フォドラに生まれたので三国共存ルート目指すで(元社畜OLより、愛を込めて) 作:ストレスたまるん
今年はこれを完成させることを目標に生活する(ちっさいとか言ってはいけない(戒め))
新年一発目がこの長さとかお前何考えてんのかな?
あ、エンゲージ、楽しみっす。(なお現状買う予定が諸事情により消えかけています。クソが)
ジェラルト親子がしばらく滞在することになった翌日。
相変わらず父さん達がジェラルトと部屋に籠もって会談をしている中、私はと言うと…
「アルディア、て」
「おっほ、ぷにぷになお手々だ~」
「ん」
「おっと、ベレスちゃんもだね? いいよ~」
自室でベレトスと楽しくお遊戯(堪能)をして過ごしていた。
元々ゲーム内でもイケメン、又は美女と言えるくらい良い顔をお持ちの二人のロリショタ時代の可愛さといったらなんのその。
ベレスのくりくりのお目々! ベレトの無垢な表情! なんだこの天国…!
ちんまりとしたこの二人はまさに極上! A5ランクなんて安いぜ! もっと高いのつけよう!
あっと、いかんいかん。こんな汚らしい欲を無垢()なこの体から出してはいけない。
ビークール。OK? 私。
子供らしい柔らかお手々を堪能するように握りつつ、私は何をするべきかと考える。
とは言っても私自身、あのマゾ歓喜なスパルタトレーニングを始めてからこれといった年頃の遊びを一切と言っていい程していないからなぁ。
というか欲という欲が少ないこのベレトスが喜ぶ遊びって何なんよ。そこいらの子供と遊ぶのと違ってすごく見つけにくそうな感じがするんだが。
両手でベレトスの手を握りしめたまま、自室内を見渡す。
訓練用の木刀。
ふかふかベット。
姿見の鏡。
椅子とテーブル。
「うわ…私の部屋…質素過ぎ……?」
意識せずに過ごしてきたので気にすることなんてなかったけど、いざしっかりと見始めると質素すぎるわね…。
何この部屋、これが女の子()の部屋かよ。
お人形さんは?
お花は?
女の子らしいアイテムは?
はい、どれも物置部屋にブチ込んでましたね(白目)。
訓練始めるから女の子を捨てるとかうんたらかんたら考えたからだったかしら。
とは言えだ…これはぁ、ちょっと殺風景すぎる。
少なくとも同い年の子供や、ベレトスみたいな子達との交流の際にはどう見てもよろしくない。というかつまらんだろう。
「ごめんね、何にもなくて」
「だいじょうぶ」
「うん」
優しい子や。
思わず頭を撫でる。
くすぐったそうに微笑む姿、いと最高。
もし前世のOLのままだったら灰となって死んでたね。
さてさて、とりあえずどうするかだ。
現状遊べるような用具はない。
我が家の楽しいメイドさん達にお助けを求めれば何かしらしてくれるかもしれないけど、仕事の邪魔になるのはいただけない。
となると…
「今までどんなところ旅してたの?」
お話しか出来ないじゃないか。
ベットにベレトスを座らせると、椅子を持ってきて座る。
「たび?」
「うん。どんなところ行った~、とかそういうの」
「……いろいろ。ね、ベレト」
「うん、そうだね」
淡々と答えるベレトス。
やっぱりジェラルトの仕事柄、あちこち飛び回っているみたいだ。
ただそれが旅行ではなく仕事故に、ていうのはちょっと残念だけど。
「ベレトは旅で楽しかったこととかってあるの?」
「……ない。ね、ベレス」
「うん。父さん、いつもけんをもってようへいのひとたちといっしょにたたかってるから」
「あ~…」
まぁ、これも仕方なしと言えば仕方なしだなぁ。
子供だけでなく傭兵団のメンバーの生活も維持させなければならない団長という立場にある以上、どうしてもプライベートとの両立と言うのは難しいのだろう。
実際ゲーム内でも途中からソロで傭兵家業を営むことになったシェズが、日々食いつなぐので精一杯って言ってたし。
そう考えると、名を挙げて各地にその名を広め、傭兵団を支え続けてきたジェラルトってやばいな。
流石ベレトスの親父。すげぇ。
「でもさびしいなんておもったことはない。ね、ベレス」
「うん」
「そっかぁ」
なんというか、流石ベレトス。
親があれだけ凄いと子供も自然とすごくなるのだろうか。
ただこれが本当に精神的に強いのかは分からないから正直安心は出来ない。
けど今のところ大丈夫そうだと思える。
私は軽くベレトスの頭を同時に撫でる。
うーん、サラサラ。
あ、そういえばこの二人、どっちが長男、もしくは長女なんだ?
「君達ってどっちが上なの?」
私の質問に頭の上にはてなマークを浮かべるベレトス。
いくらなんでも難しすぎたか。
「えっと…どっちが年上なのかなぁって――」
「ベレトが兄、ベレスが妹の双子だぜ、嬢ちゃん」
突然の後ろからの声。
思わずブンっ! と声の発信源である扉に顔を向けると、件の男、ジェラルトが愉快そうな笑みを浮かべて立っていた。
で、でけぇな。
「ふ、双子なんだ」
「おうよ。似てるだろ?」
「うん」
私の頭にぽんと手を載せるジェラルト。
父とは違うごつく大きな手に、父の持つ何かとは違うものを感じつつ、話を続ける。
「お母さんは?」
「あー…ちょっと事情があってな。今は遠い所に居るんだ」
私の質問にどこか遠いものを見るような目で答えるジェラルト。
私はそんな彼の反応に、そっかーと子供らしく答える。
うーん、やっぱりシトリーは原作同様にもう亡くなってるのか。
まぁ私が生まれたくらいでどうこうなるとはおもっては居なかったけど、ちょっと残念だ。
出来ることならあって喋ってみたかったなぁ。
少しだけ残念に思いつつ、ベレトスを見る。
ジェラルトの、迷惑掛けてないか? と言う言葉に
大丈夫だよ、楽しかった、と答えるベレス。
親子だなぁ。
私に笑顔を向ける父のように、ベレトスに笑顔を向けるジェラルト。
無表情ながらもこの部屋で過ごしたことを多分楽しげに答えているベレトス。
仕事等で親子の時間が取れていないとは思うけど、やっぱりジェラルトは彼らを大切にしているんだろう。
険悪な雰囲気はなく、信頼関係もバッチリで、とても仲が良さそうだ。
「おっと、そうだ。忘れてたぜ。嬢ちゃん、話良いか?」
「?」
なんだろうか。
接点が全く構築出来てない私に何かあるのかと思い、ジェラルトに近づく。
「後で両親から話があると思うが、先に言っとくぜ」
「?」
「お前、俺達と一緒に来ることになりそうだぜ」
「ふぁっ!?」
じゃ、後でな。
そう言い、ジェラルトはベレトス達と一緒に退室した。
え? 待って、どういうこと? 一緒? 傭兵団と共に? ん? ちょっと理解が追いつかないぞ? 素数を考えよう。
1,2,3,4,5…あれ? 素数って何?(大混乱)
突然のそれに頭がこんがらがる私。
意味を理解し、とりあえずジェラルト! と行動に移したときには既にジェラルト達が所用で館を出たあとだった。
「父さん、少し聞きたいことがあるんですけど」
メイドさんに父の場所を聞き、応接室前に到着した私は静かに言う。
すると間髪入れず、入りなさい、と父の声が部屋から聞こえ、私は、失礼します、と扉を開け、入室する。
革で出来たソファにリラックスしながら座っている父と母。
だけど私の要件がどういったものか理解しているのだろう。どこか緊張した雰囲気が室内に漂っている。
「掛けなさい、アルディア」
父の言葉に、私は失礼します、とまるで面接でもするかのように返すとソファに掛ける。
「さて、私に聞きたいことがあるんだね?」
「はい。父さん」
「……」
いつもの笑顔ではなく、真剣な表情でこちらを見る父。
視線もまるで矢の如く真っすぐこちらを貫き、思わず目を背けたくなる程鋭い。
だがこっちも聞きたいことがあって来たんだ。
今は子供なれど中身はおばさん。前世で幾度と強烈な視線は浴びてきたんだ。この程度ではへこたれないわよ。
私は父の視線に真っ向から睨むように見つめ返す。
父の隣に座る母はどこか他人事のようにお茶を啜っているが関係なし。
そうして、睨み合いが続き、母が何杯目かのお茶を飲み終えた時だった。
父は目を閉じ、ふぅ、とため息をつくと母にゆっくりと手を伸ばす。
母はその手の意図を理解していたのか、手を付けずに置いてあったティーカップをその手に手渡す。
父は受け取ると、ゆっくりと口を付け、飲み始めた。
「ん…ふぅ、やはりレーラの淹れてくれるお茶は美味いな」
「ふふ、いつもそう言いますね、貴方は」
事実だからな、と父はいつものように朗らかな笑みを母に向けると手に持っていたカップをテーブルに置く。
「アルディア、まずは睨むように見たことを謝ろう。すまないね」
「い、いえ! 私こそ、父親に対してあのように睨んでしまって、申し訳ありません!」
「はは、何。お前を試すためにしたことだ。むしろあんなに強い目を見られて父としてとても嬉しく、誇らしいよ」
テーブル越しに手を伸ばし頭を撫でてくれる父さん。
暖かくて、大きな手だ…とても安心できる。
私が父の温かみを感じる中、何度か撫でると父は頭から手を離す。
うーん、軽い喪失感。
「さてアルディア。ジェラルトから簡単に聞いているとは思うが、改めて話を聞かせよう」
「はい」
先程までの朗らかさから打って変わり、真顔になる父。
私も背筋を一度伸ばし直し、話をちゃんと聞くためにしっかりと父の顔を見る。
「アルディア。お前は今の世の中をどう見る」
「世の中、ですか?」
「あぁ。この広大な大地、フォドラ。お前にはどう見える」
父の言葉。
その言葉にどういう意味があるんだろうか。
正直今のフォドラ云々聞かれても答えられないというのが本音だ。
訓練の合間に調査なんて出来るわけもないし、何より年齢的にも動ける範囲が狭すぎる。
だからここは素直に――
「正直、わかりません」
「はは、正直でよろしい」
どうやら正解みたいなものらしい。
父は優しく微笑むと、ソファから立ち上がり、日が照らす窓際に歩いて向かう。
「良いかいアルディア。このフォドラは今、あまり良くない状態にある」
「そうなのですか?」
「うむ。まぁ正確には、そういう状態になっているように私は見える、というのが正しいけどね」
「?」
父は日が照らす窓の外を見たまま言葉を続ける。
「アルディアはこの家がアドラステア国内でどういう立ち位置に居るか、知っているかい?」
「…いえ」
正直全く知らない。
アドラステア内に居る商家の一つ、くらいにしか認識していなかったし、訓練漬けでそれどころじゃなかったから。
「私達ヘブリディーズ家はね…認知されていないんだ」
「…え?」
思わぬ言葉に私の目は点になる。
ど、どういうこと? 認知されていない? 意味が分からない。
私の困惑する様子を見てか、父は無理もない、と苦笑いを浮かべると再びソファに座り、言葉を続けた。
「認知されていないというのは変な意味ではないぞ。そのまま、存在を知られていない、という意味だ」
「え、あ、うえっ、んん!? そ、それって、ええ!?」
突然のカミングアウト。
頭が一瞬でパニック。
え、どういうことよそれ! 認知されていない商家ってあるの!?
聞いたこと無いよそんなの! いやそういう闇っぽい家庭とかあったのかもしれないけど! いやいや待って!? それならそれでどうやって商売を!?
色んな疑問が頭を駆け巡り、思わずその場に頭を抱え、うずめてしまう。
「流石に混乱しているみたいだな、アルディア」
「ふふ、貴方ったら。いくら聡明なあの子でもいきなりそんな事言われたら混乱するわよ」
「ううむ…流石に難しかったか」
両親がなんか言ってるみたいだけど今はそれどころではない!
ウッソだろお前! まさかの認知されていない違法(?)商家なのかよ!
ん? てことは…今父がやっている商売って…
「父さん、つまり今父さんがしている商売って…」
「簡単に言えば闇商人みたいなものだ。少なくとも、セイロス教辺りにバレでもしたら即刻重罪判決が下されるだろう」
こともなげに軽く重罪判決が落ちるなんて言う父に思わず天を仰ぐ。
子供らしさとか言ってられんわ!
なんて恐ろしい家系に産まれたんだよ私!
めちゃくちゃやばいじゃんか!
「理由はあるんだよ」
「…理由?」
「あぁ。元々このフォドラが鎖国的な大陸だということは知っているね?」
「え、えぇ。父さんが教えてくれましたから」
「私の祖父はそんなフォドラを見て危機感を覚えたらしくてね。鎖国的な国はいずれ周辺国家に遅れを取って消えるか、誰かが内側からこじ開けようとするだろうと考えたらしくてね」
なんだうちの先祖。先見の明とかってレベルじゃねえぞ。占い師かよ。
「そこで中央の連中やアドラステア帝国の目に決して触れぬよう、下の下から動き始めたんだそうだ。そして今私にそれが受け継がれているという訳なんだよ」
「…」
「私は祖父や父よりも商売の才覚が有るわけではないけどね、その祖父や、それを引き継いできた父が成してきたそれらが意味の無いものとは思えなくてね。今までこうして誰の目にも映らないように影みたいに外との貿易を続けてきたんだ」
えぇ…そんな仕事してたの、この人…。
初めて聞いた父の仕事の詳細、そして先見の明がすごい爺さん。
大きな2つのカミングアウトにもはや反応すらまともに出来なかった私はぽかんと間抜けズラを晒すように父を見る。
「さて、私が何故こんな話をしたのか、分かるかい?」
「え、あ、あぁ、い、いえ、全く検討つきません」
今のこの頭じゃどう頑張ったって分かんないっす…。
父はふふ、そう戸惑うな、と私の頭を撫でると、言葉を続ける。
「お前が何かを成そうと必死に努力している姿を見てな。親だからなのかは分からんが、お前がこの大陸に違った風を運んでくれるような気がしてね。それで私達の仕事のこと、そして君の将来の必要だと思ったからジェラルト傭兵団について行かせようと考えたんだ」
真面目な表情を浮かべて話す父。
本当にそう考えて話してくれたんだと分かる程真っすぐこちらを見る父に私の中で暴れていた不安や混乱といったネガティブなものがすぅっと消えていく。
「ここでレーラや私の元で学び続けても確かに経験も、知識も付くだろう。だが、外から得られる知識、経験にはどうしたって勝てない。外はすぐに姿を変えるからな。だからこそ、お前には外を見て、体で経験し、目で見て、それを糧にして欲しいと思ったんだ。アルディア」
父はゆっくりと目を閉じ、少し間を置く。
そして自身の胸に手を当て、再度呼吸する。
母はその父の手を支えるようにゆっくりと包むように握ると、父と同じように目を閉じ、静かに下を向く。
そして何かをこらえるように、ぎゅっと唇を噛む。
父はそんな母に顔を向けることもせず、目を開けるとこちらを真っ直ぐと見て、口を開いた。
「さぁ、お前はどうする」
まるで別れを告げるように
「外に出て、過酷さと現実を見て、己を鍛え上げるか」
ゆっくりと言葉を続け
「内で今まで通り、訓練と勉学を続けるか」
私に選択肢を迫ってきた。
「選びなさい。私達はお前がどちらを選ぼうが、背中を押してあげるから」
私は…どっちを選ぶべきなんだろうか…