お前(アンタ)と出会ったのが運の尽き   作:死神作者

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プロローグ

ある日の朝。

 

とあるアパートの屋根の上で雀が鳴き、朝の到来を告げていた。

 

「ん……朝か」

 

そんな小鳥たちの鳴き声によって目を覚ました少年は、眠たそうに瞼をこすりながらゆっくりと体を起こす。

 

そして寝ぼけ眼で周囲を見回すと――

 

「えっ?」

 

そこにある光景を見て、戦慄した。

 

そこには、焼け焦げた跡と破壊された目覚まし時計の残骸があった。

 

「まさか……!」

 

嫌な予感がし、携帯で時間を確認する。

 

そこに書いてある時刻は、8:20

 

「遅刻じゃねぇか!」

 

少年は立ち上がると、ハンガーに掛けてある制服を2つ手に取り、1つをベッドで寝ている少女へと投げつける。

 

「ぶっ!ちょっと何すんのよ!?」

 

「何すんのよじゃねぇよ!時間見ろ!遅刻だ!」

 

「あーもう、うるさいわね……ってやばっ!」

 

そこでようやく少女も今の状況を把握したのか、慌てて起き上がる。

 

2人は急いで寝間着を脱ぎ捨て、制服を着る。

 

そして、寸分狂わないタイミングで部屋の扉を勢い良く開ける。

 

アパートの階段を慌てて駆け降りると、2人は高校に向かって走り出す。

 

「なんですぐに起こさなかったのよ!?」

 

「起きれなかったんだよ!お前が目覚まし時計破壊した所為でな!ふざけるなよ!今月これで何個目だと思ってやがる!」

 

「知らないわよ、そんなこと!簡単に壊れる目覚まし時計が悪い!」

 

「爆発に耐えきれる目覚まし時計があって堪るか!」

 

そんな言い争いをしながら、2人の男女が街中を走り抜ける。

 

その速度は尋常ではなく、周りの通行人を次々と追い抜いていく。

 

本来なら高校まで30分かかる距離を、2人は驚異の10分で辿り着いた。

 

時刻は8:30

 

今はホームルームの時間だ。

 

2人は上履きに履き替えると、全速力で教室を目指す。

 

「すみません!遅くなりました!」

 

「ちょっ!?急に止まるな!」

 

少年は扉を開けて、ホームルームをしている担任に謝罪をするも、後から来た少女にぶつかられ、そのまま教室内に突き飛ばされる形で中に入る。

 

「いてぇ……」

 

少年は頭を押さえて、ぶつかって来た少女を見る。

 

「行き成りぶつかって来るんじゃねぇよ!」

 

「はぁっ!?そっちが急に止まるのが悪いんじゃない!」

 

少年の言葉に対して、少女は反論する。

 

ギャアギャアと言い合ってると、そんな2人に近付く影が居た。

 

「元気があって随分とよろしいなぁ?」

 

「「げっ!?」」

 

2人はゆっくりとを顔を、声がした方へと向ける。

 

そこには、静かに怒気を放つ担任が居た。

 

「急いで来たみたいだし、特別に遅刻にはしないでやる。だがな………」

 

そう言うと、担任は親指で廊下を指差す。

 

「騒ぐとなると、話は別だ。ホームルームが終わるまでの間、廊下に立ってろ」

 

その言葉を聞いて、2人は廊下へと立たされた。

 

「お前の責任だぞ……」

 

「あんたが止まらなかったから悪いんでしょ……」

 

お互いに責任を押しつけ合いながら、廊下に立つ二人。

 

「たっく……お前と出会っちまったのが俺の運の尽きだよ………」

 

「こっちだって、アンタと出会ったのが運の尽きよ………」

 

そして、同時に深いため息をつく。

 

「あーあ……護廷十三隊が懐かしい……」

 

「“見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)”が懐かしい……」

 

そう呟き、少年こと”元”護廷十三隊“元”十三番隊副隊長の《阿由葉 伊武紀》と、少女こと“元”見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)“元”星十字騎士団(シュテルンリッター)の《バンビエッタ・バスターバイン》は、また深くため息をついた。

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