アレクシア様を分からせたくて!   作:ゆっくり妹紅

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お気に入りがとんでもねえことになってたので気合い入れて頑張りました。ストックもうないけど頑張るしかねえよな!?愉悦を届けるために俺は止まらねえからよ……


8冊目

 

°月・日

 

アレクシアが風邪をひいてから1週間経ったが、今日でようやく本調子になったみたいで久しぶりのペット扱いに安心感すら覚えた。まあ、そんな彼女だがなんか距離が近くなった気がする。

こう、なんて言えばいいのだろうか……ボディタッチが増えた感じもするし、話してる時も前より遠慮が無くなった、はなんか違う。本当に上手く表現出来ないんだけど、とにかく距離が近くなった気がする。しかも顔がいいせいでちょっとドキドキする。もし、分かった上でやってるとしたらとんでもねえ奴だ。勘違い少年が大量発生して、そこから万が一が起きる前に男は怖いってことを分からせておくべきか?

 

そういえば、アイリス様とも話す機会が増えた。何でもアレクシアの本性を知っているのにも関わらず、普通に接している俺のことが気になった、ということなのだが……何故だろう、クレアさんと同じ気配がした。どうか、これが気の所為であって欲しい。頼む、シスコンは2人も要らない。

 

 

°月+日

 

思い立ったが吉日、というわけで早速アレクシアに男は狼になる怖い生き物ってことを分からせるために頑張った。とは言っても、異性にモテたことが無ければ、そういった雰囲気になったことも無かったためとりあえずそれっぽいことをしてみた。

具体的には距離を詰めて何か言い出したら誰もいないのを確認した上で、壁ドンして耳元で「そういう思わせぶりな態度は勘違いされるぞ?」っていう感じのことをめちゃくちゃ恥ずかしかったが囁いてやった。が、「勘違いって何かしら?」とからかいとかそういうの無しでの純粋な疑問が飛んできたため、教えてやったらニヤニヤして「ルイスったらそんな目で私のことを~」と小馬鹿にする感じで言い出したので、「それはない」と即答したらグーパンが飛んできた。女子って分からねぇ……。

 

まあ、とりあえず当初の目的である勘違い云々は分かってくれたと思うし、大丈夫だろう。アレクシアは性悪ではあるが、馬鹿じゃないからな!

 

 

°月×日

 

どうして効果が全くないんですか?というか、寧ろ余計に悪化したと思う。あれか、俺が即答したのがそこまでムカついたのか?乙女のプライドが許さない的なアレか?

一体俺はどうすればいいんだ……

 

まあ、これに関しては未来の俺がどうにかしてくれると信じて別のことを書こう。

実は、今日シドからの手紙と共にデルタからの手紙が届いたのだ。文字はちょっと乱雑で読みづらかったけど、内容を読まなくても元気そうということが分かった。

内容としてはアルファに手伝ってもらいながらこの手紙を書いたこと、俺との修行を参考に休む日をちゃんと入れていること、料理は難しくて大変だけど俺に美味しい物を食べて欲しくて頑張っていること、そしてチョーカーは毎日つけて大事にしているというものだった。

本当に元気そうで安心したし、料理を学ぼうと頑張っていることは驚いたし、調味料とかを入れすぎてアルファにため息をつかれているところがありありと浮かぶ。何より、チョーカーを気に入ってくれたようで本当に良かった。

そういえば、前世でもあの姫やユラはネックレスとか首に付けるものを買おうってよく言ってたな。もしかして女性って首元のアクセサリー類を好む傾向にあるのだろうか?アレクシアもネックレスだったし……いや、もしかしたら俺の周りにたまたまそういう人が揃ってるだけかもしれない。

今度、アレクシアにでも聞いてみるか。

とりあえず返事の手紙はこっちも元気にやれていることと、王都をアレクシアと回った時に連れていきたいと思ったところがあったから機会があれば行こう、って感じにするか。シドの方は……乙女心分かるかどうかって感じにするか。もし分かるならぜひご教授して欲しいし。

 

……アレクシア、途中から様子がおかしかったけど大丈夫だろうか。聞いて欲しくなさそうだったからあの時は聞かないでおいたけど、強引に聞くべきだっただろうか。

 

 

 

****

 

 

 

私はお姉様のことが好きだ。でも……

 

「ルイス、最近アレクシアと仲がいいようだが詳しく聞いてもいいかな?」

 

「あの、アイリス様?なんで腕をがっちりと掴んで……距離が近いです!」

 

ルイスと仲良くしてるのを見ると胸がムカムカしている気分になる。いや、お姉様に対してデレデレしているルイスもルイスだ。あのバカは私の従者っていうのを分かっていないのかしら?

それがムカついたため腕を掴んでみたり、ちょっとした時に体を寄せてみたりしてみたが、当の本人は「アレクシア様、はしたないですよ」だの「アレクシア様、もしかして熱でもあります?」と言う始末。

 

……決めた、あいつが私にデレデレするまで色々試してやる。

 

そう決意した次の日、早速周りに誰もいないタイミングでルイスの腕に自身の腕を絡ませた。すると、ルイスは周りを少し見渡したあと私のことをぐいっと引っ張って壁に優しく私を寄りかかせると、壁に手を当てた。

 

「へ?」

 

突然のことに目を白黒させていると急にルイスの顔が近づいてきた。え?ちょっと待って、これってもしかして……!?

 

「アレクシア。そういう思わせぶりな態度は男を勘違いさせるからもうやめておけ」

 

「!?」

 

耳元で囁かれるように言われたことに驚き、思わず体が強ばる。想像したこととは違ったけど、ルイスを犬扱いしてる時とはまた別の感覚が走って困ったけど……男を勘違い?

 

「ねぇ……その男を勘違いってどういうことなの?」

 

「は?」

 

「いや、だからルイスが言っていることの意味がわからないのよ」

 

「……マジ?」

 

「マジ」

 

私の反応が予想していたものと違ったのか、ルイスは急にうんうん唸り出して説明を始めた。曰く、私がとっていた行動は「自分って実は好かれてるのでは?」と男性側が勘違いしてしまうようなものばかりで、将来的にややこしい事態になるのを防ぐためにもやめた方がいい、ということ。

最初は何を言っているんだ、と思ったがやけに真剣な表情で言われたためとりあえず頷いてはいたんだけど、そこでふと思う。態々注意してきたということは、ルイスはもしかして私のことをそういう目で見ているんだろうか。

興味も湧いたし、上手く行けばこれでルイスをからかえると思い私は自分でも分かるぐらい口元が緩んだのを自覚しながら。

 

「ルイスったらそんな目で私のことを見てた───」

 

「いや、それはない」

 

言い切る前に断言しやがったことにムカついたので、思いっきり殴ってやった。

 

 

そして次の日。

 

「……なあ、アレクシア。昨日話したこと覚えてないのか?」

 

「覚えてるわよ。あなたが私のことを全く意識してすらないってこともねぇ?」

 

私はルイスとの距離を改めなかった。ここであいつの言う通りにしたら、なんか負けた気分になるし、何より自分のことを意識してない事実がとてつもなく腹が立ったのであいつが反応するまで続けてやることにした。

 

「……頼むから離れてくれ。手紙が読めないんだ」

 

「何?私よりも優先するの?」

 

「はいはい、分かったよ……」

 

自分でも理不尽だと思う発言をルイスは軽く流しながら、手紙を懐にしまう。そういえば、こいつと手紙をやり取りしている人物は誰なのだろうか。幼馴染とは聞いていたが、性別までは聞いていない。ここまでこいつが嬉しそうにするってことは、さぞ仲良しな───

 

 

 

 

 

ズキン

 

 

 

 

「……っ」

 

「?アレクシア、どうかしたのか?」

 

「い、いや。なんでもないわよ」

 

突然胸に鈍い痛みが走った。それで思わず声が出てしまったのか、ルイスがすぐに私の心配をしてくれたものの、反射的になんでもないと返してしまう。念の為、胸を触ってみるがどこも痛みを感じない。それじゃあ今の痛みは一体……?

 

「……ならいいけど、あんまり溜め込むなよ?話ならお前が話したいと思ったタイミングが来たら聞くからさ」

 

「……ええ、そうするわ」

 

ルイスがこう言う時は、大抵気づいていながら私が話したくないのを察してくれたことを意味している。本人は意識してないのだろうけど、話したい時は強引にでも聞いてきてくれるし、逆に話したくない時はすぐに引いてくれている。半年もいればこれぐらいのことは分かる。これに関しては向こうも同じことだろうけども。

 

結局、その日はあの痛みの原因は全く分からなかった。

そしてルイスがあの手紙を読んで私が見たことない表情を浮かべているところ、私やお姉様以外の女子と楽しそうにしている想像が頭から離れず、胸がただ痛くて、私は滲む視界の中一緒に買ったお揃いのペンダントを胸に抱えこむように握りながらベッドの中で丸くなった。

 




泣いちゃった!!

キャラ紹介

ルイス
女の敵。羞恥心は人並み以上にちゃんとあるし、性欲とかもちゃんとある。ロリコンになりかけているがまだ耐えている。主人が泣いている一方でデルタと次に会うのを楽しみにしているアホ。

アレクシア
恋というのをよく分かってないからそれに翻弄されている。苦しいよね?大丈夫、将来的にはその苦しさの方が良かったと思うほどの絶望が待ってるから楽しみにしててクレメンス。

アイリス
一方その頃、彼女は下手すると自分よりも妹と親しくしているルイスに嫉妬していた。

シド
ルイスからの切実な返事を見る+死んだ目で手紙を書いているルイスの様子が唐突に浮かんで腹を抱えて笑うことになる。

デルタ
待て!をずっと言われ続けてる状態。

ルイスの女性への知識:前前世がほぼ皆無なため、前世の知識で構成されている。

実はお姫様とシーフのユラに折角だからとお手製のネックレスをお守りとして作って渡していた。そのネックレスには強力では無いものの、魔除けや対呪いの効果がある魔法が込められていた。

番外編としてバレンタインの話を……

  • これもまた愉悦(書く)
  • やめろカカシ、それは効く(書かない)
  • 撃沈もまた愉悦(どっちでもいい)

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