紅茶が出てくるのだ。値段は高いが納得の味である。カフェにとってはとても不満なようだが。

 

 

 

 

 

 10分ほど待っていると、ティーポットとティーカップ、パンケーキを持ったカフェが奥から出てきた。

 

 

「紅茶は自分で注いでください」

「ありがとう、カフェ」

 

 

 白地にカラフルな花が描かれたおしゃれなティーカップに、同系統の柄のティーポットがテーブルに置かれる。

 コーヒーカップとティーカップは形状からして違うのでコーヒー専門店であるこの喫茶店にはおいていない。ではこれは何かというとタキオンが持ち込んだものだ。

 一応、開店祝いという名目でタキオンが押し付けていたものだが、実質私たちしか使っていないのだからほとんど私物に近いものだった。

 

 

「あ、カフェ、ついでにあれやってくれよ、スペシャルパンケーキ頼んだんだし」

「いやですよ」

「やーだー、やってくれよカフェ」

「……」

「やってくれよー、やってくれよー」

 

 

 タキオンが駄々をこねる。

 タキオンが言っているのは喫茶店の裏サービスである。タキオンが面白がってやらせているだけなのだが、誰もいないときは最終的にカフェが折れてやってくれることが多い。

 

 

「か~ふぇ~」

「……はぁ、しかたないですね」

「わーい」

「ではいきますよ」

 

 

 カフェが私の隣に移動する。

 そのまま、手をハート形にして、大きく息をする。

【挿絵表示】

「おいしくな~れ♡」

「……」

「タキオンさん、やらせておいて無反応はひどすぎません?」

「……すまないカフェ、カフェがトレーナー君にそんな顔すると、嫉妬が抑えきれないんだ」

「やらせておきながらアナタ本当にめんどくさいですね!!」

 

 

 タキオンがめんどくさいことを言い始めた。

 やらせておきながらカフェにはとんだ災難だろう。

 

 

「うう、トレーナー君がカフェにNTR(ナリタトップロード)されるよぉ……」

「しませんよ。めんどくさい」

「ほら、タキオン」

 

 

 私は席をタキオンの隣に移動すると、腰を抱いて尻を寄せる。

 タキオンが自然と尻尾を絡ませてくるので、そのままギューッとしつつ片手でフォークを持ち、パンケーキを一切れ突き刺す。

 

 

「はい、あーん」

「あーん」

「……」

 

 

『私はいったい何を見せられているんだ』と言わんばかりのカフェの冷たい視線を無視しながら、私はタキオンにパンケーキを食べさせる。

 ふわふわながらたまごたっぷりでしっとりしている、高級パンケーキである。

 

 

「ほら、トレーナー君もあーん」

「あーん」

「クリーム唇についてるよ」

「ちょ、待てタキオ、んっ」

 

 

 こうやって二人で食べさせ合っている光景を、カフェは死んだ目で見ていた。

 

 

 

 

 

 なお、お会計にはサービス料がしこたま加算されていたが、タキオンは素直に支払うのであった。




評価・お気に入り・感想お待ちしております。

さて、次はスカーレット君に何を着せようか

  • バニーガール
  • 振袖
  • 巫女
  • ゴスロリ
  • サンタ
  • メジロマックイーンの勝負服
  • サリー
  • 布
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