引き続き頑張っていきたいと思います!
今回3000字くらいしか無くてすみません。本当は前編後編なく1話で届けるつもりだったんですけど、どうしても遅筆すぎて中々、後編分の内容が終わらなくて。このままじゃマズイと思ったので、とりあえず今書き上げから分をキリ良くして前編として届けます。
「う……、ここは………」
「目を覚ましたか」
クラクラするのか頭を押さえながら、龍園は上半身を起こした。
「な、あ、お前……は……」
俺の顔をみて引き攣った表情を見せる。まあ、流石にこれは仕方ないか。
「チッ、俺はテメェに負けたわけか」
お。
てっきり弱ったり怯えると思っていだが、冷静に状況を受け入れて、平静を保っている。胆力強いな。
「お前は……これからクラスのリーダーになる気か?」
「そうだな。それが1番都合が良いだろうな」
「俺がお前に従うと思ってんのか?」
「俺に全力で付き従え、とまでは求めてない。ただ最低限、俺の戦略の下で皆と同じように動いてくれればそれでいい」
龍園にそこそこの能力があるのは認める。将棋の駒で例えると『銀』くらいだろうか。しかし、差し手が俺である以上、駒パワーが無くても支障はない。最低限、他のクラスメイトと混ざって統率された組織力の一部として、つまり『歩兵』として働いてくれたら十分。むしろこんな暴れ馬を制御する為にリソースを回すよりそっちの方が合理的だ。
「そんなこと聞いてねえよ。もう一度言ってやろうか?『俺がお前に従うと思ってんのか?』」
よく言う。見栄張ってるだけだけのくせに。
「逆に聞くけど従えないのか? お前さっき何があったのか忘れたか?」
そう言って握り拳を作り暴力をちらつかせる。正直、こういう頭を使わない戦い方は嫌いだ。だが、これがこいつにとって1番効率的な以上やらない選択肢はない。
「そんなので俺がビビると思ってんのか? これで勝ったと思ってんじゃねえぞ。いずれブッ殺してやるからな」
ん?んんっ?
「まだ懲りないのか。初めての恐怖を知ったんだろ? その考えは変わらなかったのか?」
「確かに俺は恐怖を知った。自分の中に無いと思っていた恐怖がちゃんと自分にもあることが分かった。だが、それが勝つことを諦める理由にはならねぇ」
頭主人公かっ。ラノベや漫画の世界じゃないんだぞ。ガッツだけで上手くいくほどこの世界は気持ち良く出来てねぇんだよ。
「なら、明日も明後日も俺に仕掛けるのか?ボコられるだけなのは目に見えてるだろ」
「当たり前だ、と言いたいとこだがそこまで俺もバカじゃねえ。今お前に挑んだ所で返り討ちに合うだけなのは理解してる」
「なら……」
「言っただろ?
「なら2度とそんな気が起きないように今からもう一度調教してやるよ」
「好きにやれよ。俺がそんなことで折れることはないがな」
「…………」
再度暴力をチラつかせるが、全く効果が無いように見える。
なんだこの男? 折れる気配が全くしないぞ?
龍園は恐怖を知った。それは間違いないだろう。だが、こいつは恐怖なんかで止まるような男ではないらしい。
めんっっどくさ。敵にすると、精神力のせいで『銀』どころじゃなく、『飛車』レベルはある。ただ、この精神力は逆境に立って効果を発揮する。既に勝利への道を明確に描いている俺とは相性が良くない。
仕方ない。別方向からアプローチだ。
「なんでそんなにリーダーをやりたいんだ?」
「勝つために決まってるだろ。勝利でしか得られない愉悦。お前も同じだろ?」
「!」
なるほど。確かにこいつは俺と同じだ。違うとしたら俺は自分の"頭脳"を信じてる、龍園は自分の"暴力"を信じてる。それと俺は、"俺の頭脳"でしか導けないような芸術的な勝利を求めるっていう美学みたいなモノがある。龍園の場合、自分の力で勝利さえ出来ればそれでいい、って感じだと思う。
こいつの思想が見えたおかげで、こいつを仲間にする一筋の光が見えた。しかも上手くいけば能動的な駒、つまり『銀』いや『飛車』になる。
こいつの精神力が逆境で大きく作用するってのはあくまで具体例の1つにすぎないみたいだ。本質的には、勝利の愉悦を求めるが故に発揮されるもの。何が何でも勝利の愉悦を手に入れる為に、どんなことでもする。何があって最後には勝ちに行く。その為にはそれ以外の全てを捨てても良い。そんな意識から生まれるものだ。
「なぁ龍園。俺の話を聞いてくれるか?」
「あ?」
「最高の戦略があるんだ。この学校の見える景色を変えてやる」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺は作戦の概要を話し終え、龍園の反応を待っていた。
「ククク」
「イカれてやがるなぁお前」
「もっと何かあるだろ。"天才!"とか"お前が世界最高の頭脳だ!"とか」
もっと『綾小路さん鬼TUEEEE!』みたいなリアクションが欲しかった。
「入学してたった1,2週間そこらでそんなことを思い付くやつなんてイカれてる以外の何者でも無いだろ」
「もっと素直に褒めろよ」
「とりあえず、その作戦を実行する為に先ずは他クラスのポイントを削る必要がある。だから俺を襲ったってわけか」
「まぁ、そんな所だ。『他クラスのポイントを減らす』って戦略を実行する為に『不良集団を使う』って戦術が出てきたってわけだ」
「で? お前の取ろうとしてる戦略は理解出来たが、だからなんだ? まさか作戦を教えてやったから従え、なんて言う気か?」
「従え、っていうかさ、俺の戦略内で暴れてみないか?『他クラスのポイントを減らす』って目的を達成出来るなら何しても良い。お前のお得意の暴力でも、狡猾に悪知恵働かしてもいい。勿論、俺らのポイントが減るリスクなんて気にしなくて良い」
「言葉を取り繕ったって無駄だ。お前は結局、上から目線で俺やクラスをコントロールしたいだけだろうが」
………そんなこと言ってない。くそっ。ままならないな。
「上から目線も何もない。
こういうタイプには本心を曝け出すのが1番だ。本心を演出してもいいが、今はわざわざ取り繕う必要もない。本当に嘘偽りなく自分のエゴを見せていく。
「俺とお前は似てる。だから分かる。いや、お前も気づいてるだろ?俺たちが求めるのは自分の手で起こす勝利だけだ」
人差し指をピンと立て、自分の頭を突く。
「そんなに他人の意見を聞くのが嫌か? お前の
おそらくだが、龍園は勝利を自分だけで掴めなければ意味が無いと思っている。そして他人を認めた瞬間、自分が自分じゃなくなると思っているんだろう。
俺もそんな風に考えていた時期がある。だからこそ俺が教える。そんなことでエゴ揺るがない、と。
「龍園、孤高とエゴは違う。俺たちのエゴは共存出来る。そして俺たちが共存した時、勝利のレベルが、幅がブチ上がるんだよ」
龍園にとって最も重要な"勝利"。その
「チッ……………。いいぜお前と手ェ組んでやる。ただ、俺がお前の脳内で収まるような人間だと思うなよ。暴れまくってお前の戦略なんかぶち壊してやる」
「そうこなくちゃな、龍園」
ホント、色んな意味でそうこないとな。
龍園がこれから暴れる姿を想像して、思わず自分の事のように頬がニヤける。
「これからよろしく頼むぜ」
龍園に手を差し出す。仲直り?の握手だ。
「フン」
バチンっと俺の手が払われた音が廊下に響く。この野郎っ。
龍園の精神力強すぎて扱いずらい(笑)
書かながら、ここで簡単に靡くのは龍園じゃない!と自分の中で解釈違いを起こしまくって、何度も書き直しました。
後、この話を書いた時にそもそも自分の解釈が間違ってないか原作6〜7.5巻あたりを見直したんですが、7.5巻で綾小路直々に
伊吹や石崎のことがなければ、恐怖を知った後も龍園は平然と立ち向かってくるだろう。
みたいな事言われてて、自分の解釈が間違ってなかった事に安堵しつつ、「メンドクセー!!」ってなりました(笑)
最後に補足ってほどでは無いですが、今回龍一郎が龍園に下した評価として使った将棋の駒について、将棋を知らない人の為にそれぞれの価値を説明しておきます。勿論、一般的な場合の話で状況によって変わります。
歩:1点……盤上に沢山ある。前に一歩進めるだけの駒だが、使い方次第で化ける。
香:3点……真っ直ぐどこまでも進む駒。後ろには戻れない。特攻隊。
桂:4点……ちょっと動きが特殊な駒。
銀:5点……飛車と連携して攻撃に使う駒。守りにも使う。
金:6点……守りに使う。最後に詰ませる為にもよく使う。
角:9点……大駒。斜めに自由に動ける。
飛車:10点……大駒。攻撃において最強の駒。成ると龍になる。
駒パワー的に飛車>角だから、坂柳が飛車、龍園が角って最初は考えてたんですけど、龍園に角? 似合わねえ……!ってなったんで成ると龍になるし飛車にするかってなりました。
まぁ、敵も飛車を持ってるんだから坂柳は敵の飛車かなって感じ。
綾小路は棋士、高円寺はクイーン(チェスの駒。飛車と角を合体させた動きが出来る。将棋の中に入ってきたら最強すぎる)って感じだと思ってます。
推敲と後書き書いてたら予定より1時間も遅くなってしまった!すみません!
最後に高評価、感想が自分のモチベーションになるんで慈悲でも応援でも高評価や感想貰えると嬉しいです!