お前(アンタ)と出会ったのが運の尽き 作:死神作者
授業を終え、伊武紀とバンビエッタは一緒に帰宅していた。
「目覚まし時計買って、今日の晩飯の材料買ったら、今月使える金が残り3万ぐらいしかない………」
「あと半月、どうすんのよ?」
「そもそもの話、お前が目覚まし時計壊さなければいい話だろ」
「なに言ってるの? あれは事故よ、事故でしょ?」
「ああ、事故だな。バンビエッタと言う名の事故だな」
「何、人の名前を事故の名称にしてんのよ?」
「お前の名前、事故みたいなもんだからなぁ」
「言ってくれるわね……滅してあげようか?」
「やってみろよ。返り討ちにしてやる」
火花を散らし合いながら、帰路に着いてると見知った背中を見つける。
「あれ?一護じゃね?」
「本当ね」
何故か不良数人に囲まれている一護を見つけ、伊武紀とバンビエッタは近付く。
「一護、何してんだ?」
「喧嘩?」
「おお、伊武紀とバンビ。いや、こいつらがアレ倒したから説教してた」
そう言って、一護が指さす先には倒れた瓶と散らばった花があった。
「なるほどな。大方、そこの不良共が蹴っ倒したかしたのか」
「で、それを注意したら逆ギレされて、こんな状況になったわけね」
「そういうことだ」
「アレの何処が注意だよ!?」
すると、不良の1人が叫んだ。
「行き成り出て来て、ヤマちゃん蹴り倒して、挙句俺らにここ退けって注意になってねぇよ!」
てねぇよ!」
「一護、そんなことしたのか?」
「斬新な注意ね」
「それは悪いと思ってるが、俺はただあいつらを蹴り飛ばしただけだぞ?」
「それが注意じゃねぇって言ってんだよ!」
不良は堪忍袋の緒が切れたのか、一護に襲い掛かろうとする。
が、一護はカウンターで蹴りを不良の顔に叩き込む。
「ごふぅ!?」
「ああっ!トシりーん!」
「トシりんがやられた!」
不良たちが騒ぎ始め、とうとう不良全員が襲い掛かって来た。
「あれ?これ、俺達も巻き込まれるんじゃね?」
「本当ね。完全に、あたしらも標的じゃない」
一護と親し気に話す、伊武紀とバンビエッタも標的にされ始める。
だが、2人は特に焦ること無く構えた。
「ちょうどいい。巻き込まれた代償として、一週間コーヒー牛乳奢れよ、一護」
「いちご牛乳もね」
2人の要求を聞きながらも、一護は不良たちを相手にしていた。
「分かった、分かった」
そう言いながら、一護は不良たちの相手をしていく。
伊武紀とバンビエッタはお互いに顔を見合わせ笑みを浮かべると、それぞれ拳と脚を振り上げた。
を振り上げた。
その後、3人で不良たちを全員ボコボコにしたのだった。
全員を倒し終えると、一護は1人の不良に近付く。
「いいか、お前ら。ここはな、子供が交通事故で亡くなった場所だ。あの花は、その子供への供え物。それをお前たちが倒した」
そう言い、一護は倒れている不良たちに獰猛な笑みを向ける。
「そんなことしたら、どうなると思う?」
「ど、どうなるんです……?」
「決まってるだろ…………祟られたりするんだよ!」
そう言い、後ろを指差す。
その指の先には、血塗れの女の子の幽霊が居た。
「ぎゃああああああああ!!」
「もう二度しませんからあああああ!」
「ごめんなさあああああああい!!」
不良たちは、少女の幽霊を見るや否や慌てて逃げ去って行く。
「よし、これで大丈夫だろう」
「大丈夫そうか?」
「ああ。あんだけ脅しとけば、もう来ないだろう」
一護はそう言うと、少女の幽霊を見る。
「悪かったな、こんな風に使って」
『ううん、あの人たち追っ払ってって言ったの私だもん。ありがとう、お兄ちゃん』
「おう。近いうちに新しい花持ってきてやるよ。それじゃあな、早めに成仏しろよ」
少女にそう言うと、今度は伊武紀とバンビエッタの方を見る。
「2人もありがとうな。助かったぜ」
「気にすんな。巻き込まれそうになったから対処しただけだ」
「ちゃんと明日からのいちご牛乳忘れないでよね」
「分かってるって。じゃあ、また明日な」
2人に別れを告げ、一護はその場を去った。
「俺らも帰るか」
「そうね。だけど、最悪。あの不良蹴った時、唇が脚に当たった………」
「帰ったら直ぐ風呂入ればいいだろ」
「当たり前よ!あいつらの唾液が付いたままなんて耐えられないわ」
そうして、伊武紀とバンビエッタも帰路に着いた。
帰るや否や、バンビエッタはすぐに風呂場に向かう。
それを横目に、伊武紀は服を着替え、晩飯の準備を始める。
家では、伊武紀とバンビエッタは交代制で、家事を行っている。
「てか、今日の朝、弁当準備しなかったくせに、晩飯は俺に作らせるのかよ」
そう愚痴りながら、伊武紀は調理を続ける。
「ねぇ、伊武紀?」
調理をしていると、風呂場兼洗面所の扉が開き、バンビエッタが顔を出す。
「なんだ?」
「シャンプー切れてるんだけど、買い置きってあった?」
「補充用の洗面台の下に無かったか?」
「なかったわよ。だから聞いてるんでしょ」
「マジかよ……ちょっと待ってろ」
伊武紀は一旦料理の手を止め、棚に置いてある、詰め替え用のシャンプーを手に取り、脱衣所に向かう。
「ほらよ」
「あと、ついでにタオルも取ってくれない?」
「はいよ」
言われた通り、伊武紀はバスタオルを取り出し、バンビエッタに手渡す。
「ありがと」
「おう」
バンビエッタはお礼を言うと、そのまま風呂場に入り、伊武紀は料理の続きを再開する。
15分程料理を続けてると、風呂場のドアが開き、バスタオルを身体に巻いただけのバンビエッタが出て来る。
「おい、バンビ。服ぐらい着てから出て来い」
「別にいいじゃない。風呂出たばっかで暑いのよ」
そう言い、髪を乾かし始める。
伊武紀はため息をつくと、出来上がった料理を盛り付け始める。
「飯出来たから、髪乾かし終えたら服着替えて、運ぶの手伝え」
「はいはーい」
バンビエッタは返事をしながら、ドライヤーのスイッチを切る。
その後、2人は晩御飯を食べ始めた。
「たっく、目覚まし時計壊すわ、それで弁当作らないわ……少しは決めたルールを守ってくれないか?」
「うるさいわね……これでも努力してるっての」
「まぁ、それは知ってるが……」
「なら、文句言うんじゃないわよ」
「努力してるのは認めるが、それは別の話だ」
「相変わらず、小姑みたいね」
「お前がしっかりしてくれれば、俺は小言言わなくて済むんだが?」
「はいはいわかったわかった」
「お前なぁ……」
「分かったって言ってるでしょ?」
「そのセリフ、同居してから何度聞いたと思ってる……」
「アンタがしつこいのが悪いのよ」
「お前が適当過ぎるのが問題なんだよ」
「はいはい、分かりました」
「全く……」
伊武紀は呆れた様にため息を吐き、ご飯を口に運んだ。
「………その割には、出て行けとか言わないわよね」
すると、バンビエッタはボソッとそう言った。
「なんだよ?出て行けって言ったら素直に出て行くのか?」
「さあね?」
「なんだよ、その答え」
伊武紀は息を吐くと、箸を置いてバンビエッタを見る。
「そりゃ、色々適当なお前と居てイラっとすることもあるけどよ。それでも、お前と一緒に暮らすって提案したのは俺だ。そして、お前はそれを受け入れた。なら、俺は自分の発言に責任を持つだけだ。それに、ここでお前を追い出したら後味悪そうだしな」
そう言い切ると、伊武紀は再び食事を始めた。
そんな伊武紀を見て、バンビエッタはクスリと笑う。
「何だよ?」
「なんでも」
「……そうか」
「そうよ。あ、伊武紀」
「なんだよ?」
「おかわり」
「自分でやれ」
伊武紀はそう言いながらも、バンビエッタにお代わりを渡す。
そのまま食事を続け、食事を終えると、2人は洗い物を始める。
伊武紀が洗い、バンビエッタが拭く。
それを繰り返していく。
「ほら、最後の一枚」
「ん」
最後の一枚を渡そうとしたその時だった。
突如、伊武紀は強力な霊圧反応を感じ取った。
それはバンビエッタも同じだった。
「今の!」
「ああ、
「場所は?」
「ここから近い」
そう言い、伊武紀は《義魂丸》と呼ばれる丸薬を取り出し、それを口に入れる。
そして、伊武紀の身体から黒い着物を着て、腰に刀を差した《死神》の伊武紀が現れる。
「少し様子見て来る。バンビはここに居てくれ!」
それだけを言い残し、伊武紀は窓から飛び出した。
(久々に死神の姿になったな……取り敢えず、ここの地域の担当死神に見つからない様に様子だけ確認して、問題なさそうなら引き上げるか)
伊武紀はそう考えながら、
バンビエッタの性格が優しいと思ったそこの貴方。
これは、一護と関わったことで、バンビエッタの性格がチョコラテしたからです。