真夜中0時、あんていくにて   作:黒プー

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無事赤評価になりました。皆さんに楽しんでもらえているようで何よりです。
なるべく評価落とさないように頑張りますが、なにぶん妄想を書き殴っているだけなのでそのうち面白く無くなるかもしれません。お許しを。


15時、あんていくにて。

「ただいま〜。ウタ君の所に寄ったついでに駅前で豆を買ってきたよ。」

「ああ、ありがとう。…ふむ、なかなかいい豆だ、やはりたまには遠出するべきかな。」

「そっちの方がいいかもねぇ。」

 

少々豆を吟味しすぎたせいで帰ってくるのが遅れてしまったな。

…金木君は帰ってるみたい…って。

 

「金木くーん。そこを開けるのは今はやめておきたまえよ〜。」

「へ? なんでですか?」

「まーまー、それより豆の移し替えを手伝ってくれないかい。」

「あ、はい。」

 

ヒナミ君が中で食事をしているであろうドアから金木君を遠ざけておく。

覚悟を決めたのはいいが、少しタイミングが悪かったね。

 

「いや〜若い手は助かるね。何せもう年だしねぇ。」

「君はまだ大丈夫だろうよ、ドクター。」

「そりゃ当然じゃないか。私が心配しているのは店長の方だ。」

「…私も、大丈夫だ。」

「あっはっは」

 

いかんいかん、店長の目がガチだ。これ以上この話題はやめておくか。

豆の数もそこまで多くはなく、すぐに選別作業は終わった。

 

「よし。これで終わりだ。助かったよ金木君。」

「いえ、大丈夫です。」

「ふむ、そのコーヒーも冷めてしまってるようだ。新しいのを入れてあげよう。」

「ありがとうございます。」

 

彼がヒナミ君に渡そうとしていたであろうコーヒーを入れ直しつつ、話を続ける。

 

「金木君。なぜ私が君を止めたのかわかるかい。」

「え? いえ…」

「だろうねぇ。ま、喰種初心者の君ではわからないか。」

 

金木君に軽く喰種の食事について話してやる。

喰種の食事というのは、相当飢えていなければ見られるのが恥ずかしいと思う人が大半だ。

特に女性はね。

 

「…要するに人間の性行為に匹敵するような恥ずかしさかねぇ。君も男なら経験あるだろう? 性欲を…」

「わあああ! わかりましたからっ!」

「ならよろしい。…そろそろ食べ終わる頃だ、コーヒーを渡しにいってあげなさい。」

「…はい。」

 

金木君に入れ直したコーヒーを渡してやる。

彼はそれを受け取り、そのままヒナミ君がいる部屋に向かっていった。

これで仲良くなれるといいねぇ。

…私もコーヒーが飲みたくなってきたな。

 

隣でコーヒーを入れている古間君に声をかける。

 

「おうい、私の分も頼むよう。」

「さっき自分で入れてたじゃないですか…」

「アレはヒナミ君の分だよう。」

「自分で入れてくださいよ…」

「面倒臭いじゃないかあ。なあ頼むよー、ついでだろう?」

「はぁ…」

 

仕方ないなと言わんばかりの表情で、彼はもう一つのコーヒーを入れに行った。

やったぜ。

私は手元の本を開く。もう少しで読み切りそうだ。

 

「…新しい本でも買うか。」

 

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次の日。

 

「皆さんおはようございますっ!」

「ああ、おはよう。元気になったようで何よりだ。」

「はいっ!」

 

すっかり元気になったようなひなみ君を迎え入れる。

おそらく金木君の影響か。やるねぇ。

 

ヒナミ君たちに挨拶をしている金木君を横目に、読み終わった本を閉じる。

確か店長の部屋に本がいくつかあったはずだ…

カウンターを立って部屋に向かおうとすると、ヒナミ君に呼び止められる。

 

「あ、その本って…」

「おや、君もこれを知っているのかい。」

「わ、私も読みました!」

「ほう、まだ小さいのにこれを読むとはね。なかなか通じゃないか。」

「通…って…?」

 

ヒナミ君が金木君を見上げる。

なるほど。言葉を教えてあげていたのか、そりゃ懐かれるわけだ。

 

「ふーむ、これが人たらしか…なかなか。」

「へ? 何か言いました?」

「なんでもないさ。…悪いのに好かれないようにしたまえよ。」

 

ヒナミ君に意味を教えている金木君をおいて、店長の部屋に本を探しにいく。

 

 

新しい本を手にカウンターに戻ってくると、珍しい客が来ていた。

 

「おや。月山君。ずいぶん久しぶりじゃないかね。」

「ああ、これはどうもドクター。…霧島さんも、久しぶりだね。」

 

トーカ君が警戒するように少し距離を置く。

 

「…なんの用。」

「うーん、相変わらず冷たいね。…まあそんなところが君の魅力なんだけれど。」

「気持ち悪いんだよキザ野郎。」

 

ははは、シンプルな罵倒だねぇ。まあ事実か。

月山君は辺りを見廻し、奥にいた金木君を見つける。

 

「おや? 眼帯の彼…新入りだね?」

 

そう言いつつ、金木君近づき、匂いを嗅ぐ。

まあ確かに珍しい匂いではあるけれど、流石にみんな嗅ぎすぎじゃないかな。

 

「あ、あの…」

 

まあ突然そんなことをされたら困惑するだろうねぇ。

止めたいが、一応最低限のモラルはある客だ。警戒するくらいにしておくか。

 

「名前は?」

「か、金木です。」

「ふーん?」

 

月山は彼の首元に鼻を近づけ、匂いを深く嗅ぐ。

 

「ヒッ!?」

「…不思議な香りだ。」

 

…匂いを嗅いだ後、月山はそうポツリと呟いた。

流石に気持ち悪すぎるね。

トーカ君もそう思ったのか、月山を追い払う様に声をかける。

 

「おいテメエ、仕事の邪魔だし気持ち悪いからとっとと帰れ。」

「…全く無粋だね、君は。」

 

呆れた様にトーカ君を見やり、それから金木君に視線を戻す。

 

「今度ゆっくりコーヒーでも飲みにくるよ。芳村氏がいるときにね。」

「あ…はい…」

 

ふむ。流石に釘を刺しておいた方がいいか。

 

「月山君。あんまりうちの店員に迷惑をかける様なら、出禁にさせてもらうよ?」

「迷惑だなんて。少し匂いを嗅いだだけじゃないですか、ドクター。」

「彼は人間から変わったばかりだ、彼にとっては間違いなく迷惑だろうさ。」

「…なるほど、あの不思議な匂いは…」

 

…あちゃー、余計なことを言ってしまったか。

まだ何か考えている月山君に、今度こそ釘を刺す。

 

「…あまり店に迷惑をかける様なことをするなら、本気で潰しに行くよ。」

「はは、それはどちらについてでしょうね。…なるべく店に迷惑をかけない様にするとしましょう。では、私はこれで。」

「ああ。次入れてやれるかはわからないがね。」

「ご冗談を。」

 

それを最後に彼は、店から出て行った。

全く、迷惑な客だ。

 

「あの…誰だったんですか?」

 

金木君は彼について知らなかったようで、私に彼について聞いてくる。

 

「ふむ。20区の厄介者、と言っておこうかな。まあおそらく君は狙われるかもねぇ。…君は騙されやすい。警戒しておくことをお勧めするよ。」

「あ、はい。」

 

ふーむ、面倒ごとが増えたな…

だがなんとかしておかないとさらに増えそうだ。対策を考えておくかねぇ。




そろそろ更新ペース落ちそう。
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