元モルモット君ダイワスカーレットと、モルモット君が大好きすぎるアグネスタキオントレーナー 作:雅媛
トレーニングは学園で行う予定である。
なんせ、トラック一つとっても設備が圧倒的に良い。
ダート、芝、ウッドチップ、オールウェザーといったコース面の種類が一通りそろっているし、坂路コースも存在する。
公園などにあるウマ娘用コースは管理が楽なオールウェザーコースか、昔からあるダートコースばかりだし、コーナーも小さくて走り難いという問題があるので、学園のコースが使える以上学園を使う以外の選択肢はない。
私営のトレーニング施設なんかもあるのだが…… 正直お金がかかるので使う気が起きないところではある。
ひとまずトレセン学園のコースを使う以上、学園指定の体操着とジャージを着た方がいいのは明らかだ。
タキオンも私もトレーナーだから、服装に指定があるわけではないが走るからには学園指定の体操着とジャージを着ないと非常に目立つ。
だからこそ私はわざわざ学園の購買で体操着を購入したのである。
「そう言えば下着はスポーツ用のちゃんとした奴の方がいいんじゃ?」
早速タキオンとリビングで着替え始めようとして、ふと疑問に思ったので聞いてみる。
今着ている奴はタキオンの好みで買ってきた紐パンとブラジャーであり、装飾性が高いがスポーツ用というには心もとない感じのものだ。
タキオンの現役時代着ていた下着はいつもスポーツブラとそれと対になるパンツだったし、タキオンがそういうのを好んで着ていたのは機能性を考えてだろう。
今も、寝巻のロングキャミソールを脱いで裸になったタキオンは、現役時代と同じようなスポーツブラとパンツを取り出した。ここ最近私服の下着はかなりおしゃれなのを着ていたのに、違うのを着るのを考えると意味があるのだろう。
この辺りはさすがにトレーナーの知識の範囲ではなかったので私はよくわからなかった。女性トレーナーだと担当と下着がどうとか話すことはあるらしいが……
タキオンが下着をつけた時点で、疑問になりタキオンに聞いてみる。
「ああ、そうだね。確かに今のは走るのには向いてなさそうだ。ちょっと待ってくれ」
寝室のウォークインクローゼットに入ったタキオンは、今タキオンが来ているモノと同じデザインの下着を持ってきた。
タンクトップのような形状で、ワイヤーの入っていないそれは、今の服装よりも布面積が多そうに見える。
「一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なんだい?」
タキオンから新しい下着を受け取りながら、下着の違いを聞くことにする。
タキオンはたぶんわかっているだろう。
「今までの下着と、この下着って何が違うの?」
「ああ、普通のブラジャーは下から支えているだけだが、スポーツブラジャーは上下左右に動くのを押さえてくれるんだ。パンツも同様に、お尻を下から支えるだけじゃなくて、上下左右に動くのを押さえてくれるんだよ」
「なるほど」
「ただ、押さえつける形になっているから締め付けられている感じになってあまり楽ではないし、普段から着るのはお勧めできないよ。場合によっては小さくなっちゃうし」
「……タキオンって現役時代いつもこれ着てたよね」
「……」
タキオンは目をそらした。ずぼらだから着替えなかったらしい。
後ろめたい気持ちがあるのだろう。
「……」
「トレーナー君は……」
「うん?」
「トレーナー君は、胸や尻が小さい私は嫌いかい?」
「大好きだけど、それとは別で、そういうのは今後は駄目だからね」
タキオンはずるいウマ娘である。こういわれたら私はこれ以上言えなくなってしまう。
まあ、卒業してからはちゃんと普通の下着を着ていたし、これ以上は何も言わないことにしよう。
ということで、受け取った下着をさっそくつけ始める。
上はタンクトップみたいな形だし、どこか外す箇所もないから、ただ被って着ればいいのだろう。パンツの方は腰までの長さがあるので尻尾穴がちゃんとついている。
「自分だけで付けられるかい?」
「普段の下着と付け方が違ったりするの?」
「あまり違わないがね、ひとまずやってあげるよ」
まずはブラからである。といっても上から被って着るだけで普段のより付けるのは簡単だ。そのあと、ブラの中に手を突っ込んで、バストの位置を調整するのも特に変わりがない。
たんにタキオンが私に触りたいだけだと思う。嫌じゃないし、正直タキオンにべたべたされるのは嬉しいが、お風呂で全身私のこと洗ってくるし、寝るときは胸に顔をうずめて抱きしめてくるのにそれでも満足できないのだろうか、とは思ったりする。
「あとは尻尾の方だね。トレーナー君、尻尾を通す服は初めてだろう?」
「これ、そんなに難しいの?」
下着姿のタキオンはすでに下着の方の尻尾穴に尻尾を通している。
さっさと尻尾穴に尻尾を通していたし、何も苦労しているように見えなかった。
「慣れればすぐだけどね。苦手な子だと結構時間がかかるよ。みんなが手伝ってあげたりすることもあるし」
「へぇ」
ひとまずパンツを履く。自分だけでやってみようと、ひとまず尻尾を通そうとするが……
「え、これ、どうやるの?」
「あげる前に尻尾の先を通して、あげながら尻尾も通していくんだよ」
タキオンに一度パンツを下ろされて、尻尾の先を尻尾穴に通される。
尻尾がかなり長いということへの意識がなかった。
そのままパンツを上げていくが…… 尻尾の多くの毛が尻尾穴を通らず、パンツの中が尻尾の毛だらけになってしまった。
「ああ、トレーナー君の尻尾は尻尾穴に通すのが難しいタイプだね」
「そんなタイプあるの!?」
「毛の量が少ないと、先を尻尾穴に通せばあとは全部通ってくれるから楽なんだ。でもスカーレット君みたいに毛の量が多いと、誰かに手伝ってもらわないと難しいかも」
「へぇ」
確かに尻尾がもさもさな子と、しゅっとしている子がいるのは確かだ。タキオンはしゅっとした細いタイプである。
今の自分の尻尾がどういう感じか、基本見えないものだからあまり意識していなかったが、かなりもさもさタイプらしい。
タキオンが、尻尾穴に私の尻尾を入れながら、パンツを少しずつ上げていく。
今度は中が毛だらけになることもなく、ちゃんと着ることができた。
「ありがとうタキオン」
「体操着だと、ブルマの穴とジャージの穴があるから、あと2回は通さないといけないよ」
「うへぇ」
ウマ娘たちの着替えはこんなに大変なのかと思うと、素直に頭が下がる思いだった。
下着を着たら次は体操着だ。
上は普通のTシャツだから着るのが難しくはない。
厚手で汗をかいても透けず、ウマ娘の使用に耐えられる程度に丈夫にできている、という程度である。
ブルマの方は、やっぱりタキオンに履かせてもらうことになった。
結局パンツと同じで、尻尾穴のところがネックである。
「毎回タキオンにやってもらうの悪い気がするんだけど、どうにかならないかな」
「気にしなくてもいいよ。楽しんでいるからね。思い返せば、毛の量が多い子でもうまい子は上手かったけど…… こう、尻尾をしゅっとさせるんだよね」
「しゅっと?」
「尻尾は自分で動かしたり、毛の方向をそろえたりできるんだよ。トレーナー君も、驚いてブワって膨らんでる尻尾見たことあるだろう?」
「あるね」
ウマ娘の感情は尻尾に出やすい。
そして、驚いた時には上を高く向いてブワっと膨らむのだ。
それを考えると、自分の意思で尻尾はかなり動かせるのだろう。
もっとも私はさっぱりそういうのができない。尻尾も耳も、かけらも動かせないのだ。
おそらく今までなかった部位だから動かし方がまるで想像できないんだと思う。
「ああいうのと逆の感じで意識的に尻尾をしゅっとさせて、尻尾穴に通すと通るんじゃないかなと思うよ」
「練習あるのみかぁ」
「練習しなくていいって、毎回私が通してあげるから」
タキオンが楽しそうにそういうし、タキオンがいるときは素直に甘えようと思うが、一人きりで着替えができないのも不便なので、やはり練習はしようと思ったのであった。
ジャージの尻尾穴に尻尾を通して、着替えは完了した。
「タキオンは下もジャージなんだね」
「おやおや、トレーナー君は私の脚線美が見たかったかな?」
ブルマにスニーカーソックスで脚が完璧に出ている私に対して、タキオンはズボンもジャージで完全武装である。
「いや、家でいくらでも見れるし、他の人にタキオンの肌はできるだけ見てほしくないから、その方が助かるんだけど」
「おや、おやおやおや、トレーナー君が独占欲を出すなんて珍しいじゃないか」
「恋人になったんだから、少しぐらいはね」
前までは、タキオンが幸せならとしか思っておらずタキオンが望む限り何も思わなかったが、恋人となってからはいろいろ欲が出てきてしまっている。
タキオンは美人だから、他人に見られると少し不安にならないわけではない。
タキオンが私を捨てるなんてありえないことはわかっているのだが、感情的な部分はまた別であった。
「というかタキオンは私が肌を出すのはいいのかい?」
「私は恋人がこんなに美人なんだよって見せびらかしたいんだよ。見られて減るものじゃないし」
そのままタキオンは私の首に抱き着き、キスをしてくる。
「トレーナー君は、私のものだからね」
そういうタキオンはひどく美しかった。