Silent Hill〜五等分の罪〜   作:仙豆大名

3 / 18
第二章 変わり果てた町
第3話 異変


 町の外へ通じる抜け道を見つけるために、六人は手分けをして町の探索をすることになった。幸い、圏外では無かったため通話やメールでの連絡ができることに一同はホッとした。

 

 

 五人と別れた風太郎は、あらかじめ用意していた地図を見ながら大通りを歩いていた。

 濃霧の所為で住民が住居に引きこもっているからなのか、車は全く走っておらず、人影も全く見当たらない。それにしたって静かすぎる。どの住居からも生活音の一つも聞こえないのだ。聞こえるのは自分の足音のみ……。

 とある交差点に差し掛かった時、衝撃的な光景が目に入った。大量の血痕が路面に染み付いていた。しかも、まだ乾いていない鮮血だ。彼は呆然としてそれを凝視していた。霧に紛れて犯罪が行われたのかと想定した。辺りを見回すが、視界が効く範囲に被害者や加害者らしき姿は見当たらない。救助を求める声も聞こえないし、辺り一帯が封鎖されていないので、被害者はまだ病院に運ばれていないのだろう。

 そんなことを考えていると、ベタベタと足音が聞こえてきた。その方向へ振り返ると、ふらつきながら向こうへ歩いていく人影がうっすらと見えた。おそらく被害者のものだ。

 風太郎はその人影を全力で追いかけた。人付き合いに無関心な彼とはいえ、流石に死に直面している人間を見過ごす程、捻くれてはいなかった。待てと呼び止めるが人影は立ち止まることなく、ふらふらしながらも意外に早いペースで去っていく。

 路面に点々と残った血痕を頼りに走り続けていると、工事中の高架下トンネルに辿り着いた。この先へ逃げたのかと、バリケードをくぐり抜けて進もうとする。すると、トンネルの奥からふらつく人影が現れた。間違いない、先ほどまで自分が追っていた人影だ。

「おい、大丈夫か? ……っ!?」

 心配して声をかけたが、それは人間ではなかった。そいつには両腕が無く、顔のパーツも無いのっぺらぼうだ。怪我人なんかじゃない、むしろ加害者だ。路面に残った血痕は、踏みつけた鮮血が足の裏についただけだったのだろう。酒に酔ったかのように、身体をふらつかせながら近づいてきた。

 足はかなり遅いので、運動音痴な風太郎でも余裕で逃げられる相手だ。しかし、風太郎は逃げなかった。ひょっとするとこの先に、この町の外へと通じる抜け道があるかもしれない。こいつを倒してでも先へ進みたかった。

 バリケードを組んでいた木材を一本、解体して入手し、武器にして構えた。そして、「クネクネ」の頭に叩きつけると、口が無いのに悲鳴をあげた。

 何度も木材を振るい続けた後、腕を休めると、くねくねした化物はぴくりとも動かなくなっていた。一応、生死を確認しようと木材で突いてみるが、反応は無かった。

「こいつは一体……」

 考えたところで得体がわかるはずもなく、化物の存在を目の当たりにした風太郎は混乱していた。

 そんな時、風太郎の携帯電話が鳴り出す。電話の相手は三玖だった。

『フータロー、何か見つかった?』

『すまない、まだ見つけられていない』

『私たちもまだ見つけられていないんだ。それより、大変なの! この町、化物がいっぱいで、何度も襲われそうになった』

『っ! 俺の所だけじゃなかったか! 三玖、何か武器になるものを持った方が良い。いざという時に抵抗するためにな』

『わかった。気をつけて、フータロー……』

 通話を終えると風太郎はトンネルの奥へと、再び歩き出した。




クリーチャー解説
・クネクネ(ゲームでの名前:ライングフィギュア)
 風太郎に襲い掛かった化物。のっぺらぼうで両腕がなく、ふらつきながら近づいてくる。胴体の亀裂から毒霧を噴射させて攻撃する。

読者様に質問です。「五等分の花嫁(アニメまたは漫画)」、「サイレントヒル2(ゲームまたは小説)」についてです。当てはまる方を選択してください。

  • 五等分の花嫁を知っている。
  • サイレントヒル2を知っている。
  • どちらも知っている。
  • どちらも知らない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。