―異質― 日本国の有事防衛組織、その異世界を巡る叙事詩《邂逅の編》 作:えぴっくにごつ
警備隊本部古城の南棟。
その内部を通る通路を、竹泉や多気投、そして水戸美等は駆けていた。竹泉が先頭を行き、ファニールとクラライナの身をそれぞれ小脇に抱える多気投が続き、一番後ろを子供達の手を引く水戸美が行く。
竹泉等は先程制刻より受けた指示に従い、別ルートを取ってのこの警備隊本部からの脱出を試みている真っ最中であった。
「そこ、左に曲がるぞ!」
今進む通路の先に左右への分岐を見止め、後続の多気投等に向けて発し上げる竹泉。そして竹泉は分岐地点に踏み込み、今しがた自身が発した、左方向進路へ視線を向けた。
「ッ!」
しかしそこで、竹泉は一瞬目を見開き、そしてその顔を顰めた。視線の先――分岐を曲がった先に、〝障害〟を見たからだ。
先にあったのは、通路を塞ぐように立ち構える、オークのヴェイノの姿であった。地の利、施設の構造配置に長けるヴェイノは、先回りをして竹泉等の前に立ちはだかったのだ。
「止まりなさい!止まるんだ!」
ヴェイノは、竹泉等の姿を認識すると、オーク独特の声色で言葉を発し寄越して来た。
そして、盾を装着した左腕を突き出して構え、迎え撃つ態勢を取る様子を見せる。
「チッ!」
しかし竹泉はその言葉に従う事は無く、逆に、舌打ちを打つと同時に駆ける速度を上げた。
「ねーちゃんは隠れてろ!多気投――!」
そして同時に、後続の二人にそれぞれ声を飛ばす。
「ヘイヨォ!ねーちゃんズ、ちょいと悪いずぇ!」
竹泉の言葉に呼応した多気投は、それから小脇に抱えるファニール達に向けて言葉を発する。
「ぇ?――うぁ……!?」
「わ……!?」
二人が多気投の言葉の意図を理解する前に、二人は多気投の腕中より放り出された。放り出された二人は床を滑り転がり、それぞれ通路の両脇にぶつかって止まる。そして身軽になった多気投もまた、竹泉に続き床を踏み切り、その駆ける速度を上げた。
「ッ――止まれ!」
一方、ヴェイノは速度を上げた相手の姿に、顔を険しくしながらも再び警告の言葉を張り上げる。
しかし竹泉等が止まり速度を落す様子は無く、先陣を切る竹泉はヴェイノへと迫る。
(肉薄か――!)
相手の行動を攻撃と推察し、ヴェイノは構え迎える姿勢を取る。
駆ける竹泉の身体は、ヴェイノの目前まで迫る。しかし――
「――!?」
フッ――と、竹泉の姿がヴェイノの視界より消えたのは、その瞬間であった。
突然姿を消した相手に、目を見開くヴェイノ。しかしすぐに彼は、起こった事態に気付き、背後を振り返る。
――ヴェイノの背後に、スライディングの姿勢で床を滑る、竹泉の姿があった。
竹泉はヴェイノの直前まで迫った瞬間、その身を落すようにスライディングに入った。そしてヴェイノの足元脇を滑り抜け、立ちふさがるヴェイノの背後へと突破してみせたのだ。
自身の背後に抜けられた事に、その顔に苦い様子を浮かべるヴェイノ。しかし直後に彼は、前方から別の気配を、そして殺気を感じ取った。
「――ッ!」
そしてヴェイノが視線を戻せば、彼の目の前に、巨体であるはずの彼をしかしさらに超える、巨大な存在の姿があった。
多気投だ。
多気投は、ヴェイノの注意が背後に抜けた竹泉に向いた隙に、ヴェイノの目の前に肉薄したのだ。そしてあまりにも太く巨大なその両腕の手は、合わせ握られ塊を形作っている。
「ヴォオオオゥッ!!」
瞬間、上がった暴声と共に、合わせられた両手はまるで巨大なハンマーのように、ヴェイノ目がけて振り下ろされた。
「ッ!?」
しかしヴェイノは寸での所で、オーク特有のその巨体を、しかし見た目に反した軽やかさで捻り、その襲い来た攻撃を回避。
標的を失った多気投の腕はそのまま空を切り、そしてその先にあった通路側面の壁へと激突した。
ドゴォ、と。凄まじい衝撃音が上がった。
壁を打った多気投の腕は、壁を損壊させ大穴を開け、そしてそこを中心にいくつもの亀裂を走らせた。
「ウォゥチッ!?」
攻撃の失敗に、多気投からそんな声が上がる。
一方、攻撃の回避に成功したヴェイノは、そこから反抗に転じた。
回避のために捻った身を、そのままくるりと回転させるヴェイノ。そして右の拳を握り、攻撃直後で隙のできた多気投目がけて、回転の勢いを利用して拳をおもいきり繰り出し振るった。
「ひょーーーーッ!?」
しかし、多気投もまたその攻撃を回避して見せた。
多気投もまた、その巨体に似合わぬ軽やかさで、攻撃直後の身を跳ねるように引いた。そして目と鼻の先を掠めて行ったヴェイノの拳に、驚きの、しかしどこか緊張感の無い声を上げる。
空を切ったヴェイノの拳もまた、壁に激突。そこに大きく凹ませ、いくつもの亀裂を走らせた。
「くッ――ッ!?」
攻撃が空振りに終わった事に、苦渋の声を零すヴェイノ。しかし瞬間、彼は背後より殺気を感じた。
「――ヅッ!?」
即座にヴェイノは、その背後に向けて、盾を装着した左腕を翳し構える。瞬間――破裂音のような物が響き聞こえると共に、盾越しのヴェイノの腕に、連続的な打つような衝撃が走り襲った。
殺気と音のした方向には、スライディングより反転し身を起こした低い姿勢で、小銃を構えた竹泉の姿があった。今しがたヴェイノを襲った衝撃は、竹泉の撃ち放った三点制限点射による物であった。
「チッ!」
ヴェイノの隙を狙った射撃が、しかし防がれたことに、竹泉は舌打ちを打つ。
そして直後に竹泉は、床を蹴って身を飛ばすように駆け出した。
その身体を勢いに乗せながら、小銃を降ろして、身体に下げていた84㎜無反動砲を両手で取る。撃つのではない。無反動砲を鈍器代わりに、ヴェイノの身を殴打する腹積もりだ。
そして竹泉は、小銃弾の盾への被弾で怯んだ、ヴェイノの目の前に肉薄。瞬間、84㎜無反動砲を、横殴りに繰り出した。
「ッ!」
しかしヴェイノは直前でそれに気づき、またも巨体に似合わぬ軽やかさを見せ、横へ滑るように身を反らし、竹泉の攻撃を回避した。
標的を失い鈍器代わりの無反動砲は空を切り、竹泉の身体は勢いの乗ったまま、ヴェイノの横をすり抜け背後へ飛んで行く。
「――多気投ェ!」
だが、竹泉の手はそれで終わりではなかった。
竹泉は多気投を呼び発し上げ、その勢いのまま駆ける。
「ヘイヨォッ!」
その先には、両手を合わせレシーブのような構えを取る多気投がいた。
竹泉は多気投の懐に踏み込むと、合わせられたその手に脚を掛ける。瞬間、多気投は思い切り両手を振り上げ、その上に乗っていた竹泉は、宙へ打ち上げられた。
宙へ、天井ギリギリの高さへと飛び出した竹泉は、その両足を畳んで猫のように宙空で、くるりと一回転。そして鈍器代わりの無反動砲を再び繰り出し、構える。狙うは、先の攻撃回避行動により隙のできた、ヴェイノの身体。
重力に引かれ降下を始める身体に乗せ、無反動砲を突き出し、そして相手の身体にその重量を叩き込む――
「ッ――ぬんッ!」
しかし一瞬早く、ヴェイノの体勢回復が間に合った。そしてヴェイノは片腕を突き出し、頭上より振り下ろされ襲い来た無反動砲の砲口を、掴み受け止めた。
「チッ!」
「ぬぉぉッ!」
竹泉から上がる舌打ち。
対するヴェイノは、無反動砲を掴んだ片腕を次に思い切り振るう。そして無反動砲ごと竹泉の身体を、振るって側面に流し、投げ放った。
自身の隙を狙い来た竹泉の強襲を、寸での所で受け止め流したヴェイノ。
「――ヅゥッ!?」
しかし――そのヴェイノの片足に、衝撃と鈍痛が走ったのはその時であった。
「――なぁッ……!?」
「よっしゃ、入ったァッ!」
振り向き見れば、ヴェイノの目の前には多気投の巨体があった。そしてヴェイノの脚には、繰り出された多気投の脚が激突している。多気投は、ヴェイノの注意が竹泉に向いている隙に肉薄。ヴェイノの脚に蹴りを繰り出し放ったのだ。
その一撃は、人の放った物とは思えない程、重く大きい物であった。
受けた一撃に、ヴェイノはオークの物であるその巨体を、しかしぐらりと崩し倒す。そして回復は叶わず、その巨体を音を立てて床に沈めた。
その倒れたヴェイノに、さらに襲う姿があった。
竹泉だ。
ヴェイノに放り投げられた竹泉は、しかしその先で通路の壁面に脚を着き、反転跳躍。
その間に多気投により崩されたヴェイノの巨体へ、追い打ちを掛けるように飛び込み着地。
「ぐぁッ……!?」
ヴェイノの巨体へ両足を叩き込み、彼に苦し気な声を零させた。
「うっそでしょ……?」
「オークを、真正面から崩したというのか……?」
ぶつかり合いの決着が着いた所で、通路の後ろから声が零れ聞こえ来る。そこに、ダウン状態からいくらか回復し、半身を起こしたファニールとクラライナの姿があった。
二人は、オークという巨体を誇り脅威である存在を、しかしそれと真正面がらぶつかり、そして崩し無力化してみせた竹泉や多気投に、驚き半ば呆けていたのだ。さらにその後ろにいる水戸美に関しては、子供達を庇いながらも、ただポカンとしていた。
「チェックメイトだ、緑のおっさん!」
そんな彼女達の視線を背後に受けながら、竹泉は発する。
そして倒れたヴェイノの胸部を踏みつけながら、ホルスターより9mm拳銃を抜き、その銃口をヴェイノの眼前へと突き付ける。
「――ッ」
ヴェイノの眼が、突き付けられた拳銃の銃口を見る。
突き付けられた物体が何であるかは分からなかったが、それが自身に止めを刺す武器であろう事は、ヴェイノも嫌でも察することが出来た。
ヴェイノはそれでも抵抗すべく、鈍い痛みで緩慢になった我が巨体に鞭を打つ。しかし、それよりも速く向けられた武器が、己が命を狩り取るであろう事をどこかで察し、ヴェイノは同時に心の隅で覚悟を決める――
「――やめてぇぇぇぇッ!!」
だが瞬間、声が響き聞こえた。
「あ――?」
それが聞こえ来たのは通路の先。
それに、引き金を引こうとしていたその指を止める。そして怪訝な声を零し、視線だけをそちらへと向ける。
通路の先。そこにある分岐路の真ん中に、一人の警備兵の姿があった。遠目にも少女であろう事が判別できたその警備兵は、肩を上下に揺らして息を切らせた様子を見せながら、こちらに視線を送っている。先の声の主で、彼女で間違いない。
「ヒュリリか……?」
竹泉に遅れ、倒れた姿勢から顔を上げ、通路の先に視線を向けたヴェイノが、先に立つ存在が誰であるかに気付き、声を零す。
「――お願い、話を聞いて!」
ヒュリリは、抵抗の意思が無い事を示すように両腕を上げながら、そんな訴えの言葉を竹泉等に寄越した――
ほぼ同時刻。警備隊本部古城の西側。
そこにある、堀に掛かり古城内外へのアクセス口のなっている一つの橋。
その近辺各所に、分散展開、それぞれ遮蔽物に身を隠す、第1分隊各員の姿があった。
峨奈率いる第1分隊の10名は、水路に沿って進行を続けた末に、つい先程この場へと到達。そして周辺に分散展開し、状況を伺いつつ、今は車輛隊本隊の到着を待っている状況であった。
「峨奈三曹、車輛隊です」
カバー態勢を取っていた峨奈の元へ、別所で身を隠す波原からの呼び掛ける声が届いた。峨奈はまず波原の方向を向き、そこで一方向を指し示す波原の腕を追い、その先を見る。峨奈の視線の先――堀に沿って通る町路の向こうに、建物の影より曲がり現れた車輛隊の姿が見えた。
車輌隊は堀沿いに町路を進み来て、第1分隊の元まで走り込んでくると、それぞれ各所に停車。そして各車より搭乗していた各分隊隊員が降車してきて、展開を始めた。
加えてそんな中、車列編成中の、指揮車兼任のガントラックの助手席からは、長沼の降りて来る姿が見えた。降り立った長沼は、展開して行く各隊員へ指示の声を飛ばしながら、自身も堀に沿って駆ける。そしてその途中で峨奈の姿を見つけ、駆け寄って来た。
「長沼二曹」
「峨奈三曹」
合流した両者は互いに敬礼を交わし、そして長沼は峨奈に習い、身を屈めて遮蔽物に身を隠す。
「待たせてすまない。状況は?」
そして長沼は、峨奈に尋ねる言葉を発する。
「第1分隊は配置を完了しています。ただ――相手側の様子が、何か妙です」
それに対して峨奈から返されたのは、配置完了している旨と、そして何か怪訝な色の含まれた言葉であった。
「向こうさんも布陣はしているようなんですが……これまでと違い、まったく攻撃をして来る様子が無いんです」
峨奈は続け説明しながら、遮蔽物から視線を出して、堀に掛かる橋の向こうを促す。
長沼がそれを追って先を見れば、確かに橋の向こうの城門、城壁上には、布陣した警備兵と思しき人影が、いくつも覗き見えた。そして峨奈の言葉通り、布陣した彼等からは、しかし攻撃が来る様子がまるで見られなかった。
「……確かに妙だな。何か企みがあるのか……」
先の様子に、訝しみ呟く長沼。
「上空、発光体!」
そんな所へ、配置した隊員の一人から、声が上がる。言葉に習い上空を見れば、展開した部隊の真上に、一つの赤く瞬く発光体が飛来する様子が見えた。
これまでにも散々見て来た、警備隊側の監視行動や広報を行うための物である発光体。
《――そちらの方々にお伝えします!こちらは、凪美の町警備隊です!》
その発光体から、これまでにもあったように音声が響き出す。しかしその呼びかけ先が、長沼始め隊員等の注意をより引いた。
《こちらは、戦いに停止を要求します!また、そちらの要求する人物の引き渡しに、応じる姿勢があります!こちらは、そちらとの交渉を望みます!》
続き聞こえたそんな呼び掛け。それに、長沼は怪訝の様子を浮かべていた顔に、より疑問の色を浮かべる事となった。
「どういう吹き回しだ?」
長沼の隣で、同様にそれを聞いた峨奈が、表情を顰めて零す。
「さぁな。何かあったのか、はたまた罠か――拡声器を貸してくれ」
長沼は推察し呟くと、峨奈に向けて彼の持つスピーカーメガホンを要求する。峨奈からそれを借り受けると、長沼はそれを口元に当てて言葉を発し始めた。
《警備隊各位へ。こちらは、日本国陸隊です。当方には、そちらの要請に応じる意思があります。当方は、そちらの代表者の方との対話、調整を望みます》
スピーカーメガホン越しの、効果のかかった長沼の声が、周辺一帯に響く。
その一文を発し終え、スピーカーメガホンを下げて視線を一度横に向ける長沼。その横には、それまで以上に怪訝な顔を浮かべた、峨奈の姿があった。
「――本気ですか?」
峨奈は、失礼を承知でそんな一言を、長沼に向けて投げかける。今しがたあった警備隊からの言葉を、そのまま受け取り応じるには、彼は抵抗を感じていたからだ。
「妖しさ満点なのは分かってる。だが、ああ言って来た以上、突っぱねてドンパチを始めるわけにはいくまい」
そんな峨奈に対して、長沼はそう返し、そして再び視線を起こして橋の向こうに向ける。
「向こうも、出て来たみたいだしな」
見れば、橋の向こう。開かれた城門の真ん中に、代表らしき一人の警備兵の立つ姿があった。
「さて、行って来るよ。ここは頼む、念のため警戒は維持」
長沼は峨奈に向けて言うと、自身の装備火器である9mm機関けん銃を一度確認。それを下げ直すと、遮蔽物を飛び出して橋へと向かって行った。
「長沼二曹ッ……――ッ、ロングショット1、願います。こちらジャンカー1ヘッド」
そんな長沼に対して、少し戸惑った様子を見せた峨奈。しかし長沼は行ってしまい、峨奈は仕方ないと言った様子で、インカムで通信を開く。
呼びかける先は、別所高所で狙撃監視に着く、潜入狙撃班の鷹幅だ。
「今の警備隊からの呼びかけは聞こえましたか?長沼二曹が、それに応じ向かって行った。万が一に備え、狙撃支援を要請します」
峨奈は先の警備隊からの呼びかけに、長沼が応じた旨を伝える。そして続け本題である、万が一の際の狙撃支援を要請した。
《ロングショット1、了解。何かあったらただちに対応する》
対して、潜入狙撃班から鷹幅の声で、了承の返事が来る。
「頼みます。――各員、備えろ、警戒しろ!」
それを聞き、そして返す峨奈、それから峨奈は、周囲に展開配置した各隊各員に向けて促す。
「頼むぞ――」
そして祈るように呟きながら、丁度橋を渡り始めた長沼の、その背中を見つめた。
橋上を踏み、そして歩き渡り始めた長沼。
その一方、城門に姿を見せた警備隊の代表者らしい人物も、こちらへと歩み出す姿を見せた。
両者は歩み近づき、程なくして橋の中程で相対した。
「日本国陸隊。呼応展開隊、指揮官の長沼二曹です」
まず先んじて、長沼が自らの所属身分を名乗り、そして敬礼をする。
「凪美の町警備隊。西南西区域長の、ディーケッツです」
対して代表者である警備兵も、自らの所属身分を名乗って返し、そして警備隊式と思われる敬礼を返して見せた。
「呼びかけに応じていただいた事、感謝します」
そしてディーケッツと名乗った警備兵は、長沼に向けてまず礼の言葉を述べる。
「いえ――今しがた返答した通り、私達にはそちらの要請に応じる意思があります。ですが――」
それに対して長沼は返し、しかし続けてその顔に少しの疑問の色を作り、続ける。
「なぜ突然、停戦の申し出を?よければ、事情をお教えていただけませんか?」
長沼はディーケッツに向けて、問いかける言葉を投げかけた。
「えぇ、もちろん。疑問に思い、怪しまれるのも当然の事でしょう。全て、説明します――」
長沼の問いかけの言葉に、ディーケッツはそう返す。そして、説明の言葉を紡ぎ始めた――