―異質― 日本国の有事防衛組織、その異世界を巡る叙事詩《邂逅の編》   作:えぴっくにごつ

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2-11:「西への探索、そして接触」

 東方面偵察の出発より遅れる事一日。

 北西方面への探索を担当する北西方面偵察隊は、野営地のある高地より北西方向に行った方向にある、〝木漏れ日の町〟という町を目指して出発していた。

 北西方面偵察隊の移動手段には高機動車が用いられ、普通科の鷹幅二曹を長とし、鳳藤、樫端、竹泉、多気投、そして衛生科の着郷の6名で構成される一個班が搭乗していた。

 北西方面偵察隊は明け方に野営地を出発して以来、特に障害に見舞われる事も無く、太陽が真上に登る頃には、視界に目的の町の姿を収めていた。

 

「見えました、おそらくあれです」

 

 言葉と共に鳳藤が示した先を、鷹幅は双眼鏡で確認する。

 

「ふむ……ここから見るに中規模の町だが、城壁で囲まれ堅牢そうだ。安全な町である事が、期待できそうだな」

 

 鷹幅は遠目に町を観測し、推測の言葉を発する。

 

「――おい待て、なんか近づいて来るぜ」

 

 しかしその直後、高機動車の荷台で同様に双眼鏡を覗いていた竹泉が声を上げた。見れば、町から伸びる轍に沿って、三騎の騎兵がこちらへ接近する姿が確認できた。

 

「騎兵か――常駐しているという話の騎士隊のものか?」

「だといいですがねぇ」

 

 竹泉は、鷹幅の言葉に不躾な口調で返しながら、高機動車に据え付けられたMINIMI軽機に付く。

 

「待つんだ、竹泉二士。相手の出方を見ろ、むやみに発砲するなよ」

「へぇへぇ、重々承知しておりますぅ!」

「樫端、停車しろ」

 

 鷹幅は竹泉の礼節に欠ける言葉を片手間に聞きながら、運転席でハンドルを握っている樫端に指示を出す。樫端の操作で高機動車は速度を落として停車。乗車している各員は警戒態勢を取り、接近を続ける騎兵の様子を伺う。

 しかし意外な光景が各員の目に映ったのは、その直後だった。

 

「あれは……手を振っている?」

 

 鷹幅が発する。

 接近する三騎の騎兵の内、先頭を行く馬に跨る兵士らしき人間が、こちらに向けて手を振っていたのだ。

 

「私達に向けてでしょうか?」

「おそらくな、周りに他には誰もいない」

 

 鷹幅と鳳藤は、念のため周囲を見渡しながら言う。

 

「俺等に見えてねぇだけで、向こうさんには他になんか見えてんのかもしれねぇがなぁ、ハハッ!」

「変な事言うなよ……」

 

 多気投がふざけた口調で発し、その言葉に樫端は顔を顰める。

 

「言ってろ」

 

 竹泉はそんな二人に吐き捨てるように言いながらも、MINIMI軽機の照準に接近する騎兵を収め続けていた。

 三騎の騎兵は高機動車の目前まで来ると停止。鷹幅は彼等に向けて己の身分を名乗ろうと声を発しかけたが、それよりも先に声を張り上げたのは、相手方であった。

 

「我々は木漏れ日の町に駐留する、37騎士隊、守衛隊の者です!そちらの身分と目的をお聞かせ願いたい!」

 

 名乗りを上げたのは、先頭に位置し手を振って来た騎兵であった。先に相手方が名乗った事に若干驚きつつも、鷹幅は相手方の質問に返答の言葉を返す。

 

「私達は日本国陸隊の者です!そちらの町へ、物資の補給調達のために訪問させていただく事を希望します!」

 

 鷹幅の言葉を聞いた先頭の騎兵は、後ろに続いていた騎兵達と視線を見合わせる。

 

「――ニホン国……馬なしで動く荷車に、緑色の服装……きっと彼等だろう」

 

 そして先頭の騎兵は何かを確信したように呟くと、馬を操り高機動車へと近づいて来き、そして隊員等に向けて発した。

 

「唐突で申し訳ないが、少しお伺いしたい。我々の方で、東にある昇林の町を山賊から守った一団が居るとの報告を受けているのだが――ひょっとしてあなた方の事ではないか?」

 

 騎兵の質問に、今度は鷹幅や鳳藤等が顔を見合わせる。

 

「ええ……守ったと言えるかどうかは分かりませんが、その町の事態に介入した一団というのは、おそらく私達の事だと思います」

 

 そして騎兵の質問に、鷹幅は遠慮がちに答える。すると、対する騎兵の男は、固くしていたその表情を一転して明るい物へと変えた。

 

「やはり――!いやぁ、お聞きしていた特徴と同じでしたので、もしやと思いまして。こうしてお会いできるとは光栄です!」

 

 騎兵の男は屈託のない表情を作り、うれしそうに隊員等に向けて言う。

 

「失礼、あなた方はあの町の軍、もしくは警備組織の方なんですね?――私達の事を、すでにご存じなのですか?」

 

 鷹幅の質問の言葉に、騎兵の男は「おっと」と言葉を零して馬上で姿勢を正す。

 

「申し訳ない、勝手に舞い上がってしまった。――私は木漏れ日の町の37騎士隊、守衛隊隊長のアドニスと申します」

「私は日本国陸隊、54普通科連隊の鷹幅二曹と言います」

 

 二人は再び互いの身分を名乗り合う。

 

「あなた方の事は、早馬による伝令で伺っております。山賊に襲われた昇林の町に、不思議な一団が現れ、山賊を撃退して町を救った――とね」

 

 そしてアドニスと名乗った騎兵の男は、鷹幅の質問にそう答えて見せた。

 

「我々の町への訪問が目的とおっしゃられましたね?我々はあなた方を歓迎します。ご案内しましょう」

 

 そして騎兵の男は愛馬を操り翻すと、高機動車の前に出て先導をかって出た。そして他の騎兵達も、反転して町の方向へ馬を進め始める。

 

「よぉ。アレ、ノコノコ付いてって大丈夫なのかよ?」

 

 そんな彼等を尻目に、以前MINIMI軽機に付き、警戒の姿勢を保ち続ける竹泉が、訝しむ声を上げる。

 

「彼等から敵意は感じられない。それに、どちらにしろ私達の目的はあの町だ、行くしかあるまい。樫端、彼等の後を追うんだ」

 

 竹泉の言葉に鷹幅はそう返し、そして運転席の樫端に指示を出す。高機動車は先導の騎兵達を追い、町に向けて走り出した。

 

 

 

 鷹幅等の北西方面偵察隊は、出会った騎兵達に先導され、目的地である〝木漏れ日の町〟に到着した。騎兵達と高機動車は、町を囲う城壁の一角にある城門の前まで来て、そこで停止する。

 

「ようこそ。私達の町、木漏れ日の町へ」

 

 先導をしていたアドニスは愛馬を翻して高機動車の方向を向くと、隊員等へ向けて言った。鷹幅ら各員は、アドニスの歓迎の言葉を聞きながら、視線の先の城壁を見上げている。

 町を囲うその城壁は堅牢な作りであり、そして城壁上には等間隔で弓兵が見張りに付き、町の外に睨みを利かせていた。

 

「守りが厳重だな……」

「これは、案内無しで近づいていたら、厄介なことになっていましたね……」

 

 町の守りの固さを見て鷹幅が呟き、それに続いて鳳藤が言葉を零す。

 

「実は少し事情がありまして、今現在警戒の度合いを強めていましてね」

 

 鷹幅等の零した言葉を聞き、アドニスはそんな説明の言葉を寄越す。

 

「何かあったんですか?」

 

 鳳藤が尋ねる。

 

「後ほど、お分かりになると思います。さて――すぐにでも町の中にご案内させていただきたいのですが、その前に確認させてください。皆さん、何か武器などは所持されていますか?」

 

 アドニスは高機動車と、搭乗している各員を見渡しながら言う。

 

「見て分かんねぇかねぇ?全員揃って完全武装だっつの」

 

 尋ねる言葉に、皮肉気な声で返したのは竹泉だ。竹泉は言葉と同時に、高機動車据え付けのMINIMI軽機をバシバシと叩いて示す。

 

「竹泉」

 

 そんな竹泉に鷹幅は咎める声を上げる。

 

「申し訳ありません。部下が無礼を」

「あぁ、いえ。とんでもありません」

 

 鷹幅の謝罪の言葉を、アドニスは少し戸惑った様子で受け止める。

 

「しかし、この者の言った通り、私達は皆それなりの武装をしています。この状態で町に入る事は、やはりできませんか?」

「そうですね……」

 

 アドニスの説明によると、この町では武器の持ち込みは、護身に最低限必要と認められた物に限られており、それ以上の物は町の守衛隊に預ける事になっているという。

 

「装備を見ず知らずの奴等に預けるなんてなぁ、論外だよなぁ」

「竹泉!」

 

 再び皮肉気に失礼な発言をした竹泉に、今度は鳳藤が咎める声を上げる。

 

「だがよぉ、竹しゃんの言う事も一理あるぜぇ?装備をまるっと抑えられちまうのは、色々良くねぇんじゃねぇかぁ?」

 

 しかしそこへ、多気投が竹泉の意見を推す言葉を発した。

 

「分かっている――鳳藤、樫端、けん銃と機関けん銃に装備を替えろ。私と鳳藤、樫端の三人で、最小限の装備で町に入る。竹泉、多気投、着郷。お前達は高機動車に残って装備を守れ」

 

 鷹幅は各員に指示を出す。

 

「あぁ、お留守番で済んだか。そりゃありがてぇ」

 

 竹泉が三度皮肉気な声を上げたが、鷹幅はそれを無視して高機動車を降りる。そして同様に馬を降りていたアドニスの前に立ち、ホルスターに収まっていた9mm拳銃を差し出して見せた。

 

「装備を最低限の物に抑えました、確認をお願いいただけますか?」

「これは――お話にあった、弓よりも早く相手を射抜く武器……ですか?」

 

 アドニスは目の前に差し出された9mm拳銃を前に、興味深そうな様子で発する。

 

「えぇ、その中でも私達の持つ中で、射程、殺傷能力共に最も低い物です」

「成程――分かりました、いいでしょう。ただ、町の中は私も同行させていただきます。これは皆さんの安全のためでもありますので、どうかご理解ください」

「えぇ、もちろんです」

「では、お三方をご案内します」

 

 アドニスは言うと、城門の門番に門を開くよう合図を送り、そして扉が開かれた。

 

「よし鳳藤、樫端、行くぞ。竹泉、多気投、ここを頼む」

「くれぐれも面倒は起こすなよ?」

 

 鷹幅が高機動車に残る二人に向けて言い、それに続いて鳳藤が釘を刺す。

 

「へーへー、了解。そっちはゆーっくりと観光してきたらどうですぅ?」

「お土産、楽しみにしてるぜ。うへへ」

 

 竹泉の皮肉気な言葉と、多気投のお気楽な言葉を聞きながら、鷹幅等三人はアドニスの後に続いて、城門を潜り町内へと足を踏み入れた。

 

 

 

 城門を潜った鷹幅達は、喧騒に出迎えられた。

 町は城門を潜ってすぐが商業区画になっているらしく、商店らしき建物が立ち並び、そこを通る道を人々が行きかっている。そして鷹幅達はアドニスの先導の元、周囲を見渡しながらその中を歩み進む。

 

「賑わってますね。今までが今まででしたから、少しホッとしましたよ」

「これなら、物資の調達も期待できそうだな」

 

 町の様子を眺めながら鳳藤が発し、鷹幅も期待の言葉を零す。

 

「アドニスさん。最初にお伝えした通り、私達は物資の調達が目的でこの町を訪れさせていただきました。まずは資金を作るため、貴重品を換金できる場所へ行きたいのですが」

 

 そして鷹幅は先を行くアドニスに尋ねる。しかし、アドニスからは思いもよらぬ言葉が返って来た。

 

「あ、ご心配なく。物資に関しましては、必要な物をお教えいただければ、我々のほうでご用意いたします」

「はい?」

 

 アドニスのその言葉に、鷹幅は怪訝な表情となる。そして後ろの鳳藤と樫端も、驚き呆けたような表情をその顔に浮かべていた。

 

「あぁ、もちろん資金も我々の方で負担させていただきますので、ご安心を」

 

 そんな鷹幅等をよそに、アドニスはさらに言葉を付け加える。

 

「ま、待ってください。それは――願っても無い事ですが、なぜそこまで……?」

「一つは、昇林の町を救っていただいた謝礼とお考え下さい。そしてもう一つ――」

 

 そこでアドニスは少し申し訳なさそうな顔を作り、次の言葉を発する。

 

「交換条件のようで申し訳ないのですが、よろしければ皆さんに、会っていただきたい方がいるんです」

 

 

 

 商業区画を抜け、そしてそれに隣接する住宅地を抜けた鷹幅達は、町の中心部へと辿り着いた。

 中心部には役所らしき建物を始め、町の公的機関と思しき建造物が立ち並び、鷹幅達はその中の一つへと案内される。その建物の入り口には武装した番兵が立ち、さらに周辺にも武装した兵士達が巡回する姿が見て取れた。

 

「ずいぶん物々しいな……」

 

 その光景を目にした鳳藤が呟く。

 鷹幅達はアドニスに案内されて建物の玄関口を潜り、中へと入る。

 

「うわ」

 

 中へと立ち入り、そこで目についた光景に、樫端が思わず声を上げる。

 玄関を潜った先は、大きなホールとなっており、そこには複数の侍女が並び待機していたのだ。

 

「二曹、士長、見てください。メイドですよ」

「よさないか、みっともない」

 

 立ち並ぶ侍女達を物珍しげに見ながら声を上げる樫端に、鳳藤は顔を顰めて咎める言葉を発する。そんな彼等へ、アドニスが振り返り言葉を発した。

 

「ええと、皆さん。申し訳ないのですが、この建物内では武器をお預かりさせていただきたく思います」

「武器をですか……?」

 

 アドニスの言葉と共に、侍女の一人がカートを押して鷹幅達の前に現れる。しかし鷹幅はアドニスのその言葉に、さすがに躊躇する様子を見せた。

 

「躊躇されるのもかと当然かと思います。しかし、この建物の警備上、どうしても必要なことなのです。その代わり、皆様の身は我々がお守りいたします。どうかご協力いただけませんか?」

「……分かりました」

 

アドニスの頼み込むような言葉に、鷹幅は少し考えたがその後に折れた。

 

「ただ、武器は使用できないよう、弾倉――弓の鏃に値する物を抜かせていただきます。それでも構いませんか?」

 

 鷹幅は自身の9mmけん銃から弾倉を抜き、説明をしながらアドニスに尋ねる。

 

「そんな事が――いえ、できるのであれば、ことらとしてもお願いいたします」

 

 アドニスは少し驚きながらも、鷹幅の提案を受け入れた。

 

「よし、鳳藤、樫端。弾倉を抜いて、武器をお預けしろ」

 

 そして鷹幅は、鳳藤と樫端に装備をあずけるよう促す。

 

「大丈夫なんですか?」

「彼等を信用しよう」

 

 樫端の懐疑的な声に鷹幅はそう返し、侍女が持ってきたカートに、弾倉を抜いた9mmけん銃を置いて預ける。鳳藤と樫端は顔を見合わせたが、仕方なく鷹幅に続いてそれぞれの装備を預けた。

 

「ご協力ありがとうございます。――では君、皆さんをお連れした事を、〝姫様〟にお伝えして欲しい」

「かしこまりました」

 

アドニスは鷹幅達に礼を言うと、近くにいたまた別の侍女にそう伝える。

 

(姫?)

 

 聞こえて来たアドニスと侍女の言葉に、鷹幅は脳裏に疑問を浮かべる。

 

「その必要はありませんわ」

 

 別の声が響いたのは、その時だった。

 鷹幅達、そしてアドニスや侍女が一斉に声のした方向を向く。声は、ホールの奥側中央に作られた大きな階段の上から聞こえて来た。そして、そこに現れた人の姿を見た瞬間、アドニスと侍女達は一斉に姿勢を正した。

 そして鷹幅達も、視線の先に現れた人物に、驚きの色を浮かべた。

 鷹幅達の視線の先に居たのは、二人の侍女を引き連れた一人の女性だ。

 外観から推測するに、歳はおそらく17歳前後。派手過ぎず、しかし地味過ぎないドレスを身に纏い、頭にはティアラを冠している。

 その顔立ちは整い、そして肌色は白く、美少女と言っても過言ではない。

 そして何より目を引くのは、肌色と反した主張を放つ、真紅の長い髪。そして同じく真紅の瞳。

 元居た世界では見たことのないタイプの美人を前に、鷹幅達は、改めて自分達が御伽話の世界に放り込まれたのだという事を実感した。

 その御伽話の世界の美少女は、二人の侍女を引き連れて階段を降りてくると、姿勢を正して立っている侍女達の間を通って、鷹幅達の前まで歩み寄って来た。

 

「守衛長さん。皆様のご案内、ご苦労様ですわ」

「は!ありがとうございます、姫様」

 

 真紅の髪の美少女は、侍女達と同様に姿勢を正していたアドニスを目に留め、労いの言葉を掛ける。それに対してアドニスは、緊張した面持ちで返事を返した。

 そしてアドニスに姫と呼ばれた美少女は、鷹幅達へと向き直る。

 

「皆様、お初にお目にかかります。私は、この五森の公国を収める王、ルイムレイマンの娘、レオティフルと申しますわ」

 

 レオティフルと名乗った美少女は、己の身分を名乗ると共に上品な仕草でお辞儀をして見せた。

 

「はじめまして、私は日本国陸隊の鷹幅と申します。そして部下の鳳藤と樫端です」

 

 鷹幅は目の前に現れた美少女の正体に、内心で驚きながらも、姿勢を正して10°の敬礼を返す。そして鳳藤と樫端もそれに続いた。

 

「お会いできて光栄ですわ、皆様。皆様の――昇林の町を救った不思議な英雄の一団のお話は、お伺いしておりますわ」

「英雄などと――私達はあくまで自分達に出来る事をしたに過ぎません」

 

 レオティフルの言葉に、鷹幅は少し困惑した様子で返す。

 

「ご謙遜をなさらないで。さてと――そんな皆様と、いつまでも立ち話というのも失礼ですわね。セテナ、皆様をお部屋へご案内して」

 

 レオティフルは背後に控えていた侍女へ言うと、楽し気に身を翻して歩き出す。

 

「かしこまりました。では皆様、こちらへお願いいたします」

 

 そしてセテナと呼ばれた侍女、は静かな口調で鷹幅達に言うと、先導のために歩き出す。

 

「聞きました?姫様ですって」

 

 樫端は驚きの表情を浮かべ、鷹幅や鳳藤に小声で投げかける。

 

「あぁ。二人とも、くれぐれも失礼の無いようにな」

 

 鷹幅は二人に釘を刺し、そして三人は先導する侍女の後に続いた。


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