アレクシア様を分からせたくて!   作:ゆっくり妹紅

13 / 31
前回のあらすじ
アレクシアとデルタの脳破壊永久機関が完成。
今回はちょっと短めです。


追記:一応ヤンデレのタグを追加しました。


12冊目

 

☆月☆日

 

デルタとピクニックに行ってから3日が経ち、今日は年始とは言っても特にやることは変わらない。強いて言えばカゲノー一家のところにご挨拶しに行ったぐらいだ。

ご飯とかもお雑煮とかおせち料理みたいなものはなく、ちょっと豪勢になる程度。デルタは目を輝かせて美味しそうに食べていたけど。

 

そういえば、アレクシアは大丈夫だろうか。こっちに来るまでは結構俺に甘え…いや、甘えてはないか。こう頼ってきてた感じだったし、無理はしてないか心配なんだよなぁ。アイリス様がいるから大丈夫だと信じたいところなんだけど……うーん、なんか怖いん(文字が乱れている)

 

日記書いてる途中にデルタが後ろから思いっきり抱きついてきたせいで文字が乱れてしまった。内容の方も少し見られてしまい、「アレクシアって誰なのです?」と聞かれたため、俺が今仕えている人であること、性格は悪いが根は優しいこと、そしてデルタたちと同じぐらい大事な人であることを伝えた。そしたらデルタは何か考え始めてしまったが、頭を撫でてあげたら嬉しそうに笑みを浮かべ、今は先にベッドに入ってもらってる。

 

それにしても……布団から顔だけ出してるデルタはなんか本当に犬っぽいな……

 

 

 

☆月♪日

 

今日は隠れ家にてアルファと情報の共有を行った。とは言ってもアルファの方もまだ有力な手がかりは集めきれておらず、難儀している感じだ。長年世界の裏にいた、というだけあって一筋縄では行かないというのが改めて認識され、同時に俺の実力不足を痛感した。俺がユラ並の情報収集能力があれば、いや無い物ねだりをするのはやめよう。

 

とりあえず方針としては変わらずディアボロス教団を探ることになり、そして俺はこっちに戻っている間はデルタ以外のメンバーも指導することになった。

しかし、デルタからしたら頭では分かってても納得は出来なかったみたいで俺と鍛錬をしている子に対して唸っていた。まさかここまで懐かれるとは思ってなかったが、これに関しては俺の方からケアをしてあげるべきだろう。実際にお風呂に入った時は頭だけではなく背中も流したし、彼女の提案で尻尾のブラッシングもやったし。そんなブラッシングは大好評であったが、「他の雌にやった事あるの?」と聞かれた。これに関しては前世でポチすけのお世話でよくやっていたから、というのがあるのだが、バカ正直に「ある」と答えたら何となくダメな気がしたので申し訳ないけど経験はない、という形で押し通らせて貰った。

……明後日には戻ることになってることを考えると、明日はなんか特別なことしてあげよう。プランは全くないけどなるようになれ、てね。

 

あと、ガンマに関しては俺もお手上げです。

 

 

 

 

☆月→日

 

今日の鍛錬で嬉しいことがあった。

デルタが今日の模擬戦で1度だけだったけど、俺に攻撃を掠らせることが出来た!成長速度は前にやった時から修正したはずなのに、それを更に超える程に実力が伸びてきている。勿論、悔しいと思うところはあるけどもそれ以上に自分が付きっきりで見ていた子の成長に嬉しさを感じている。

恐らくデルタは俺が予想出来ないほどにその実力を伸ばしていくと思うから、本当にこれからが楽しみだ。

 

それはそれとして、俺の方も鍛錬をもっと積まないと。まだ勝ちを譲るわけにはいかないし、俺はシャドウガーデンのトップ2らしいからその威厳を守るためにも頑張らないとね。

 

明日は朝一で出ることになるから日記はここまでにして寝ることにする。

 

あー、あとそうだ。明日着いたらすぐにアレクシアのところに行かないと。絶対来いって言われてたの思い出せたし、忘れないように日記にこうして書いておいた。忘れたらどんな目にあうか分からんしな。

 

 

 

 

*****

 

 

 

「ルイス様ー!やっぱり行っちゃ嫌なのですー!!」

 

早朝、デルタの叫びが木霊した。今回カゲノー一家はおらず、デルタの叫びはシドに見られることは無かったが、エア家の者たちはルイスにがっしりとしがみついて引き留めようとするデルタを見て苦笑いを浮かべていた。自分らが仕えている主人の息子にここまで想いを寄せてくれているのは嬉しいことなのだが、これ以上は列車に乗り遅れてしまうため引き剥がそうとしたところで、ルイスが動いた。

 

「ユウナ、これが一生の別れになるわけじゃないし、ちょっと離れた程度で俺らの関係が変わることはないでしょ?」

 

「そう、だけど……」

 

敬語が抜けるほど余裕が無いデルタにルイスは苦笑いを浮かべそうになるのを抑えて、彼女の頭を思いっ切りわしゃわしゃと撫で回した後、彼女の体を抱き寄せて今度は壊れ物を扱うかのように優しく頭を撫でる。

 

「え、エルさ……」

 

「デルタが俺より強くなるの、楽しみに待ってる」

 

「!!」

 

「だからそれまではお互い頑張ろう……ね?」

 

「……分かった、のです」

 

彼女にだけ聞こえるようにルイスはそう小声で伝えると、デルタは渋々といった様子で自ら離れてルイスの顔を見つめる。その表情は寂しそうではあるものの、どこか覚悟を決めているものであった。ルイスはそれを見て笑みを浮かべてからデルタの頭を軽く撫で、それから列車の中へ入った。

 

そして、汽笛を盛大に鳴らしながら走り去っていく列車を見つめながらデルタは首元のチョーカーを触り遠くなっていく列車を見つめていた。それを見ていたアイクはデルタの方に近寄ると彼女を肩を優しく叩いて、帰路に着くのだった。

 

 

 

 

 

****

 

 

 

 

その日、アレクシアはいつになく落ち着いていなかった。それを姉であるアイリスに指摘されるほど、と言えばどれくらい分かりやすかったがわかるだろうか。しかし、アレクシアがそうなるのも無理はない。何故ならルイスが帰ってくる日だったからだ。本当は着いていきたかったが、お互いの立場的な問題もあれば、ルイスが本当の意味で休めないと判断したため断念したことを考えれば仕方の無いことだろう。

そしてルイスが帰ってくるのを今か今かと待ちわび──

 

──コンコン

 

(やっと帰ってきたわね…!)

 

ノックの音を聞いてアレクシアはルイスが帰ってきたのだと確信し、ドアを開く。

 

「ルイス遅いわ──」

 

「アレクシア、残念だけど私よ」

 

「え、お姉様?」

 

しかしそこに居たのは待ち人であるルイスではなく若干呆れ気味のアイリス。それを見てアレクシアは急激に嫌な予感がし始めた。しかし、アイリスはそんなアレクシアに気づかず先程使用人から聞いた情報を伝える。

 

「列車の方でトラブルがあったらしくてね。場所的には王都まであともうちょっとって所らしいんだけど、ルイスは早くても明日の昼に着くことになったらしいわ」

 

「──」

 

またこれか、とアレクシアは何処か他人事のように思いつつ、胸に伝わる冷たさを紛らわすように無意識にネックレスを掴んだ。





キャラ紹介

ルイス
色んな女を泣かしている女の敵。デルタとの距離がかなり近くなっているが、その弊害でデルタがお風呂に突撃してくることや一緒に寝ることに抵抗が薄れ始めてる。距離感は間違いなく周りの2人のせいでぶち壊されてる被害者でもある。

デルタ
しっかりマーキングしたため他のメスは寄り付かないはずだと確信しているが……アイクからとある提案をされそれを受け入れた。

アレクシア
外的要因で脳みそを破壊されている。

アイリス
この後、姉妹で一緒に寝た。

番外編としてバレンタインの話を……

  • これもまた愉悦(書く)
  • やめろカカシ、それは効く(書かない)
  • 撃沈もまた愉悦(どっちでもいい)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。