お前(アンタ)と出会ったのが運の尽き   作:死神作者

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第11話 修業した滅却師VS駄菓子屋店主の死神

バンビエッタが浦原の所で修行をして、2週間が経った。

 

当初の予定では、バンビエッタは浦原の所で1週間の修行をして、家に帰るつもりでいた。

 

だが、思いのほか修行が捗り、修業期間は延長した。

 

そして、現在。

 

バンビエッタはあのスポーツウェアによる負荷をものともせず、走り続けていた。

 

(ウルル)との鬼ごっこも、最初こそ追い付かれそうになったものの、今では余裕を持って避ける事ができるようになっていた。

 

なんなら、反撃するぐらいのことはし、鬼ごっこも途中からは組手になっていた。

 

「いや~、修業の成果が出てきたようで何よりっスね」

 

その光景を見て、浦原が言う。

 

それに対し、バンビエッタは呼吸を整えながら答える。

 

「はあ?まだまだこんなもんじゃないわよ」

 

「いやいや、もう十分強くなったと思いますよ?それで……霊子に属性を付与する方はどうです?」

 

浦原がそう尋ねると、バンビエッタは霊子を集め、小さな球体を作る。

 

そして、出来たソレを浦原に向けて、投げつけた。

 

「おっと」

 

浦原はそれを横に飛んで躱す。

 

躱された霊子の弾は、そのまま近くの岩に当たり、爆発した。

 

「ほぉ……提案してなんですけど、いい感じに出来てますね」

 

「ま、アンタの言ってた属性の付与っていうより、霊子の性質を変化させたって方が正しいけどね」

 

「それでも凄いっスよ!これはアタシの予想以上ですね!」

 

「当然でしょ……と言いたいけど、あんたの力がなきゃここまでできなかったし、まぁ感謝しとくわ」

 

バンビエッタの言葉に、浦原は嬉しそうな顔をする。

 

「さて、それじゃあそろそろ最後の修行と行きますか」

 

そう言い、浦原は斬魄刀を抜く。

 

「最後の修業は、アタシと戦ってもらいます。それで、修業は終了です」

 

「へぇ……」

 

バンビエッタはニヤリと笑う。

 

「面白いじゃん。やってやるわよ」

 

バンビエッタは獰猛に笑い、霊子兵装の剣を出す。

 

「起きろ『紅姫』」

 

浦原も始解を使い、斬魄刀を構える。

 

「さぁ、どっからでもかかってきてください」

 

浦原は余裕綽々といった表情で言う。

 

「言われなくても!」

 

バンビエッタは、《動血装(ブルート・アルテリエ)》で脚力を上げ、一気に浦原との距離を詰める。

 

そして、斬撃を放つ。

 

「ふむ……流石に速いですね」

 

だが、浦原はその攻撃を難なく防ぐ。

 

「チッ!」

 

舌打ちをしながらバンビエッタは後ろに飛び退く。

 

「おや?逃げても無駄ですよ?《剃刀紅姫》!」

 

浦原は、剃刀の刃のような鋭い紅い斬撃を飛ばす。

 

「食らうかっての!」

 

バンビエッタは、霊子弾を打ち出し、爆発させて相殺させる。

更に相殺した時の爆発煙を利用し、煙の中から《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》を放つ。

 

「おおっと危ない……《血霞の盾》!」

 

だが、《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》は、出された血の防壁で防がれる。

 

「油断ならない相手っスねぇ……」

 

「それはこっちのセリフだっつーの」

 

「ま、それもそうっスね……では次はこちらから行かせてもらいましょうかね」

 

そう言い、指先を向ける。

 

「破道の四《白雷》!」

 

指先から貫通力のある光線が放たれる。

 

「あぶなっ!」

 

中々のスピードに驚きながらも、バンビエッタは顔を動かして避ける。

 

「まだまだ行くっスよ。破道の三十一《赤火砲》!」

 

今度は掌から火の玉を放ち、攻撃してくる。

 

「うおっ!?」

 

バンビエッタは、それを咄嵯の判断で回避する。

 

「不意打ちの鬼道を避けるとは……やりますね」

 

「本当にね!鬼道を使うなんて聞いてないわよ!」

 

「そりゃそうっスよ。一応これ、真剣な戦いなんでね」

 

「くそったれが……」

 

バンビエッタは、悪態をつく。

 

しかし、その割には楽しそうな笑みを浮かべている。

 

「なら、本気で行くしかないわよね」

 

バンビエッタが呟いた瞬間、バンビエッタは剣を振りかぶるように構える。

 

そして、そのまま振る。

 

「ハァアアッ!!」

 

すると、剣から霊子弾がバラまかれ、浦原を襲う。

 

霊子弾は、浦原の周りに落ち、浦原の周りで爆発する。

 

「絨毯爆撃………いいですね、その技」

 

「褒められて悪い気はしないけど、まだ終わりじゃないわよ」

 

バンビエッタは、もう一度剣を振りかぶる。

 

今度は横に一閃。

 

すると、剣から《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》が大量に放たれる。

 

「これはまた……凄い数ですね」

 

浦原は、感心したような声を上げる。

 

バンビエッタが行ったのは、浦原の周りを爆撃し、浦原の動きを止め、止まった所で《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》での連続攻撃。

 

この連続攻撃に浦原は、流石に捌ききれず、被弾する。

 

そのはずだった。

 

「《血霞の盾》!」

 

だが、浦原は《血霞の盾》を使い、防ごうとする。

 

「無駄よ!いくらなんでも、これだけの量の《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》をそんな薄い壁で防げるわけないでしょ!」

 

「ええ、もちろんこれで終わりじゃありません。《切り裂き紅姫》!」

 

すると、《血霞の盾》から無数の刃が連続で発射され、《神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)》を全て撃ち落とす。

 

「なっ!?」

 

これに、バンビエッタは驚く。

 

「まさか、防がれると思わなかったって感じっスか?甘いっスね」

 

浦原は掌をバンビエッタに翳す。

 

「破道の五十八《闐嵐》!」

 

掌から竜巻が放たれ、バンビエッタに向かう。

 

「舐めんな!」

 

バンビエッタは、《動血装(ブルート・アルテリエ)》で脚力を上げ、高く飛ぶことでそれを回避する。

 

「空中に逃げても意味ないっスよ?」

 

だが、浦原はニヤリと笑う。

 

「縛道の四《這縄》!」

 

縄状の霊子を放ち、バンビエッタの腕に巻き付く。

 

「何よ、こんな物!」

 

バンビエッタは縄を引き千切ろうと、力を籠める。

 

「破道の十一《綴雷電》!」

 

だが、引き千切る前に《這縄》を伝って、電撃がバンビエッタを襲う。

 

「ぐあっ!?」

 

バンビエッタは、衝撃で地面に叩きつけられる。

 

「ぐぅ……」

 

「おやおや、随分ボロボロになりましたね」

 

「うるさい……まだまだやれるっての」

 

バンビエッタは、ヨロヨロと立ち上がろうとするが、それよりも早く浦原が動く。

 

「《縛り紅姫》!」

 

立ち上がる寸前だったバンビエッタは、《紅姫》の剣先から出た黒紐の網で拘束され、地面に倒れる。

 

「くそ……離せ!」

 

バンビエッタは、何とか抜け出そうとするが、《紅姫》の拘束力は強く、身動きが取れない。

 

「さて……これで終わりです」

 

網に《紅姫》を突き刺す。

 

「《火遊紅姫 数珠繋》」

 

すると、網の繋ぎ目に火が灯り、大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あれ?」

 

数時間後、バンビエッタは《浦原商店》の客間で布団に寝かされていた。

 

「あたし……なんで寝てるんだっけ?」

 

体を起こすと、鈍い痛みが体を襲う。

 

「そうだ……修行でボコられたんだった……」

 

「おや、起きましたね。体のほうはどうです?」

 

襖が空き、浦原が現れる。

 

「……痛いわよ、アンタのせいでね」

 

「まぁまぁ、そう怒らずに」

 

「ふん……」

 

バンビエッタは不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 

「それより、修行の成果ですけどね」

 

「ああ、そういえばアタシ、負けたのね」

 

「そうっス。それで、結果なんですけどね……合格っス」

 

「………は?」

 

「はい、これで修業は終了っス。お疲れ様でした」

 

「……ねえ、あたし負けたわよね。なんで合格なの?」

 

「別にアタシは負けたら不合格とは言ってませんよ。戦ってもらうって言っただけなので」

 

言われてみれば、そうだと思い、バンビエッタは納得する。

 

「でも、正直ここまで強くなるとは思いませんでした。アタシも教えがいがありました」

 

「そう……まぁいいわ。一応ありがとう」

 

「はい。それと、お迎え来てますよ」

 

そう言い、浦原が振り返る。

 

「よう、目ぇ覚ましたか」

 

そこには伊武紀が立っていた。

 

「伊武紀!?アンタ、なんでここに!?」

 

「浦原さんから連絡もらったんだよ。修業が終わったから迎えに来てくれって」

 

そう言い、伊武紀は用意されたバンビエッタの荷物を手に取る。

 

「歩けるか?なんなら、おぶるぞ?」

 

「大丈夫よ。自分で歩くから」

 

バンビエッタは、立ち上がり、体を軽く動かす。

 

「うん、問題ないみたいね」

 

「そうか、良かったな」

 

「まあね」

 

2人は、店を出る。

 

「じゃ、世話になったわね」

 

「いえいえ、まだなにかありましたら来てください」

 

「はいはい」

 

バンビエッタは、手をヒラヒラさせながら歩き出す。

 

「もう少し感謝しろって。浦原さん、今回はバンビが世話になった。感謝する」

 

「ははは……気にしないでください」

 

「でも………またあんなことしたら容赦しねぇからな」

 

「わかってますよ……アタシもまた脇腹に痣なんて作りたいくないっスからね」

 

そう言い、浦原は自身の脇腹を擦る。

 

服の下で見えないが、そこには痣ができている。

 

伊武紀が付けたものだ。

 

浦原がバンビエッタに使った最後のあの技。

 

あの技でバンビエッタは体に少し火傷を負った。

 

浦原は、その火傷と他の細かな傷を丁寧に手当てし、痕が残らないようにした。

 

だがらと言って、伊武紀は許さず、浦原の脇腹に強い一撃を叩き込んだ

 

浦原も、こればっかは仕方ないと素直に食らい、脇腹に痣を作った。

 

「伊武紀!いつまで話してるのよ!早く帰るわよ!」

 

「わかったよ!……それじゃな、浦原さん。またな」

 

「ええ、さよならっス」

 

少し離れた場所で待ってたバンビエッタに小走りで近づき、浦原に見送られながら伊武紀とバンビエッタの2人は帰っていった。

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