というわけでお楽しみください。
「……む、う……?」
闇に沈んでいた意識が浮上する。気絶など一体何百年ぶりか、あるいは何千年ぶりか。
開いた瞳に移ったのは、影の城の一室。鍛練場から最も近い寝室だ。
なんにせよ、影の国の女王は目覚めと同時に全てを理解した。
(ああ、私は負けたのか)
起き上がってみれば、戦装束は丁寧に脱がされ、千切れとんだはずの上半身と下半身はくっついている。
まあ、『あの程度』の負傷であれば意識を失っていてもスカサハは死なない。
ちょっと体が真っ二つになった程度で死んでいたら影の国の女王などやっていけないからだ。
なんかおかしくね?と思ったそこの君。大丈夫、君は正常だ。この頭ケルトを通り越して全身ケルトの女王様がおかしいだけである。
魔獣の皮で作った寝床から、裸体に薬草を当てて包帯を巻かれただけの自分の体を診察する。
千切れとんだ体は一度回復魔法で最低限だけ再生させ、それから針と糸で荒く縫い合わせる。
そして匂いからして倉庫にあった治療用の霊薬と。それを包帯にしみこませて巻き付けたのだろう。
これらの治療アイテムはハルカにも場所を教えておいたし、緊急時の使用許可も出していた。
外科手術なんて呼べないような雑な処置だが、スカサハ級の存在になればこの程度でも十分すぎる。
なんなら千切れとんだ下半身を持ってきて押し付けておくだけでもそのうちくっつくはずだ。
そんなスカサハからすると、この処置ははっきり言って……。
(まったく、過保護な弟子だ。そんなに自分の女を死なせたくなかったのか?)
ふふっ、と小さく微笑みながらそんなことを考えている全身ケルトがそこにいた。
マトモな現代人からするとだいぶ意味不明だが、スカサハ視点だと
『かーッ!こんな丁寧な手当てするとか儂/私の弟子べたぼれすぎてつれーわーッ!美しくて強くて永遠に若くて知識も豊富な女教師属性って罪だわーっ!かーっ!』
になるのである。少なくとも好感度はさらに上がった。
意味不明を通り越してスカサハは少し錯乱しているといわれてもおかしくない。
幸いにして寝ている間に肉体の再生はほぼ終わっているので、巻いてある包帯を剥ぎ取り、念のため体内だけ回復魔法をかけて立ち上がる。
高すぎる再生力と現代では手に入らない霊薬のおかげで、スカサハの体には傷跡1つすら残っていなかった。
あの男からの傷なら残しておいてもよかったのだが、と少し残念に思う気持ちもある。
が、どうせ見せるのなら綺麗な女体の方がいいだろう、と気を取り直した。
ご丁寧に寝床の脇にはスカサハの戦装束が畳んでおいてある。目覚めたらこれを着ろ、という事なのだろう。
戦装束に手をかけたところで、部屋のドアが控え目にノックされた。
「先生ー、起きた気配したので粥持ってきましたけど食べられそうですかー?」
「む、ハルカか。問題ない。胃腸も完全に再生しているし、歯や舌には怪我もない。
入っていいぞ、ちょうど腹も空いてきたところだ」
「そうですか、それはよかった。じゃ、失礼します」
木と青銅でできたトアを開け、ハルカが顔を出す。
そして0.1秒でドアを閉めた。
「……どうした?」
「どうしたじゃないでしょう!?なんで全裸のまま突っ立ってるんですか!?
しかもなんで全裸のままなのに入室許可出したんですか貴方!?」
なんだそんなことか、とスカサハは嘆息する。
我が弟子ながらこれではまるで女も知らぬ未熟者のようではないか、と。
……ふと、このタイミングでスカサハは『とあるありえない考え』が頭をよぎった。
いやいやそんなバカなと戦装束にそれを通しながら、とりあえず遠回しに探りを入れてみる。
「それに儂が目覚めた時全裸だったということは治療する時にみているのではないか?
……ああ、もしや突っ立ってる儂を見て別の所が突っ立って困っているのか?」
「立つかァ!上半身と下半身分断されてたらどんなに美女でもそういう目では見れません!」
(つまりくっついている今の儂/私ならばそういう目で見れる、と)
その上でケルトの勇士らしく『俺の子を産め!』とばかりにグイグイ来ない。*1
自分の体が女として完璧過ぎる*2のを加味しても、やけにそれを見るのを避けようとする。
これらの要素を統合すれば、真実はいつも1つ!
(こやつ、童貞かッ!!)
当たり前である。
(くっ、抜かった!まさか13にもなって女の1つも抱いたことが無いとは……!!
ケルトの勇士なら10になる頃には戦の後の興奮を侍女を抱きまくって鎮めるモノだろうが!
フェルグスを見習え! ……いややっぱり見習いすぎるな、何事も限度がある)*3
そもそも13の男が女を抱いてるのは少数派である、もっというとケルトの勇士級に抱きまくってるようなのは日本だと希少種に等しい。
フェルグス並みとか言い出したら日本の薄い本でも中々見ないレベルのとんでもない性豪になってしまう。
どのぐらい性豪かって?詳しく描写するとこの小説がR18になってしまうので知りたい方は各自調べてほしい。
全く情けない、と若干好感度が下がりかけた所で……。
(……待てよ。 つまり、こやつの初めての女は、儂/私か?!)
その時スカサハに電流走る────ッ!
明らかに初心そうな美少年、しかもケルト的にもアリなぐらいに鍛えている筋ショタ男の娘。
それを自分が手取り足取り腰取りアレ取りコレ取りしながら絶頂へと導く。
正直彼女は想像すらしていなかったシチュエーションだ、まさかのケルト式保健体育プレイである。
色んなおもりが取れたせいか、2000年モノの独身女性*4らしい拗らせまくった思考回路と性癖になりつつある。
戦装束に着替えながら展開される桃色思考に、あの世にいる弟子一同が「うっわ……」って顔でドン引きしてそうだ。
何はともあれ着替え終わったので、改めてハルカを中に招き入れ、持ってきた粥を食べながら話を続ける。
「明日でちょうど一年。お前は十分に影の国の技法を修めた。
妙技の数々、薬草や霊薬の知識、魔術の知識、悪魔の倒し方……。
まさか教える気のなかったゲイボルグまで習得するとは思わなかったが」
「あれだけ毎日のようにポンポン投げ込まれて覚えない方が不勉強ですよ、先生」
「……それもそうか。セタンタの奴は教えればホイホイ覚えていったからな。
己の意思で鍛える、まではともかく、己の意思で学ぶ、というタイプではなかった」
ハルカがありとあらゆる努力を惜しまない秀才ならば、クー・フーリンは1教えれば10を学び取る天才だった。
どちらも『最高の弟子』と言える逸材同士であるが、多くを修めるハルカと一つを極めるクー・フーリンは微妙にタイプが違った。
少なくとも、ハルカはゲイボルグ・オルタナティブまで至るのはもっともっと先だろう。
クー・フーリンはやろうと思えばできてしまいそうだが、代わりにハルカよりも修めたモノの種類は少ない。
……だが少なくとも、ハルカがクー・フーリンと同じ時代に生まれていれば
スカサハはクー・フーリン、フェルディア、ハルカの3人で『最高傑作の朱槍』を賭けた決闘をさせただろう。
ふと、ここでスカサハは『ある問題』に気が付いた。
(……まずい、クーフーリンやフェルディアに匹敵する勇士が卒業するというのに、渡す武具を用意していない!?)
初期の数か月は「まあ見どころあるんじゃね?」ぐらいのノリだったのでそれほど重要視しておらず、
中期の数か月は「おっ、なかなか見どころあるじゃん。クー・フーリンほどじゃないけど」って感じで、
後期の数か月は「んんんんんん!!スカサハポイント100000000点!」って感じなのですっかり忘れていた。
「……ハルカ。卒業の儀に少し準備がいる。元の世界に帰るのは明日でいいな?
お主のモノ*5になるにしても準備がいる。儂/私は今すぐにはここから離れられん。
なるべく高位かつ、意識を常時リンクさせた分霊を用意せねばならんからな」
「え?ああ、はい。一日ぐらいなら全然かまいませんよ。外の世界じゃ40~50分程度ですし」
「よし、今日はもう休め。明日の朝に卒業の儀を行い、それから出発としよう」
(セェーフッ!よし、明日までに必要なアレやコレやを徹夜で準備せねば!)
材料はあれとこれとそれと……と今城に何があるかを頭の中で必死に整理しつつ、粥を食べ終えたスカサハは水を飲み干し一息ついた。
まだまだやることはごまんとあるが、少なくともハルカにこれだけは言わねばならない、と。
木皿と木匙を片付けているハルカが帰ろうとしているので、少し待て、と呼び止める。
「卒業の儀の前に言っておく。 ハルカ、これからは自分を卑下するな」
「卑下なんて……」
「していない、とは言わせん。お前は少々……いや、だいぶ自分を下に見るクセがある」
自分なんて、自分よりも、自分ごときが……そんな価値観がハルカの根底にある。
やることなすことを一切評価されない10年間を送った経験が、これだけ成長した今も足を引っ張っているのだ。
ただでさえ英雄精神アリアリで献身的だというのに、後天的に植え付けられたコレのせいで過剰なまでに人に尽くしすぎる。
それがいずれ、ハルカの破滅を招くモノだとスカサハは看破していた。
「誇れ、ハルカ。お主は神話に謡われる英雄達に比例する試練を乗り越えたのだ。
その誇りを胸に抱き、まっすぐに立ち、生きよ。お主にはその力と資格がある。
資格ある者は多くを手に入れられる、その両腕でどれだけ抱え込めるかは、力と器次第だがな。
……?! こ、こら、泣くんじゃない!何故泣く!?儂/私はそんなに変なことを言ったか!?」
ぐすぐすと泣き始めたハルカに、戸惑い困惑するしかないスカサハ。
泣き言を言う弟子はいても、文字通り子供のように泣く弟子などいなかったのだ。
ハルカより年下の弟子となるとコンラがいたが、彼は父親譲りで生まれつき勇猛であった。
あの試練を超えてきた時点でひとかどの勇士ばかり、それが涙を流してうつむくなど……。
(……そうか、そうだな。こやつは子供であったな)
確かに英雄として、あるいは王としての器と勇気は持ち合わせて生まれたのかもしれない。
そして、種であるソレが立派な大樹となるほどに経験という名の雨を受け続けた。
だがしかし、コンラのように光神ルーの孫で光の御子クー・フーリンの息子というわけではない。
ほんの少しばかり霊能の力がある人間の家に生まれただけの英雄候補、それが鷹村ハルカなのだ。
泣いているハルカを抱きしめたまま、頭をなでたり背中をさすったりと、知りうる限りの『子供のなだめ方』を試す。
自分の娘にやったきりなので、本当に数千年ぶりだろう。*6
「……まったく、この分では当分挙式など上げられそうにないな。
こんな良い女を前にして、抱くのではなく甘えて泣くとは。
いや、これはこれで、意外と……いやしかしケルト的には……ううむ……」
「? ぐすっ……えっと、挙式?誰と誰の……?」
「ん?」「え?」
そして埋めたばっかりの地雷がとんでもないタイミングで炸裂した。
「……ハルカ、お主儂/私が欲しいと言ったな?」
「え、はい。正直僕は外に出ると知識も権力も技術も、ありとあらゆるものが足りないので……。
スカサハ先生ならきっと、仲魔としても部下としても祭神としても指導者としても最高ですし。
……あ、やっぱり指導者としてはナシで。最低でもカリキュラムは僕と相談で」
「………………ふむ。 なるほど、なるほど、なるほど……うん、なるほど」
ゆっくりとスカサハがハルカから離れる。
軽く手首と足首を回し、準備運動のように体をひねってからゴキ、ゴキ、と首を鳴らした。
ハテナマークを浮かべているハルカの前で、いつものようにどこからともなく朱槍を取り出す。
色々な意味で信頼されているのは本当にうれしいのだろう。だがそれはそれとして、というヤツだ。
くるり、とソレを一回転。体の調子を確かめてから……。
「死にさらせこの童貞スケコマシ小僧ッ!!!」
「なんっでぇ!!??」
「そしたらお前がパパになるんだよ!おうあくしろよ!!」
「なんで着たばかりの服を脱ぎ棄てながら朱槍ブン回して襲い掛かってくるんですかちょっとぉ!?!?」
それから約二時間、影の城の中でスカサハ/スカアハの怒号とハルカの悲鳴が響き続けた。
直したばかりの影の城を盛大に粉砕しつつ、ハルカは全力で逃げ回る。
この騒動の後、ハルカはこう語った。
「裸の美女に追いかけられてるのにかけらもうれしくなかった」……と。
「それでは、これにて卒業の儀を終える」
「城の中ボロッボロなせいで感動もへったくれも無いですけどね……」
翌日の昼頃、ズタボロになった影の国の城のホールにて、ハルカの卒業の儀が執り行われた。
といっても実はそんな儀などなく、ハルカへの贈り物を準備するためにスカサハがでっちあげたイベントなので、ちょっとした祝辞の言葉とそれっぽい儀礼で終わった。
ハルカからすれば小学校の卒業式よりシンプルに感じたイベントである。そもそもスカサハが片手間に3分で考えた内容だから仕方ないけど。
それをごまかすようにおほん、とスカサハがひとつ咳をして、後ろのテーブルに置いてあった何かを持ってきた。
いくつかの包みを纏めてあり、その中には槍袋のようなモノも入っている。
「だが、卒業証書等よりは良いものを持ってきたぞ?儂は。とりあえず、日本の流派ではこういうモノがあると聞いて準備した、影の国流武術の極伝書……」
「もうしょっぱなから胡散臭いんですけど先生???」
「何を言う、影の国の魔獣の皮をなめして作った獣皮紙で作った特注品だぞ」
「うわぁホントだ、これ下手な霊的防具より頑丈だよ……」
具体的にはLV50クラスの魔獣の皮にスカサハが割と本気の各種呪詛をしみこませ、劣化防止の効果があるインクで証書を書き連ねたモノである。
胸にくくりつければLV40ぐらいの悪魔の攻撃は防げる胸当てになるレベルのシロモノだ。無駄に力が入っている。
「次に、貴様がこの一年使い続けた朱槍だ。一番手になじんでいる槍だろう?
だがこれは元々ゲイボルグの量産品なので、正直そこまで質は良くない。
そこで、最後の試練で貴様が仕留めた二頭の海獣の素材を使って強化した。
オリジナルにかなり近い仕上がりになったはずだ、持っていくといい」
今のお前なら使いこなせるだろう、とハルカに両手で槍袋を渡す。
手渡された槍袋からは、なるほど、今までの朱槍とは段違いの危険な気配。
『ああうん、これはマズいや』とハルカが直感で感じてしまうほどの危険物だ。
危険を感じ取る感覚が手に持ってるだけで作動するとかいうトンデモ武器である。
「あ、因みに持ち主以外が勝手に使おうとすると呪われるから気をつけろ。
普段は封印の呪符を巻いておけ、これならお主以外も手に取って動かす程度は問題ない」
(すごい返品したいッ……!!)
……が、目の前でふんすっ!って感じの笑顔で差し出してくるスカサハを見ると、受け取らないという選択肢はない。
昨日は全裸で槍ぶん回して追い掛け回してくるスカサハが叫んでいる内容で、おおよそアンジャッシュの内容はハルカも察した。
逃げ回りながらも「そもそも日本じゃ13歳は結婚できない」「恋人いたことないからそういうアレコレもわからない」「できればもうちょっと時間が欲しい」という具合に説得を続け……。
最終的に『師弟以上恋人未満』という関係で暫定的に落ち着いた。
メンヘラヤンデレ発症させた全身ケルトで乙女心を2000年ぐらい拗らせてる女神相手と考えると、はっきりいって歴史的快挙である。
「最後にこれだ」
「……? 宝石?」
血のように赤黒い宝石、これからは死の匂いは感じないが、それはそれとしてやっぱり呪詛の気配がする。
というか影の国に死とか毒とか呪詛とかの危険な気配を放っていない物品は存在しない。
おかげで死を感じ取る直感も必死に制御しないと誤作動おきまくってたのだが、それはともかく。
「儂/私のフォルマの濃縮結晶だ。ガイア連合では色々と利用方法もあるのだろう?
お主の所に送る分霊が入る式神ボディの素材にでも使えば、儂の分霊の強化にもなるはずだ」
「な、なるほど……」
「金が要りようなら売り飛ばしても構わんし、武具に加工するのもよかろう。好きに使え。
……なんなら婚約指輪に加工してくれても構わんぞ?」
「ぜ、善処します……」
いまだに「なんで僕こんなに惚れこまれてるんだろう……?」と首をかしげながらも、組紐でしっかりと自分の荷物を縛り、背中に背負った。
衣服に食料に水に薬に、今回卒業の儀でもらった祝いの品。なかなかの大荷物だが、なんだかそれが誇らしい。
『自分は少なくとも、目に見える範囲でもこれだけのものを得て、影の国の修行を終えたのだ』
少々現金かもしれないが、やはり目に見える成果はちょっぴり自信を後押ししてくれる。
……そう、『後押し』だ。ハルカはスカサハの言葉で、小さな自信の芽が生えた。
なにより、この修行を乗り越えたのに下を向いて生きていては、自分を育てた『師匠』と『先生』まで侮られる。
それはきっと、ハルカにとって『仮面ライダー』を侮辱されるぐらい許せない事だから。
正門からまっすぐに、初日に来た道へと歩みを進める。
最初はひいひい言いながら駆け抜けていた道も、今ではちょっとした散歩コースだ。
しかし、影の国の城から出てすぐの所で、後方から「ハルカ!」という声が聞こえた。
頭に疑問符を浮かべて振り返れば、正門まで見送りにきていたスカサハがいる。というか、元々この異界には彼女以外いないのだが。
「…………また、いつでも来い。不味い茶ぐらいは出してやろう」
「……はい!いろいろとありがとうございました、スカサハ先生!」
そして……久方ぶりに浮かべた柔らかな笑みで、卒業していく弟子を見送った。
スカサハは回想する、この一年の充実した日々を。
これからは分霊の五感を使ってハルカに寄り添っていくつもりだが、それでもこの一時は確かに『別れ』なのだ。
だがしかし、ハルカは『2つの点』であの『光の御子』を超えたとスカサハは感じていた。
一つ目は、修行期間。クー・フーリンがスカサハの修行を終えたのは『一年と一日目』。
ほんの一日の差だが、ハルカは確かにクー・フーリンよりも早く修行を終えて見せた。
おかげで今の彼は『超人 ハルカ LV84』。もはや神話の英雄に等しい。
二つ目は……。
(お前とは『さようなら』ではなく『またね』になる。そんな確信があるのだよ、ハルカ)
クー・フーリンは、影の国へ二度とは戻らず、スカサハと再会することもなかった。
分霊同士が会うことはあるが、それを再会とは呼ぶまい。
スカサハの弟子である『クー・フーリン』は、既にクーリーの牛争いを発端とする戦争で死んだ。
だからこそ、ハルカが真にクー・フーリンを超える時があるとするのなら……。
「生き残って、また会いに来い。ハルカ……」
一抹の寂しさを感じながらも、スカサハ/スカアハは『愛した男』の背を見送ったのであった。
これからも困難に挑み続ける、小さな体に大きな使命を背負った、英雄の背を……。
『ゾビゾビ、バヅボドブブン!』編 END
NEXT STAGE
『激突、仮面ライダーVS終末のライダー!』編
to be continued……。