道は何処までも、いつまでも残るから。
よろめきながらも、歩き続ける。
その一歩に、誇りを込めて。
私は忘れない、きっとその眼差しを。不器用に言葉を選んだ、その声を。
それが間違っていないというのも、私は分かっていた。優しさに甘えている今の関係こそが、歪で澱んでいるんだという事も。
でも、だけど。素直に別れを受け入れられる程、私は大人でなかったから。
醜く喰ってかかり、駄々をこね。涙まで流して、どうにかこの話を引っ込めさせようとした。
だって私は――大喜が好きなのだから。
「やだ。返事は良いって言ったじゃん、そう焦らないでよ」
好きになれない、付き合えない。そう言われて返したのがこれだ、我ながら子供じみていて嫌になる。この答えは、分かっていた筈なのに。
大喜がひたすら努力を続けるその理由は、私じゃない。千夏先輩がいるから、大喜はどんなにうちひしがれても立ち上がる。私が告白して無理矢理意識させても、そこに割り込む事なんか出来るわけがない。
全部、全部知っている。それでも私は、大喜からの
そんな私だから、――こうなってしまったのに。どんなに粘ったって、奇跡は起こらないのに。私はそれを認めたくなくて、声を荒げて大喜を困らせた。気が付けば外へ駆け出し、泣きながら私は崩れ落ちていた。
ああ、酷いものだ。心配してくれた菖蒲に気持ちを吐露して尚泣きながら、私はそれでも
まったく、救われない女だ。振り返ると本当に、そう思ってしまう。
独善的で幼稚で、要するに子供だったんだな。今も成長したとは言えないけど、でも多少は変われた筈だ。
季節は矢のように過ぎて、いつしか大喜と千夏先輩の距離は殆ど無くなってしまった。二人は支えあって夢を果たし、共に歩んでいく。あの二人なら、叶わない夢なんか無い。それを確信できる程に、二人の絆は強固だ。
私は遠くから、今もそれを見つめている。
大好きな人の幸福を、遠く離れて見守っている。
もし何処かで歯車が狂っていたら、大喜の隣には私がいたかもしれない。ときたまそんな風に思う事もあるけれど、そんな思いを振り払って進んでいく。
――二人を引き離す手はいくらでもあった、同居をバラすだけでも致命傷には出来ただろう。それでも私は敢えて、そこまではしなかった。そんなのは無敵の蝶野雛がすることじゃないし、それに大喜を不幸にしては意味がないから。
でも別れは哀しくて、何度も何度も大喜にすがろうとした。けれどその度に、胸の奥で声がする。そんなことをしたら、あの日の恋が嘘になると。
どんなに離れても、どれほど時が経っても。あの恋は誇りとなって、私の中で輝いている。
大喜を好きになったこと、告白したこと、そして想いが破れたこと。その全てが、今も私を突き動かす。
負けたからって、負けっぱなしではいられない。死なない限り倒れない、倒れない限り折れない。折れない限り、死にはしない。
立て不死身の身体、不屈の闘志。蝶野雛は、決して終わらない。
さあ、行こう。失恋をバネにして、何処までも昇っていくんだ。
見てなさい、大喜。