フォドラに生まれたので三国共存ルート目指すで(元社畜OLより、愛を込めて)   作:ストレスたまるん

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寒い日々が続く…北海道とか大丈夫だろうか…
そういえばエンゲージまでもうすぐですね…わし? はは、予定変更で買わないことになったよ(半ギレ)






6.旅、始めました(命がけ)

 

 

 

 

 

 

青い空、白い雲。

晴天広がる最高の日の下、私の門出の為に我が家のデカい庭の中に数多の人々が集まってくれていた。

 

 結局昨日の父の言葉に、私は旅に出ます、とまるでマサラタウンにさよならバイバイしそうな勢いで答えた私は、しばしのお別れになるからと両親とその日は共に過ごし、目一杯の親子の時間を過ごした。

 そして今日。

私の答えを既に予想していた父と母、そしてジェラルトのお陰で、私はこれといった準備をすることもなくスムーズに門出の準備を終え、今に至っている。

 

 早いものだわ。

訓練してくださいお願いしますなんでも以下略、とお願いしてから数ヶ月という短いスパンで決定した今回の見聞(死と隣合わせ)の旅。

地獄だった母との訓練から、実践も兼ねた訓練へのステップアップ。

フォドラの地を曇りなき眼()で見て、体験して、考えて、自分を磨く。

 だけど、今回の旅が自分の為の旅と言えど、怖いかどうか聞かれると、素直に怖いと言いたい。 

 正直今でもなんで平和を捨てて、あんなイノシシみたいに何も考えずに、たかが三国が手を取り合っているところが見たいから、なんてくっそくだらない理由のために自分を鍛えてほしい、なんてことが言えたのか今でも不思議に思っている。

 

 4年という歳月でフォドラという大地に愛着でも湧いたのか、それともこの『アルディア』という聞いたこともないキャラがそういう人間だったのか。

はたまたそれ以外のなにかが原因か。

 

 まあでも、結局のところ何かしらの影響でそんな事を考える人間になったんだろうなとは思ってる。

 夏休み明けに学校で会って、友人の雰囲気とかが変わった、みたいな。多分そんな感じと同じ。

 育ちというかなんというか…何が原因か知らないけど、人間ってのは案外良くも悪くも簡単に変わるものってことなんだろうなぁ。

 

「アルディア」

「え、あ、はい、父さん」

 

 ぼうっとしていたせいか、突然の父の言葉に思わずどもったような返事を返してしまった。

 

 父さんも、おやおや、緊張しているのかな? といつもの朗らかに笑みを浮かべると、私の頭を撫でてくれた。

 

「す、すみません」

「なに、気にするな。これだけの人数、そして行事。緊張しないほうが珍しいさ」

 

 だから気にするな、と父さんは私の頭をポンポンと撫でる。

 そして少しの間だけ続けていると、父さんの雰囲気がすっと硬く厳格なものに変わり、表情も真剣なものに変わる。

 

「いいかいアルディア。これから君は長い間ジェラルト達と一緒にフォドラ中を旅することになるだろう。当然残酷なものや、どうしようもないことを見ることになると思う。だが自分を見失ってはだめだよ」

「見失う?」

「あぁ。人間とは見た目以上に脆い生き物だ。突きつけられた事実を見て、心が折れてしまう事が多い。そして歩めたかもしれない人生を棒に振ることもある。良いかい? これだけは覚えておいてくれ」

 

 父さんは私の肩に手を置くと同時に、さっきまでの厳格な雰囲気が霧散し、じっと、子を心配するように、どこか不安げに私を見る。

 

「お前がどんな思いで、どんな考えで、何を成そうとしているのかは私達にも分からない。だがな、決して死ぬようなことだけはしないでくれ」

「父さん…」

「親として、子の成長を見て、感じて、自身の足で巣立っていく姿を見る事が出来ることは幸せなことだ。だが、子の成長を見ることも出来ず、先に逝かれてしまう事程不幸で、生きる活力を失くす事はない。分かるね?」

「…はい」

 

 親不孝なことになってはならない。

そう思えるほどに、父さんの言葉は重く私の心に刺さった。

 

「私だけじゃない。レーラも、ここの使用人達もそうだ。お前の帰還を、私達は待っている」

「…はい」

「だから…ちゃんと帰ってくるんだぞ」

「……はい」

 

 じわじわとこみ上げる何か。

いかんいかん。精神年齢30代が今更泣いてたまることか。

 ごまかすようにぐっと拳に力を込め、抑え込むと、父さんの目をじっと見つめる。

 

「父さん。私、頑張ってきます」

「うむ」

「そして、力を付けて帰ってきます」

「うむ」

「なので、待っていてください」

「うむ。しっかりな」

 

 私の言葉に満足したのか、父さんは再び朗らかに笑みを浮かべ、私の頭をポンポンと撫でると、レーラ、君は何か言うことはないのか、と母さんを呼ぶ。

 母さんは優しく小さな笑みを浮かべたまま首を横に振る。

そしてゆっくりと私の視線に合わせるように屈み、私の手を握ると、いつものようにほっこりとした笑顔で私を見つめてきた。

 

「貴女がどんな風に成長して帰ってくるのか楽しみにしているわ~」

「母さん、軽いね」

「ふふ、私達の自慢の娘よ~? 簡単に死ぬなんて思わないわ~」

「あ、あははは…」

 

 父さんとのあまりにも大きな温度差に思わず苦笑いが出てしまうが、まぁ母さんだしなぁ、なんて納得すると、父さんにしたように、しっかりと母さんの目を見る。

 

「しっかり鍛えて、強くなって帰ってきます」

「えぇ、楽しみにしているわ~」

 

 じゃあ、そろそろね~、と母さんは立ち上がると、父さんの斜め後ろに戻っていく。

 

「これで私達の言葉は送った。アルディア、大丈夫かい?」

「はい。大丈夫です」

「よし。では…皆の者、娘の見送りをするぞ!」

 

 父さんの言葉に、使用人の人達はざっ! と左右に綺麗に別れ、門までの道を作ると、笑顔で私を見てくる。

 か、金持ちの感覚って、不思議というか、やりすぎだよなぁ…慣れねぇ。

 今だに一般市民の感覚が残っている私はこの状況に多少引きつつも、行くぞ、と言う父さんや母さんと共に歩き始める。

 そして左右に広がったメイドや執事達から

、お嬢様、ご帰宅をお待ちしております! とか、あぁ、決して死なないでくださいねお嬢様! とか、祝いの言葉と見送りの言葉をまるで卒業する子供を見送るじいちゃんみたいな感覚でガンガンぶん投げられ、おおぅ、と内心ドン引きしつつも少し嬉しく思いながら門まで歩き続けた。

 

 そして出口の前まで到達すると、外で待機していたジェラルト達が、おお、終わったか、とこちらに歩いてきた。

 

「ジェラルト、娘をよろしく頼むよ」

「あぁ、まぁ任されたからにはしっかり見てやるさね。じゃあ、行くか、嬢ちゃん」

 

 すんなりと歩き始めるジェラルト。

私もそれに続くように歩き始めようとして、一度後ろを振り返り、父さんと母さんを見る。

 そして勢いよく上半身を前に倒す。そして――

 

「行ってきます!」

 

 父さんと母さんに挨拶をすると、走ってジェラルトの後を追いかけ、我が家を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嬢ちゃん、一応確認させてもらうぞ?」

「はい」

「話は昨日の段階で聞いてると思うが、訳があってお前の家には決められた歳になるまで帰ってこれない事になってる。大丈夫なんだな?」

「もちろんです」

 

 歩きながら話すジェラルトにはっきりと返す。

そんなもの、覚悟の上だ。

 

 我が家は父さんが言っていたようにアドラステア帝国はおろか、他国にも認知されていない。

どうして認知されないように動いているのか詳しくは聞いてないけど、先祖の考えでそうなっている以上、バレてはいけない都合上、長期休暇で故郷へ変えるような感覚で帰ることは出来ない。

 たぶんジェラルトは私の年齢的に大丈夫なのかを知るために聞いてきたんだろう。

でもこちとら外見と現状の実年齢はともかく、精神年齢30代なのだ。問題ねぇわ!

 

「そうか。なら良いんだ」

 

 ジェラルトも私の言葉にとりあえず大丈夫と判断したのか、特に言葉は続くことはなかった。

 

 そしてしばらく歩き続けると、森を抜け、その先に多数の人影が見えてきた。

 

「ジェラルトさん、あれは?」

「ん? あぁ、俺の部下達だ。これから世話になるから、仲良くしろよ」

 

 ジェラルトが言い終えると、こちらに気づいた団員の人達がぞろぞろと集まってきた。

 

 す、すげぇ人数だ…何人居るんだよこれ。

 

 使い込まれた武器を持つ傭兵、馬に騎乗している傭兵、鎧を着込んだ傭兵と様々な傭兵が居て、思わずポカンとアホ面を晒してしまった。

 

「あ、団長、この子が例の?」

「おう。お前ら、仲良くしてやれよ」

 

 うぇ~い、とまるで工事現場のおっちゃんみたいなノリで返事を返す団員の皆様方。

軽いというかなんというか…緊張感が無いな。

 

 原作ではそこまで描写の無かった人達。

ジェラルトがこんな感じだから、決めないと駄目な場面以外割りと緩いのかなぁと予想していたところ、その通りだったみたいで、むしろ早く馴染めそうで少しと安心した。

 

 職場を快適に過ごしたくばコミュニケーションも必須。ふふ、まずは出だしヨシ! 現場猫もこれにはにっこりだ!

 

「アルディア」

「あ、ベレス、ベレト!」

 

 そしてこれから共に旅する仲間にして、これからフォドラの戦乱で大暴れすることに鳴るであろうベレトス兄妹!

 二人を見つけた私はギュッと二人を抱きしめ、色々と堪能する。

 

 あ~~~~たまらん! 可愛すぎる!!

 

私のそれに周りの傭兵団員からは、仲睦まじいなぁ、と笑い声。

 

 ん~~~! カワイイィィ!

 

 抱きしめられている本人達はあいもかわらず無表情だけど、そんなの気にしない。

 私が良ければそれで良いのだよ!(自己中)

 

「仲が良いのは構わないがさっさと動くぞ。ほら、お前らもさっさと動け」

 

 うぇ~い、と返事を返すと各々準備を始める団員達。

 私も渋々彼らから離れると、自分の荷物を担ぐ。

服と鍛錬用の木刀だけの少ない荷物。

そして背中に背負うように担ぎ上げると、突然両脇に手をツッコまれ、足が地面から離れる。

 

「な、なんです?」

「馬鹿野郎。いくらなんでもまだ子供のお前らを歩かせるかよ。ほら」

 

 突然の事に焦る私をよそに、持ち上げた犯人だったジェラルトは私を抱き上げたまま騎乗している団員の方に自分が乗っている馬を近づけると、ほら、こいつに乗せてもらえ、と鎧を着込んだ女性の傭兵に渡される。

 

「ふふ、よろしくねぇ、アルディアちゃん」

「は、はい。よろしくお願いします」

 

 色気のある声で私を受け取った色気のある黒髪ショートのお姉さんは私を腕の間に挟んだまま、手綱を握り、馬を動かし始めた。

 そしてそれと同時に頭に当たり始める柔らかい感触。

 

 おおう、頭に当たるおぱーい…お姉さん、めちゃデカいもの持ってますねぇ…。

 

 思春期男子なら興奮待ったなしのそのブツを頭に感じつつ、年齢と精神年齢が一致していない私ことアルディアという幼女は旅の一歩を踏み始めた。

 

「でっっっ…」

「自慢なのよ、これ」

「!!?」

 

 よ、読まれてる…!?

 

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