お前(アンタ)と出会ったのが運の尽き   作:死神作者

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第1話 仲が良くて悪い2人

「たっく……朝から酷い目にあった……」

 

授業を終え、昼休みの時間。

 

伊武紀は教科書やノートを片付けながら、溜息を吐く。

 

「それはこっちの台詞だっての……」

 

バンビエッタが、隣の席でブツブツと文句を言う。

 

「アンタの所為で、あたしまで怒られたじゃない」

 

「何が俺の所為だ!そもそもの話、お前が目覚まし時計を壊さなきゃ良かったんだよ!」

 

「あー!はいはい!聞こえない聞こえない!」

 

耳を塞ぎ、そっぽを向くバンビエッタ。

 

その態度に、伊武紀は怒りを通り越して呆れてしまう。

 

(ったく……相変わらず、可愛げのない奴だよ。まぁ、慣れたけどな)

 

「相変わらずだな」

 

そんな伊武紀とバンビエッタに、ある少年が声を掛ける。

 

オレンジ色の髪(地毛)とブラウンの瞳の少年の名は《黒崎一護》

 

伊武紀とバンビエッタの友人だ。

 

「よぉ、一護」

 

「何よ、一護」

 

一護の登場に、伊武紀とバンビエッタは不機嫌そうな顔を向ける。

 

「ホント仲良いなお前ら」

 

「冗談じゃねぇぞ?俺はこんな女願い下げだっつーの」

 

「こっちこそごめんねー。あたしだってアンタには興味ないし?」

 

バチバチと火花を散らす2人。

 

「喧嘩すんのはいいけどよ、それより飯にしようぜ?」

 

「ああ、そうだなって、今日弁当ねぇじゃん………」

 

「そうじゃない……あ~、お腹空いた」

 

「てか、今日の弁当はお前の担当だろ!それなのに、目覚まし時計ぶっ壊して優雅に二度寝か!?」

 

「うわっ、キレるとか最悪。マジウザッ……」

 

「正当な怒りだろうが!」

 

ギャアギャアと言い合う2人を見て、一護は苦笑する。

 

「仕方ねぇし、飯奢ってやるよ……啓吾が」

 

「えっ!?俺なの!?」

 

一護の背後で、昼食の準備をしている浅野啓吾が驚く。

 

「悪いな、啓吾。ご馳走になる。卵サンドと焼きそばパン、後コーヒー牛乳な」

 

「あたしカツサンドとメロンパン、それにいちご牛乳」

 

「奢るのは決定なの!?」

 

啓吾は泣きながら購買まで走って行き、伊武紀とバンビエッタの要望の品を買ってきた。

 

無事昼食が届き、伊武紀とバンビエッタは一護と啓吾、そして、もう1人の友人“小島水色”と昼食を摂る。

 

「ところで、伊武紀くん」

 

ふと、水色が伊武紀に声をかける。

 

「なんだ、水色?」

 

「今更なんだけど、伊武紀君とバンビさんって、どうして一緒に暮らしてるの?」

 

水色の言葉に、伊武紀とバンビエッタの動きが止まる。

 

「なんでまたそんなことを?」

 

「いや、ちょっと気になってね」

 

「そう言えばそうだな。なんでなんだ?」

 

水色と一護の2人から尋ねられ、伊武紀は口の中のパンを飲み込む。

 

「別に大したことじゃないけどな……」

 

伊武紀はバンビエッタの方を見る。

 

バンビエッタは黙って、カツサンドを食べている。

 

伊武紀はそのまま話を続けた。

 

「バンビの両親が海外に赴任することになったんだよ。それで、両親と一緒に行くかどうか聞かれたらしいんだが、バンビの奴『面倒だから行かない』とか言って断ったらしくてさ」

 

「へぇ、バンビさんらしいと言えばバンビさんらしいね」

 

「それどういう意味よ?」

 

水色の言葉に、バンビエッタはムッとする。

 

「そう言う意味だろ?で、バンビの両親が1人で暮らさせるのは不安があるからって事で、従兄弟の俺と一緒に暮らすことになったんだよ」

 

「へぇ~、そうだったのか」

 

勿論嘘だ。

 

そもそも、死神である伊武紀と、滅却師(クインシー)のバンビエッタに血縁関係などない。

 

だが、そんなことは一護達には分からないし、一護達も納得したので、伊武紀とバンビエッタは良しとした。

 

「まぁ、そんな感じ」

 

「でも、いいよなぁ~」

 

すると、パンを食べていた啓吾がそう言う。

 

「経緯はどうあれ、可愛い子と同棲なんて羨ましい!」

 

「はっ!見た目はともかく、性格の所為で帳消しの様な女だぞ?性格がありとあらゆる+要素を打ち消して0にしてるコイツのどこがいいんだよ?」

 

「そりゃあ、胸が大きいところだろ!」

 

「死ねばいいのに……」

 

「その一点に関しては激しく同意だ」

 

バンビエッタの呟きに、伊武紀も同意した。

 

「なにおう!男ならみんな大きいの好きだろ!」

 

「お前は本当に最低だよな……」

 

「うん……僕も同意見だね」

 

一護、水色の2人が啓吾に軽蔑の眼を向け、啓吾は落ち込んでしまった。

 

「……少しくらい夢見させてくれたっていいじゃねぇかよ……」

 

「夢見る暇あったら現実見ろ、現実」

 

「そんなに夢見たかったら、家に帰ってベットの中でどうぞ」

 

冷たく言う伊武紀とバンビエッタに、啓吾はメソメソと泣き出す。

 

「ひでぇよぉ~……」

 

「おい、泣くな鬱陶しい」

 

「急に泣き出すとかウザッ」

 

「うぅ~……」

 

啓吾の泣き声を無視し、伊武紀とバンビエッタはコーヒー牛乳といちご牛乳を飲み干す。

 

「2人っていっつも口喧嘩してるけど、本当に仲いいよね」

 

「仲良い過ぎて口撃力がエグイけどな……」

 

「はぁ?冗談じゃねぇぞ?こんな女と仲良い訳ないだろ?」

 

「それはこっちの台詞だっての」

 

「ほれみろ。息ピッタリじゃねぇか」

 

「「全然違う!!」」

 

一護の指摘に、伊武紀とバンビエッタは同時に否定した。

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