流れ者の考察記録   作:sesamer

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 GI編の考察をしたいけどステラちゃんがGI編に関われないからね、しょうがないね。
 GI編の考察と言いながらゴレイヌのことしか喋ってねぇぞ!?



17. 白の賢人×黒の賢人×幕間

 

ーーーCASE1 カキン帝国ーーー

 

 

 

 シカの頭を撃ち抜く音が森に響く。

 

「ふう。こんだけ獲れば夕飯には十分だろ」

 

 分身からライフルを受け取りながらシカの死体を分身に担がせてキャンプに戻る。

 

 

 

 ここはカキン帝国の奥地にあるジャングルだ。カキン帝国は主に継承戦編において出てくる国だが、実は蟻編の導入部分にも登場する。

 

 それがカイトの受けていた生物調査の依頼だ。その時のカイトはカキンのことをカキン国と称したが、単なる呼称揺れでカキン帝国であることは間違いないだろう。

 

 今の俺はその依頼を手伝っている。と言っても、俺がやっているのは専ら飯炊き等の雑用だ。カイトのチームはカイト以外アマチュアのハンターしかいないが、ここに来たばかりの俺よりは調査力もあることだろう。

 

 それに俺自身は調査する気は微塵もない。もし調査が捗ってゴンとキルアが来る前に調査を切り上げることになったら軌道修正が面倒だからな。

 

「いやぁ、いつ見ても壮観ですねぇステラさんの分身は……」

 

「ああスティックさん。調査は今の所どうなってます?」

 

 今日の獲物をキャンプへと分身に運ばせていた俺に声を掛けたのはカイトチームの1人であるスティックさんだった。

 

 ちなみに俺の念についてだが、長い間お世話になる以上は魔法という単語でぼかすにも限界があるし(ハンター試験の時に学習したし)、「プロハンターになれば学べる凄い技術」といった説明で済ましている。嘘はついてない。

 

「ぼちぼち煮詰まってきた感じはあるなぁ」

 

「なるほど…ノルマも既に超えてるしもうそろそろが切り上げ時かもしれませんね」

 

「ま、その辺はカイトの判断次第だねぇ」

 

 俺自身はというと、動物を狩猟する時に分身を使って操作技術の向上を図ったり、カイトの気が向いた時に修行を付けてもらったりして蟻編に向けて鍛えている途中だ。

 

 特に操作技術の方に関しては、俺の分身の基本的な仕様が自動操縦なので慣れない武器や道具を使わせるのが難しい。だからこの機会に銃やナイフなどの道具を使って分身に慣らしているわけだ。

 

 この点を考えるとアドリブで念獣にドッジボールをさせられることすら可能な手動操縦型のゴレイヌの能力が羨ましくなる。

 

 

 

(ゴレイヌといえば、俺もGIに行きたかったなぁ〜〜〜!!)

 

 あくまで個人的な意見ではあるがハンターハンターの中で1番盛り上がる章は何かと聞かれたら俺はGI編を挙げるだろう。特にドッジボールはバトルじゃないのにも関わらず、作中トップクラスに白熱するバトルである(???)。今からドッジボールだけでも観戦できねぇかなぁ……?

 

 そのGI編の中で燻し銀の活躍をするのがゴレイヌさんだ。俺のようなファンの間でもゴレイヌさんは非常に人気なサブキャラのひとりである。

 

 彼は激レアカードである一坪の海岸線を巡る中で活躍するキャラであり、人気の理由には強烈な見た目に似合わぬ優れた洞察力や人間性などがあるが、1番の理由にはその能力の優秀さが挙げられる。

 

 

 

ーーーCASE2 白黒の賢人ーーー

 

 

 

 その能力は「白の賢人(ホワイトゴレイヌ)」と「黒の賢人(ブラックゴレイヌ)」といい、白と黒2体のゴリラの形をした念獣を使役する能力である。この2体のゴリラにはそれぞれ特殊能力があり、白のゴリラは能力の持ち主であるゴレイヌとの位置を入れ替え、黒のゴリラはゴレイヌ以外との位置を入れ替えるワープ能力がある。

 

 また先程言及した通りこの念獣の操作形態はオートで動く自律型ではなく自分で操作する遠隔操縦であり、ゴレイヌのイメージが念獣に反映される他ゴレイヌ自身の気絶によって能力が解除されることもあった。

 

 しかしその点を加味した上でもこの能力の汎用性は素晴らしい。遠隔操縦で精密に動かせるからこそドッジボールという高度なルールの球技を念獣にさせることができたのだと考えられる。

 

 単純な念獣の数や強さだけで見れば敵であるレイザーの「14人の悪魔」の圧勝だが、ゴレイヌの念獣にはレイザーのにはない特殊能力があるし、レイザーに関してはGIのシステムによって強化されてる可能性がある。以前GIについて考えた通りであればゲームマスターであるレイザー達はプレイヤー全員から徴収したオーラを使っており、その理屈ならGI内のNPCの作成と維持をしながら強者であるゴン達6名を一度に相手取るという常人にはどう足掻いても不可能なことも実現可能だろう。

 

 

 

 ゴレイヌとその能力の話に戻すが、この能力の特に凄い所は念能力の異なる系統を非常に高い精度で使い熟している所だ。

 

 基本的に念獣や念人形を扱うにはそれを生み出す具現化系、生み出した人形を自身と離した状態で維持する放出系、そして人形を操作する操作系の3つの系統が必要になる。そして問題となるのは、これらの系統のうち放出系と操作系は隣り合っており相性が良いが、具現化系と放出系は1番離れており両立が難しいということだ。

 

 更にゴレイヌの場合は生み出した念獣と場所を入れ替える能力があり、このような空間を操作する能力は能力の作り方にも依るが具現化系か放出系の高い練度が必要になる。

 

 

 

 そのような事情もあり、ファンの間では「ゴレイヌはいったい何系に属する能力者なのか?」という話題でしばしば盛り上がる。俺としては直接会いに行って確かめたかった所だが、GIに行けない以上は考察するだけで留めておくしかあるまい……

 

 

 

ーーーCASE3 ゴレイヌはいったい何系?ーーー

 

 

 

 そして俺は何系かと思ってるかというと、それは操作系だ。「さっき空間操作は具現化か放出が必要って言ったじゃん嘘つき!」と言いたくなる気持ちは分かるがそれは抑えてもらって、まずはその空間操作についてまとめよう。

 

 この概念は継承戦編に出てきたもので、カキン帝国第13王子の念獣の能力によってハンゾーの本体が念空間に閉じ込められたという状況でクラピカが説明した。空間を区切り遮断する能力は放出系と具現化系の相反する系統の能力者が得意とし、放出系は空間そのものを移動させ具現化系は空間内に様々なルールを作り込むことに長けている。

 

 これを踏まえた上で「念獣と自分や他人の位置を入れ替える」ゴレイヌの能力を上記の放出系か具現化系の2択で考えると、移動を伴う放出系に属した能力だと考えられる。

 

 但し、この念獣との入れ替えというものが基本的な放出系の瞬間移動と比べてどのくらいの難易度かを考えると放出系一択とも限らないと考えられるのだ。

 

 

 

 例えば蟻編に登場するノヴの能力である「4次元マンション(ハイドアンドシーク)」と比較してみよう。これは放出系に属する瞬間移動の能力だ。現実とは異なる空間に念空間であるマンションを作り、そこを出入りするという形で現実の空間を瞬時に移動したり長時間消えたりできる能力だ。

 

 これは出入り口を繋げてさえしまえば何度でも自由に行き来が可能なわけではあるが、ゴレイヌの能力だと念獣との入れ替えという形であるために4次元マンションほど自由に移動が可能なわけではない。これは他の瞬間移動能力者と比較しても同じことが言える。

 

 単なる瞬間移動だと高度過ぎるために放出系でないと出来ないかもしれないが、入れ替えという形を取ることでレベルを下げて他の系統能力者でも運用可能にしている可能性もあるのだ。

 

 

 

 この考え方は念獣の具現化においても同様のことが言える。人間と見間違えるほど精巧な作りをした分身は具現化系能力者でないと扱うのは難しい、というのはカストロという例で理解できるだろう。カストロさん考察でいつもお世話になってます。

 

 だがゴレイヌの念獣のゴリラは実在するゴリラほど精巧に出来ているか聞かれると違うと思う。漫画の表現の問題だからその辺は微妙だけども。

 

 この理屈は先程例に出したノヴの4次元マンションでも同じように考えられる。ただ単に移動させるのとは違い、マンションという念空間を作るのは具現化系の領分だ。しかしながら、Minecraftで初心者が作った豆腐ハウスのような簡素なマンションであれば、これは具現化系からは程遠い放出系能力者が扱えても不思議じゃない。

 

 

 

 そして、その理屈で考えていくと俺が何故ゴレイヌが操作系だと考えたのかに辿り着く。

 

 ゴレイヌの念獣は手動で操作する遠隔操縦であるというのは先に説明した通りである。そして、彼が扱うのは2体の念獣でありこれを同時に操作することも可能であった。

 

 同じように念獣や念人形を遠隔操作する能力は原作で思い付く限りカストロのダブルしか存在しない。ダブルの「人間と見間違えるほど精巧な具現化能力」と「念獣や念人形を遠隔操作で動かす操作能力」は他系統の能力者が使うとパンクするような高レベルの能力だと考えても良いだろう。

 

 それを踏まえると「ゴリラ2体を同時に遠隔操作する」というのは操作系以外には実現不可能のように思えるのである。

 

 

 

ーーーCASE4 ゴリラを具現化した理由ーーー

 

 

 

 この「具現化系と放出系のレベルを落として実現した」説を前提にゴレイヌの能力を考えていくと面白いことに気がつく。それは能力及び念獣の名前である。

 

 2体の念獣の名前はそれぞれブラックゴレイヌとホワイトゴレイヌと、ゴレイヌ自身の名前を冠している。

 

 いくら自身がゴリラと似ているからといってゴリラの念獣に自身の名前を付けるのは、ゴレイヌは余程ゴリラへの愛着があるのだろうな〜とか普段なら考える所だが、これを「具現化系のレベルを下げた結果ゴリラになってしまった」と逆転の発想をすることで彼が本来目指した能力の完成図が見えてくるのだ。

 

 

 

 それは「ゴレイヌそっくりの分身を2体具現化し、自分や他人と場所を自由に入れ替える」という能力である。

 

 これは相当に恐ろしい能力であると考えられるだろう。視覚的な撹乱効果に加えて入れ替え能力による奇襲性と撹乱効果は抜群だ。なんなら普通に俺の能力の上位互換である。

 

 しかしながら、具現化系以外の能力者にとって自身そっくりの念人形を作ることが如何に難しいかはカストロが実証済みだ。煙を媒介にすることで具現化の過程を省いたモラウのような例外もあるが、ゴレイヌを見る限りそのような裏技は使ってはいないはず。

 

 結果として、分身を具現化する予定が自身の名前を冠したゴリラ型の念獣が出来てしまった。彼自身ゴリラに似てることをコンプレックスにしているかどうかは不明だが、もし気にしているのなら誓約による能力の出力上昇にも期待できるであろう。

 

 

 

ーーーCASE5 瞬間移動の2種類のタイプーーー

 

 

 

 話が少々前後してしまうのだが、今度はゴレイヌがどのように入れ替えという能力を実現しているのかについて考察したい。

 

 

 

 継承戦編において明らかにされた設定の中に瞬間移動のタイプというものがある。これは瞬間移動を発動する為のプロセスによって分かれ、結界形式と地雷形式の2種類が存在する。簡潔に纏めると、

 

・結界形式 : 念を込めた補助道具を利用して広い範囲で複数の移動ポイントを作る。

・地雷形式 : 特定の場所に念で直接移動ポイントを設置する。強制力が強いが2〜3ヶ所が限界。

 

 である。結界形式に属する能力者としては、GI編でレイザーの部下としてボクシングを担当した人が挙げられるだろう。彼の能力は神字(念能力の発動をサポートする印)が描かれたリングの上で、自分の拳を瞬間移動させるというものだった。恐らくリングという結界の範囲内であれば、拳以外にも自在に瞬間移動ができたと思われる。

 

 地雷形式に属する能力者といえばノヴが挙げられるだろう。彼の能力であるハイドアンドシークは地雷形式の特徴とほぼ一致する。

 

 強いて言うのなら、この特徴が該当するのはマンションの出口に限ったものであり、入り口に関しては最大で32個増設できたり簡単に作ることができたりと特徴に当て嵌まらない。このことから、同じ瞬間移動でも「現実の空間から念空間に入る」より「念空間から現実の空間に出る」方が難易度が高いのだと推測できる。

 

 

 

 さて、肝心のゴレイヌがこのどちらかに該当するのかという話なのだが、これは地雷形式の方が筋が通っていると考えられる。入れ替えの対象はゴリラ2体と決まっており、強制力の強さも能力の内容と噛み合っている。

 

 だが、ゴレイヌの能力は既存の地雷形式とは異なる。彼は移動ポイントを自在に動かせる念獣とすることで、本来は移動ポイントを設置して地雷の名前の通り運用していた所を、移動ポイントを自在に変更可能にしたのだ。

 

 これは非常に素晴らしいアイディアだ。点Pにしか飛べないのなら点Pを動かせばいい、という発想はまさにコロンブスの卵とでも言うべきだろう。

 

 

 

 ゴレイヌの能力は一見すると素晴らしいものだが、深く考えるほどより素晴らしいことに気付く素晴らしい能力なのである。

 

 

 

ーーーCASE6 気狂いピエローーー

 

 

 

「どうした考え事か?動きが鈍いぞ」

 

「くっ」

 

 それに比べたら自分の能力使いにくくね?と思ってしまうのはどうしても仕方のないことなのかもしれない。

 

「でもそれを言ったらカイトの能力が1番使いにくいじゃん!」

 

「突然人の能力を中傷するんじゃない」

 

 ここに来て何度目かのカイトとの手合わせだったが、ここの所は俺の全敗だった。余計なことを考えてる自覚もあるが、1番の要因は蟻編までのタイムリミットが近づいて焦りが生まれていることなのかもしれない。

 

 休憩に入りながらカイトの持っている大鎌を見ながら話す。

 

「それって他人が持っても使えるの?」

 

「…さっきから攻め方が不自然かと思ったら、武器を奪い取ろうとでもしてたのか?」

 

「…あー、まあそんな感じ」

 

 さっきのは単純に動けてなかっただけだったが、勘違いしてくれるならそれでいいやと苦笑する。

 

「仮に俺以外の誰かがコレを奪い取ったとしても俺が望めばいつでも俺の手元に戻せるし、俺が手を離せばその分能力も弱くなる。この鎌にしても切れ味はなまくら同然にまで落ちるだろうな」

 

「オレ様とカイトは一心同体ってワケさ!」

 

「コイツが喋らなくなるのだけは羨ましいかもしれんな。全くもって鬱陶しい」

 

 得意げに話すのはクレイジースロットのおまけに付いてるピエロだ。それに対してカイトはうんざりとした口調で鎌を消失させる。そんなやり取りを目にしながら俺はなんとなく、カイトのクレイジースロットは思っている程に使いにくい能力ではないのかもしれないと思い始めていた。

 

 

 

ーーーCASE7 ハズレ?ーーー

 

 

 

 以前、カイトのクレイジースロットのことをクソな制約がある分強力な武器を具現化できる能力という風に説明した。実際この説明は間違ってないのはカイトの口調や描写から見ても間違いないのだが、本当に具現化する武器がルーレット通りだとすると幾つかの不自然な点がある。

 

 

 

 まず一つ目は恐らく「3」の出目のバトンで発動する能力だ。これはジン曰く「死んでたまるかと思った時でないと出ない番号」であり、裏を返せば普段は絶対に出ない番号だ。

 

 この時点でクレイジースロットはルーレットで1〜9の中からランダムで選ばれる能力ではなく、1〜2、4〜9の中からランダムで選ばれる能力であると言える。

 

 

 

 そして二つ目は、ルーレットの出目に対するカイトのセリフだ。作中でクレイジースロットの発動機会は3ヶ所あり、最後にピトーを相手にした時以外で、カイトは出た目に対して「ハズレだ」と言っていた。

 

 これだけなら単にカイトは運が悪いんだなとしか言えないが、状況と出た武器を考えると本当にハズレかどうかは非常に怪しいのである。

 

 例えば最初はゴンとキルアとカイトとキメラアント3体でそれぞれ一対一の場面でライフルを具現化し、次はキメラアントの軍勢を相手する時に大鎌を具現化したのだが、これが逆のケースであったと考えるとどうだろうか?

 

 ゴンとキルアが自分の戦いに集中している時に大鎌の能力である「死の円舞曲(サイレントワルツ)」など発動してしまえばゴンとキルアは御陀仏だし、逆に多数相手にする時にライフルを具現化しても大鎌ほど簡単に処理することはできなかったであろう。

 

 それを踏まえると、カイトがライフルや大鎌をハズレだと言える理由は彼が全ての出目から現在の出目の良し悪しを判断しているのではなく、もっと良い出目を基準に判断しているからではないかと推測できるのだ。

 

 

 

 つまり何が言いたいかというと、クレイジースロットの出目には状況に応じてある程度都合の良い武器が引けるという有意性があり、完全なハズレを引かされるようなクソ能力ではないんじゃないか、ということである。

 

 

 

 カイトの性格には、具現化系能力者の性格診断や同じ具現化系のクラピカがそうであるように神経質で完璧主義の傾向がある(性格診断に明確な根拠は無いし、シズクや俺みたいな反例もあるけど)。

 

 彼の性格ならルーレットを回す前に理想の出目で想定してもおかしくはない。だからこそハズレと言うほどでもない出目に対してハズレだと言い切ったのでないか。

 

 自分の想定した武器とは違う武器で戦わされるというのはカイトにとってはかなりのストレスだろうし、そうなると出目が完全ランダムでなく有意性はあっても制約的には十分に機能するに違いない。

 

 

 

 そしてこれらのことを考えていると、この能力を教えた張本人であるジンはどこまで考えていたのだろうかと末恐ろしい気持ちになる。案外何も考えずに作っていてもおかしくはないけども。

 

 

 

 いやぁ、それにしても、

 

「ドッジボール見たかったなぁ……」

 

 

 

ーーーCASE OF GONーーー

 

 

 

「勧誘するプレイヤーに心当たりはあるか?」

 

「アンタの方は?」

 

「いたら1人でプレイしてないさ」

 

 オレ達は現在、ソウフラビという街で一坪の海岸線を手に入れる為の仲間を探していた。レイザーと14人の悪魔と呼ばれる海賊達が入江を占拠しており、一坪の海岸線を手に入れるには彼らと対決して追い出す必要があるのだ。

 

 

 

「バインダーで今まで会ったプレイヤーのリストを確認してみろよ。プレイヤーの横のランプが暗くなっている所はそのプレイヤーが現在GIを離れているか、または死んだかだ」

 

 そう言われてリストを確認してみたものの、クロロと名乗ってるプレイヤーの正体が気になるだけで大した収穫はなかった。

 

「んー、わかんないなぁ……」

 

「誰といつ遭遇したのかほとんど忘れてるし、まあ凄そうな奴に出会ったら覚えてるはずだしな」

 

「ツェズゲラさんはどうでしょうか?」

 

「ツェズゲラか…できることなら仲間にしたくはないな」

 

「えっ何で?」

 

 ビスケが今まで会ってないプレイヤーの中で有力な人物を挙げる。ツェズゲラはオレ達がGIをプレイする為の審査員を務めた人物で、星持ちの凄腕のハンターだ。彼ならば実力的には問題無いはずなのに、何故か渋い反応をするゴレイヌに理由を聞く。

 

 

 

「奴らも「爆弾組」と同じくゲームクリアが目前のカード収集率が高いチームだ。オレ達の目的はそいつらの持ってないレアカードを入手してゲームで優位に立つことだから、ツェズゲラを仲間にするのは割に合わない。協力だけしてもらってカードは渡さないって作戦なら話は別だが……」

 

「流石にムシが良すぎるな……」

 

「よっぽどゲーム慣れしてないとかじゃない限り、ゲームクリアを目的とする実力者のカード収集率は高いでしょうからねぇ」

 

 ビスケの言葉は本人の実感もありそうだった。オレ達の場合キルアがいなかったらカード収集は全く進んでいなかっただろう。だけどそんなプレイヤーが多いとはとても思えないし…と悩んでいると、ひとつ閃いたことがあった。

 

 

 

「あ、ゲーム外から協力者を探すってのはどう?」

 

「ゲーム外から…?」

 

「…そうか、今ゲームの中にいる人は大抵がクリア目的のプレイヤーだからカード化限度枚数も含めて協力体制を敷きにくいけど、そうじゃない現実の協力者なら条件はクリアできる!」

 

「なるほどな…だが、現実から協力者を集めるには二つほど問題があるぞ」

 

「何があるんですか?」

 

 ビスケの問いかけにゴレイヌが答える。

 

「一つ目は協力者の条件だな。ゲーム内であればカード報酬という目に見える利点があるから協力関係を築きやすいが、現実で協力者を雇うには金が要る。それも実力者ともなれば相応だな」

 

「進んで協力してくれるようなお知り合いはいませんの?」

 

「生憎だがオレには。居たら2人でプレイしてたさ」

 

「オレ達の場合だとクラピカとレオリオがいるけど……」

 

 キルアの言葉を受けて2人を思い浮かべる。そう言われてみるとあまり良い考えではなかったかもしれない。

 

「クラピカは仕事で忙しそうだし、レオリオも受験勉強するって言ってたもんね」

 

「そもそもレオリオは実力的に足りてねーけどな。後はステラくらいか……」

 

「ステラも仕事があるって言ってたよ。それにヨークシンで迷惑かけちゃったばっかりだし」

 

「…アイツのことだからひょっこり顔を出してきてもおかしくはないけどな」

 

「キルアはステラにどんなイメージを抱いてるのさ」

 

 確かに言われてみると、オレ達が居るところには大体彼女が先回りしてそうな気はするけども。

 

 

 

「二つ目の問題は協力者がGIをプレイする方法だ。前のような選考会が開催されるならともかく、それ以外でGIをプレイするには金銭的ハードルが高すぎる。そんな道楽をできるような奴なら既にこっちの世界に居るだろうさ」

 

「あ、確かに……」

 

「次の選考会が前と同じヨークシンのオークションと同じ日に行われるとしたら半年以上は先だぜ。その頃にはクリア者が出てもおかしくねー」

 

「うーん、良い考えだと思ったんだけどなぁ……」

 

「実際良い考えだったとは思うわよ。カード化限度枚数のシステムを見る限りこっちで協力体制を敷くには限界があるでしょうし」

 

 ひょっとしたらジンも最初からそういう想定でこのようなシステムを作ったのかもしれない。ゲームだけに熱中しているより適度に現実世界で活動の輪を広げた方がクリアしやすい、みたいな感じで…まあ考えすぎかもだけど。

 

 

 

 結局オレの提案したゲーム外から協力者を集める手段にもツェズゲラに話を通す必要があるということで、現状はまずゲーム内で有力な人物を探す所からだった。

 

「このゴレイヌさんの上にある名前の人は誰だろう?オレがGIに来て初めて出会ったのはゴレイヌさんのはずなのに」

 

「ニッグか…オレのリストには無いな」

 

「…ニッグだと?都市伝説の類だと思ってたが実在したのか?」

 

「知っているのゴレイヌさん?」

 

「ああ」

 

 キルアと今まで出会ったプレイヤーのリストを見ながら話しているとゴレイヌさんが食いついてきた。

 

 

 

「5年以上前に流行った都市伝説だ。GIから出られなくて困っているプレイヤーの前に現れてはGIから帰還するのを手伝っていたという。今の古株の中にはニッグのお世話になった人もいるらしい。その正体はゲームマスター或いはそれに近しい人物だとか、NPCに自我が宿ったのだとか色々言われてるな」

 

「へェ〜」

 

「でもそのニッグって人のランプは付いてないから今はGIにはいないみたい」

 

「となると都市伝説は謎のままか」

 

 オレがGIに来る前のプレイヤーということは、これはオレがプレイする前のセーブデータに関する人物なのだろう。そしてニッグという名前から考えると、ニッグの正体はもしかしたらジンだったりするのか?だとしたらゲームマスターに近いという噂にも合致する……

 

「どうしたゴン?」

 

「あ、何でもない!ねぇゴレイヌさん、そのニッグって人の噂は他には残ってないの?」

 

「うーん、オレも他のプレイヤーから聞いたのはこれくらいだからなぁ。古株のプレイヤーの中には面識ある奴もいるかもしれないが、オレの交友関係も広くないし」

 

「うーん、そっかぁ」

 

 まだニッグという人がジンだと決まったわけではないけれど、オレの中ではそのニッグに対する興味が湧いてきた。カードを集める過程でもっと知ることができたらいいんだけど。

 

 

 

「あっでもひとつだけニッグのことで共通してる噂はあるぞ」

 

「それってどんなの?」

 

 キルアの質問にゴレイヌが答える。

 

 

 

「10歳くらいの幼い少女らしい。色んな噂を呼んでるのはその見た目のインパクトもあったからだとか」

 

 

 

「え゛っ……」

 

 




 ゴレイヌの考察長すぎだろと冷静になって数えたら4000字越えてました。
 この小説書いてる人バカです。
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