ようこそ伝説の特別試験を起こす教室へ   作:ハァート

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実はこの作品のタイトルって、仮のタイトルをそのまま使ってるんですよね。なんか良さそうなタイトルを思い付いた人は感想で教えてほしいです。「良い!それ良い!!」ってなったタイトルがあったら採用します。
「伝説」もしくは「伝説の特別試験」ってワードは必須ワードでお願いします。


交わる双龍

クラスメイトとの交流はは順調に進み、皆と仲良くなることができた。ゲームはしたし、カラオケで歌ったし、カフェにも行った。公園では小宮たちとストリートバスケもした。

 

高校生活は満喫出来ている。だが、それはそれとしてクラス争いの方も考えていかなければならない。

 

「おい石崎。寝るな」

 

()()()()()()()に顔を起こす石崎。

 

坂上先生に起こされ真面目に授業を聞き出す石崎を見て、自クラスは十分、そろそろ他クラスにも手を伸ばすか、と考える。

 

パッと思い付く手は、部活生に頼んで繋いでもらう事だ。サッカー部の鈴木。バスケ部の小宮、近藤。陸上部の木下、矢島。まずはこの辺りに聞いてみるか。

 

 

数学の授業が終わり、実際にあいつらに聞いてみた所、バスケ部は他クラスが須藤というDクラスの生徒、サッカー部はBクラスに柴田、Dクラスに平田という生徒がいることがわかった。

 

陸上部は、種目が多くて横の交流が少ないらしく、他クラスの生徒とそれほど仲良くないらしい。

 

 

とりあえず、B、Dの2クラスいるサッカー部にアクションを起こしてみるか。

 

————————————————————

 

休日。ケヤキモール前。

 

先日鈴木に頼んで、俺と鈴木と平田と柴田で遊ぶことになった。

 

「君が綾小路君かな?」

 

話しかけられた方を向くと、金髪に柔和な笑顔を浮かべる優男そうな人がいた。

 

あーどっちだ?

平田と柴田の容姿とか特徴を聞いてなかった。こういう所で対人の経験不足が出る。

 

「あ、はいそうです!そうです!初めまして綾小路龍一郎です。えっと……柴田君?それとも平田君ですか?」

「僕は平田だよ。平田洋介。よろしくね綾小路君。それと同級生なんだから敬語は別に付けなくてもいいからね」

 

ザ・イケメンの爽やか笑顔を見せつけられる。なるほどこれはサッカー部だ。絶対クラスの中心にいるだろうし、ぜひ仲良くなっておきたい。

 

「OK分かった。今日は誘いに乗ってくれてありがとな平田」

「いやいや!僕もサッカー部の子以外に他クラスの友達はいなかったから、ちょうど良かったよ。むしろこっちが感謝したいくらいだよ」

 

聖人か?こいつ。少なくとも俺には嘘や裏は感じない。おそらく純粋に良い奴だ。

 

「そういえばさ、僕のクラスにも『綾小路』って子がいるんだけどもしかして親戚とかだったりする?」

「いや心当たりはないな。多分、苗字が同じなだけの赤の他人だと思う」

「そっか。メジャーな苗字じゃないからもしかしたら、って思ったんだけど」

 

といっても親父の親戚とか会ったことないからな。俺に心当たりが無いだけで血縁だけ見れば親戚、みたいなことも無くはないかもしれない。絶対無いと思うけど。

 

「平田はもう学校慣れた?」

「そうだね。クラスは皆良い人たちばかりだからね。お金はちょっと多すぎる気がするけど」

 

………………。

 

「分かる〜。ちょっと金遣いが荒くならないか心配だよな」

「だよね。この学校卒業した時に金銭感覚狂ってないか心配で心配で」

 

そんなこんなで雑談をしていると柴田、鈴木がやって来る。

 

「それじゃ、揃ったし行くか!」

 

————————————————————

 

ケヤキモールに入った俺たちはまずカラオケに行くことにした。

 

 

何曲か歌った所で、他クラスの情報を探りにいく。

 

「そういえばDクラスとBクラスに可愛い子いる?」

「僕のクラスの子たちは皆可愛いと思うよ」

「おいおい平田〜。そんなのつまんねぇって。お前ホントはむっつりだろ?素直になれって〜。どうなんだよ実際。クラスに可愛い子いるのか?」

「そういうBクラスやCクラスはどうなんだい。可愛い子いるんじゃないのかい?」

「俺のクラスには真鍋っていうギャル系の子と、椎名っていう読書好きの大人しめな子、木下っていう陸上部の快活な女子の3人が可愛いと思う」

「おぉ〜!俺ん所は、一之瀬っていう滅茶苦茶可愛い子がいるぜ!しかもすげぇ優しくて、さらになんとおっ○いがデカい!」

 

!!

 

「胸の大きさは今関係無いんじゃないないかな……?」

「関係大アリだろ?な!綾小路、鈴木」

「「勿論」」

「えぇ……2人ともそっち側なのかい?」

 

待ってくれよと言わんばかりの目をこちらに向けてくる平田。しかし俺は別のことを考えていた。

 

「柴田!今度、その一之瀬って人に会わせてくれ!」

 

俺は手を擦り合わせて懇願する。

 

「お!気になるか〜綾小路!」

「ああ」

「仕方ない。この俺が仲を取り持ってやろう!」

「ありがとう!」

 

Bクラスとの橋を作り終えた俺は標的を平田に切り替える。

 

「それで?結局Dクラスはどうなんだ?可愛い子いないのか?」

「えっとその前に僕は柴田くんみたい紹介出来ないよ?彼女らがもし嫌がったらいけないし。それでも良いなら名前くらいは」

「お前紳士かよ平田〜」

「まぁ、仕方ないか。どんな子がいるかだけ教えてくれよ」

「そうだね。さっき綾小路君が言ってたギャル系なら軽井沢さんかな。気が強いけど、オシャレとかが好きな可愛い子だと思うよ。他に目立ってるのは櫛田さんかな?すごい明るくて良い子だよ。僕のクラスの男子からも人気だと思う」

「へぇー。櫛田って子は名前だけ聞いたことあるような……」

「さっき言ったように明るくて社交性が高いから、既に他クラスに知ってる人がもおかしくないかも」

「へぇ、もう他クラスに知られるくらい社交性が高いのか。ちょっと興味出てきたな」

 

まぁ、俺もこうして他クラスと交友を重ねているがそれは目的があるからだ。

俺と同じように何かしらの目的を持って交友を広げているのか、それとも単純にコミュニケーション能力が抜群に高いのか。どちらでも面白い。

 

「お?綾小路狙うのか?」

「いやまだそうだとは決めてねえよ。ちょっと興味が出てきた、ってだけだ」

 

まぁ、それだけの社交性があるならいずれ近いうちに会えるだろう。その時を楽しみにしておくか。

 

 

 

 

——————————————————

 

平田たちと遊んだ翌週の月曜日。俺は先日、他クラスに交流を広げた目的の再確認をしていた。

 

時間は勿論授業中。まぁ、俺が今からわざわざ学ぶ様な内容はないからな。仕方ない。

 

俺が他クラスと交流する目的、それは他クラスのポイントを下げることだ。前回『クラス争いに勝つための戦略、戦術を既に構想している』と言ったのを覚えているだろうか?

 

その戦術の1つが『他クラスのポイントを下げる』ことになる。その為に、他クラスを知り、弱点でも見つけようと画策したって訳だ。

 

問題なのはその段階で止まってるってことだ。弱点を見つけようとしてる、ってことはまだ弱点を見つけられてないってことだし、具体的に他クラスのポイントを減らす方法が思いつけてないってことだ。

 

何があればポイントが減る……?

 

ルールを破ればポイントは減るだろう。分かりやすいルール破りといば犯罪か。

 

いやでもそれをどうやって犯罪を起こさせる?実際に犯罪をした所を目撃する、なんて運ゲーすぎるしそもそもほとんどの人は犯罪なんてしない。

 

となると犯罪を犯す様に誘導する、冤罪を起こすのもありか。こっちのポイントは別に減っても良いからな。

 

気の弱い奴を見つけて、皆やったからお前もやれ理論を強要するのもありだな。ただ、問題なのはその皆をウチのクラスから作れるか。いや行けるか。不良多いもんなウチのクラス。

 

あ。

 

不良を使えば良いじゃないか。不良を使って喧嘩を誘発、それ以外にも揉め事とか起こせるだろうし、そこでお互いにポイントを減らさせるような状況を作ればいい。

 

流石俺。まさかこんなにすぐ解決策を思い付くとは。やはり頭脳。頭脳は全てを解決する。

 

 

授業が終わると不良組の中ではそこそこ仲が良い小宮に話しかける。

 

「小宮。ちょっと聞きたいんだけどさ、入学してすぐくらいに龍園が『このクラスの王になる』とか言ってたけどアレどうなったんだ?」

「あー。ほとんどの突っ張りは龍園さんの門下に降ったよ。ただアルベルトっているじゃん。龍園さんはまだあいつを倒せてなくてパンピーも含めたクラス統一に踏み切れてない」

 

門下。クラス統一。不良漫画か?

 

ていうかアルベルト1人で頑張ってたのか。学校内じゃ交流は深いが、ことプライベートになるとあまり遊んだり出来てないんだよな。そんな事になってるなんて知らなかった。

 

まぁ、かなり分かりやすい状況になってくれてるみたいだな。龍園を倒せば丸々不良集団が手に入りそうだ。アルベルトは元々友達だし、そもそも俺が今欲しいのは将棋でいう歩兵、つまり不良()()なのだ。

 

よし、やるべきことも決まったし早速今日にでも殺るか。

 

 

——————————————————

 

放課後。特別棟。

 

「テメェか?果たし状を送ってきたのは」

「ああ」

 

龍園が見せてきた紙には達筆な字で

『果たし状 

 龍園、お前を倒してやる。

 不良集団は俺がもらう。

 今日の放課後、寮の裏に来い。

 俺とタイマンで勝負しろ 』

 

と書かれてある。間違いなく俺が昼休みの龍園がいない間にこいつの机にぶち込んだものだ。

 

「フン、少し面白いことが書いてあるな?『不良集団は俺がもらう』だぁ?テメェみたいなパンピーが何のためにあいつらを欲しがる?」

 

少し逡巡して、本当のことを伝えることにした。こいつを倒して不良集団に命令するならいずれこいつも知ることになる。

 

「他クラスのポイントを減らしたくてな。その為に歩兵が欲しいんだよ」

「ほぉ?」

 

ついでにこいつの思考力を少し測る。こいつが使える男なら、こいつに『他クラスのポイントを減らす』戦術の実行、指揮を直接取らせるって選択肢も出てくる。

 

「テメェもこの学校の違和感に気づいてやがったのか……!いや、その感じだと俺よりも深く核心に気付いてやがるな?」

「むしろお前は違和感止まりか?」

「クク、言ってくれるじゃねえか」

 

ニヤニヤしながら龍園は俺に鋭い眼光を向けてくる。

 

「テメェ俺の下につけよ。そしたらお望み通り、俺の兵隊を指揮させてやる」

 

確かに俺の頭脳の凄さを知らしめたいだけでリーダーである必要はない。勿論、俺の策をクラスに実行させる為にそれなりの地位は必要なのは言うまでもないが。

 

ただリーダーを他にやらせたとして、そいつが俺の意見を聞かないようじゃ本末転倒だ。

 

そして龍園からは自分が一番正しい、自分のやり方を何が何でも押し通すという精神が垣間見える。

 

こいつに下った場合、俺の意見も聞かない訳では無いだろうが、メインの戦略を打つのは自分以外させないはずだ。

 

となると、結局俺にはこいつを従えるしか道はない。

 

「来い。どっちが格上か。分からせてやるよ」

 

「クク、せっかく生き残れる道を用意してやったのによォ。後悔すんなよ!」

 

そう言った瞬間、龍園が距離を詰めてきた。

 

俺は迎撃出来るように緩く拳を握って顔前に構える。

 

龍園が腰を下げて左ストレートを放つ。狙いは鳩尾か。すぐに顔の前に構えていた手を腹部まで下げる。龍園の左手を弾きながら、半歩だけ後ろ足を右に引く。

 

我流なのか知らないが安易に左ストレートを放ったせいで、簡単に左半身に隙が生じた。反撃に顔面に一撃喰らわせてやる………と思っていたが、隙をカバーするために勢いで無理矢理こちらに向けて後ろ回し蹴りを繰り出してきた。

 

まるで奇襲だな。一旦引いて後ろ回し蹴りが終わって足が地面についた瞬間を狙う。よほど体幹がよくないと後ろ回し蹴りの勢いを殺して即座に構えることはできない筈だ。

 

予想通り。後ろ回し蹴りの姿勢を回復させる前に顔面に一撃喰らわせる。吹っ飛ぶ龍園に追撃を掛けようとしたが、吹っ飛んだ勢いを利用して大きく後退したので、追撃は断念する。

 

「クク、この学校の核心に気づく頭脳だけでなく暴力まで出来るとはな。ますます気に入ったぜ。絶対屈服させてやる。そしてテメェの頭脳も暴力も俺のモノにしてやる!!」

「格を分からせてやるって言ったの忘れたか?お前が俺に勝つことはない」

「ほざけ」 

 

 

再度龍園が接近してくる。次は蹴りを繰り出そうとしていた。喧嘩において拳より足の方がリーチが長く有利に感じるかもしれないが、リーチが長い攻撃は、距離が近過ぎればむしろ邪魔になる。

 

先程奴は接近してきたが、当然蹴りの間合い。ゼロ距離には程遠い。俺は奴が蹴るより速く距離を詰め、アッパーを顎に喰らわせる。

 

「ぐぅっ!」

 

余韻のように龍園の蹴りが俺にも当たるが、ブレブレな上想定内。しっかりと反対の腕でガードする。 

 

逆に龍園にとって俺のアッパーは半ば不意打ちでまともに喰らった上に、当たった場所は顎。少なくないダメージが入り、体勢を崩す。

 

その隙を逃さず、俺は龍園にタックルするように飛び掛かる。龍園を押し倒しマウントポジションになる。 

 

マウントを取った以上、油断でもしなければ俺の勝ちだ。しかし、龍園は諦めずにもがき、反撃しようとする。

 

「まだまだ反抗心は残ってるみたいだな」

 

「当たり前だろ……!勝手に勝った気になってんじゃねえよ…!」

 

「それは悪かった。なら、改めて勝たせてもらうとしよう」

 

拳を強く握り締め、上から振り下ろしていく。

龍園が反撃する間もなく何発も殴る。

 

しかし、龍園はまだ反撃しようともがいている。

 

「そろそろ諦めろよ。まだ勝てると思ってるのか?」

 

そう言って、俺は一旦手を止める。

 

「確かにこの場はお前の勝ちだろうなァ。だが明日は?明後日は?」

 

「? 漫画じゃねえんだぞ。1日2日で勝敗がひっくり返る訳ねぇだろ」

 

 

「クク、そんなこと言ってるんじゃねえよ。しょんべんしてる時は?糞してる最中は?食事中は?どこからでも狙ってやる。テメェは俺に負けるまで安心できる瞬間なんて訪れねえ」

 

「そうか。お前は何度でも俺に挑んでくると」

 

「そういうことさ。俺は何度でも食らいつく。最後に俺が勝てばそれでいい」

 

「机上の空論だな。そんなことしてもお前は俺を襲う度に返り討ちに合う。襲う度に自分だけが傷つき、いずれ俺を襲うことを無意味に感じ、俺を襲うことそのものに恐怖を感じるようになる」

 

「あいにく俺は恐怖なんて感じたことがない。生まれて一度もな」

 

へぇ。ならこいつに恐怖を感じさせられれば、格の違いを分からせてやれるな。そうすれば俺の管理下に収められるだろう。

 

「じゃあ、頑張って恐怖を感じないよう耐えてくれ」

 

俺は龍園を殴ることを再開する。

 

「ぐふっ! かはっ! ごほっ!う、ぷっ……」

 

龍園が折れるまで殴り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ恐怖を感じないか?」

 

数えきれないくらい殴っているが、未だに折れた様子はない。

 

「ク、クク。当たり前だろ……。なんだ?逆にお前は折れない俺に悍ましさや恐怖でも感じるようになってきたのか?」

 

「殴る側が恐怖を感じる訳あるかよ」

 

何度も何度も龍園を殴り続ける。

 

「ぐふっ!かはっ!うぉっ!ごほっ!ぐっ!ごっ!う、ぷっ……」

 

 

 

 

龍園が。折れるまで。殴り、続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐふっ!かはっ!うぉっ!ごほっ!ぐっ!ごっ!う、ぷっ!おぉっ!あ、はっ!ごほっ!ごほっ!………

 

 

龍園が生気を失った目で、よく分からないモノを見るかのように俺を見てくる。龍園の顔がいつの間にか俺の望むものに変わっていた。

 

「ようやく恐怖を知ったみたいだな」

 

「かはっ!あ……ぁ」

 

血反吐を吐きながら、うわ言を呟いている。よし。終わりだな。

 

「初めての恐怖を味わった今どんな気分だ?」

 

マウントポジションから解放して、初体験の感想を聞いてみる。といっても良い意味の初体験じゃないからな。トラウマにならないといいが。

 

しかしいくら待っても返事が来ない。原型を留めていない龍園の顔をよく見ると気絶していた。殴られまくったからな。そりゃあ気絶の1つや2つするか。

 

「……………こいつが起きるまで待たないといけないのか」

 

ここは特別棟。わざわざ放課後に人が来るような場所じゃないが、それでも万が一はある。

 

本来はこんな時間がかかるつもりは無かったんだが、予想以上に龍園がしぶとすぎた。

 

「誰も来ませんように」

 

一応、龍園を通路の死角に移動させた後、この通路の出入り口を見張りながらそう祈った。

 

顔面パンパンで血塗れで気絶した男に、その男の返り血を浴びまくった男。見つかったら面倒なことこの上無いだろう。




まだ評価の母数が少ないから少人数の低評価のをモロに喰らってしまいますし、逆に高評価も強く影響します。なので面白いと思った人は応援の意味も込めて高評価して欲しいです。

まだ序盤だし評価し切れないから評価保留って人もいると思うんですけど、その人たちの中に期待してる、って人がいたら暫定でいいので、高評価して応援してくれる嬉しいです。
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