ようこそ伝説の特別試験を起こす教室へ   作:ハァート

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誰か、面白いと思ってくれたら高評価下さい……!
あ、高評価も勿論嬉しいですが、感想で皆のリアクションを聞かせてくれるのも凄い嬉しかったりしますっ! 是非是非、皆さんの声を聞かせて下さい!待ってますっ!

では、本編どうぞっ!!!!


新たな仲間(後編)

龍園と喧嘩した翌日。龍園がこれから不良集団を指揮して他クラスのポイントを減らすように動く、という大成果を得たものの、本来の目的だった不良集団は手に入らなかった。それ故、俺自身は他クラスのポイントを減らす為の"駒"を未だ持っていないことになる。

 

という事で、不良集団を介さないで他クラスのポイントを減らすための策略が必要になった。

 

そして俺が考えた策略は『赤信号俺が渡るから君も渡ろう』作戦だ。略して『赤信号作戦』。

 

具体的には、まず他クラスの人と仲良くなる。そこから、様々な方法で仲良く一緒にルールを破って減点させる、というものだ。

 

理想は万引だ。自分が万引してそいつにも『大丈夫大丈夫。イケるイケる』と万引を強要する。そして()()()第三者に見つかり2人とも罰を受ける、というものだ。ただ、これはあくまで理想。実現度は低いだろう。ちゃんと実用性のあるプランを4つほど用意してある。

 

①授業中にラインを送信して会話し、授業中にずっとスマホを触らせる。

 

②休み時間にトイレで時間ギリギリまで雑談して、走って教室に戻る。その途中、()()()他の生徒とぶつかる。そしてその生徒から先生にぶつかられたことを報告する。

 

③徹夜でお泊まり会やオンラインゲームをして、次の日の授業を寝て過ごさせる。

 

④雑談で他人の悪口(男なら猥談でもいい)を話す。それを()()()本人や本人と仲が良い人に聞かれる。そして先生に報告される。

 

こういうやり方でポイントを減点させるのが、この作戦の全容だ。

 

この作戦、俺自身も勿論実行するつもりだが、やはり頭数が多いほど効率は良い。龍園の駒である不良集団は無理として、残ったクラスメイトからこの作戦に使えそうな人材を選ぶ。

 

勿論、誰でも良い訳ではない。他人にこの作戦を実行させるとなると、全てではないがSシステムの真相を説明する必要がある。『他クラスのポイントを減らす』という目的な以上、他クラスにSシステムの真相を漏らす可能性がある人間はダメだ。

 

流石に直接他クラスに漏らす馬鹿はいないだろうが、友達と話していたらうっかり周りに聞こえてました、なんてミスを起こしそうな奴はいるからな。

 

それと単純に作戦そのものの適正もある。

 

この作戦に求められる能力は、

①他人を蹴落とすのに躊躇がない性格。

②他クラスの生徒と上手く仲良くなれるコミュニケーション能力。

③『他人の悪口』や『授業中にスマホを触る』など、モラルの低い行動でも誘えば乗ってくれるコミュニケーションに受け身な人間や気の弱い人間を見つけられる洞察力。

 

この3つ全てとは言わないが、1つ2つは持っている人間が望ましい。

 

特に『他人を蹴落とせる性格』は必須だ。来月以降、ポイントが少なくて苦しんでいる他クラスに罪悪感を覚え、他クラスに作戦の事を喋られると困る。

 

この作戦の1番の良い所は、『お互い何も知らなかったからすごいダメージ受けたね〜。ショックー』って何も知らない振りをすれば、他クラスとの外交に差し支えが出ない所なのだから。

 

以上の点を考慮して、適切な人材を数人見繕った。それが今この部屋にいる真鍋たちと金田である。

 

そう。今俺の部屋。もう呼んである。

 

「で、話って何なの? 後なんで金田くんもいるの? 場違いじゃない?」

「あんまそういうこと言うな」

「いえ、気にしてないから大丈夫ですよ綾小路氏」

 

開幕からクソみたいな事を言う真鍋を嗜める。

 

真鍋は、今の発言の通り性格は普通に悪いし、他人を蹴落とすことにも躊躇しないだろう。クラスで女子カーストのトップの座を築いたコミュニケーション能力もある。単純なスペックだけを見ても適正はそこそこ高いだろう。

 

懸念点として、『普通に性格が悪い』ので他クラスと仲良くなれるかは分からないって事があるのだが、実は真鍋にはそれを差し引いても期待している部分がある。

 

というのも、これはまだ仮説に過ぎないのだが真鍋と取り巻きの諸藤の関係を見ていると、真鍋は自分の引き立て役になる、つまり自分より弱い人間を見つける嗅覚が優れているのではないか、と思っている。

 

諸藤は取り巻きの中で少し陰気で気の弱いタイプで、ちょっと真鍋とは合わないような気がする。だが現実として、諸藤は真鍋グループにいて真鍋を慕っているし、真鍋も姉御のように諸藤に良くしている。

 

もしかすると、真鍋は気の弱い人間を見つけてそいつを姉御的な感じで慕わせる能力があるかもしれないのだ。もしそうなると、この作戦に最適オブ最適の人間すぎる。

 

 

 

真鍋の取り巻きである山下、藪、諸藤の3人は能力的に少し劣るが、真鍋が頷けば一緒にやってくれると思うので、そういう意味では1番大事な『躊躇なく他人を蹴落とせる性格』をクリアしている。

 

コミュニケーション能力も及第点はある。諸藤だけちょっと不安だが。

 

 

 

 

金田に関しては、クラスの中でもトップクラスに頭が良く、性格的にも割り切れるだろうし、コミュニケーション能力も大きく問題はない。3つ全ての適正を持つ優秀な人材だ。

 

ちょっと顔面がその、アレなのが………コミュニケーションの足を引っ張るかもしれないけど。

 

ま、まぁそれを差し引いても使える人材だからな。今回選ばせてもらった。

 

 

「今日この5人に集まってもらったのは今後の学校生活で頼みたい事があったからだ」

「「「頼みたいこと?」」」

 

と言ってもいきなり作戦の説明を始めるわけにも行かない。何故なら、こいつらは貰えるポイントが変動することも、クラス争いが起こることも気付いてないのだ。

 

なのでまず俺は、5人にSシステムについて考察できたことの1部を説明した。

 

来月10万ポイント貰えないだろうこと。

貰えるポイントは生活態度で変化すること。

これからクラス単位でポイントを巡って争うことになる可能性が高いこと。

後は、最近坂上先生が授業中にちゃんとしてない生徒を注意するのは俺が先生にポイントで仕事を買ったからだということ。

それ故、『ポイントで何でも買える』というのは文字通りである事も説明した。

 

最初は俺の話に納得しなかった5人だが、無料の商品を始めとした幾つかの根拠を基にして、真実であると理解させた。

 

「で、ここからが本題。俺の方針として他クラスのポイントを減らしたいんだよな」

「自分たちのポイントを増やすのではなく………?」

「ああ。自クラスのポイントは二の次だ」

「理由をお聞きしても?」

 

この理由は"例の作戦"に関係するもの。だが、追求されるのは想定済み。ちゃんと理由は用意してある。

 

「他クラスにスパイが作りやすくなる。ポイントで敵を釣る時、ある程度金がある奴より困窮した奴の方が釣りやすいはずだろ?」

 

後付けの理由だが、実に筋が通っている。今は作戦に組み込むかもしれない"本音の"理由だ。"本命の"理由ではないが。

 

「なるほど確かに。ですが、そのスパイを釣る為のポイントを作るには、やはり自クラスのポイントを上げる必要があるのでは?」

「そうか? 自クラスの生徒から1人1万ポイントでも集めたら、合計で40万ポイントになる。全然行けるだろう」

 

「なるほど。その発想は自分にはなかったですね。しかし、そうなると確かに他クラスのポイントを減らす方針の方が良いかもしれませんね。もしデメリットがあるとすれば、スパイがニ重スパイになる可能性があること、逆にこちら側が金で釣られるかもしれないこと、くらいですか」

 

「そうだな。ただ、そこら辺は自分達のポイントを上げただけで解決する問題でもないし今は議論しなくていいだろう」

「確かにそうですね。具体的な他クラスのポイントを減らす方法は既に思い付いているのですか?」

「勿論」

 

具体的にポイントを減らす算段を説明する前に真鍋たちの方を向く。完全に空気になっていたが、おそらく俺たちの邪魔をしないようにわざと気配を消していたんだろう。

 

「とりあえずここまでの話は理解出来てるか?」

「えと、多分? 結局、綾小路くんが最初に言ったように他クラスのポイントを減らすんだよね?」

「おう。そこが分かってれば大丈夫。次の話は重要なやつだから分からない所があったらすぐに聞いてくれて良いからな」

 

————————————————————

 

そして俺は、『赤信号作戦』の概要、詳細を説明した。

 

「———————って感じでポイントを減らさせる。現時点のターゲットはBクラスだ。サッカー部に柴田って奴が居るんだけど、そいつと仲良くなってな。Bクラスの1軍と遊ぶ約束を取り付けてもらったんだ」

 

Bクラスの1軍。確か、一之瀬って名前だったか。クラスで人気者だっていう人。

 

「そこで、柴田に『俺とBクラスで遊ぶ』んじゃなくて『CクラスとBクラスが交流する』って方向に変えられないか聞いてみる。上手く方向を変えられたら、お前達を呼ぶから後は仲良くなりにいってくれ」

「分かったっ!頑張るねっ」 

 

真鍋の音頭に頷く女子達。

 

「最初は別に『ポイントを減らしてやる!』とか『誰を狙えばいいんだろう?』なんて考えなくて良いからな。むしろそういうノイズは無い方がいい。純粋に仲良くなろうとしてくれ」

 

随分と残酷なことを言ってる。そう自覚したが、そんな下らない思考はすぐに脳から消し飛ばす。中途半端な罪悪感なんて持たない方がいいからな。

 

「基本的に俺と金田は男子、真鍋たちは女子を狙うようにする。同性の方が仲良くなりやすいだろうからな」

 

 

——————————————————

 

 

『赤信号作戦』の決行日初日。つまり、今日が柴田たちと、真鍋らと一緒に交流する日だ。

 

場所は勿論カラオケ。『男女関係なく』『大勢』となれば、学生にはもうここしかないらしい。

 

放課後になり、真鍋たちを連れて学校の玄関に向かう。既に柴田は到着していた。周りにいる生徒がBクラスの生徒なんだろう。

 

「おっーす柴田〜」

「おっ!綾小路〜!そっちの子たちがCクラスの人たちか?」

「ああ紹介する。こっちが真鍋。その後ろにいるのが、右から藪、山下、諸藤。で、最後尾にいるのが金田ね」

「ふむふむ。真鍋さん、藪さん、山下さん、諸藤さん、金田くん、だね。宜しくねっ! 私は一之瀬帆波です!」

 

差し出された手を掴んで握手を交わす。

 

「こっちは知ってるかもしれないけど、柴田くん。で、右から網倉ちゃん、白波ちゃん、小橋ちゃん、神崎くん、渡辺くん」

 

一之瀬、か。柴田が言っていたことを思い出し、咄嗟に視線を少し下にずらす。

 

おおっ……。良いんじゃない? うん。素晴らしい!

 

「イテッ」

 

痛みの原因を探ろうと後ろを振り返ると、真鍋に腕をツネられていた。

 

「バカ」

 

あー、なるほど? 蹴られた理由に思い当たった俺は真鍋の耳に近づけて、ニヤニヤしながら確認する。

 

「何? もしかして嫉妬〜?」

「はぁ?! 調子乗んな! バカっ!」

 

顔を赤らめ、また腕をツネられる。今度はさっきより力が強い。フフフ。可愛いねぇ。

 

「仲良いね君たち? 付き合ってるの?」

「いや別に」

 

一之瀬に確認されるが、別にそんな事はない。俺に(多分)惚れてる真鍋の反応が可愛くて揶揄ってるだけだ。本人は隠せてるつもりなのがなお面白い。

 

「それじゃ、カラオケ行こっか!」

 

一之瀬の音頭で俺達13人一向はケヤキモールに向かう。

なんとなく大体2〜4人で4列の並びになる。俺と真鍋が最後尾だった。いい位置取りだ。さて、真鍋よ。俺の攻めが終わったと思ったら勘違いだぞ? また少しだけ屈み、真鍋の耳に口を合わせる。

 

「なぁ真鍋。さっき『付き合って』って勘違いされたな」

「そ、それが何」

 

真鍋は今どんな事を考えているかな? 定番の『本当に付き合っちゃう?』とか言われるかも、なんて甘い妄想でもしてるのだろうか。

 

「どう? 勘違いされて嬉しかった?」

「へ………!!?」

 

頬を紅潮させ、固まる真鍋。図星かぁ。

 

「おーい聞いてる? 嬉しかった? 俺と付き合ってるって勘違いされて嬉しかった? ねぇねぇ」

「うるさい! 知らないっ! 」

 

そっぽを向いて俺から逃れようとする真鍋。髪からチラリと見え隠れする耳は真っ赤だった。よしっ。

 

「ふう」

「たうわっ!?」

 

耳に息を吹きかけて揶揄う。真鍋は驚いてこちらを振り向き、耳を抑えてこちらを睨んできた。相変わらず良い反応をする。

 

「耳真っ赤」

「もう!」

 

今度は軽くポカポカと胸板を叩いてきた。リアクションのバリエーションが豊富だな。

 

イチャイチャする最後尾の男女2人を見て、

 

((((アレで付き合ってない……?)))

 

周りの人たちはそんな事を疑問に思っていた。

 

 

 

カラオケボックスに付き、部屋を取る。

 

「フリータイムでいいよな? 人数は1,2,3,4…………13人か。どうする? 2部屋にするか?」

 

柴田が全員に向かってそう提案する。へぇ。そういうこともあるのか。なら是非、一之瀬と同じ部屋に……。

 

「そうですね。それがいいと思います。部屋割りは男子と女子で分かれるのがいいんじゃないでしょうか?」

 

確かに、『同性の方が仲良くなりやすい』って先日共有したからな。作戦としては正しいと思うよ?

でも男としてはどうなんだ? 本当にそれで後悔しないのか?

 

そう目で問いかけるが、何を勘違いしたのか金田はこっそりサムズアップをしてきた。あのさぁ笑

 

俺の心の叫び虚しく、男子女子で分かれる事にした。自分の番じゃない時に相手の部屋に乱入するのがセオリーらしいので、許すけど。

 

 

部屋に入ってまずは早速歌おうとするが、何故かマイクを柴田に占領された。

 

「なぁ綾小路。 お前真鍋ちゃんの事どう思ってるんだ? 答えるまでマイクは渡さん」

 

なんだそれ。俺じゃなくて真鍋に聞けよ。そっちの方が良いリアクション見れるぞ。

 

「別にフツーだけど?」

「いやいや! あの距離で"フツー"って事はないだろ?!なぁ?!」

 

柴田は神崎、渡辺、金田の3人から同意を求める。そういうの同調圧力っていうんだぞ。

 

「俺は恋愛に詳しくないが、確かにあの距離感は"普通"ではないと思うぞ」

「私も同意です」

「俺も」

「マジで何もないんだけどな」

 

この後、散々俺らの関係を根掘り葉掘り聞かれ、結局全然歌えなかったし、計画通りに上手く仲良くなれなかった。

しかも出した結論が『俺と真鍋は両片想い』だとか『俺は好きな子にイジワルするタイプ』とか『ミイラ取りがミイラになった』とか、そんな意味不明な結論だった。本当に意味が分からない。

 

 

 

夜。上手く仲良くなれたかグループチャットで聞くと、山下、藪、諸藤曰く、あちらはめちゃくちゃ上手く行ったらしい。真鍋だけはメチャクチャ否定してる。やっぱ性格悪いから1人だけ失敗してしまったのだろうか。

 

『こちらも大成功です。Bクラスと上手く仲良くなれました』

 

金田がそんなメッセージをグループに送る。

 

龍一郎『@金田 は? どこが? 全然ダメだっただろ』

真鍋『@山下@藪@諸藤リカ 私たちも上手く行かなかったじゃん!』

金田『@龍一郎 いや上手く行きましたよ』

山下『@金田 多分上手く行った理由同じだよねww』

藪『@山下 それなww』

諸藤『笑』

 

俺と真鍋以外の4人がそんな会話をしながら勝手に納得していた。俺は認めないぞ。色々と。




原作主人公→軽井沢「寄生虫」
本作主人公→真鍋「普通に性格が悪い」

これがヒロインの姿か……?

【報告】次の話を投稿する時にタイトルを『ようこそ伝説の特別試験を起こす教室へ』に変更しようと思います。

見失うわないよう気をつけて下さい。
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