ついに完結致しました『――時遡(トキサカ)――』、いかがでしたでしょうか。
本作は作者初の長編オリジナル小説となります。以前から二次創作をいくつか執筆してきましたが、いつかはオリジナルを、との思いを込めて、今自分にあるアイデアをぎっしりと詰め込んで挑んだ意欲作になりました。
結果は、惨敗でした。
ある程度予想はしていましたが、正直全く伸びませんでした。評価バーに色すらつかず、更新後のPVが10行かない時も度々あるほどで、己の力量の無さを思い知らされる結果と相成りましたハイ。
思えば今までの作品も自分の力ではなく、原作の力がすごく良い方向に働いたということでしょう。やはりこの結果を踏まえて、まだまだ自分にはオリジナル作品を書く力量は備わっていないと痛感いたしました。身の程を知るべきでしたね・・・・・・。
まぁそれでも自分にしてはうまくまとまった作品にはなったと思います。本作を書くにあたって今までには無い執筆スタイルをいろいろ模索できたのは大きかったです。
まず舞台を作者の地元、徳島県にしたという事。オリジナル小説を書くならまず舞台設定から考えなければなりません。よくある西洋ファンタジーにするのか、あるいは和風になるのか。そういった物語の下地から考える必要があります。
ならいっそ現代、しかも自分が良く知る地元にしたらどうかと思いつきました。これなら深く考えなくても、情景をしっかりと出す事が出来ます。何せ普段自分が見ている日常風景が舞台なのですから、あれこれ考えなくてもリアリティのある世界が描けると思ったんです。
もうひとつは、ダブル主人公のひとりである天野未来君。彼のキャラ付けを”未熟”にした事です。昨今流行りの物語は例え転生物でなくても主人公が妙に達観した、いわゆる「デキた人」のケースが非常に多いです。
昔はそうではありませんでした。ガンダムのアムロやエヴァのシンジ君など、どこか欠点や未熟な面を持っているキャラが、物語の中で悪戦苦闘する。そんなドラマを描きたいと思って未来君のキャラクターを作りました。ちなみにモデルは中学生時の自分だったりします。
あと、物語自体を一本の映画のような長さにしようと思ったのもあります。執筆前に映画「すずめの戸締まり」を見て、物語を一本の流れにしっかりと収めることの大切さを痛感したのが影響されてます。まぁこっちは完全に失敗しましたけどね。書いてるとあれもこれも書きたいという悪い癖が出てしまいました。
本作はここハーメルンの他に、カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しました。しかし当然ながらオリジナル小説の本場であるあちらで通用するはずもなく、更新後0PVとか完結までいいねゼロ感想ゼロとかもう完全に壊滅状態でした。
それでもメゲることなく完結まで持って行けたのは、なによりここハーメルンで更新のたびに感想を頂いた、おゆさんの温かい応援があったればこそです。私などよりはるかに人気の作品を書く彼との感想と返信のキャッチボールは、本作のモチベを繋ぎ止めただけではなく、より完成度の高い作品への昇華への原動力となりました。
改めて、心からお礼申し上げます、ありがとうございました、おゆさん!
今年の元旦から始まったこの連載が、ちょうどゴールデンウィークで結末を迎えたのは実にキリが良かったです。30万字以上の物語を、1~3日おきに休まず更新できたのは少なからず自信になりました。実は本作を執筆中も別の小説のアイデアはけっこうぽこぽこ出て来てました。本作が受けないから逃避行の心理が働いたのもあるでしょうけど、次回作へ向けての準備がもうけっこう進んでたりします・・・・・・全く懲りてないw
なんにせよここまで読んで下さった皆様には本当に感謝いたします。あまりクオリティが上がる保証はないですが、それでも機会があれば、また次回作でお会いしましょう。
三流FLASH職人