真夜中0時、あんていくにて   作:黒プー

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ようやくエルデの王になれたので初投稿です。
ちなみにマルチで倒しました。あんなの一人で勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!


23時、あんていくにて

「…ひどいな。」

「…流石の私でも引いてしまうね。ここまでするなんてねぇ。」

「…ああ。」

 

四方くん、店長、私の三人は今、11区にきていた。

理由は、最近幅を利かせているらしい「アオギリの樹」という組織について調べるためだ。

 

「ふーむ、武器は羽赫かねぇ、地面に穴はほとんど空いていない、なかなかの手だれだ。」

「…四方くん。彼らについては?」

 

先に色々調べていたらしい四方くんに店長が尋ねる。

 

「…奴らはアオギリの樹を自称する喰種集団。正確な構成人数は不明ですが…率いているのは、隻眼の王、らしいです。」

「…」

「ふむ、騙っているのか、それとも目指しているのか。どちらだろうねぇ。」

 

間違いなく本物ではないだろう。少なくとも本物は目の前にいる。

そう考えつつ店長を見ると、彼は何やら渋い顔をしていた。

 

「…何か心当たりでもあるのかい?」

「…少しね。」

 

彼はそう言ったあと、何かを思い出すように帽子を触る仕草をする。

だがそれもすぐにやめ、私たちの方へと向き直る。

 

「二人とも、あんていくに帰ろう。」

「ああ。」

「了解、君の意向に従うとも。」

 

 

あんていくに戻ると、中は暗く静かだった。

…これは。

 

「…」

 

四方くんが静かに明かりをつけると、部屋の中を見渡せるようになる。

そこはもはや店とはいえないほどひどい惨状だった。

 

「…店長くん。これ、君狙いだったりしないかい?」

「…彼女の性格的にないだろうさ。私などその辺の木端と同じように思っている。だから私狙いではないだろう。」

「…君が木端ねぇ。」

 

てっきり大ボスの隻眼の梟を名乗る誰かが店長くんに刺客を差し向けたものだと思ったが…。

だとすると何が狙いで襲ったんだろうか。

とりあえず、先に負傷者の治療かねぇ。

 

「四方くん。トーカくんを奥に運んであげられるかい。私が治そう。」

「わかった。」

「他は…。」

 

奥の方にニシキ君。ヒナミ君は奥にいただろうし大丈夫だろう。あとは…

 

「金木君がいない…?」

「連れて行かれたんだろう。おそらくリゼ君が原因で。」

「…なるほど、リゼ君狙いだったわけか。で、金木君は大方巻き込まれただけか。」

 

リゼ君が死んだことを隠したのは失策だったか。まさかここまで面倒なことになるとは。

 

「…ともかく、負傷者の治療が最優先だねぇ。しばらく奥に篭らせてもらうよ。」

「ああ、頼む。」

「任せたまえ、何せ私は医者(ドクター)だからねぇ。」

 

 

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窓の外を見ると、これからを指し示すような嵐だった。

最悪の結末にならないといいがねぇ。

 

「…」

 

トーカ君もそれを恐れているのか、少し心配そうに窓の外を見ていた。

まさかあの彼女がここまで絆されるとは。彼も捨てたもんじゃないね。

…ま、ここは声をかけておくとしよう。

 

「…彼なら大丈夫だと思うがねぇ。」

「…ドクター。」

「ああ。あいつは見た目ほどヤワなやつじゃねえ。…それ、お前が一番知ってんだろ。」

「ニシキ…」

 

なかなか粋なことを言うねぇ。さすが彼女持ち。

私たちの言葉のおかげか、下がっていたトーカ君の眉が元に戻ってくれた。

そんなふうに話していると、部屋のドアが開き、店長君たちが入ってくる。

 

「…揃っているみたいだね。後から数名くるが、先に始めていよう。」

 

そう言いつつ店長君は帽子をコート掛けに掛け、相手いる椅子に座った。

そして話し始める。

 

「…11区で起きている問題について、あんていくが取るべき対応だが…その前に、連れ去られた金木君について、一つ言っておくことがある。」

「…」

 

店長君は一度言葉を区切り、再度話し始める。

 

「金木君には、もう会えないと思った方がいい。」

「えっ…?」

「…君がそう言うなんて、らしくないねぇ? 店長君。…理由は?」

 

特等に囲まれていた私を救った彼がそう言うとは。私は思わず店長君に聞いてしまった。

 

「…アオギリの木は、戦うために生きてきたような喰種ばかりだ。彼らの根城に潜り込んで、金木君を助け出すのは容易ではない。」

「…」

「それにCCGの動向も無視できない。おそらく、近々アオギリの樹を掃討するための部隊が11区に派遣されるだろう。」

「ふむ。助けに行っても全滅するかも、か。」

 

確かに店長君の言っていることも一理ある。10を活かすために1を消す。よくあることだ。

 

「…オイなんだよ、まさかあいつを見捨てる気か?」

「…私はいく。」

 

店長に食ってかかりそうだったニシキ君の言葉に重ねるように、トーカ君がそういった。

 

「…この店の方針ってなんでしたっけ。店長が行かないなら…一人で行きます。」

 

どうやら随分金木君に惚れ込んだようだ。本当に彼の魅力はすごいねぇ。

そんなふうに考えていると、トーカ君に続いてニシキ君とヒナミ君も立ち上がる。

 

「…俺もいく。」

「えっ…」

「…借りがあんだよ、あいつには。」

「ヒナミも、手伝いたい!...お兄ちゃんには助けてもらってばかりだし…ヒナミにできることならなんでもするから!」

「ヒナミ…」

 

盛り上がっている三人を横目に店長君に声をかける。

 

「…さ、命をかける覚悟がある若者がこんなにいるわけだが?」

「…そうだな。みんなの気持ちはよくわかったよ。そこまでの覚悟があるならば、私も力を貸そう」

「…あ、」

「話を変えるようで悪いが、その前にもう一つ。…入ってきなさい。」

 

店長君がトーカ君の言葉を一度止め、扉の外に声をかける。

すると、部屋の扉がまた開かれ、何人かが入ってくる。そしてその中には…

 

「っ!?」

「てめっ、なんで!?」

「…なるほどねぇ…。」

 

つい最近金木君とニシキ君を殺そうとした月山君の姿があった。

 

「アモーレッ! …ハートブレイクッ…、無二の友人である金木君が訳のわからない連中の手によって危険な目に遭っているなんて…No Kidding(冗談じゃない)…!」

「それは私たちのセリフなんだがね月山くん…。」

「私は反対です店長! こいつに金木を助けさせる気なんて…!」

「いやトーカ君、助ける気はあると思うがねぇ?」

「っ、どういう…」

 

トーカ君が私に問おうとした時、月山くんが大きく手を広げ、そして叫ぶ。

 

とぉんでもないっ!僕が金木くんを見捨てる? そんなこと、天地がひっくり返ってもありえないよ霧島さんっ! 彼の芳醇な香りを僕以外に嗅がせるなんてありえないことだからね! そして願わくば、恩義を感じるであろう彼を僕の元に…」

 

長ったらしく話し始める変態(月山くん)に対して思わず呆れてしまう。相変わらずぶれないねぇ。

トーカくんも同じ気持ちらしく、私と同じような目で彼を見ていた。

 

「…まあ、彼がいればそれだけ金木くんを助けられる可能性は高まる。味方であれば心強い。」

「…でも、私は反対です! こいつ、結局金木を食うつもりですよ!」

「その心配はない。俺が見張る。」

 

そうトーカくんに言いつつ、四方くんも入ってくる。まあ彼もくるだろうとは思っていた。

 

「俺の目が黒いうちは余計な真似はさせん。」

「…四方くん、CCGの動きは?」

「住民の避難が住み次第、攻撃を仕掛けるようです。もう間も無くかと。」

「…わかった。」

 

その言葉を聞いた店長は椅子から立ち上がり、私たちの顔を見る。

 

「…あんていくは、CCGの総攻撃に紛れて金木くんを救出する。異存はないね。」

 

その後依存など出るわけもなく、私たちは戦場になるであろうショッピングモールへと向かった。

…絶対に助け出して見せる。




店長さん「誤解がないように言っておこう」って本編で言ってるんですけど、「もう会えないと思った方がいい」じゃ誤解以外生まないと思うんですよね…。 店長の人物像的にこういう変な言い方は絶対しないだろうし、ちょっとアニメ見てて違和感があったのでちょびっと書き直させていただきました。気づいた人いるかな?w
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