ようこそ伝説の特別試験を起こす教室へ   作:ハァート

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久しぶりのハーメルン投稿……!
緊張するぜ……!


自己紹介と王様爆誕

 

集団戦と分かった以上、俺の頭脳でクラスを率いて行きたい。もしそれが無理だった場合でも、自分の意見でクラスを動かせる参謀の位置くらいにはなっておきたい。

 

と言う事で、まずは………

 

「皆、初めまして!良かったら自己紹介しませんか?自分は綾小路龍一郎、趣味はチェスと将棋です。よろしく!」

 

教壇の上に立って、俺は大きな声で自己紹介をした。

 

少し、いやかなり恥ずかしい。周りを見ると、数人の不良っぽい奴らが教室の外に出ようとしていた。

 

おい待て。何しれっとどこか行こうとしてるんだ紫ロン毛。青ショート。他にもいたけどとにかく戻ってこい。今なら許してやるから。頼むよ。ねぇ!

 

 

教室が静まり返る。逃げたい。もしタイムリープできるなら、何年前とかではなく10秒前に戻ってこの場を無かった事にしたい。

 

だが、冷静に一段高い所から教室を観察すると、別に彼らも自己紹介を嫌がっているわけじゃないことがわかる。中には自信が無くて自己紹介を恥ずかしがってそうな人が数人いるが、心の底から拒否するほど嫌がっている人はいない。よかった。ちょっと安心した。

 

 

しかし、この沈黙を破るには相当な勇気がいる。誰か、誰でもいいから喋ってくれ。そしたら自分も続くから。何人かがそう思っただろう次の瞬間。先陣を切る者が現れた。

 

「私は真鍋志帆。趣味は髪型とか服を変えたり、オシャレすることかな!よろしくー」

 

っ!真鍋!さっきは性格悪いかもなんて言って悪かった。めっちゃ良いやつじゃないか!

 

「おし!じゃあ、次は俺が行くぜ!俺石崎大地!趣味は無いけど喧嘩は得意だ!中学の時は番長やってた!よろしく!」

 

ええ?『番長やってた』ってプラスステータスじゃなくね?

 

………ほら皆ビビってるじゃねえか。まぁ、他の不良っぽい奴らと違って逃げなかった所はプラス評価だろうか。アホだから差し引きでマイナスだけどな。

 

石崎のせいでまた微妙な雰囲気になってしまった。流れに任せず強引に仕切った方がいいか?

 

しかし、今度は逡巡する間も無くすぐに続く人間が現れた。

 

「俺は時任裕也だ。趣味とかは特にない。よく目つきが鋭くて睨んでる、と思われることもあるがそんなつもりはないし、仲良くしたいと思ってるから気軽に話しかけてほしい。……よろしく」

 

この状況で皆に代わって自己紹介してくれるとは。その度胸と内に秘めたる優しさは覚えておこう。いずれ起こるクラス争いで役立ってくれる筈だ。

 

他の人たちも、入学式が始まる前までに自己紹介をした。一応自己紹介してくれた全員の名前と顔を覚えたが、特に印象的だったのは山田だな。いや、アルベルトと呼んだ方がいいか。あの顔に山田という名前はミスマッチだろう。

 

アルベルトはかなりガタイの良い黒人で身長は190cmくらいありそうだった。英語しか話せないらしいが、簡単な日本語なら聞き取れると言っていた。

 

基本はジェスチャーでコミュニケーションを取るつもりだったようだが、俺が英語を話せるので、出来る限り仲介役を努めることを約束した。かなり有能そうな部下が簡単に手に入りそうなのはちょっとラッキーだ。

 

それから普通に入学式が何事も無く終わり、俺達は帰宅した。

 

帰る前、真鍋が山下と藪という女子生徒を連れて俺をカラオケに誘ってくれた。しかし今回は生活に必要なものを揃えたい、という理由で断らせてもらった。

……やっぱりついて行ったほうが良かっただろうか?ま、後悔しても遅いし切り替えていこう。

 

 

 

生活に必要な物を揃え、俺は今スーパーにいる。さっきケヤキモールで調理器具を購入したが、その調理器具を使うなら材料が必要だ。生まれてこの方料理なんてした事ないが、まぁレシピ見ればいけるでしょ。それに自炊すればポイントも浮くしな。積極的に自炊していこう。

 

「無料コーナー?」

 

食材を漁っていると、無料コーナーというものを発見した。1人3点までらしい。まずおそらく月に貰えるポイントがクラス単位で変動するので、その貰えるポイントが低かったクラスへの救済措置だろう。もし、このスーパーだけじゃなく色んな施設で無料コーナーがあれば、ここはポイントが無くても生活出来る。つまり、理論上は月のポイントが0ポイントでも生活できる、ということになる。まぁ、流石に理論上の話だ。流石にね。0ポイントなんてあり得ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

授業は初回なので、オリエンテーションだった。ちょっと肩透かしだ。あんなに実力がどうこう言っていたのになぁ。初手からガツガツやって分かんねぇやつは置いていく、一人でもいいから最高に優秀な奴が生まれればいい、くらいの勢いを見せて欲しかった。

 

 

 

4限が終わり昼休みになる。とりあえず学食に行こうかな。当たり前だが1人で学食に行くのは無しだ。恥ずかしいとかではなく、食事という距離を縮めるのに最適な機会を逃すのはあり得ない。

 

じゃあ、さっさと誰か誘って行けよって話なんだが、ここで問題なのが誰を誘うのか、だ。選択肢は2つ。真鍋か、アルベルトか。

 

両方誘うのは無理だ。真鍋がアルベルトにビビってしまうだろうから、距離を縮めるなんてとても出来ない。本末転倒だ。

 

……アルベルトかな。理由は簡単。俺が行かなきゃ誰とも食べられなさそうなアルベルトが想像出来た。場合によっては一旦、孤独を覚えさせるというのも無しではないが、わざわざそんな可哀想な目に合わせる必要もない。

 

「Hey! Albert. Let's have lunch together!」

(オッス!アルベルト。一緒に飯食おうぜ!)

「OK」

 

グッと親指を立てるアルベルト。ちょっとシュールだ。

 

 

「『いっぱい種類あるな。どれ食いたい?』」

「『俺はカレーが好きだ。日本のカレーは美味い』」

「『分かるぞ。日本のカレーは美味いよな。といっても俺は外国のカレーなんて食べたことないから違いとか知らないけど。じゃあ、2人でカレー頼むか』」

「『いいね!』」

 

またもやグッと親指を立てるアルベルト。ハマってるのか?

券売機を見ると、無料で提供される山菜定食なるものがあった。やはりか。

 

「『どうかしたか?』」

「『何でもないさアルベルト。さ、席を取りに行こうか』」

 

2人でカレーを食って雑談し、親睦を深めていると、アナウンスが流れてきた。

 

『本日、午後5時より、第一体育館の方にて部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味ある生徒は、第一体育館の方に集合してください。繰り返します。本日—————————』

 

「『ふむ。今の放送聞いた?どうする?』」

「『えぇっ…と。今の放送はクラブ活動で合っているか?』」

 

ん?ああ。アルベルトの場合、聞き取りづらいこともあるか。これは授業とかもサポートしてやった方がいいかもな。

 

「『合っているよ。流石だアルベルト』」

「『照れるぜマイフレンド』」

「『で?どうする?行くつもりはあるかい?』」

「『正直クラブにはあまり興味が無い。綾小路が行くなら俺も行くぜ』」

「『んー…。俺は行くつもりはないかな』」

「『なら俺も今日は帰ろう』」

 

こんな感じの会話が多く、結局雑談メインだったが、それでもアルベルトの事はいくつか知れたし、いい昼食になったのは間違いない。

 

 

午後の授業もオリエンテーションのみで退屈なまま時間過ぎた。これから放課後。早速クラスをまとめにいく…-わけでは無いが、その足掛かりとして誰か遊びにでも誘おうと思っていた。しかし………

 

「お前らよく聞け!俺は龍園翔。これからこのクラスの王になる男だ。文句ある奴はいるか?」

 

教卓の上に座り、叫ぶ紫ロン毛。龍園翔という名前らしい。初めて聞いた。記昨日クラスで自己紹介したはずなんだけどな。記憶力には自信あるんだけどな。おかしいなー。

 

「ああ?!何だてめえ!調子乗ってんのか!」

 

中学番長の石崎が龍園に対抗するように叫ぶ。

 

「クク!良いねぇ。他に文句ある奴はいるか?」

 

龍園はパンパンと手を叩き面白そうにしながら他の人間に呼びかける。

 

「そりゃあ、文句しかないでしょ。いきなり王とか意味わかんない」

「そうだ!そうだ!」

「いきなり王様とかアホか!厨二病かよ!」

「僕も認めがたいですね。暴力は好みませんし、そもそもクラスは誰かが私物化して良いものではありません」

「俺もまだこのクラスになったばかりだが、そんな事認められねえな」

 

最初から、青ショート(伊吹:後日知った)、小宮、近藤、金田、時任の順だ。

 

「ね、ねぇ。綾小路君」

「あぁ、下がってろ真鍋」

 

不安そうな目で俺を見つめる真鍋を自分の後ろに隠す。いざというときは龍園を気絶させてでも真鍋は守るつもりだ。

 

「フン、表立って言えるのはこんなもんか?」

 

龍園が教壇から降り、()()()()へ歩いていく。奴が一歩足を進める度に周りが怖がり、退き、悲鳴が上がる。俺の後ろにいた真鍋もギュっと俺の制服を掴んで引っ張ってくる。

 

龍園は変わらずある方向へ向かっている。その方向とは…

 

「あ?!テメエ舐めてんのか?!やんのか!」

 

石崎の方だった。石崎が叫ぶことでまた教室中の生徒たちが怖がる。真鍋なんか俺を引っ張りすぎてゼロ距離になっている。真鍋の体温も呼吸も心音さえも直に伝わってくる。こんなに掴まれたら動けないんだが。

 

視界の隅にアルベルトがこの騒動を止めようと動くのが見えた。しかし、それより早く奴は動く。

 

「オラァ!」

「カハッ……!」

 

龍園が石崎を殴る。今までよりいっそう大きな悲鳴が教室内に児玉する。石崎も流石にこんな教室の場でいきなり暴力を振るってくるとは思って無かったのか完全に予想外、という顔をしている。「やんのか?!」とか言ってた癖に。まぁ、皆がいる教室の中だしな。高を括る気持ちは分からなくもない。

 

石崎が吹っ飛んでいく。近くにあった机と椅子がうるさく音を立てて倒れた。

 

石崎が殴られたのを見て、アルベルトが龍園を羽交い締めにしようと接近する。しかし龍園は素早く飛び退き、捕まることはなかった。

 

「クク、見た目より俊敏だなァ。この場じゃこれくらいにしといてやる。俺が王になることに文句がある奴はいつでもかかって来い。潰してやるよ」

 

そう言って龍園はバックを肩にぶら下げながら教室を去って行った。流石にこの状況でアルベルトを相手取るのはマズイと判断したか?

 

いきなり起きていきなり終わった喧嘩にほとんど女子や不良っぽくない男子たちは動けなくなっている。

 

龍園に不満がありそうな不良たちは、「アレ勝てそうか?」「お前雑魚かよ。普通あんなキング(笑)に負ける訳ないだろ。何お前。あんなのに負けるのか?」「は?負ける訳ねえだろ。調子乗んなよ」「あ?調子乗ってるのはテメエだろ。先にお前からやってやろうか?」なんて会話をしていた。会話だけなら今にも喧嘩が起きそうだが、さっきの状況で動けなかった奴らだ。ほっといてもいいだろう。

 

あの場で唯一動いたアルベルトは、石崎の方へ行き介抱しようとしていた。龍園を追いかける事も出来ただろうに優しい奴だな。だが残念ながら差し出した手は払われ、アルベルトの優しさは無下にされていた。石崎の野郎。

 

 

 

次第に張り詰めていた教室の空気も緩和され、帰り出す人たちも現れ出した。

 

「もう大丈夫だと思うぞ」

「う、うん」

少し怯えた様子を残しながら、真鍋が俺の背中から顔を出した。俺の制服から手を離したため、真鍋が近くにいた温もりが消え去り、若干の名残惜しさを感じる。

 

「ねえすごい怖かったぁ。急になんなのアレ。ヤバくない?」 

「だな。間違いなく頭おかしい」

 

龍園翔。色々分かった上であの行動なのか、不良だから何も考えずあの行動なのか。それで評価が大分変わってくる。しかし、監視カメラもある教室でいきなり殴るなんてのは流石に考え無しのバカだろう。期待は出来ないだろうな。

 

しかし面倒くさい事にこのクラスのリーダーになりたがっている。考え無しに暴力を振るうバカにこの学校でリーダーは務まらない。どうしたものか。

 

「でも綾小路君が何も言わなかったのがちょっと意外かも。昨日も積極的に自己紹介しようとしてたし、こういうの止めようとすると思ってた」

「まぁ、さっきは真鍋が近くにいたしな。変に飛び火されて危険な目に合わせる訳にはいかないだろ」

「え、へー。ふ〜ん。優しい所あるじゃん」

 

真鍋はそっぽを向き、短い髪の毛をくるくるさせながらそう言った。照れてるのか?ちょっとからかってみようか。

 

「なんだ?照れてるのか?」

「は、はぁ!?違うし!勘違いすんな!」

 

そんな動揺しながら言われても説得力がない。そう言おうとしたが、もっと怒られそうだったのでやめておく。

 

「そうか悪い。勘違いだった」

「え?そ、そう!分かればいいのよ!」

 

上手く誤魔化せたと勘違いしている真鍋を見てちょっと微笑ましい気持ちになった。アホの子かな?

 

「真鍋さ、これから暇?一緒にケヤキモールで遊ばない?」

「え!行く行く!直?」

「ん、そうだな。荷物も少ないしそうするか」

「さっすが。綾小路君!分かってる〜」

 

 

「じゃ、早速行こっか!」

「おう」

 

という感じで早速ケヤキモールに向かおうとしていると、後ろから声が掛かった。

 

「真鍋ー。うちらも一緒行っていいー?」

 

そう聞いてきたのは、ウチのクラスの山下。隣にいるのは藪か。2人とも昨日真鍋とカラオケに行っていた人たちだ。

 

「いいよいいよー。あ、いいよね綾小路君?」

「ああ、勿論いいぞ」

 

良いけど。「あ」って言って確認するくらいなら許可出す前に聞いて欲しい。別に良いけどね。一応ね。

 

「ケヤキモールって言ってもさ。どこに行くつもりなわけ?」

 

4人で教室を出て、廊下を歩いている時にそんなことを聞かれる。

 

「ただ遊びたいって思って誘っただけだからな。どこに行きたいとかは特に無いかな。逆に皆は行きたい所とかある?」

 

少し調べた感じでは、学生が行く定番はカフェ、洋服店、カラオケ、映画などらしい。ただ、カラオケは昨日行ったらしいし、他の場所も出会って数日の女子を誘うような場所ではない。だから真鍋たちから何らかの言葉やアクションを引き出すことにした。

 

「ならさ、綾小路君ってカラオケ行ったことないんでしょ?初カラデビューしよ!」

「俺は良いけど、そっちはいいのか?昨日も行ったんだろ?」

「あったり前じゃん!カラオケなんて毎日でも行けるし!」

 

そういうものなのか?

 

 

 

 

 

「経営学など幅広い学問を学べるんだぞ♪☆」

 

無事、俺はカラオケに馴染むことが出来た。

ココガスゴイ♪

最初は採点システムや音程に戸惑ったが、慣れてしまえばそれも面白いものだ。

テイキョウヘイセイダイガク〜♪

 

 

 

 

「イギだ〜い!!私も一緒に連れてって〜!」

 

今は山下が「トウキョウ・シャンティ・ランデブ」という曲を歌っている。でも歌詞が滅茶苦茶だ。替え歌っていうカラオケの楽しみ方の1つらしい。

 

「みんな〜」

 

そう言いながら、山下が俺たちの方にマイクを向ける。

 

「「「「帝京魂!!」」」」

 

皆で最後に帝京魂を叫ぶ。勿論、俺も叫んだ。




4巻以降真鍋「私は真鍋志帆。趣味はイジメと裏切り行為かな。よろしく」
綾小路龍「ま、真鍋…?」

10巻真鍋「私は真鍋志帆。趣味は退学。じゃあ、さよなら」
綾小路龍「´; ω ;` <マナベ…」

龍園も動くの早くない?まだ2日目だぜ?と思うかもしれませんが、龍園ってクラス争いとか関係なくクラスとか学年、学校を締めてそうなイメージ無いですか?
クラス争い関係なく不良としてクラスのてっぺんになる気だったなら、2日目でもクラスの王宣言はあり得ると思います。

後、原作(SS含む)内で4月に行われたと判明していることは
坂柳→・神室を入学一周間あたりで手駒にする 
   ・葛城を弄ぶ
龍園→・クラスの掌握を完了している
   ・坂柳が葛城を弄んでいることを把握しており、頭がキレる存在だと判断
   ・他クラスの調査が完了しており、上記の坂柳以外マークすべき存在はいないと判断

他にもあるかもしれませんが少なくとも上の5つは確定です。


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