流れ者の考察記録   作:sesamer

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 個人的にはお気に入りや感想以上にここすきがある時が1番嬉しいです。嬉しいというよりもウケを狙ったけどスベッてなくて安心という意味合いですが。



13. ヨークシン観光×腕相撲×幻影旅団の強み

 

ーーーCASE OF QUWROFーーー

 

 

 

「ようこそ俺達のアジトへ。彼らの紹介は必要か?」

 

「い、要らないです。知り合いもいますし…」

 

 アジトに着いたステラは既に集合している面々の中にいたシズクの方を見ながら言った。そう言えば、彼女達の年齢を考えたら丁度知り合いでもおかしくはない。

 

「…? 団長、その子誰?」

 

「…まあ正直予想はしてた」

 

 残念ながらシズクの方は忘れていたようだが。マチはまだ集合していないので、ここにいてステラのことを知っているのは俺の他だとヒソカくらいだろう。

 

「何はともあれ、久しぶりじゃないか。元気だったか?」

 

「ええまあ…。そちらも元気そうで何よりです」

 

 あんまり喜んでなさそうな口調でステラは応える。流石に彼女にとってはここはアウェイすぎたかもしれない。と言っても俺の提案を聞く場所としてならここが1番だから仕方ない部分ではある。

 

「君をここに呼んだのは以前の提案をもう一度したかったからだ」

 

「以前の提案って、まさか……」

 

「ああ。幻影旅団、俺達の仲間にならないか?」

 

 

 

 話はつい先日にまで巻き戻る。普段俺達は3〜4人でチームを組んで仕事をしているのだが、その日俺のチームに入っていたのがヒソカだった。そんなヒソカが唐突に俺に聞いてきたことから始まった。

 

「そうだ♠︎ 団長はステラのこと知ってるの?」

 

 ヒソカから彼女の名前なんて聞くとは全く思ってもいなかった俺は間を空けて答えると共に質問の意図を聞く。

 

「…確かに俺はその名前の少女について知っているが、どうしてそれを?」

 

「最近あの子とは個人的に親しくさせてもらってるんだけどさ❤︎ あの子が団長やマチのことを知ってるから気になったんだ♣︎」

 

 軽薄な笑みを浮かべながら答えるヒソカに俺は少なからず衝撃を受けた。俺の中でのステラは俺達のような悪党とは関わりを持たない人物だったからだ。

 

 

 

(いや、それはもう過去の話だ。あの子もいつまでも子供のままとはいかなかったのだろう)

 

 悲しいことに時間が経つことで純粋だったあの子も様変わりしたのだろう、とその時は落胆しつつも納得したのだが……

 

「あの子可愛いよねぇ❤︎ ボクが隣で人を殺そうとすると必死に止めようとしてくれるんだ♠︎ でも肝心のボクには強く言えないからボクが先に仕留めるかステラが先に保護するかの競争になってさ♦︎」

 

「この前もちょっと体を触ってみたけど強い拒絶はしなかったし、本当に優しくて健気な子だよねぇ❤︎」

 

「ちょっと待て」

 

 

 

 頭の中で色々と思考を巡らせた結果、本人に聞くのが手っ取り早いとマチにステラを呼んでもらい、今に至る。

 

 

 

「で、でも蜘蛛って構成員は13人って決まってるんじゃ」

 

「最近は13人なのが通例だったが結成当初はもっと少なかった。それにメンバーを増やしてはいけないなんて決まりはない」

 

「でも俺としては幻影旅団のお仕事なんてやっていけそうにないし……」

 

「確かに君からしたら俺達の活動は良心に反するかもしれない。だから俺の方からも君の精神的負担にならないようにそこは手は回すつもりだ」

 

 流石に今更彼女を流星街に送り返すなんて無責任なことはできない。10年以上前に彼女を外の世界へ送り出した人間として勝手かもしれないが、それでも外の世界で辛い目に遭うよりは近くに置いて守りたい。

 

 

 

 そんな思いを彼女は察したのか、先程までの遠慮した様子から一変してこちらの目を見ながら答える。

 

「…確かに流星街から出て散々苦労してきましたし、今からも特大の苦労を抱えることが見えてる身ですが、これは俺だけの物です。貴方達やそこの変態とも分かち合うつもりはありません」

 

「もし1人じゃ抱えきれないものがあったとしても、相談する相手は俺が選びます。俺はもうあの時の子供じゃないんです。貴方の世話なんかにはならない」

 

 

 

 その瞳からは俺達とは相容れないという意思がありありと伝わっていた。そういう意味では彼女はあの時の頃からその意思は全く変わっていなかった。だがその熱量、全身から立ち上るオーラが以前の幼いあの子とは完全な別物であるのを示していた。

 

「…確かに、余計なお世話だったな。すまなかった、久しぶりに古い知人と会えたことで舞い上がってたらしい」

 

「俺なんかに気を揉んでくれたのは本当に嬉しかったです。でも、だからこそ貴方とやっていける気がしない」

 

「ふふ、予想以上に嫌われていたらしいな。そういえば、最近はハンターになったらしいな?今俺達のアジトを知ったわけだが、それを誰かに教えれば俺達をハントできるかもしれないぞ?」

 

 それは紛れもない挑発だった。あの時の子供が成長し自分達の敵になるかもしれないということにどうやら自分はワクワクしているらしい。今更ながら、自分の人格は破綻しているとつくづく思った。

 

「俺は自殺志願者を集めるつもりも、俺自身が死ぬつもりもないです」

 

 視界の端でパクノダがその真意を探ろうかとこちらを伺うが首を振って下げさせる。確かに不安要素は摘み取っておくに限るが自分から招いた人間にそんな無粋なことはしたくないし、マチではない俺の勘に過ぎないが彼女の言葉は恐らく真実だろう。

 

 そのままステラは俺に背を向け、アジトを出て行った。

 

 

 

ーーーCASE1 関係ないからーーー

 

 

 

 アジトを出て十分人混みに紛れたのを確認すると心の中で絶叫する。

 

 俺のバカ!なんで余計に火を注ぐようなこと口走ったんだよ!あともう少しでパクノダに捕まって原作ぶっ壊れてたところだったぞ!!!

 

 確かに幻影旅団に入るのは論外だから断るのは前提だったけどさ…あそこまで気合い入れないと断れないのは我ながら断るの下手くそすぎない?

 

 

 

 クロロの勧誘は100%の善意で俺のことを心配して出てきたものだった。俺はそれが凄い嬉しかったし、だからこそムカついた。

 

 なんで俺なんかに優しくすることはできるのに、平気な顔で無関係な人間を殺すことができるのか。原作ではゴンが憤った理不尽を俺も感じていた。

 

 

 

 理屈としては彼らがそうなった理由は分かっている。流星街に住んでるだけで関係もない人間に親しい者を殺された。そんな彼らの理不尽に対する怒りが同じように新たな理不尽を生んでいるだけだ。むしろ話としてはありきたりな話ですらある。

 

 だが気持ち悪いものは気持ち悪い。これなら親しい者だろうが関係ない人間だろうが平等に殺すヒソカの方が余程マシだ。

 

 何故自分達と関わりのない人間達に対して無慈悲になれるのかという問いの答えが「関係ないから」というのは考えてみると当然の話で、むしろそんなことに憤りヒソカの殺人には何とも思わない(わけではないけど)俺やゴンの方が異常なのかもしれない。

 

 

 

 確かに幻影旅団と相容れないのは散々述べた通りだが、だからと言ってヨークシン編に介入するかと言ったら別である。クロロとマチには昔から今まで気にかけてもらったようで敵対行動は取りたくないし、かと言ってクラピカに不利なことしろというのは原作のことを考えても個人的な心情を考えても無理だ。

 

 というわけでこのままヨークシン市内の空港まで行っておさらば…と行きたいところだったが、腹の虫が鳴ったのと同時に俺はあることに気づいた。

 

 

 

ーーーCASE2 ジャポンの知名度ーーー

 

 

 

「あっ!ヒソカから和食屋さんについて聞くの忘れてた!!」

 

 ヒソカの誘いは断ったがそれはそれとして和食を食べたくなった俺はヨークシンを観光しながら件の和食屋を探していた。

 

 一応ヒソカの連絡先は持ってるから今からでも聞こうと思えば聞けるのだが、そんなことの為にヒソカと連絡するというのがもう個人的に嫌なので却下する。

 

 広いヨークシンで一軒の店を探すというのは途方もない作業なわけだが、ヨークシンの和食屋となると俺にはひとつの心当たりがあった。

 

 

 

 それはヨークシン編とGI編の間であるオークションでGIが競られて落札に失敗したミルキがやけ食いして自宅に帰って行った場面だ。食事のコマ自体はなかったが食後の容器から考えるとあれが和食であることは間違いなく、外出することが数年振りになるほどのインドアというミルキの性格を考えると、その店はサザンピースのオークション会場から歩いてそう遠くない場所にあるはず、というのが俺の推測だ。

 

 ヒソカの誘った場所がそこではなかったという可能性はあるが俺としてはそこまで気にする問題ではないし、スシの知名度の低さから考えても本格的な和食を出す店は少ないのだ。豆腐の味噌汁なんかはその辺の店でも食べられるが、生魚を扱う寿司は衛生観念や生食の嫌悪感から全国に流行ることはなかったのがこの世界なのだろう。

 

 以前ネテロとの面接で和室に招待された時はスシの知名度からジャポンの文化の浸透具合を推測したわけだが、これは逆でジャポンの文化が浸透したからこそスシは流行らなかったのである。冷静に考えたらいくら美味しいからって寿司が世界的に流行する方がちょっとおかしいと思う。

 

 いくらだけに(激ウマギャグ)。

 

 

 

 そんなわけで時間は掛かったものの無事夕食の時間までには件の和食屋さんに辿り着き久しぶりのご馳走を頂くことができた俺だったが、ひとつ重大な誤算が生じていた。

 

 原作でミルキはGIを落札できなかった為そのまま食事をして帰ったわけだが、その時の予算は250億前後だと考えれる。流石に250億そのまま使う勢いではないはずだが、落札できないと悟ってから行くと決めた時点でGIを落札しつつここで食べることはできないと思う程度には高級店であったのだ。

 

 つまり何が言いたいのかというと…

 

 

 

「財布の中身がすっからかんだ……」

 

 食事を始めとしたサービスが全て無料で提供される天空闘技場200階に何年も居座り金銭感覚が麻痺していた俺を目覚めさせるにはその店の代金は十分すぎた。

 

「参ったな…ヨークシンを出るにしてもある程度まとまったお金は持っておきたいぞ」

 

 ハンターライセンスがあるから公共の施設は無料で利用可能とはいえ、ハンターであっても金が欲しい場面があるのは原作でGIに参加したプレイヤー達を見れば明らかだ。

 

 

 

 そういう意味ではむしろヨークシンに来たのは幸運だったかもしれない。ここでは今より10日間オークションが開催され街全体が1つの大きな市場を形成する。金稼ぎにはもってこいな場所なのだ。

 

「さぁいらっしゃいいらっしゃい!条件競売が始まるよー!!落札条件は腕相撲!最初にこの少年に腕相撲で勝った人に300万相当のダイヤをプレゼント!」

 

「そうそう、あんな風に自分達の有利なやり方で金を稼ぐことができるんだよな」

 

 聞き覚えのある声を背景に金策の方法を考える。レオリオが思い付いたように売り手側が買い手側に条件を設ける条件競売であれば、条件に合うかどうかを確認する過程で金を取ることで楽に金を稼ぐことはできる。これが現代日本なら賭博や景品表示法違反の罪で逮捕されるところだが、莫大な金が流れるヨークシンではこのようなもの所詮子供の遊びにすぎないのだろう。

 

 まんまレオリオの思い付いたやり方をパクる、というのも一つの手だがあのやり方だとどうしても目立つのが困りものだ。人を集める都合上どうしても想定外が起きる可能性が高くなるからな。

 

 先程はさっぱりと俺のことを忘れていたシズクが腕相撲に参加する様子を見ながらやはりこの方法は無理だと俺は悟った。

 

 

 

ーーーCASE3 腕相撲ーーー

 

 

 

「おーっと!初めての女の子が挑戦だ!!」

 

「頑張れよ嬢ちゃん!」

 

「怪力ボウズ少しは手加減してやれよ!」

 

 騒がしくなったギャラリーに紛れてゴンとシズクの腕相撲対決を見物する。結果としてはゴンの勝ちに終わったが、シズクの方は汗ひとつかいていないことや利き腕ではない右腕で勝負していたのを考えると単純な腕力では彼女の方に軍配が上がっただろう。

 

 

 

 ヨークシン編ではこの腕相撲は1つの大きな要素となっており、後に幻影旅団によってアジトに誘拐されたゴンが腕相撲でノブナガに勝利する他、幻影旅団内での腕相撲ランキングなるものが発表されておりそれが簡易的な旅団内の強さの指標として語られることもある。

 

 そんな腕相撲ではあるが、いくつもの考察しがいのある描写がある。今回の考察のテーマを挙げるとするなら「ノブナガは果たして弱いのか?」だ。

 

 

 

 幻影旅団のNo.1、ノブナガ=ハザマは強化系能力者であり能力は不明だが強化系である以上はそこまで特殊な能力は持ってないと考えられる。

 

 そんな彼だが、先述した通り腕相撲でゴンに負けたことや腕相撲ランキングの中でも下から数えた方が早い9番目に位置していることから、旅団の中でも弱いのではないか?と考察されることが多い。作中でしてやられる場面が多いのもそれに拍車を掛けていると思われる。

 

 そこで腕相撲について考えてみるわけだが、まずゴンに腕相撲に負けた部分でノブナガが純粋にゴンに腕力で負けたかを考えると微妙な所がある。

 

 ノブナガも力を入れていたというのは間違いないだろうが、彼からすれば何度か腕相撲で瞬殺してた相手がいきなり本気を出したわけで、それまでの相手と同じ感覚で無意識に手を緩めていた可能性は否定できない。感情による出力の増減が激しいゴンの特性を考えると怒りの前後でのゴンの腕力はかなり違うはずだ。

 

 

 

 と言ってもゴンには勝ったところで幻影旅団における立ち位置は依然9位のままだ。

 

 仮に腕相撲に念を全く使っていないから強化系であることのアドバンテージは無かった、という風に考えても念を使った戦闘での攻防力は肉体の強さに念での強化を掛け算して算出されるものであり、元の肉体がそれほどではないというのは念能力者として考えても厳しい評価を付けざるを得ない。

 

 

 

 しかし強化系だからといって肉体も強いはず、という計算式には例外があると俺は思っている。

 

 例えば継承戦編に登場するハンターであるビルは拳銃から放たれた弾丸を堅でガードしきれずダメージを受けている様子だった。銃火器が念能力者にとって脅威的であることを踏まえてもビルの頑丈さには強化系にしては…という評価が否めない。

 

 だが彼の場合は特殊な事情がある。彼の能力は「球根(ハルジオン)」という対象の成長を促すというものであり、それに対してクラピカが「男性の強化系能力者は大体は自身の戦闘力を高める方向へ行く為に補助型の能力者は珍しい」と発言している。つまり自己の強化と他者への強化は両立しない可能性が高い。

 

 

 

 そのことからノブナガの能力が自己を強化する方向ではないと仮定すると、あの腕相撲ランキングの低さにもある程度納得できる回答を用意することができる。

 

 ノブナガの武器は刀でありその能力も刀を強化する方向に特化している可能性は十分ある。そして刀を強化している分自己の強化は上手くできず幻影旅団の中で腕力が低くなった、と考えると強化系のノブナガが腕相撲であの位置にいることの合理的な理由になるのではないか。

 

 強化系なのに腕力が低い、のではなく強化系だからこそ腕力が低いというわけだ。

 

 

 

ーーーCASE4 俺の両手は機関銃ーーー

 

 

 

 ダイヤが手に入らず不満そうに去っていくシズク達を見送りながらコイツらがこの後大虐殺することを考えて思わず身震いする。

 

 幻影旅団の半数以上が出動することもあり、彼らの目的地である地下競売場には骨も残らない惨状となる(物理的に)。

 

 骨が残らないのはシズクの能力によるものだが、あの惨状を生み出す1番の立役者はシズクの隣にいた大柄の男、フランクリンだろう。

 

 

 

 彼の能力である「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」は念弾を両手から放つ一見なんの変哲もない放出系の能力なのだが、その恐ろしいポイントは偏に攻撃力にある。

 

 彼は両手の指を切り落とすという常人にはできない行動を誓約に捧げることで人間を紙のように千切って貫通するほどの威力を実現しているのだ。

 

 連射するだけで会場の人間は全員瞬殺、一般人より頑丈な念能力者が念で作られた分身を用いて防御しても数秒も経たずに死ぬという意味不明な火力をしており、ぶっちゃけ奇襲であれをぶっぱされて生き残れる保証のある念能力者を俺は思い付かない。

 

 まず念能力でなくても威力の高い銃火器で撃たれれば大抵の念能力者は死ぬのだ。それを機関銃10本で一斉掃射なんてオーバーキルにも程がある。トチーノの発言を信用するなら念弾の威力は機関銃を遥かに超えるみたいだし……

 

 

 

ーーーCASE5 幻影旅団の強みーーー

 

 

 

 以前は俺の実力は旅団の構成員に勝るとも劣らないと言ったが、だからといって幻影旅団に真正面から喧嘩を売るほど馬鹿ではない。

 

 先述したフランクリンのように敵に回したくないほどに恐ろしい奴がいるという理由もあるが1番の理由は別にある。

 

 

 

 幻影旅団はリーダーのクロロが念戦闘のなんたるかを熟知しているのが1番の強みであり、それが俺が彼らを敵に回したくないと思う理由だ。

 

 例えば、念戦闘における原則として「相手が複数の場合は自分も複数で対処する」というのがある。これはクラピカの師匠が語ったもので、能力の相性やコンビでの攻撃は個人の力を凌駕しやすいことにある。

 

 俺の持論は念戦闘においてどんな相手だろうが敗北の可能性が存在するというものだが、その観点で見ても個人で集団を相手するのは馬鹿のやることだと言っていい。

 

 例えば作中ではぶっちぎり最強の覚醒メルエムだが、彼ですらメレオロンとヴェーゼのコンボなど安全に倒すことができる方法はいくらでも思い付く。原作でキメラアントがあそこまで暴れることができたのは協専による妨害によりたった十人に満たない戦力しか連れて行けなかったことが大きい。

 

 

 

 その原則を踏まえてヨークシン編における幻影旅団の立ち回りを見るとクロロは常に複数のメンバーをチームとして運用しているのが分かるだろう。彼らほどの実力者によって組まれたチームは早々に打ち崩せるものではない。

 

 と、同時にウボォーギンやキメラアント編の彼らのようにクロロがいない時は平然と単独行動してしまうのが彼らのダメな所である。

 

 継承戦編ではクロロ直々に単独行動を許しているが、あれは敵がヒソカという個人なのでチームを組まないのも全然アリだろう。ヒソカの能力も(全てじゃないけど)割れているし、本人の強さ以外に不安要素は無い。

 

 

 

 まあその強みが無くとも構成員の一人一人が強いから大抵のことはなんとでもなるし、それが却って油断に繋がってるわけだが……

 

 

 

ーーーCASE6 隠の仕組みーーー

 

 

 

 そんなことを考えながらもう今日はゆっくりホテルに泊まって体を休めていた俺だったが、金を稼ぐ方法を考える上で原作でゴンとキルアが目利きで稼いでたのを思い出す。

 

 物の価値など全く分からない彼らがお宝を見分けた方法は凝だ。優れた芸術家などは知らず知らずのうちに念を使っているケースがあり、その場合は微かなオーラがその作品に宿っているのである。

 

 ゴン達はそれを凝によって見破ることでほぼ無一文の状態から4億近くを稼ぐことができたのだ。

 

 

 

 体の一部分にオーラを集中させる技術のことを凝と呼び、特に集中させる部位の指定がない場合の凝は大抵が目にオーラを集中させて文字通り目を凝らすことで隠を見破る技術である。

 

 だが凝は隠だけではなく物に宿る微かなオーラも見破ることができ、そこから考えると隠の仕組みをなんとなく理解することができる。

 

 隠は絶の高等技術でありオーラを隠す技術であることは作中で説明されているが、凝とは違いどのようにオーラを運用すれば隠を使えるのかは明らかになっていない。

 

 

 

 俺は絶の応用だしなんとなくオーラを出しながら絶できないかなぁと試行錯誤してたらできたのだが、恐らくはオーラの量を限界まで抑えつつ絶にならないレベルを維持することが隠の仕組みなのだろう。微かなオーラが通常は見えず凝で見破る必要があるということは、隠も同じく微かなオーラを運用する技術である可能性が高いというわけだ。

 

 見えないほどに微かなオーラは他人が触れても気付きにくく、隠と具現化系を併用することで見えない触れられないものを具現化することができる無法ギミックが完成する。

 

 だがその状態で能力を十全に使えるかと言ったら恐らくそうではないと思う。クラピカはチェーンジェイルによってウボォーギンを拘束する際、わざわざ隠を解除してから能力を発動した。

 

 オーラを込めずに具現化するということは必然的に具現化した物体の強度は脆くなっており、もしクラピカが隠をしたまま拘束しようとすればウヴォーの怪力で容易に引きちぎられていただろう。

 

 

 

 仮にこの仕組みが合っているなら隠によって隠されたオーラは凝で見破る以外に、絶をした状態で触れることでも分かるはずだ。以前ゴンが絶をすることで周囲の気配をより精密に感知できるようになったように、体を防御するオーラを遮断することはより微かなオーラを感知することに繋がる。

 

 まあ隠を使われる場面のほとんどが戦闘中であるのを考えたら絶をするなんて自殺行為でしかないわけで、やはり凝で見破るのが隠の対策の基本になるだろう。

 

 

 

 そんなわけで翌日値札競売市に来た俺ではあるが、ある程度見回っても大した収穫は無かった。ゴンとキルアがここに来たのは今からちょうど1日後だがたった1日で市場のラインナップが大きく変わるわけもなく、彼らが落札する分を残すと一品しか落札することはできなかった。

 

 ゴン達の分を落札すれば金策に関してはクリアできるがなんか他人の成果を奪っているみたいで気が引けるし、ゴン達の行動が変わってしまう可能性も考えられるので別の金策を考えることにする。

 

 

 

 唯一落札することができた、いい感じの杖の感触を確かめながら歩いていると天啓が舞い降りた。

 

 それは幻影旅団だ。今頃はマフィアに真正面から喧嘩を売っている彼らは暫くはこの街に滞在することになり、その間マフィアがこの街に潜む彼らに莫大な賞金を懸けるのだ。

 

 勿論先程から言っている通り幻影旅団と争うのは避けるべきなのでわざわざ懸賞金目当てに捕まえようとするのは馬鹿馬鹿しいが、何も直接捕まえる以外にも金を稼ぐ方法はある。情報提供者になるのだ。

 

 

 

 原作ではゴン達は幻影旅団を捕まえようとして当初は自分達で街を歩き回って探したがこれは当然失敗に終わった。この広い街で十数名の団体を三人で探すのは難易度が高すぎる。

 

 そこで彼らが次に取った行動は情報提供者から情報を買い取る方法だった。ネットの伝言サイトを利用してそれらしい情報を探すという手だ。この手段だとガセネタや見間違いが厄介なのだが、彼らはサイトの方には幻影旅団がヨークシンにいるという情報を伏せることで情報の信頼性を上げる工夫をした。

 

 

 

 天啓とはその時の情報提供者に回れば楽して1500万をゲット!できる、というものだ。名付けて、蜘蛛湧けば桶屋が儲かる大作戦!(ゴンリスペクト)

 

 

 

 ということで、俺は幻影旅団が寄りそうな場所を前日から押さえておくことにした。特に狙い目はマチとノブナガだ。別に誰であろうがゴンとキルアの尾行は失敗するだろうし、捕まえられれば後の流れも対して変わらないだろうから問題はないだろうが、原作を考えれば彼らを追わせるのがスマートだろう。

 

 1人ではゴン達のように幻影旅団の捜索も失敗するのでは?と思うだろうがそこを補うのが俺の能力だ。

 

 

 

ーーーCASE7 能力の仕様ーーー

 

 

 

 鍛えたことで新技…とはいかないが、分身に新たな仕様を見つけたことで今までにない分身の運用が可能となった。

 

 自身が動かないことを制約に遠距離を遠隔操作できる分身を発動してる時、更に同じ分身を発動することで動けない代わりに遠くから監視ができるビーコンのような役割の分身を複数作ることができるようになったのだ。

 

 同時に全ての分身の視界を共有することはできないが、意識を切り替えて操作する分身を変えることでほぼ同時に色んな場所を観測することができる。

 

 

 

 この裏技とも言うべき仕様だが、元々はリモート操作の分身を解除した場合の分身はどうなるのかを確かめていた時に思いついたものだ。勿論分身が破壊された場合は分身は解除されて意識も本体の下に帰るが、破壊せずに解除した場合は分身はそのまま残り再度発動することでその分身をもう一度動かせるようになるのだ。

 

 これを利用することでタイムラグはあるもののほぼ同時に2人の自分を動かすのを思い付いた俺だったが、更にそこから遠隔操作の分身は意識的には自分を動かすのと大差ないことに着目した。

 

 俺のもうひとつの能力である「体内で水素を生成する能力」だが、これで分身に水素を入れる理屈は遠隔で操作する分身を自分の体と見立てて能力を発動する、というものだ。

 

 ならば同じように分身の発動も可能なのではないか?と思い試してみたところ、実験は成功したわけだ。

 

 

 

 ただ意識的には分身は発動できても、普段使う自動操作の方は制約として射程範囲が本体から数メートルと明確に決まっているのもあって遠隔操作の分身しか使うことはできなかった。まあ当然と言えば当然である。

 

 使いようによってはかなり強力な能力ではあるが、ビーコンとして用いる分身は操作してない間は全く動けない為に破壊されやすい。遠くにある分身を隠で隠すのも自分には不可能なので俺のことを警戒されている場合に使えるものではないだろう。

 

 

 

 俺はこの分身をヨークシンの特に人の往来が多い場所を広く見渡せて且つ人が立ち入らないところに設置した。衝撃を受ければ分身は破裂してしまうが、1日くらいなら破裂せずに保つだろう。

 

 その日はそれで行動を終え、気に入ったいい感じの杖を抱きながら眠りについたのだった。

 

 

 




 なんで作者はミルキの食事シーンなんかの考察してるんだろう…?
 食事にほぼ全財産使っていい感じの棒買ってとまるで男子中学生の修学旅行みたいな内容のステラのヨークシン観光ですが、次は流石にストーリーに関わることができるはずです…多分…
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