霊能力者、鷹村ハルカは改造人間である。   作:ボンコッツ

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『貴様らそれで何もかも押し通せると思うなよ?!』

 

『フン……ちょいとばかり炎の力を使えるだけで調子に乗るな、ハエがぁ!!』

 

 

【鬼神 ギュウマオウ】が咆哮と共に、その手に持った混鉄棍を振り上げ【火龍撃】を放つ。

 

炎を纏った鉄塊に対し、狙われたギルスが取った行動は【防御】であった。

 

両腕を頭上に構え、両足を地面に踏ん張って混鉄棍を受け止める。

 

自動車同士が正面衝突したような轟音、ひび割れる地面、吹き荒れる熱波。

 

まずは一匹……と口をにやけさせたギュウマオウだったが、しかし、振り下ろした棍が持ち上がらない。

 

一体何がと状況を把握する前に、ギュウマオウの巨体が宙に浮いた。

 

 

『なあぁっ!?』

 

「セイヤーッ!!!」

 

 

両手で受け止めるどころか、燃える鉄塊をそのままバックドロップの要領で真後ろに持ち上げる。

 

両腕を焼く炎を一切気にしていないのは、バーニングの制御によって獲得した火炎耐性のおかげ……。

 

 

……などでは断じてない。

 

 

外から【ぬるい】炎であぶられる程度なら、今のギルスにとってはサウナ未満、エアコンの暖房の風が体に当たった程度の感覚に等しい。

 

なにせセルフで焼けた杭を腕にブッ刺しながら戦うのに等しいのがエクシード&バーニングだったのだ。

 

こと【我慢強さ】の一点においては、間違いなくギルス……鷹村ハルカは上位争いの大本命だ。

 

そして、体ごと宙に投げ出されたギュウマオウにはコンビネーションで追撃が入る。

 

 

『アタックライド スラッシュ』

 

「はあああぁぁっ!!」

 

『ぐはぁっ!?』

 

 

空中に投げ出されたせいで踏ん張ることもできないギュウマオウに、ディケイドの追撃がブチ当たる。

 

混鉄根がギュウマオウの体と共に放り出され、バラバラの位置に落下する。

 

それを見逃す二人ではない。

 

ギルスはギルスクロウを、ディケイドはブッカーソードを構えてギュウマオウに駆け出した。

 

容赦はしない。

 

遠慮もしない。

 

込めるのは『友』を消し飛ばされた怒りと痛みだけ。

 

 

『な、舐めるなキサマら!【マハジオンガ】!!』

 

「うっ!?」「っぐ……!」

 

 

放射状に広がる雷撃が二人目掛けて放たれ、ジオ系魔法の性質もあって二人の足が止まった。

 

そのスキに体勢を立て直したギュウマオウが、転がっていた混鉄棍を拾い上げる。

 

 

(こ、コイツら予想以上に強いぞ!?ぐ、かくなる上は……)

 

「来い、我がシモベたちよ!!」

 

 

異界の主としての能力の1つなのだろう、号令と共にこの異界に出現する悪魔が湧いてくる。

 

現れた悪魔にゴズキやメズキ、ミノタウロスといった獣人系の悪魔が多いのはギュウマオウの影響だろう。

 

各々が手に武器を持ち、ギルスとディケイドを群れとなって包囲する。

 

 

「5、10……15ってところですね。いけます?」

 

「余裕だな」

 

 

背中を合わせた状態になり、ギュウマオウを重視しつつ他の悪魔にも警戒を向ける二人。

 

包囲した悪魔の群れが一斉に襲い掛かってくるのと、二人の仮面ライダーが刃を振るったのはほぼ同時であった。

 

 

「はっ!せやっ!!」

 

『アギッ!?』『グゲッ……』

 

 

ブッカーソードを振るうディケイドが、スタイリッシュな動きで悪魔を翻弄し、

 

 

「ヴオオオオオオオォォォォォッ!!!」

 

『ギャアアアァァッ!?』

 

火炎を吹き出すギルスクロウを悪魔に突き刺したギルスが、そのまま悪魔を真っ二つに焼き切る。

 

悪魔の群れを相手している間も、ギュウマオウからは支援攻撃やバフ・回復といった補助が群れに跳んでくるのでうざったいことはうざったい。

 

が、それに対する対策はシンプル。

 

メガテンにおいて、レベル上げが面倒になったプレイヤーが一度は到達する基本戦術。

 

 

「「強化(バフ)かけて真正面から物理で殴ればいい!!!」」

 

「二人ともタルカジャ使えないでしょうが!!」

 

 

そう、タルカジャかけて物理。これも1つの真理だ。

 

麻痺から回復したレムナントが援護に割り込み、こちらもカジャ系魔法でバフをかけて二人を援護。

 

いつのまにやらギルスレイダーも回復役として合流していた。

 

 

「いや、レムナント!今は僕ら仮面ライダーが戦うべき時であって!」

 

「知りません!もーしりません!主殿はいっつもいっつもそういう感じなんですから!

 だから勝手に助けます!勝手に世話を焼きます!命令違反とかお節介とかしったことですか!

 私がそうしたいからそうするんです!我らが父に堕天させられる覚悟でやってあげますよ!!

 

 だから!私たちに!助けられなさい!」

 

「アッハイ、なんかごめんなさい」

 

「お前の式神、怒った時の夏みかんを思い出すんだが……」

 

 

怒った女の子(天使には性別ないけど)には勝てないのがヒーローである。

 

だが、まだ怒ってくれるレムナントとなんも言わず回復するだけのギルスレイダーはマシだ。

 

 

「いいぞー!仮面ライダーがんばえー!」

 

「手ぇ出すなって言ったのは僕らだけどさぁ!

 

 文句言える立場じゃないんだけどさぁ!

 

 マジでぶっ殺すぞ阿部!そうなったら師匠殺し二度目だぞ阿部ぇ!!」

 

「一度はやったのか……?」

 

 

完全にヒーローショー観戦モードに移った阿部に関しては盛大にハルカがキレ散らかした。

 

手を出すな、とは言ったが、デパートの屋上に来てる5歳児のテンションになれとは一言も言ってないのだ。

 

目の前にいたメズキを苛立ち混じりに殴り倒し、そのスキをついて背後から襲い掛かってくる別の悪魔には……。

 

 

「『薙ぎ払え』ッ!!」

 

『ッナニ!?グワアアァァ!??』

 

 

炎のマフラーが『変形』。

 

『一対連結の炎剣』となって飛び出し、ブーメランのように飛行して襲ってきた悪魔をまとめて切り裂く。

 

一瞬だけ、その炎が『剣の形をした炎』ではなく『炎を纏った剣』になったようにも見えたが……瞬きの間に只の炎へと戻る。

 

再度炎のマフラーとしてギルスの首元に巻き付いたソレは、もはやギルスの意思一つで変化する第三の腕だ。

 

目の前の悪魔をギルスクロウで引き裂き、背中を狙う悪魔はマフラーで対処。

 

数で押すためにまとめてとびかかってくれば、ディケイドとの連携で翻弄して同士討ち。

 

あっという間に、10を超えていた悪魔たちはMAGへと還された。

 

 

『ヌ、グゥ……!?』

 

「ああ、そういえばさ」

 

 

僅かにたじろいだギュウマオウに、前に出たギルスが言葉をかける。

 

 

「さっき、僕らの事をハエって言ってたよね。なら君はなんだ?

 図体がデカいだけのアブか何かか?肝っ玉は蚊より小さいみたいだけど」

 

『……殺すッ!!』

 

「やってみろッ!!」

 

 

ギュウマオウの【暴れまくり】を相手に、嵐の中へ突っ込んでいくような勢いで踏み込むギルス。

 

大振りの連撃をいなし、避け、踏み込み……アッパーカットがギュウマオウのアゴを撃ち抜く。

 

思わずよろめいたギュウマオウのスキを逃すことなく、ギルスが跳躍。

 

右足を大きく振り上げ、カカトから【ギルスヒールクロウ】を展開。カカト落しのように振り下ろした。

 

肩から胸にかけてを大きく引き裂き、悲鳴を上げたギュウマオウの、かろうじてくっついている腕を掴んで引きちぎる。

 

その腕に握られていた棍棒も宙を舞い、ギルスの背後に転がった。

 

 

『グオオオオォォォ……?!』

 

「挑発に乗った時点で底が知れたな、牛頭」

 

「元々【ギュウマオウ】のLVは『40弱』程度……この異界の拡大に伴って強化されただけの悪魔です。

 格落ちなんですよ、僕らからすれば。LVだけ強化された相手なんて。

 ……アンタも元は天軍の将だったのなら分かるだろう!ギュウマオウ!」

 

『な、なにィ!?』

 

 

この異形の若造が何を!といきりたった牛魔王はしかし、その気勢が少しずつ萎えていくのを感じていた。

 

不意打ちで先手を取った自分が、正面からこの二人に押されているのは紛れもない事実。

 

なにより(ナルシズム入ってるマゼンダバーコードの戦士はともかく)緑の戦士からは牛魔王への『見下し』が無かった。

 

相手の判断を誤らせるための挑発こそあれど、そこにあったのは兵法の心得以上でも以下でもない。

 

格下と侮らず、確実に相手のスキを突いて仕留めに来た。

 

力の差を理解させられたからこそ、牛魔王には『牛魔王になる前の』側面がわずかに表れていた。

 

 

「少しばかり前より増しただけの力と、寄せ集めの悪魔の軍勢が力になるもんか。

 強さの基本は【心・技・体】!LVの暴力なんて【体】のいち要素でしかない。

 その辺鍛えておけばLV40差ぐらいまでは行ける!LV80差でもギリ生き残れた!!」

 

『いやそれはお前がおかしい!』

 

「知恵と勇気と鍛えた肉体があれば行ける!!」

 

『だからそれはお前がおかしい!』

 

「それが俺達仮面ライダーだ……覚えておけ!」

 

『貴様らそれで何もかも押し通せると思うなよ?!』

 

 

説明しよう!

 

仮面ライダーにとってデータ上のスペックというのはほぼ飾りである!

 

かの仮面ライダーストロンガーは、敵の能力が効かなかった理由を『オレが知るか!』で押し通した!

 

かの仮面ライダースーパー1は科学の化身だから効かないとかいう謎理論で魔術への完全耐性がある!

 

かの仮面ライダーBLACK RXは……なんかもう説明不可能である!!

 

 

 

そしてこれは女神転生でも言える。

 

真・女神転生において、本来撃破できない無敵モードの魔王ベリアル(LV52)。完全なシステム的無敵耐性を持ち、一定ターン経過で戦闘が強制終了となる。

 

だが耐性の穴があり、テトラカーンやマカラカーンによる反射ダメージは通る。

 

そしてこれらの反射ダメージは『本来対象が受けるダメージ』によって決定される!

(※作品により変わりますのでご注意)

 

 

なので魔王ベリアルを倒すには……。

 

『先手を取ってテトラカーン・マカラカーンを張れるなるべく低レベルのキャラ』

&

『ひたすら反射ダメージを稼ぐための超低レベルのキャラ』

 

……という足が速いだけの貧弱パーティを編成すればいいのだ!

 

寧ろLVを上げすぎてしまうと反射ダメージが伸びなくなり、一定ターンでの戦闘終了に引っかかってしまう。

 

故に、女神転生と言う世界観において『LVが超高い』だの『チート級の無敵』だの『オンリーワンの最強スキル』だの。

 

データ上での最強無敵なスペックを誇る事自体がナンセンス。

 

敵に回ったショタオジですら、女神転生という世界にいる限り『データさえ揃えば攻略可能なボスキャラ』に過ぎない。

 

この世界において最後にモノをいうのは、ひたすらに積み上げられた『相手を攻略するための綿密なハメ殺し戦術』だ。

 

 

すなわち!

 

 

「敵を詰ませる戦術を練り上げる『知恵』パンチ!」

 

『げふぁ?!』

 

「練り上げた策を狂いなく実行できる『勇気』チョップ!」

 

『ぶふぐぅ!?』

 

 

右腕から放たれた知恵のパンチ!

 

左腕から放たれた勇気のチョップ!

 

ギュウマオウの抵抗能力を最大限削ってから放たれるそれは……。

 

 

「そして、鍛え上げた心身から放たれるこれがァ!」

 

「俺たちの体に宿る『正義』を込めた……!」

 

 

ギルスが跳躍と共に炎を纏い、放たれる必殺の飛び蹴り……『バーニングライダーキック』

 

ディケイドがスキャンしたカードに込められた必殺技……『ディメンションキック』

 

この2つが、同時にギュウマオウに叩き込まれる。

 

 

「「ダブルライダーキックだァー!!!」」

 

『結局知恵でも勇気でもなく暴力だろうが貴様らぐはあああああああぁぁぁぁ?!!!?』

 

 

ギュウマオウの抗議を破壊力で押し流し、地面にクレーターを遺す程の衝撃で必殺技が炸裂。

 

直後にギュウマオウが大爆発を起こし、異界がその強度を維持できず崩壊していった。

 

ギルスとディケイドは、その爆発をバックに向かい合い……コツン、と軽く拳同士を打ち合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回の事件全部ユウスケさんの自業自得ゥ~~~~~~~!?!?」

 

「まあ、端的に言えばそうなる」

 

「ヒーローってやつはちょっとしたポカミスでも事件になるんだなぁ、アッハッハ!」

 

 

ギュウマオウを撃破し、牧場の異界を消滅させた翌日。

 

怪我の手当てと休養を終え、自分の世界に帰ることになった士を見送りに来たハルカは、安部と士に説明された『この事件の真相』に、アゴが外れそうなほどあんぐりと口を開けてしまった。

 

余り人気のない公園のベンチでなければ、周囲の奥様方にクスクス笑われてそうな光景である。

 

 

「じゃ、じゃあ、何ですか。最初はユウスケさんが世界ごと移動して『自分の世界』に戻る最中に、この世界とちょっとだけ『波長』が合って……」

 

「その時に聞こえた助けを求める声に、ついうっかり『助けに行く!』って意思を持ったらしいな、あのバカ」

 

「その意思がクウガの力を引っ張り出して生霊を生み出し、それが俺たちの世界に流れつき、一気に力を吸われた本物のユウスケ君は元の世界で衰弱……。

 

 仮面ライダーディケイド、いや。門矢 士がそれを察知し調査に乗り出した、と」

 

 

オマケに、あの牧場の異界は最初、あそこまで凶悪な異界ではなかった。

 

こんな経緯で流れ着いた『英雄 クウガ』は、クウガの力ごと流れ着いたせいで最初から高いLVを持っていた。

 

それが牧場の異界に出現したせいで、周囲のGPが急上昇。

 

LV30を超える悪魔が容易に出現し、主であったギュウマオウはLV50を超える事態になってしまったのだ。

 

幸い、ギュウマオウがMAGを貯めこんでより上位の悪魔に変貌する前に叩いたので、国を巻き込む一大事のような事件には発展しなかったのである。

 

 

「な、なんて人騒がせな……」

 

「ま、文句は今度会った時に言うんだな」

 

 

ベンチに座っていた士が立ち上がり、軽く手を上げれば『銀色のオーロラ』が現れる。

 

安部の言っていた『世界を繋ぐ銀のオーロラ』とはコレのことだろう。

 

 

「あっ!?ちょ、ちょっと待ってください!文句も何も、僕の会ったユウスケさんは、もう……」

 

「……おい、コイツ分霊についての勉強まだだったのか?」

 

「ああ、これから受けさせる予定だった……よな、たしか?」

 

「え?あ、はい。自分で調べた程度の知識はありますけど……」

 

 

そもそも分霊の知識そのものが高度なオカルト理論のソレだ。流石のハルカも、自己学習では知識に偏りが出る。

 

分御霊と同じようなモノ……という感じで一応の理解はしたが、細かい部分の知識・認識に穴があったのだ。

 

 

「分霊の体験した記憶や経験は、分霊が消えれば本体に還元される。得たMAGも、食った物の味も……思い出もな」

 

「ガイア連合と同盟関係にあるとある地母神は、アメリカに派遣した分霊の記憶まで還元しちまって破産寸前になったしな」*1

 

「っ! じゃ、じゃあ……!?」

 

 

ぱあ、とハルカの顔が花の咲くような笑顔に変わった。

 

 

「平和になったら大手を振って会いに行けばいい。そんときゃ俺も協力してやるよ。

 

 世界を超えるなんて、どっちにしても今のお前だと一朝一夕じゃ無理なんだからな」

 

「師匠っ……! はい、はい!必ずもう一度、会いに行きます!」

 

「……そうか。 なら、これもってけ」

 

 

ひゅんっ、と何かを士が投げる。アニメやマンガでよく見るトランプ投擲のように。

 

ぱしっとハルカが受け取ったソレは、名刺より二回りほど大きいカードであった。

 

ディケイドが何度か使っていた『アタックライド』などでスキャンしていたアレである。

 

なんでこれを?と疑問に思いながらもひっくり返してみると……。

 

 

「……!? これ、『クウガ』のカード!?」

 

「正確には『英雄 クウガ』のカードだ。いつの間にか増えてた。 

 きっと、ソレにふさわしい持ち主はお前だ。俺には俺のクウガがある」

 

 

仮面ライダーディケイドには、出会った仮面ライダーの力を『カード』に変えて収集する能力がある。

 

今回であった『英雄 クウガ』はどうやら別カウントになったようで、新たなクウガのカードが生成されたのだ。

 

 

「スキルカード、だったか?それに加工することも可能なはずだ……使いこなせよ、ユウスケの力」

 

「はい!ありがとうございました!!」

 

(……ありがとう、って、あれだけボコボコにされた相手に言えるのはユウスケそっくりだな。仲良くなるわけだ)

 

 

どこか苦笑交じりの笑みを浮かべながら、仮面ライダーディケイド……門矢 士はオーロラを潜る。

 

それと同時に『懸念事項』を思い出し、ぎゅっ、と顔を引き締めた。

 

 

(ユウスケの分霊発生は、世界移動中のイレギュラーに加えてユウスケが人並み外れたお人よしだったのが原因……『だけじゃない』。この世界に調査に来てハッキリした)

 

 

各地を巡って『英雄 クウガ』を探しながら、士はこの世界と『仮面ライダーの世界』の次元的な距離や壁の厚さも測定していたのだ。

 

結果から言えば、上記の要素を含めてもこんな現象が起きるとは到底思えないほどの遠さがあった。

 

女神転生の世界と縁がある世界……例えば『デビルメイクライ』の世界ならフラっとこの世界と縁ができるかもしれないが、それだけじゃない。

 

追加の原因は、女神転生の世界と仮面ライダーの世界、両方にあった。

 

 

(あのアベってやつが突き止めた『仮面ライダーという存在の信仰』が広まりつつあることで、日本には仮面ライダーという悪魔が召喚されやすい土壌があった……というのがこの世界の原因)

 

 

流石に転生者の事は隠したが、元々世界の外を確認する技術があったというハッタリ交じりの理由はユウスケにも話してある。

 

ガイア連合の転生者が『仮面ライダー』という概念をこの世界に持ち込んだことで、ユウスケの分霊がこの世界に呼ばれやすくなったのだ。

 

 

(もう一つは……近頃俺たちの世界で誰かが時間や空間に干渉してやがる。

 そのせいで仮面ライダーの世界の側から、世界を隔てる壁が曖昧になったんだ。

 

 ……調べる必要があるな。念のため、装備も一新して)

 

 

次なる世界へと向かう士。

 

彼はそこで『最高最善の魔王』を目指す仮面ライダーと出会い、新たな戦いに巻き込まれていく。

 

だが、それはここで語ることではない。

 

ただ一つ言えるのは、終末へと加速していく世界と時間と空間が乱れ捻じれる世界。

 

 

 

 

この2つが再び交わるのは、互いの世界の『崩壊』を乗り越えた先の事であろう……。

 

 

*1
カオス転外伝 とある悪魔の半終末

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