お前(アンタ)と出会ったのが運の尽き   作:死神作者

13 / 13
バンビが修行中の話です


第12話 調子の出ない死神

「なぁ、伊武紀。バンビの奴、どうしてるんだ?」

 

バンビエッタが浦原と修行を開始して数日が経ったある日。

 

屋上で伊武紀、ルキアの2人と昼食を摂って居た一護が伊武紀に尋ねる。

 

「あ?何が?」

 

「この間から休んでるだろ?何かあったのか?」

 

「何もねぇよ。ちょっとしたアイツ個人の野暮用だ。1週間もすれば戻ってくるよ」

 

「1週間か……長いな」

 

「長くねぇだろ。てか、そんなにバンビに会いたいのか?」

 

「ちげぇよ。むしろ、お前のこと心配してやってんだよ」

 

「は?なんで?」

 

「だって、お前、バンビ居ねぇと調子出ねぇじゃん」

 

一護の言う通り、伊武紀はバンビエッタが一緒にいないと調子が狂う。

 

しかも、これはバンビエッタにも同じことが言える。

 

普段は口喧嘩などして仲が悪いように見えるが、実の所、伊武紀とバンビエッタはお互いに数時間一緒に居ないと調子を悪くする。

 

伊武紀の場合は無気力気味になり、バンビエッタの場合だと不機嫌になる。

 

「別にそんなことないけどな……」

 

「いや、あるだろ?この前だって、バンビが風邪で休んだ時、お前休み時間置きに連絡してたじゃねぇか」

 

「風邪引いて寝てるんだから、安否の確認ぐらいするだろ?」

 

「だからって、何度も連絡する必要なくね?」

 

(そうは言っても、俺が連絡しなくてもあっちから連絡来るし………)

 

バンビエッタからの授業中に来る不在着信履歴を思い出しながら、伊武紀は思う。

 

しかし、それを口に出してしまえば、また面倒なことになると分かっているため、あえて言葉には出さない。

 

「なぁ、一護。このジュースとやらはどうやって飲むのだ?」

 

すると、紙パックのジュースの飲み方がわからないルキアが一護にそう聞いてくる。

 

「どうって、ストロー差してに決まってんだろ」

 

「あれ?また一緒に居る。随分仲が良いんだねぇ」

 

そこに、水色が弁当を持って訪れる。

 

「水色。これが仲良い様に見えるか?」

 

「そう見られたくないなら、もうちょっと周りの目とか気にしなよ」

 

「俺が周りの目気にしてたら、とっくに髪の毛を黒に染めてるっつーの」

 

「それもそうだね」

 

そういい、水色が一護の隣に座り込む。

 

「こんにちは、朽木さん」

 

「あ、こんにちは、えっと……小島くん?」

 

「当たり!名前覚えてくれたんだね。改めて、僕は小島水色15歳。趣味は「女漁りだ」ってちょっと!人聞き悪いこと言わないでよ!」

 

「本当の事だろうが」

 

「失礼な。ちゃんと相手は選んでるよ。それに、僕は年上の女性にしか興味ないの!同年代や年下にとっては安全な子なんだから!」

 

「だからだよ」

 

一護の言う通り、ルキアは一護たちと同年代に見えて、100歳を優に超える年齢だ。

 

「おーす!一緒に飯にしようぜぇ!」

 

すると、そこに啓吾も現れる。

 

「って、ああ!そこに居るのは、転入生の朽木さん!どうしてここに!?」

 

「一護と伊武紀君が口説き落として連れて来たんだよ」

 

「なっ!?ちがっ!」

 

「なんだとぅ!一護、伊武紀!グッジョブ!」

 

「あ……お、おう……?」

 

一護が困惑気味にしていると、突如、啓吾が何者かに蹴られる。

 

「いって!なんだよって………大島!?」

 

突如現れた大島は、舎弟と思われる男子生徒と一緒に一護を見る。

 

「よぉ……黒崎」

 

「大島……お前、停学とけたのか………」

 

「てめーには話してねぇよ」

大島は、啓吾を退かし、一護の前に立つ。

 

「黒崎、いい加減その髪、黒に染めろって言ってんだろ。いつなったら染めてくんだ?俺とキャラが被るんだよ」

 

「被るも何も地毛だって言ったんだろ。第一、被ってもねぇよ。このヒヨコヘッド、雄雌判別されてぇか?」

 

「上等じゃねぇか、コラァッ!!テメーとは決着付けねぇといけねぇって思ってたんだ。今ここで、白黒ハッキリつけてやるれ!」

 

大島は、メリケンサックを付けて、そう叫ぶ。

 

(今、「やるれ」って言った……)

 

(これ、ツッコんだらダメだね………)

 

一護と水色が心の中でそう呟くと、伊武紀が口を開く。

 

「おい、「やるれ」ってなんだ?」

 

((言いやがった!?))

 

あっさりとツッコんだ伊武紀に、一護と水色は心の中でツッコむ。

 

「てめー!バカにしてんのか?ああん?ぶっ殺すぞ!!」

 

「バカにしてねぇよ。ツッコむ所だったから、ツッコんだだけだ」

 

「テメー……阿由葉、テメーも黒崎と一緒に葬ってやる………ぜ?」

 

最期の言葉を言い終えた瞬間、大島は背後に投げ飛ばされ。、屋上の地面を滑りながら倒れる。

 

「レイちゃん!?だから、止めようって言ったのに!」

 

舎弟は、大島ことレイちゃんを抱え、屋上を後にする。

 

「あ、チャド」

 

「よぉ」

 

レイちゃんを投げ飛ばしたのは、茶渡泰虎ことチャドだった。

 

「来るの遅かったな。どうしたんだ?」

 

「ああ、ちょっとな」

 

そう言うチャドは体が怪我していた。

 

「その怪我、どうしたんだ?」

 

「ああ、頭のは昨日、鉄骨が落ちて来て………手とかはさっきパン買いに行った時、オートバイと正面衝突して……」

 

「そ、それは災難だな」

 

「俺は平気だ。それより、バイクの人が重傷だったから病院までおぶって行って、遅くなった……」

 

説明を終え、チャドは背負っていた鳥かごを降ろす。

 

「なんだ、その鳥?」

 

啓吾は、チャドの持ってきたインコに興味を持つ。

 

そんな中、伊武紀と一護、ルキアの3人はそのインコに霊が入っているのに気づく。

 

『コンニチハ ボクハ シバタユウイチ オニイチャン ノ ナマエハ ?』

 

流暢に喋るインコに、全員が驚く。

 

啓吾はもうインコに夢中で、あれこれと話しかけ、水色も興味深そうに見る。

 

「なぁ、チャド……あのインコ、どうしたんだ?」

 

一護は、霊の入ったインコをどうしたのか、チャドに聞く。

 

「昨日………貰った」

 

「お前、面倒だからって説明を省くなよ………」

 

呆れる一護だったが、インコが危険な存在なのではと思い、警戒する。

 

「心配するな」

 

そんな一護にルキアが声を掛ける。

 

「確かに、何か入っているが悪いものではない。大方、寂しがっている霊だろう」

 

「それでも、いつ虚(ホロウ)になるか分からないからな。今夜あたり、魂葬した方がいいな」

 

「そうか……りょーかい」

 

一護は面倒そうに了承するが、どこか安心した表情になり、昼食を食べ終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

伊武紀は商店街で買い物をして帰ることにした。

 

贔屓にしてる店に訪れる度に「最近、バンビちゃん見ないけどどうしたの?」「喧嘩でもしたか?」「なんかあったの?」など質問攻めに合い、うんざりしながらも適当に答える。

 

「ただいまー」

 

返事の帰ってこない部屋に向かってそう言い、冷蔵庫に材料を放り込む。

 

「どいつもこいつも、俺がバンビと一緒に居ないと調子が出ねぇっとかそんな訳ねぇだろうが」

 

ぶつぶつと独り言を言い、制服を着替える。

 

「さてと、夕飯作るか」

 

そう言って台所に向かおうとすると、足の小指を何かにぶつける。

 

「いっつ!なんだ?って、ああ、バンビの化粧品セットかよ。おい、バンビ!自分のモノはちゃんと片付けろって………今、居ねぇじゃんか」

 

そういい、伊武紀は溜息をつく。

 

「はぁ……何してんだかなぁ俺」

 

そう呟き、伊武紀は料理を始める。

 

「………調子でねぇなぁ」

 

ふと口から零れたその言葉は、殆ど無意識に発せられた言葉で、伊武紀は気づかなかった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

BLEACH ―斬界の御厨子―(作者:tunagi)(原作:BLEACH)

黒崎一護には、昔から付き合いのある一人の少年がいた。▼その名は――御門朔夜。▼普段は浦原商店で気ままに暮らし、店番を頼まれては嫌がり、四楓院夜一とは軽口を叩き合う。▼一見すれば、少し変わった普通の少年。▼しかし、その正体は――死神だった。▼朔夜を鍛え上げたのは、元十二番隊隊長・浦原喜助と、元二番隊隊長にして瞬神の異名を持つ四楓院夜一。▼二人による常識外れの修…


総合評価:579/評価:5.56/連載:89話/更新日時:2026年11月04日(水) 14:58 小説情報

ロノヴァが拗ねージナヤ(作者:怒飲焼)(原作:原神)

「っしゃ!できたァ!うっ…」▼日本から転移してきた大学生、「カナメ」は毎日毎日何かを作っては数時間気絶していた▼その手には赤紫の目の模様が…▼これは、日本から転移してきた「無いなら作ればいいじゃない」精神の大学生が、様々なものを作ろうとしてロノヴァに殺される話である!▼なお、ロノヴァの仕事量が2倍になることは考慮しないものとする▼


総合評価:1649/評価:7.92/連載:41話/更新日時:2026年11月04日(水) 00:29 小説情報

時計塔にいる、時計塔のマリアさん(偽)(作者:アスタロット)(原作:Fate/stay night)

時計塔のマリアごっこで Bloodborneを周回して、上位者になった主人公さん。上位者パワーで、なんやかんやヤーナムを飛び出した。そんな外の世界で、主人公さんは自由に生きる。※なお、外の世界は型月世界とする。


総合評価:1738/評価:7.49/連載:29話/更新日時:2026年11月03日(火) 22:29 小説情報

転生したら初代護廷十三隊だった件(作者:宇川ゆうたろう)(原作:BLEACH)

なんやかんやで死んで転生したら初代護廷十三隊でした。原作開始まであと1000年!?長すぎんだよクソが!!▼初代護廷十三隊隊長の一人・王途川雨緒紀に転生してしまった主人公が、殺伐とした他メンバーにだんだん染まっていき倫理観×、霊圧◎、才能◎、斬魄刀◎、原作知識◎の圧倒的強さで敵を倒していくお話です。▼毎週火曜日19時に投稿してます。▼注:初代護廷十三隊メンバー…


総合評価:2438/評価:7.75/連載:14話/更新日時:2026年10月06日(火) 19:00 小説情報

人を食べるヒーロー(作者:エトエトエト)(原作:僕のヒーローアカデミア)

人を食べながら人を救う


総合評価:9762/評価:8.81/連載:11話/更新日時:2026年08月26日(水) 00:18 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>