この世界線での『ハルカに対する黒札勢の印象』を整理した話。
コラボ先の黒札さんの場合、向こうの作品では別解釈されてるかもしれないので、
あくまでこの小説内での解釈ってことで!
ガイア連合に置いて、黒札(ブラックカード)とはぶっちぎりの特権階級である。
白金(プラチナカード)持ちであるハルカはこの黒札からの命令を拒否する権利を持ち、
山梨支部へ訴えを起こせばそこらの黒札2~3人分よりは信用される発言力を持つ。
更に言えば、彼はガイア連合幹部の一人である破界僧『阿部 清明』の弟子。
そして、彼の作り出した『やらかした黒札向けの鉄砲玉』でもある。
当然と言えば当然だが、そんな彼に対する黒札の印象はピンからキリまで様々だ。
今回は、そんな彼と主な黒札との距離感をざっくりと書いていこうと思う。
【阿部 清明の場合】
「あ、全身生殖器(ししょう)、いたんですか」
「今お前なんて書いて師匠って読んだ?」
基本はこんな距離感。ハルカは信頼・信用できる相手ほど雑(フランク)に扱う傾向にあるが、ある意味その筆頭だ。
この人はこのぐらいの扱いでも怒らないだろう、という信頼の表れとも言える。
同時に『この程度で短気に走って自分を切り捨てず、最高効率で使い切るだろう』という信用の表れでもある。
「一応僕支部長ですからね?来るならアポぐらい入れてくださいよ」
「はっはっは、悪い悪い。あ、これ古都土産の羊羹」
「……丁度いい時間ですし、おやつにしますか。お茶いれますから」
「S県が茶所なのは終末後も変わらんなぁ」
「趣向品として価値が出る事を見越して保護してましたからね。
終末後もシェアぶっちぎりですよ、S県産の緑茶」
ちなみに、バリバリ仕事がある日の午後3時頃にノーアポで訪れてこんな扱いである。
【兎山 詩乃&士村 桜&友恵マナミの場合】
「うひょひょひょひょピンクのカバさんがみえりゅー!!」
「世界の悪意が……見えるようだよ……」
「寝てくださいマジで!!」
はっきりいってハルカも相当なブラック環境だが、式神パーツ無しで同レベルにブラックなのがこの二人。
両者ともにLV40~50級の覚醒者だが、それでも体にガタがくるレベルで研究開発しまくるコンビである。*1
とはいえ、ハルカのプラチナカード取得後は少しだけマシになっている。その理由が……。
「じゃ、次の実験の為にこの書類を申請!」
「友恵さん、申請却下しておいてください」「了解しました」
「しょんなー!?」「や、やっと、寝られる……」
「「こうなる前に寝てください!!」」
こんな風に、プラチナカード権限を利用して実験の申請や研究予算の申請を無理矢理先送りできるようになったからだ。
本人がいない時も事務方トップである友恵がある程度受理を吟味する事で、過度のブラック労働を抑止。
それでも『これは一刻も早くやっておかないと』みたいな案件は多発するあたり、霊山同盟支部は今日も魔境である。
【鬼灯 焔&流石兄弟の場合】
「鷹村支部長、今いいか?」
「! あ、弟者さん、それに兄者さんと鬼灯さんも」
支部長室のドアをノックして入って来たのは、調査専門の黒札である流石ブラザーズと、汚れたバベルの塔を生やした鬼娘こと鬼灯。
終末後の流石ブラザーズは山梨支部所属のまま各地の調査を専門に活動。
主に結界拡張のための周辺調査や、シェルター内の不穏分子の内偵等を仕事にしている。
「持って来たぜ、例の危険区域の調査報告書」
「今回は大変な仕事やったなぁ。流石ブラザーズのお二人だけやのうて、ウチまで呼ぶなんて」
「僕や特記戦力*2の手が空いてないタイミングだったんですよね、どうしても……」
「ま、俺達としちゃバックアップが充実してるお得意様は大歓迎だがね」
人材豊富に見えても管理する土地が広すぎる以上、予算とコネで呼べる調査員&戦力は貴重だ。
阿部繋がりの縁ではあるが、現在もこの3名とは良きビジネスパートナーとして付き合っている。
【伊予島 杏の場合】
「パパー♪結界修繕のための『間引き』、終ったよー♪」
知り合いの黒札問題児その1・伊予島 杏のご登場である。
入室と同時にLV80overの身体能力をフルに活かし、とんでもないスピードでありながら書類の一枚すら舞い上がらない制動をかけてハルカに抱き着いた。
「お疲れ様です、伊予島さん……あと、その、パパ呼びはできるだけ控えてもらえると」
「やーだー!一週間も最前線に缶詰めだったんだからパパに甘えるぅ!!」
「仕方ないなぁ……」
念のために言っておくが、伊予島 杏は終末前~半終末の頃には悪魔娼館を利用していたバリバリの成人女性である。
もっと言うと、出会った当時は12歳前後だったハルカからすればずっと年上の女性で。
さらにさらに、その頃*3ですら『LV40』というかなりの高レベルに到達していた修羅勢の一人。
様々なアレコレがあって盛大に脳破壊する側&脳破壊される側に回ったことで性癖が粉々になっただけだ!
そして性癖と人間性が盛大にアレしたせいでメンタルケアのためにハルカ君が必須になっただけである!
「いやその、毎回すいません支部長様……」
「ウチの御主人様も頑張ったので……」
「ごめンなさイ、支部長さン」
「あ、いや、四人とも最前線で戦闘やら交渉やら頑張ってくれてたのは知ってるから。
お疲れ様。僕にとって至らない所を支えてもらって、いつも助かってるよ。
休暇は申請してあるから、温泉でも浸かってゆっくりと英気を養ってほしい」
「「支部長様……(トゥンク)」」
「あっ、パパの愛情で脳が焼け、ウッ」
「わー、ご主人サマ、支部長さンに褒められて、嬉しそウ!」
(あれ、なんだか部屋の湿度が増した……?)
説明しよう!伊予島 杏の連れている仲魔は、ミナミィネキが悪魔合体その他で加工した美少年ゴブリン×2*4である!
悪魔娼館の男娼だった彼らを、杏は身請け制度を引き取ったのだ!
更に、この二人は美少年型式神*5を見た時の感想が「ノンケなのに一瞬ドキっとしたぐらいの美少年」である!
そして、ハルカはKSJ研究所のカズフサニキ*6が「やばい新たな扉を開きそうだ」となって踏みとどまるぐらいには美少年である!
ほぼ全身式神ボディで悪魔にも通じる美貌を持つ。
+
外見は人間時代そのまんまなのに美少年。
+
成長するように調整した式神ボディなのに20歳近くになっても合法男の子。
……結果として、杏ほどではないが美少年ゴブリン×2の脳も盛大に焼いていた!
「パパが良ければすぐにでも4(ピーッ)で手取り足取り腰取りいろんなことを教えてあげたい……!」
(ご主人様マズいです!ボクはともかくアストルフォが色々戻ってこれなくなる!)
(いやギルもだいぶ怪しいからね?この前酔った勢いで支部長様とご主人様に【サンドイッチ】される妄想をぶちまけてたからね?ボク以外に聞かれてないけど)
(なんだろう、僕の中のギルスがすごい微妙な顔をしている気がする!)*7
なにはともあれ、こんなのでも実力・好感度ともにハルカ容認派の筆頭である。
ある意味『身内最優先の俺達』の一人であり、その身内判定に鷹村ハルカががっつり組み込まれているのであった。
絵面こそ変態ギャグだが、その内実は『地獄の底のような精神状態だった自分を救い上げて、その後も面倒極まる自分の世話を焼き続けている少年』なのだから。
……それに罪悪感を覚えつつも興奮と愛情が上回るあたり、彼女はいろんな意味で手遅れである。
【鵺原 リンの場合】
「決闘の申請書が受理されたぞ、ハルカ!」
「何度目だナウ〇カ」
知り合いの黒札問題児その2、幼女ニキこと鵺原リン、実に二話連続の登場である。
純粋な仮面ライダー、そしてギルスのファンガール(精神的にはファンボーイ)であり、スパチャガチ勢の一人でもある。
ハルカ/ギルスが特撮俺達向けに作った各種サービスの常連として、今日も霊山同盟支部にさらっと赤スパ投げてくる収入源だ。
「いや、例の申請書、一回目の決闘が予想外の結果で終ってしまったからな……」
「まさか僕が触ると勝手にゴウラム形態に変形するとは……。
使い方が不明だった『ファイナルフォームライド』ってスキル、これだったんだ」*8
前話ラストの決闘だが、意気込んでフル装備で出て来たリンを、模擬戦ぐらいの心得とはいえ迎え撃ったハルカ。
しかし、今まで使っていなかったとあるパッシブスキルが、最初の交差と同時に発動。
リンが見に纏っていたデモニカがとんでもない変形を起こし、しかも自由行動が封じられてしまったのである。
「デモニカG1*9の方にハッキングされた形跡がないどころか、
ゴウラム形態を実装してないG1でも触ったら変形したからな。
ちなみに、やられた側の感想としてはちょっとくすぐったかった」
「『仮面ライダー系の敵・味方を『FFR』形態に変えて操作する』……なんでこんな限定的すぎる能力が……」
「絶対世界の破壊者が残したカードをスキルカードに変えて取り込んだせいだろ」
「やっぱりリンちゃんもそう思う……?」
ちなみに……精神年齢はともかく、肉体年齢は自分の方が年上&TS転生の事を知らない。
なので、未だにリンを『メンタルがオヤジっぽい幼女』として扱っているハルカなのであった。
【新田 美波の場合】
霊山同盟支部に何度目かの凸を慣行したリンを適当にあしらい、*10ターミナルシステムを利用して山梨支部へと転移。
今日は山梨支部で済ませなければいけない用事が2つほどあるので、まずはそれをこなしていく。
「まさか貴方から杏ちゃんに関する恋愛相談を受けるなんてねぇ……」
「これ恋愛相談でいいんですか?もっとドロっとしたものじゃありません!?」
「恋だの愛だのは古来からドロっとしているものよ、ハルカ君?」
「ドロっと具合がとんでもないんですけど。
スムージーぐらいを想像してたらヘドロみたいのが渦巻いてるんですけど」
ミナミィネキこと新田 美波にとって、ハルカは従弟とか友人の子供みたいな距離感の相手である。
彼女が式神・悪魔合体関連の技術を身に着けて悪魔娼館を立ち上げた頃には阿部の紹介で出会っていた事もあり、何気にハルカとの関わりは長い。
阿部・ハルカの両名が『式神ボディの調整を任せてもいい』と信頼している数少ない一人というのも大きいだろう。
言動・行動が全体的にエロい以外は比較的善性の黒札なのだから。
「あ、もしも性的な方面で不安があるなら言ってね。
彼女の体の弱点も性癖も、下手すると彼女以上に詳しいから♪」
「そっち方面では頼らないので大丈夫です!
というかアレ、もし抱いたら絶対拗らせるヤツじゃないですか!
依存か愛情か微妙なラインなのが一気に依存に傾くヤツじゃないですか!」
「男は度胸、何でも試してみるものよ」
「師匠みたいな事言わないでください!」
定期的な式神パーツの健康診断ついでの雑談では、大体毎回こんなノリに終始する。
……色々あったのにウブで純粋な所を残したままの合法美少年をからかいたい、というアレな欲求混じりなのも事実である。
【碧神 凍矢の場合】
「あれ、碧神さん。直接会うのは久しぶりですね」
「! ハルカくん、山梨支部に来るのは珍しいけど、何かあったの?」
「はい。ちょっと悪魔娼館山梨本店で式神パーツのチェックを。
定期的な健康診断みたいなものですよ、シノさんが色々忙しいので」
(といっても、もう僕は変異しすぎてて半分式神から逸脱してるんだけど……)
鷹村ハルカにとって数少ない『常識人だと思ってる』黒札の一人だ。
しっかり修羅勢なので訓練・修行に関する基準はぶっ壊れているものの、
それ以外の点は『真っ当に話が通じる』時点で知り合いの中では『話しやすい』部類に入る。
ガイアプロレス関連で色々あったが、霊山同盟支部と新潟支部は大手の取引先という事もあり、相互に『太い客のトップ同士』という関係である。
「それじゃあ、今から悪魔娼館に?」
「いえ、健康診断はさっき受けてきて、今結果を待ってる所なんです。
その間に千川さんに必要書類を届けたら、結果を受け取って帰ろうかな、と」
「あー……もしかしてプラチナカードの審査関連?」
「はい、プラチナカードは査定のための書類審査が必要ですから。*11
ターミナル経由での通信は盗聴・改竄の危険があるので、直接出向いて届けてるんです。
定期報告会までまだ猶予はありますけど、ウチの支部はいつ何が起きるか分からないので」
「書類なんて出してる余裕が無い戦況が続くかもしれない、と」
「そういうことですねー……」
(毎度思うけどプラチナカードっていろんな意味で割に合わないな……いや、彼の業務を考えれば必要ではあるんだろうけど)
あはは、と苦笑しているものの、プラチナカードは『ガイア連合でも極まったワーカーホリック・ゴールド専用の地位』と言われるほどのブラック管理職である。
そんな地位に中学生の時からついて、何かあればワンミスで万単位の人間が死ぬ事件に放り込まれ続けてきたのだ。*12
凍矢こと田舎ニキの性質は『英雄願望は薄いややお人好しの善性』。属性・善の俺達にそこそこいるタイプとも言える。
そんな彼からすれば『全力で助けるほどじゃないが、無理のない程度には手助けしてあげたい相手』ぐらいの距離感なのだろう。
【千川ちひろの場合】
「……はい!では報告書類の確認は完了しました。次回の報告は〇月×日の定期報告会ですね」
「ありがとうございます。またよろしくお願いしますね」
ガイア連合山梨支部経理部に書類を提出しに来たのだが、対応したのは経理部の顔とも言える黒札『千川ちひろ』であった。
彼女は『霊山同盟支部の発足理由』*13を知る一人であり、それもあって霊山同盟支部からの重要書類は彼女の担当業務となっていた。
報告の中に『山梨支部にまで飛び火するような案件』が無いかどうかを監査する以上、下手な人間には任せられないのだ。
(……この子を山梨支部の安定・安寧のために生贄にしてる、というのは、いつまでたっても慣れそうにありませんね)
それでも『必要ならばやる』あたり、彼女もまた阿部と同じく結構なリアリストである。*14
彼女からすればハルカは『力はあるが立場は生贄』という感想しか持てないので、ことさらに手助けをすることは無いが、同時に極度の排斥もしない。
『ガイア連合という組織に必要である内は擁護寄りの中立でいる』……経営部黒札一同はおおよそこういうスタンスである。
【KSJ研究所の場合】
定期健診の結果を受け取り、山梨支部の大ターミナルの1つへと歩いていくハルカ。
すると、大ターミナルから山梨支部へ転移してきたと思われる人影と出くわした。
「……カズフサさん?珍しいですね、山梨支部で会うのは」
「あ、ハルカ君。実は『レッドスプライト号』*15のオーバーホールが必要になってね。
ハルカ君は……経理部の方から来たってことは、書類審査かい?」
「はい、プラチナカードは色々と審査項目も多いですから。
こまめに出しておかないと、何か引っかかった時に書類が山に……」
「ははは……出世するほど仕事が増える社会の構図は終末後も変わらないからね」
「黒札ですら逃れられないルールですからね……」
KSJ研究所の一人、大森カズフサにとって、鷹村ハルカとの関係は『庇護者』に近い。
惨酷な運命、過酷な試練に挑み続けるハルカと、それを見えざる手を使って支援する者。
同時に、鷹村ハルカをちゃんと『子供』として見ている数少ない一人である。
「それじゃあ、僕はこれで。午後も仕事が満載なので……」
「お、おう……その、頑張ってね」
微妙に気まずい空気になりつつも、今度こそターミナルのある部屋に向かい……そこで、また新たな黒札とすれ違った。
【入即出やる夫の場合】*16
「……あ、どうも」
「……いや、こんにちは」
(え、なにこの空気……?!)
大森カズフサの知る限り、ハルカとやる夫は『善性』の一点で言えば間違いなく信頼できる2名である。
両者ともに『誰かの為に』で戦い続ける事ができるメンタルの持ち主で、事実、それに救われた人間も多い。
しいて言えば戦闘力だけは正反対だが、ここまで気まずい空気になるような二人じゃなかったはずだ。
「それじゃあ、僕はこれで」
「え、ちょっ……!?」
この空気で俺を置いていくの!?とカズフサが声をかけたくなったところで、ハルカはターミナルシステムを使って転移。
残されたのはカズフサとやる夫、そして彼の付き添いで来たスグリであった。
「あのー、やる夫さん?彼と何かあったんですか?」
「あー……いや、やる夫も直接何かがあったわけじゃないんだお。
ただ、世の中どうしても性質(タチ)があわない人間はいるというか。
人間的・人格的な相性がかみ合わない相手というか……」
微妙に気まずい空気を残したまま、やる夫はハルカと気まずくなった理由をぽつぽつ語る。
「彼は……やる夫が『なれなかった自分』そのものなんだお。
力が無い状態で始まって、リスク覚悟で力を得られる手段を取って。
大勢の人を助けて、今も守り続けてる」
「うーん、やる夫さんもガイア連合としては間違いなく貢献してる側じゃ……」
「周りはそう言ってくれるけど、彼も『年下なのに前線に立ち続けてる相手』なんだお。
元々やる夫はそういう事態が起きてるからこそ強くなりたかったんだお。*17
だけど……その守らなきゃならない相手が、寄りにもよって自分の理想形というか……」
「あー……」
「ハルカ君も微妙に気まずそうにしてるから……。
向こうもなにかしらやる夫に思う所があるのかもしれないお。
力のないヤツが前線に出てくるな!みたいな……」
そりゃあ複雑だ、複雑極まる。嫉妬というには思いやりがあるし、善意というには拗れている。
同時に、ハルカ側がやる夫に対して気まずい空気になってる理由もまた、カズフサは理解した。
「いえ、どちらかというとハルカ君がやる夫さんに抱いてる感情は……『羨望』じゃないですかね」
「『羨望』?」
「ええ。彼はその、『力』が無かったからこそ『居場所』も無かった子ですから。
勿論、霊能力者としての『力』以外にも色々長所はある子ですけど。
そういう長所は何一つ評価されず、『力』の有無だけで人生が決まる環境にいたんです」
地方の霊能一族で、長男でありながらロバの中のロバだったからこそ冷遇されて。
家にも学校にも居場所がない。そんな環境で物心ついた時から育てられて。
それでもなお、奇妙な運命の導きで『力』と『居場所』を得たのが、鷹村ハルカだ。
「そんな彼からすれば、力が無くても慕ってくれる相手がいて、居場所があって。
直接的な力以外の長所を活かせる環境も、評価してくれる相手もいて。
それなのにひたすら前線に出てこようとするやる夫さんは、なんというか……」
「ああうん、おおよそ分かったお。それは確かに複雑だお……」
自分がどれだけ望んでも得られなかったタイプの『居場所』を得ているのに、それでも満足していない様にしか見えないのだろう。
そして、やるべきことをやった上で、やる夫という人間の能力も十分分かっているからこそ『否定』もしづらい。
結果、好き嫌いで言えば間違いなく嫌いだけど、敵認定するような悪党じゃない……という非常に面倒な立ち位置にいるのだ。
……『お互いに』。
「まあ、幸い拠点も遠いですし、大きな問題にはならないと思いますけどね」
「それはそうだけど、やっぱり複雑だお……お互いが相手を羨望してる関係とか」
「……ねえカズフサ、これ新手のBLか何か?」
「「断じて違う(お)」」
やる夫さんの周りにいる女性?陣*18的にシャレにならないからやめようか、という気持ちになったカズフサなのであった。