元モルモット君ダイワスカーレットと、モルモット君が大好きすぎるアグネスタキオントレーナー   作:雅媛

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1話の内容を少しだけ変更しました。タキオンパパのイメージがあまりつかなかったので今後も出てきません。


2 訪問

 タキオンと一緒にアグネスの東京の別宅を訪れる。

 別宅という概念がすでに庶民の私には信じられない。

 本拠点である大阪まで行くのも検討していたのだが、フローラさんが東京に滞在するというので、こちらで会う約束になった。

 

 

うにゅうにゅ

 

 

 可愛らしすぎる謎の言葉をしゃべるタキオン。

 何かいろいろ悩んでいるようだが単純にカワイイ。

 今着ている白のオフショルダーのブラウスに、青のチェック柄のハイウェストスカートが清楚な感じを引き出していてとてもかわいいのだ。

【挿絵表示】

正直語彙が死にかけてNTR(ナリタトップロード) になりつつある。

 

 昨日ペアルックがいいと再度言い始めたタキオンを連れてデパートデートをして、買ってきた服である。

 私も同じのを着ているが、体格が良すぎてちょっと似合ってない気がする。そもそも元男の庶民がこれを着こなすのは難しいのだ。

 その点タキオンは、かわいくて、すごく…… すごいので、とてもかわいいのだ。

 

 このままだと丸一日タキオンの可愛さを語りたくなるので、ひとまずタキオンのことはおいておいて、今向かっている別宅の話をしよう。

 都心の便利なところにある一軒家であり、一般家庭が余裕で暮らせる程度の広さがある建物だ。

 さすがにトレーニング施設などがあるわけではないので、純粋な生活用拠点である。

 

 私はタキオンの現役時代に何度か保護者面談に来ているのだが、タキオンは来た記憶がほとんどないらしい。

 実家に帰るときは大阪の方に帰っていたのもあるだろう。

 迷子にならないように、と私の手をぎゅっと指を絡めて繋ぎ、尻尾も私の尻尾に巻き付けてくる。

 傍から見たらバカップルにしか見えない姿で、私たちは目的地である別宅にたどり着いた。

 

 

あ、いらっしゃい、タキオンさん、赤井トレーナーさん

久しぶりデジたん。というか、その恰好一体何?

 

 

 入り口を開ける前に中からアグネスデジタル、デジたんが現れた。偶然鉢合っただけのようだが、デジたんの格好がコスプレメイド服なので思わず聞いてしまった。似合ってはいるが……

 

 

Japanese maid costume ですよ。かわいいでしょ

似合ってるけど……

次のイベントで着る予定なんです

 

 

 デジたんは、学園卒業後、ウマ娘研究者という肩書で世界各国を回っている。

 だがその実態は漫画家であり、各国の同人イベントに参加して同人誌を売ったり、漫画を出版したりしている。

 今回フローラさんと一緒に日本に帰ってきたようだが、おそらく日本のイベントに参加するためだろう。

 立てば美少女しゃべれば変態走る姿は大勇者な彼女だ。そういう格好をして売れば人も集まるのだろう。

 

 

すいません立ち話させてしまって。奥様もお待ちです。どうぞどうぞ

ありがとうデジたん

いつもすまないね、姉さん

 

 

 デジたん先導で、私たちは家の中に入るのであった。

 

 

 

 

 

 

そう言えば赤井トレーナーさん

スカーレットでいいよ。最近生徒たちにそっちでしか呼ばれないからそっちに慣れちゃって

わかりましたスカーレットさん。奥様とのお話ですが、私も同席して良いですか?

? 別段構わないけど、タキオンにとってお姉さんみたいなものだし」 

 

 

 フローラさんが待っている応接室に入る直前、デジたんがそんなことを言い始めた。

 確かに結婚予定の報告だから私的な話ではあるが、デジたんは実質的にはタキオンの姉みたいなものである。

 同室だったし、実姉のフライトさんよりもタキオン自身も姉のように思っていると思う。

 そんなデジたんが同席するのを断るつもりもないが…… だが、その理由は少し気になる。

 だが、それを聞く時間もなさそうだ。「ありがとうございます」といいながらデジたんは応接室の扉を開けた。

 

 

いらっしゃい、トレーナーさん、タキオン

 

 

 応接室の奥のソファにはタキオンの母親のアグネスフローラ、フローラさんが座っていた。

 タキオンをもうちょっと年を取らせて小柄にしたらこんな感じだろうな、と思うぐらい似ている人である。

 だが、いつもと雰囲気が違い私は戸惑っていた。

 私のフローラさんの印象は、可愛らしい大人の女性である。

 キャーキャー言いながらキャピキャピ話す、ちょっとうるさい感じの人で、だが外観も相まって可愛らしい印象が強いし、付き合いやすくて感じも良かった印象がある。

 だが、今目の前のフローラさんは何と言うか、冷たい印象が強かった。

 若干戸惑いながら部屋に入る。

 デジたんがフローラさんの隣に、その向かいにタキオンが座る。

 私も座っていいのだろうか。どうぞも何も言われないのだが……

 タキオンが手を離してくれないので、何も言われないまま着席する。

 

 そして、無言の時間が流れる。

 なんなんだこれは。

 私が一人で来たときなんか、フローラさんはマシンガントークなのに。

 やれ、タキオンの最近の体調がどうかから始まり、夜寝れているかとか、ピーマンが食べられるようになったかとか(なお、私が知る限りタキオンは今でもピーマンは苦手だが、知り合ったころから残すほど嫌いではなかったと思う)、延々と質問攻めにあうのが定番だった。

 最終的には練習風景なんかの映像を見せながら、現状報告をしていたがそれなりに時間を取られていた記憶がある。

 今回も、そういうのを見たいだろうと思い、タキオンの授業風景とトレーニングの指導風景の映像を持ってきたのだが……

 戸惑いながら、ひとまず挨拶をしないといけないだろう。もう座ってしまったけど。

 

 

あの、フローラさん

何?

この度、私、赤井大和はアグネスタキオンさんと正式にお付き合いを始めました。まだ時期は決めていませんが結婚をする予定です

そう

なので、フローラさんにも結婚を祝福していただきたいと思い、ご挨拶に来ました

タキオンが決めたなら構わないわ

 

 

 そしてまた沈黙が流れる。

 ヤバい、何が起きているか全くわからない。タキオンはタキオンで暗い表情をしているし、どうすればいいのだこれは。

 確かに毎回この空気感だと、タキオンが帰りたくなくなる気持ちもわからなくもない。

 二人の関係について私はよく知らないが、それぞれの性格についてはそれなりに知っているつもりである。なのでなぜこうなるかがわからなかった。

 

 

スカーレットさん、今からお茶を淹れるのですが、手伝ってもらえませんか?

? いいですよ

 

 

 デジたんが、唐突にそんなことを言うので、おとなしくついていく。

 お客様である立ち位置の私がお茶を淹れるのを手伝うのは本来おかしいが、デジたんがそんなことを唐突に言い始めた以上、何かあるのだろう。

 おとなしく部屋を出て、台所へついていく。あの空気感の中にタキオンを残すのは非常に心配だが……

 

 

ふぅ、やっぱり駄目でしたね

何が?

二人とも普段と違いすぎるでしょ?

そうだね。フローラさんはいつもうるさいと感じるぐらいなのに、全くしゃべらなかった

スカーレットさんが知っている奥様がいつもの奥様ですが、娘二人、フライトさんとタキオンさんの前だといつもああなっちゃうんですよ

何で?

 

 

 タキオンなんて基本寂しがり屋のかまってちゃんだから、いつもみたいにうるさいぐらい構う方が絶対好感度高いと思うのだが。というかあの態度は結構嫌われてると感じてしまうと思うのだが……

 

 

ツンデレとかいろいろ拗らせた結果です

ツンデレ……

奥様の普段って、結構態度が軽いじゃないですか

外見と合ってるし、私は好きだけどね、あの雰囲気

でも娘の前ではカッコいいお母さんに見られたいらしいんです

ふむふむ

それであれです

いや、拗らせ過ぎだし全くの逆効果じゃない

 

 

 タキオンが放任主義だという理由がやっと理解できた気がした。

 タキオン自身は母親が嫌いなわけではないだろうが、苦手だと思っているし、嫌われていると思ってる節がある。

 不思議に思っていたが、毎回あれで、しかも会う機会も少なければそう思うだろう。

 

 

今日もお二人が来る前に奥様には散々力説したんですけどね…… 目の前になるともう頭真っ白になっちゃうみたいで

ふむ、どうするかなぁ

 

 

 私たちが持ってきたアップルパイをお茶請けに紅茶を淹れるデジたん。

 お茶の用意はできたが、どうするべきか。

 普段みたいにキャピキャピ騒いでベタベタくっついた方がタキオンの満足度が高いと思うのだが……

 そもそもの交流が少ないからそういうのもわかってなさそうな気がする。

 

 

ひとまずお二人が奥様の前でいちゃつけばいいのでは?

義母の前でいちゃつくのはかなりハードル高いんだけど

尻尾ハグと恋人つなぎしながら入ってくる時点でかなりですよ。もう手遅れです。というかいちゃついてください。私が見たいので。そう、私が見たいので!! ついでに次の漫画のネタもください!!

完全に私欲じゃん

そうですよ!!

ぶっちゃけすぎでしょ!?

 

 

 デジたんもちょっと目がイっている。

 よく見ると、台所にはタキオンの好きそうなものが置いてある。

 行きつけの専門店のダージリンの茶葉

 紅玉を丸ごと使ったアップルパイ

 おいしそうなトマトとモッツァレラチーズ

 冷蔵庫の中を見ると高級そうな鳥肉も入っている。

 きっとタキオンのために張り切って用意したんだろうなと分かるものばかりである。

 

 これらを準備したり用意したり、そういうことにかなりデジたんも労力を割いていたのだろう。

 それがもうどうしようもないのだから、デジたんが感じる徒労感はわからないでもない。

 

 

ほら、ぎゅーって抱きしめてチューでもすればいいと思いますよ!!

難易度高すぎる!? それ、義母の前でやっていいムーブじゃないでしょ!

いいからやるのです! なぜなら、私が見たいからです!!

ちょ、デジたん!?

トレーナー君、何をしているんだい?

 

 

 イった目でデジたんが迫ってきているところに、タキオンが現れた。

 完全にタイミングが悪い。

 

 

トレーナー君? ねえ、何をしているんだい?

私とタキオンがもうちょっと仲睦まじい所をフローラさんに見せるべきだっていう話をしてたんだよ

ふーん

ごめんよタキオン、二人で話すべきだったね

 

 

 タキオンの腰を抱いて、そっぽ向くタキオンの顔を顎をもってこちらに向かせると、その唇に唇を落とす。

 生暖かい、ぬるっとした感覚を楽しみ、唇を離した。

 

 

1回のキスぐらいでごまかされないよ

じゃあもっとたくさんしないと

 

 

 タキオンは私の胸元に顔をうずめてぐりぐりと頭を擦り付けてくる。

 マーキングだろうか。

 そんなタキオンの頭をぎゅっと抱きしめる。

 デジたんが興味深そうに見ているが、そっちはスルーだ。

 

 結局デジたんがお茶の準備を完了するまで、私はタキオンをなでたりキスしたりして、ご機嫌取りに勤しむのであった。




評価お気に入り・感想お待ちしております。


現在短編合作企画もやっています。
第九回 ウマ娘短編合作 ウマ娘のクリスマス https://syosetu.org/novel/305207/

さて、次はスカーレット君に何を着せようか

  • バニーガール
  • 振袖
  • 巫女
  • ゴスロリ
  • サンタ
  • メジロマックイーンの勝負服
  • サリー
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