フォドラに生まれたので三国共存ルート目指すで(元社畜OLより、愛を込めて)   作:ストレスたまるん

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3.母親の恐ろしい何か()

 

 

 

 

 

 寒さも少しずつ引いてき始める3月。

アドラステアの地に僅かながらの土色が見え始め、今日も青空晴天でピーチクパーチク鳥が空を飛ぶ中、私は母に必死に打ち込みをしていた。

 

「ずれてるわ。太刀筋を崩さないように意識して、力で打とうとしちゃだめ」

「はい、母さん!」

 

 

 素振りから打ち込みへと訓練を切り替えて早2ヶ月。

 バシンバシンと打ち込むたびに手のひらに響く衝撃にも慣れたものだ。

 

 やり始めた時は酷いものだった。

最初の頃はようやく次の練習だ! なんて息巻いて、ガンガン打ち込んでいた。

 だがそれも初めのうちだけ。

次第に手のひらが痛くなり始め、終いには力が入らなくなってしまったのだ。

 その時は母がライブや軽いマッサージみたいなもの、父は貿易で得た何かの薬を飲ませてくれたりと、両親のおかげでなんとかなっていた。

 だがそれでも特訓を続けていけば何度も発症するわけで。

頻度も減らず、痛みも徐々に増していく状況に元ゆとり世代の私は泣きそうになり、母に、きついです、と情けなくも弱音を吐いてしまった。

 だが母の、何かを成し遂げたいからしようと思ったんでしょ? だったらこの程度で折れてはダメよ、とまさに根性論を言われてしまった。

 だけど、せ、せやな、ここで折れたら何も出来へんわな! と奮起し、今では毎日意気揚々と打ち込みを続けれるようになった。

 というか慣れって怖いな。

今では全然痛みもしんどさも気にならなくなってきたぞ。

 これが体がドM化してるって、こと? いやぁ、きついっすよ。

 

 まぁそんなわけで毎日打ち込んではあれこれアドバイスを受ける毎日を過ごしています。

 さて、そうこうしているうちに太陽も真上に到着したようで、母は両手を合わせると、はい、お昼にしましょう、と言い、持っていた木刀をズドンと野太い音を発して地面に突き刺し、どこからともかく弁当箱を持ち出してきた。

 ていうか木刀って刀身部分まで地面に刺さるもんなのか…? 

打ち込みを初めて2ヶ月という時間が過ぎた中で母が今みたいに地面深く木刀をぶっ刺したシーンを何度か見てきたけど、未だに理解が追いつかない。

 何度が私も試してみたけど、は~~い♪ みたいな軽い感じで、サクッと軽く刺さった試しがない。

それ以前にふんぬ!! と全力で刺しても半分にいかないところで止まってしまうことがほとんどだ。

 

 母さんって…馬鹿力の持ち主?

 

「ふ~んふ~ん」

 

 楽しそうに弁当を広げていく母を見て、見に覚えのない寒気が背中を襲ってきたので考えるのを止めることにした。

たぶんあれだ、今はこれ以上踏み込んではいけない、というやつだ。

 早々に頭からその危険な何かを全力で排除すると、私は母の用意の手伝いをすることにした。

考えてはいけない。今は。うん。

 

「母さんってどこかの名家の血でも引いてるの?」

「あら、どうして?」

「い、いえ、なんとなくそうなのかなぁと思って」

 

 私の質問に母はう~ん、と顎に指をやり考える。

え、まさかのどこかの血筋なの?

うっそ! もしかして私もそういう血筋なの!?

だったら是非ともしりt――

 

「知る限りだと一般家庭出身よ?」

「あ、そうなんですね」

 

 どっかのエリートの血筋だったら良いな~なんて…夢とは儚いものだな…。

 

 無惨にも儚い希望が消え散り、母こわ~…と親の恐ろしさを改めて身に染み込ませると、母と共に青空広がる最高のシチェーションでお昼ご飯を堪能したのだった。

 

 

 

 

「うっま~!! うまうま!! むっふーー!」

「いっぱい食べなさいね~…いつか知りたくなったら教えてあげるわ」

「んふっ…んえ? 母さん、何か言いました?」

「いいえ、なんでも無いわ。ほら、これも美味しそうでしょ、どうぞ」

「んますぎるぅ!!」

「ふふ…たんとお食べ」

 

 

 

 

 

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