南五番エリアから飛び降りて、遂に南一番エリアまでやってきた。近くに野生の子豚が居たので戦闘を仕掛けてみたが、正々堂々、正面戦闘でワンパンだ。俺が拾ったわざマシンの中にあって覚えることの出来た「ドレインパンチ(威力75の物理技、格闘タイプ、ダメージの半分を回復)」を使ったんだが、明らかなオーバーキルだった。胴体窪んでたからな。この調子なら、戦闘で負ける事は無さそうだ。今までと違ってのびのびと探索させて貰おうか。
……勿論、努力値(HP)もお肉も美味しく頂きました。
取り敢えず、丸一日探索して次の日の朝になった訳だが、特筆すべき話題が二つ……いや三つほどあったのでひとつずつ述べていこうと思う。
まず一つ目は、町を見てきた。プラトタウンとコサジタウンのふたつだ。
プラトタウンでは人とポケモンがまったりと共に暮らしているのが見て取れた。特にゲームとも差異がある訳でも無く、ポケモンへの迫害等も特に無い。……うむ、この様子なら、臭いさえどうにかなればベトベトンでも町に住めそうだ。化け物みたいなベトベトンは難しそうだがな。
コサジタウンは町と言うより、大きな二軒の家が建っているんだが、どちらも人が住んでそうだった。家の周りにアイテムが落ちてる(盗みじゃないよ!)ので、拾っていると人の気配が感じた。主人公の家にも人の気配を複数感じたので、もしかしたら主人公が学校に入学する前なのかもしれない。
二つ目は、有用な技をあらかた覚える事ができた事だ。電気タイプの「かみなり」、岩タイプの「いわなだれ」、格闘タイプの「ドレインパンチ」、地面タイプの「あなをほる」、炎タイプの「だいもんじ」と言った、色んなタイプの及第点な攻撃技。「みがわり」、「まもる」、「ねむる」といった、状態異常による長期戦を好むどくタイプにとって必須レベルで有用な補助技。特にダメージを完全に防ぐ「まもる」と、二ターン程眠ることで体力と状態異常を全回復する「ねむる」は野生ポケモンである俺にはとてもありがたい。入手はかなり難しかったけどな。「まもる」は崖の上、「ねむる」は町の外れに落ちていた。
……そして三つ目なんだが、それは少し毛色が違う話になる。
探索中に見つけた不思議な飴を頬張った時、力が漲ってくるのと同時に、頭に技が浮かび上がったんだ。それ自体は今まで何度もあった、新しい技を覚えたという事なんだが。
レベル38になるとベトベターは進化するのだが、俺はベトベターのままレベル40で覚えるダストシュートを覚えたのだ。
待望の毒タイプの高威力物理技だ。普通なら喜ぶ事だが、何故か未だに進化出来て居ないことに不安しかない。まさか、レベル以外の何らかの条件があるのか? 少なくとも俺は全く心当たりが無い。
…………暫く、考えうる条件をひたすら考えてみたが、どれも仮説でしか無い。ここは自己の強化に専念しようと思う。取り敢えずは、豚とラーテルの乱獲からだな。
プラトタウン周辺の子豚ことグルトン、水色の丸い生物ルリリ、有名なプリンの進化前ププリン。
取り敢えず、この辺を重点的に狩りまくった。
HPの努力値を稼ぐ為だが、どいつもこいつも柔らかくて美味い。ポケモンの図鑑説明で食用になるポケモンがいると聞いて当時はエグいと思ったが、よくよく考えてみたら当然の文化か。この世界で地球の家畜を見た事なんて無いしな。
……暫く乱獲して、自分の体力が僅かでも上がった気がしなくなったので、きのみを使って努力値を調整する。
ある特定の木の実らを使うと、各種特定の努力値を下げる事が出来る。それぞれ「ザロクのみ(HP)」、「ネコブのみ(攻撃)」、「タポルのみ(防御)」、「ロメのみ(特攻)」、「ウブのみ(特防)」、「マトマのみ(素早さ)」で、見た目も味も違うが効果は同じだ。そして俺は、HPと攻撃をMAXまで上げて、残りのソースを防御に振るつもりだ。つまりタポルとロメとマトマを食べればいい訳だ。
これらの木の実は、全て東二番エリアで拾う事が出来た。東一番エリアで時間が掛かった一番の理由は、川を飛び越えて二番エリアまで木の実を拾いに行っていたからだ。
……ん、意外とって言うかかなり美味い。確か、なつき度を上げる効果もあったが、それはこの木の実が特別美味い事に関係しているのだろうか?
もう暫く乱獲していたが、体力の上昇が感じられなくなってきた。そろそろ攻撃の努力値を上げるか。
やって来たのは、コサジタウンの近くにある洞窟だ。ここには、攻撃の努力値が上がるラーテルことヤングースが居る。同時に、ディグダやデルビルといった別のポケモンも居るが、努力値が俺の欲しいものじゃ無い為、この際無視する。
……一応、洞窟のヌシ的な感じでヘルガーというデルビルが進化した高レベルのポケモンも居る筈だから、刺激するのは止めておく。
こっそりと洞窟内に侵入。そこから目についたヤングースを片っ端から狩っていく。途中、侵入者を発見したとばかりにデルビルも来たが、圧倒的な「こわいかお」をヘドロで形成して威嚇して追い返している。本来「こわいかお」は相手をビビらせて素早さを二段階下げる変化技だが、これを威嚇に使った訳だな。
それにしても、このヘドロの体にも慣れ切ったものだ。「ちいさくなる」や「かたくなる(物理型の敵に使ってた)」を繰り返したお陰でどうすれば体を操れるか分かる。南三番エリアでハシゴや崖を登る際に、手が増えればロッククライミング楽に出来るんじゃね?と思い試してみると、触手っぽくはなったが成功した。
その他にも、食感が欲しい余りに歯を形成しようと体のごく一部に「かたくなる」をかけて見たり、複数体のポケモンを一度に捕食する為に口をより大きく広げたり「口」を複数作ってみたり。周辺の確認を簡単にしようと目を背後に移動させたり新しく「目」を作ってみようとしたり。
……改めてこうやって振り返ってみると、随分と化け物じみてきたな、俺。
乱獲を続け、夜が来たので洞窟外のそこら辺の大きな窪みに入って沼っぽく擬態して就寝。
日の出と共に起床し再び乱獲する為に洞窟へ侵入、乱獲開始。
二時間ほど狩った辺りで能力の上昇が感じられなくなった。
ふむ、攻撃も打ち止めかな? なら、残りのソースを防御に振ろうか。拾うだけ拾って使っていなかった努力値上げの栄養ドリンク、その防御版である「ブロムヘキシン」を飲む。
……ふぅ、これで努力値上げは終わったな。体力と攻撃に全振りして防御を少し。
努力値上げが終了した事で漸く自由にポケモンを余計な事を考えずに狩る事が出来る。
さて、今尚俺の周りに集まってくるデルビル他数種の者共。覚悟はいいだろうな?
大暴れだ。
フハハハハハ! 脆い、脆いぞ!
各個体がヘドロ爆弾(威力90の特殊技)やドレインパンチでワンパン出来るから気分がいい。それに、周囲への注意力が鍛えられてきた俺には奴らが飛び掛ってくるのがよく分かる。それに合わせてドレインパンチで顔面にカウンターを決める。複数がほぼ同時に仕掛けてきたなら、「技」じゃないが、両腕と体から敵と同じ数だけ生やした触手で弾く。向こうは技なので多少俺にもダメージは通るが無視出来るレベルだ、無双ゲーをしてる気分だ。
三方向から飛び掛ってきたデルビルを両腕と一本の触手で弾き、空を舞っているデルビルの腹に向けて両腕と触手を鋭く「伸ばす」。体積こそ限られるが、不定形の体は自由が効いている。これはその応用で、胴体の体積を触手と両腕にまわして伸ばし、先端を「かたくなる」で尖らせて突き刺す。幾ら攻撃用の「技」では無いとはいえ、俺の物理攻撃力で硬くて太い針を突き刺すのだ、そりゃあ致命傷だろうよ。
こうして対峙していると、自分がいかに強くなったかが分かる。前は「技」を使って全力で戦わなければ生き残る事さえ出来なかったが、今は「レッツゴー」……適当にポケモンをけしかけて戦闘する今作ポケモンゲームの戦闘法なんだが、この感覚でポケモンの(弱い)群れを壊滅させる事が出来る。Lv40を超えた今の俺なら、誕生の地であるハッコウシティ横の入り江でもそれなりに戦えるだろう。……が、あくまでそれなりであり、弱点のタイプを突かれたり、素で強くて高レベルな奴が出てきた場合は当てはまらない。
例えば、今のように。
……やべえ、この洞窟にヘルガー居るの忘れてデルビル狩りしてた……。
どうする? 目の前にのしのしとデルビル達を率いてやって歩いて来たのはヘルガーという山羊と猟犬を足して悪という概念を掛けたようなポケモンだ。種族値合計は確か500くらいで、レベルは俺の記憶が確かなら40の筈だ。種族値合計が300と少ししか無いベトベターのレベル40では当然向こうの方が強い。「技」をまともに撃ち合えば、当然負ける確率の方が高い。しかも向こうは明らかに臨戦状態、不意打ちや地の利を活かすことは出来ない。
……今の俺の技は「ドレインパンチ」、「ヘドロばくだん」、「かたくなる」、「ダストシュート」。
幸い、ヘルガーの弱点である格闘タイプのドレインパンチが打てるが、素早さは向こうが上。向こうは俺の弱点を突ける技を持っていないと思うが、思い込みはしない方がいい。それに、ドレインパンチを打つには近付かなければならない。向こうが素早さに任せて接触技を使ってくるならカウンターとしてぶち込めるが、遠距離で攻められるとドレインパンチは使えない。ヘドロ爆弾とダストシュート、当たるかな?
……ちょっと、賭けてみるか。
先制して「ダストシュート」を放つ。ゴミや毒液を圧縮して自分自身で撃つ技であり、毒タイプの物理技で威力120という圧倒的高威力の技だ。その代わり命中率が80%と低くなっている。これは予備動作がデカいせいだな、ヘルガーが俺の予備動作を見て口に炎を溜めて撃とうとしている。……うん?それ「かえんほうしゃ」では?なんでレベル40のお前が覚えてんの?
先制して出したと言うのにほぼ同時に放たれた火炎放射とダストシュートは俺とアイツの中央で衝突、拮抗したが毒と炎の両方が弾けた。
……ま、分からんものはしょうが無い。昔みたいな過ちは犯さず、ダストシュートを撃った瞬間から全力で接近。飛び上がって煙を突き破りドレインパンチを前方にかます。
が、ヘルガーが前に居ずに空振り。
すぐに身体中に擬似的な「目」を作り出し辺りを見渡す。すると左後方から「ほのおのキバ」で噛み付こうとしているのが見えた。
咄嗟に裏拳で弾こうとするが、間に合わず直撃。しかしヘルガーを弾き飛ばす事には成功した。
反撃にドレインパンチで殴ろうとしたが、ギリギリで地面を蹴り距離を取られた。
……が、俺は胴体の体積を腕にまわす事で届く距離を伸ばし、ヘルガーの胴体に当てる。
流石にヘルガーも度肝を抜かれたのか、一瞬変な顔になっていた。
しかし、回避方法が距離を取るだったので、突き飛ばす形で当てたドレインパンチの威力が殺されてしまった。実際、相手から打撃時に吸収したエネルギーで回復するドレインパンチだが、殆ど回復しない。
俺を普通のポケモンじゃないと警戒したのか距離を取るヘルガーだが、俺はその隙に全身に針を作ってトゲトゲになった上で「かたくなる」を使った。これで一目見て攻撃しづらくなっただろう。次に後ろから攻撃してきたら「かたくなる」を近辺の針に全力でかけて針を伸ばすつもりだ。
向こうも出方を伺っているらしい。好都合だ。次にどんな動きをしてくるか分からないので、今のうちに口の中でダストシュートの準備をしておく。
……俺は野生で学んだのだ。実際のポケモンバトルはただ一ターンに「技」を撃つだけでは無いのだと。
睨み合いが数秒続く。
埒が明かないのでダストシュートを撃とうとした時だった。
「グオオォォォォ……」
洞窟の下の方から響く強そうなポケモンの声。
当然無視する事は出来ない為、「ズル」をして様子を見る。顔の側面に目を作る。そして様子を見るが洞窟内には何も居ない。少なくとも今は未だ。
そして、ヘルガーも洞窟の下を見た。流石に無視は出来ないだろう。
だが、そりゃ悪手だろ。
ダストシュートを放ち、もう一回積んだ「かたくなる」でカチカチのトゲトゲボディで接近する。
が、どうやら読んでいたらしく軽やかに後方に跳び洞窟内の崖を登っていく。登りきると此方を一瞥し、奥の方へと去っていった。
……どうやら勝負は預けるらしい。気に食わないが、俺もあの声が気になって仕方が無い。
…………まさか、あのイベントか?
ストーリー最序盤の主人公がコライドンかミライドンに会うシーンか?
……ちょっと見て見たいな。原作鑑賞は原作ファンやゲーマーが転生するとほぼ必ずといっていい程行われる当然の行為だ。俺も見たくて仕方が無い。コライドンなのかミライドンなのか知りたいし。
さてさて、「かたくなる」で不定形の一部を硬くして、レベル43で覚えたばかりの「とける」のふたつを駆使して天井にでも張り付いて行きますか。
……「とける」は防御が硬くなるよりももう一段間上がる変化技なんだよな。溶けると硬くなるを並行使用すると防御は三段階上がるけど、どんな風になるんだ? あれか、受ける部分は硬く周辺を柔らかくして打撃斬撃問わない衝撃でも逃がしてるんだろうか。
移動中、再びポケモンの咆哮が聞こえるとデルビルが逃げるように洞窟の中に入ってきた。多分、コライドンかミライドン……略してライドンズから追い返されたのだろう。流石にこの見た目で洞窟から這い出ると、絵面が悪いので洞窟内の天井で待機。触手を伸ばし、先端に目を作る。
どれどれ……。
………………なんか、コライドンとミライドンにサンドイッチをあげている男女がいるんですが?
……え、何、まさかのダブル主人公なの?両方のパッケージ版を同時にプレイしてるの? 古代のポケモンと未来のポケモン両方現代に来てるの?
あ、こっち見た! 隠れろ!
…………なんなんだ、一体。学校や生息ポケモン見た時から思ってたんだが、混ざり過ぎだろこの世界。エリアゼロどうなってるんだよ。てか、あの男女二人はどういう関係なんだよ。
!!!!!
ライドンズ(コライドンかミライドンの略じゃなくてコライドンとミライドンの略に変更)の咆哮が聞こえた。こっちに向けて叫んだっぽいからすぐにでも洞窟に入ってくるな。
……少し奥に戻って遠くから観察しようか。
そして聞こえる二度目の咆哮。ライドンズが洞窟に入ってきた。そしてすぐ後ろに、ダブル主人公らしい男女が入ってきた。
うわー、ミライドンとコライドンが並んでるよ。アイツらもどういう関係なんだろうか。距離感から仲間意識があるのは確定っぽい。
「ハルトー! アオイー!」
天井付近の外に繋がる穴から若い女性の声が聞こえた。見てみると、主人公のライバル兼チャンピオンのネモだ。二人を探しに来たらしい。……て言うか、名前デフォルトの時のやつなのか。あの二人、これは幼馴染か兄妹っぽいな。
「いた! 二人とも! 大丈夫!? 怪我してない!?」
「大丈夫!」 「なんとか!」
おお、ゲームで見たようなやり取りが行われてる!感無量や!
俺が感動してる間に話は進んだらしく、二人は取り敢えず上を目指す事になった。ライドンズが先導し二人が着いて行き、ネモが何そのポケモン!とテンション高め。
ライドンズは人間が通れるような道を塞ぐ岩を破壊するとどんどん奥へと進んでいく。
ヒュー。かなり強いな。一発で軽々と破壊か、俺にゃまだ無理だ。
あ、近くの崖上からヘルガーが見ている。獲物の品定めでもしているんだろうか。
……あのヘルガー、どうにかして倒したいな。主人公と対峙してライドンズに助けられる場面があったと思うから、その辺に乱入して倒してしまおうか。……流石に、人間の前で食ポケは駄目だよなぁ。SAN値チェックの時間ってか。
……お、デルビルの十匹くらいの群れ。を、一瞬で追い返すライドンズ。そりゃあ、あんなのに喧嘩挑む気にはならないな。
……またもや岩を破壊。流石の破壊力。
数秒後、ネモが叫ぶ。
「二人とも!気をつけて!何か来てるよ……!」
予感かな? 複数の目を作っているがまだ見えない。……が次の瞬間に奴の姿が見えた。
「後ろ! 後ろー!」
ダブル主人公くんらの後ろからヘルガーが登場した。それも臨戦態勢なので、それぞれ応戦する事にしたようで、男の方「ハルト」がほのおワニポケモンの「ホゲータ」、女の方「アオイ」がくさねこポケモンの「ニャオハ」をモンスターボールから出した。
ほう、その二匹を選んだのか。特に言う事は無いが、ボールから出てくる時の演出か。俺ももし人間に捕まる事があれば、絶対に良いボール以外だと死ぬ程抵抗するからな。元々俺はその辺も拘りがあって、サイズ値が最大近い色違いベトベターを厳選してた時は空間にヒビが入るようなエフェクトがつくがポケモンバトルが捕まえにくいウルトラボールで捕まえる予定だった。
ホゲータとニャオハ、小さな二匹とヘルガーが対峙したが、ヘルガーが攻撃する意志を見せた途端、小さな二匹が怖がって主人公ズの元へと戻っていく。ここで主人公ズが襲われそうになるが、ライドンズが主人公ズを飛び越え、ヘルガーに尻尾で一撃入れ、吼えて威嚇する。ヘルガーはなんとか角で防御したものの、数メートルは後退した。対抗して吠えるが、戦力差を理解できているらしい。大量のデルビルらが駆け付けてきて、ライドンズと主人公ズを取り囲むが、ライドンズが主人公ズの元まで跳ぶと、主人公ズを抱える。そして、ネモがこっちだよという趣旨を伝える。
ここでライドンズと主人公ズは離脱し、ヘルガーらは獲物が逃げると思い意識がそちらに集中する訳で。
ここで俺が、「かたくなる」を二回、「とける」を二回積んで、防御が最大である六段階上がって元の四倍の状態で天井からダイナミックエントリーー!!
硬くなるで硬化した拳を、質量と重力加速度を乗せたドレインパンチでヘルガーの胴体を打ち抜き、張り倒す。
次に近辺のデルビルたちを、硬くなると溶けると身体の体積を最大利用した触手で打ち据える。打撃なのは、主人公ズの前なのを考慮してスプラッターを回避した結果だ。勿論、ワンパン出来ているので問題は無い。
倒れるヘルガーを踏み付け(のしかかってるだけ)、トゲトゲ(複数の目玉を消し忘れてる)なベトベターの中では巨体な身体を大きく広げ、強く見えるように牙や爪っぽいのを極限に硬くしたヘドロで形成し、勝利の雄叫びと共に最大限存在感をアピールする。
ドヤァ……()
直前に思い付いたんだが、こうしてピンチを助けたっぽくしとけば主人公ズと仲良くなれるのでは? という算段のもとの行動である。
チラッ。
はて? 皆さんエゲつないものを見た顔で驚愕しておいでですが?
……あっ、身体中に生成した目玉消し忘れてた。そんでもって牙と爪? 冷静に考えると、向こうからしたら状況悪化してね?
ヤバい! どうにかして誤解を解かなければ!(使命感)
こんな時にこそアレだ、人間の声帯を模倣して言葉を喋る練習をしていたんだ!今出来なくていつやるんだ! 今でしょぉおおお!!!
気合いと共に力んだ訳だがここで身体に猛烈な違和感が。
なんだ?
…………!!!???
身体が光り輝いて大きくなっていく。
進化だ!!
やった!漸くの進化だ、これで更に強く……ってそうじゃない! 今!? 今なの!? 更に凶悪な面にでもなるの!?
大体ベトベターからベトベトンへの進化での巨大化は、アニメやゲームでサイズ感がバラバラな気がするが、体積は1.5倍から2 倍といった所だろうか? どんどん俺の体が膨張していく。
…………? なにか妙だな? そろそろ中々の大きさになるぞ? まだ止まらないのか?
…………おいおいおい、デカすぎんだろ!? 高さがコライドンと同じ位にな迄大きくなった。
コライドンと同じ位といえば2.5mの筈だ。それが不定形の状態での高さとなれば、1.3mの身体からの体積は2倍や3倍では済まない。元の種族平均であるベトベトンの1.2mで考えると、その体積は10倍は下らない。当然、ただの色違いベトベトンでは説明がつかないレベルまで来ている。
色々考えながら、過去の記憶を掘り返して現状と比べてみても当てはまるものが無い。強いて言うなら、劇場版でみた「マンムー」というマンモスみたいな通常の中では巨大なポケモンと同等レベルだろうか言った所か。
今の俺はどんな姿をしているのだろうか。周囲の状況を見ると、驚愕というよりは恐怖に寄った、強大なポケモンと会ったというよりは恐ろしいポケモンに会ったと言うような顔を、周辺の全生命体がしている。
……もしや、そんなに醜悪なのか?
取り敢えず、質量が遥かに増大した事で呑み込んでしまっていたヘルガーやデルビルらを体外へ放り出す。すると、体の表面から煙が上がっていた。
……マジで?
「!? 大変!?」
ミライドンに抱えられていたアオイちゃんが、ミライドンから飛び降りてモンスターボールで倒れたヘルガーやデルビルらを捕まえて保護していく。遅れてハルト君もコライドンから飛び降り、モンスターボールで保護しながら俺の前に立ち塞がった。
あっるぅええ〜〜〜???
予想していた方向とは遥かに違う方向へ全力疾走を飛び越えてカッ飛んで行っている。
そもそも、俺の体の毒も水に着けたりポケモンを捕食したりするとプツプツと泡が出る程度(十分強力)にしか溶けない。しかし、あれは元々の毒性の範疇を超えている。
保護し終えた二人は再びライドンズに抱えられると素早く上に登っていく。
そんなに俺の見た目ヤバいのか? 自分じゃよく分からない為、触手を作って伸ばし目を作る。
SAN値チェック。1d20
うん、精神力がゴッソリ持っていかれた。コレは誰でも逃げますねぇ……。寧ろ、発狂しなかっただけでも褒めてやれるレベルだ。
見ろ、無事なデルビル達がこっちを見てビビり散らしてる。そして二匹程、興奮……いや、発狂したようにコチラに噛みついてきた。
……最早、殴るまでも無い。
触手を生やして薙ぎ払えば、それだけで有象無象レベルになってしまったデルビルは呆気なく吹っ飛び、よたよたと散り散りに逃げ去ってしまう。
俺はもう一度、自分の姿を確認する。
始めは色んな色に見える事から、アローラ地方のベトベトンみたいに虹色っぽくなったのかと思った。が、それにしては色が全体的にどす黒く禍々しく、玉虫色の邪悪なバージョンとでも言うべき色をしていて、もとの薄緑の面影が無い。若干緑がかっているが。
複数作った目が、そのまま残っている。少し意識を割いていなければ維持できなかった前に比べて、常時かなりの数の目を展開していられる。てか、今もしてしまっている。
口もなんだかおかしい。ベトベターと言えども前は確かに「口」があったのに対し、今は口というより口のような物だ。舌のような物も無くなったし、俺がこの裂け目を口と認識している間は鋭い牙が生成される。
目も、最早子供向けでもあったポケモンの目でも無い。ホラー映画で出てくるような、嫌悪感と嘔吐感が込み上げてくる不快感の塊のような目玉。元々顔についていた二つの目玉は他より大きく、
幾らでも目を生成できそうで、頑張れば巨大な目玉も作れそうだ。
触手の形成など、身体の不定形さが遥かに向上したような気がする。
……何となく察していると思うが。
玉虫色の不定形(スライム)、と来れば奴しかいない。
そう、某現代の暗黒神話に登場する「ショゴス」である。
そりゃあ発狂のひとつやふたつ、あるもんだよ。なんならこんな姿になった俺の方が気が動転してい……無いな。何でだろうな?
……一応、巨大な色違いベトベトンに変身する事もできそうだからか?
一瞬で物凄い思考が回ったが、主人公ズが一瞬、此方を見た。
ならば、あげる産声なぞひとつしか無いだろう。
「テケリ=リ!!!」
パルデア地方に暗黒神話の生物が誕生した瞬間であった。
種族・ベトベター
H 80
A 80
B 50
C 40
D 50
S 25
合計種族値 325
種族・ベトベトン
H 105
A 105
B 75
C 65
D 100
S 50
合計種族値 500
想定される種族値
種族・ショゴスのような何か(次回発表)
H 125
A 125
B 115
C 75
D 120
S 40
合計種族値 600
特性
ふしょく(鋼や毒を毒状態にできる、但しキョジオーン、テメーはダメだ)
或いは
アナライズ(ターンで一番遅く技を出すと威力1.3倍、アナライズ/解析というよりは後の先)
※鈍重な600族の構成で考えています。
因みに、主人公ズはアニメ新シーズンの二人ではなく、ポケモンSVの公式トレーラーにてコライドンとミライドンに乗っている茶髪の二人です。
それでは、良いお年を。
親愛なる読者達の事を知る為、或いは今後に反映させる為に知りたい。文章について。
-
任せます(このまま継続、どうでもいい票)
-
今のままで、第三者目線の裏話も書く
-
今のままで、第三者目線の裏話は書かない
-
第三者目線を多用して、裏話も書く
-
第三者目線を多用して、裏話は書かない