―異質― 日本国の有事防衛組織、その異世界を巡る叙事詩《邂逅の編》   作:えぴっくにごつ

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2-14:「夜のそれぞれ」

「――以上が、道中で起った事の大まかな所です」

 

 フレーベル邸前へと戻って来た指揮通信車の内部で、河義は無線通信により野営地との交信を行っている。無線の向こうの相手は井神であり、今しがたここまでの行程中に起こった出来事を、説明し終えた所であった。

 

《ふむ、成程。聞く限りは信じがたい事ばかりだな》

「そいつぁ、俺等もです。だが今、河義三曹がいったトンデモ出来事は、全部まぎれもねぇ事実です」

 

 井神の寄越したその言葉に、河義の背後に立っていた制刻が割り込み、無線に向けて声を発する。

 

《あぁ、何も君達を疑っている訳ではない。この世界では、我々の想定を超えた事態が、平気で起るのだろう。その中で、無事目的地に辿り着けた事は、よくやってくれたと思っている》

「ありがとうございます。――所で、鷹幅二曹達の方からは、何か報告がありましたか?」

 

 井神の評する言葉に礼を返した河義は、続いて北西方面偵察隊の同行について尋ねる。

 

《あぁ、向こうからも先程報告があった。なんでも、物資の確保には成功したが、一緒に案件を持ち帰って来るそうだ》

「案件、ですか?」

《詳しい事は直接、帰還したら話そう。そちらは、今は無事に帰って来る事に専念してくれ》

「分かりました。では、これにて報告を終わります」

 

 通信を終え、河義は後部ハッチを潜って指揮通信車を降りる。

 

「剱達は、厄介ごとを見つけて来たよぉですね」

「みたいだな」

 

 制刻と河義は言葉を交わしながら、視線を横へと移す。

 視線の先では、矢万や鬼奈落が、指揮通信車への燃料補給作業を行っている姿があった。今は鬼奈落がジェリカンを持ち上げて傾け、指揮車のタンクに燃料を注いでいる。

 

「矢万三曹、燃料はどうだった?」

「あぁ、河義さん。メーターを見たら、半分以上減っていました。それなりに長い行程でしたし、山越えまでしましたからね……」

 

 尋ねて来た河義に、矢万が答える。

 

「燃料にはいくらか備蓄はあると聞いていますが、今回のような行程が今後も続くと考えると、あまり楽観視はできませんね」

 

 そして燃料を全て注ぎ終えた鬼奈落が、ジェリカンを地面に置きながらそんな言葉を発する。

 

「燃料か――こっちの世界で、調達できりゃぁいいんだがな」

 

 発した制刻、河義等の視線が集中する。

 

「流石に、そんな都合よくはいかないんじゃないか?食い物とは違うんだ」

「失礼ですが、この世界の文明レベルを見るに、難しいでしょうね」

 

 そして制刻に向けて、矢万と鬼奈落が発する。

 

「いや、この世界の環境は地球に類似してる。完成されたガソリンや軽油類は無くとも、原料となる原油はきっとあるはずだ。それと加工する手段を見つけられりゃ、望みはある」

「簡単に言うがな……」

 

 制刻の説明に、しかし矢万は難しい顔で返す。言葉にするのは簡単だが、実際にそれを実現するにあたっては、多くの問題がある事は明白だった。

 

「だが、今の状況がいつまで続くとも分からない……錡壽の言う通り、近いうちに何か対策を取らなければならないだろう」

 

 難しい顔を作る矢万や鬼奈落を前に、しかし河義は制刻の意見を推す言葉を発する。

 隊が燃料に関する問題を抱えている事は、皆分かっていた事ではあった。しかし、いざ実際にそれを解決する策を考えてみれば、そのハードルは高く、各員の顔は渋い物となった。

 

「あの、みなさ――」

 

 そんな所へ、フレーベル邸の玄関からニニマが姿を現す。各員へ声を掛けようとしたニニマは、しかし各員が険しい顔をしている事に気付き、その言葉を詰まらせた。

 

「ど、どうしたんですか?皆さん怖い顔になってますけど……」

 

 そしてニニマはおっかなびっくりと言った様子で発する。

 

「だってよ、制刻」

 

 そんなニニマの言葉に、矢万は特に歪な顔立ちをしている制刻に向けて、茶化す言葉を発する。しかし制刻はそれを特段相手にせずに、ニニマに向けて口を開いた。

 

「どうした、姉ちゃん?」

「あ、あの――夕食の用意ができたので、皆さんを呼びに来たんですけど……」

 

 遠慮がちに言ったニニマに、河義が少し驚いた声を上げる。

 

「私達の分まで、用意していただいたんですか?」

「も、もちろんです。皆さんはお客さんですし、なにより恩人ですから。私にはこれくらいしかできないのが、申し訳ないんですけど……」

 

 申し訳なさそうに言うニニマだが、大して矢万達は険しかったその顔を、明るい物へと変える。

 

「とんでもないぜ。河義さん、ここは呼ばれるとしましょう。せっかく用意してもらった物を、無碍にするのは失礼でしょう?」

「今日も糧食かと思っていましたから、ありがたいですね」

 

 そして矢万と鬼奈落はそれぞれ発する。

 

「――そうだな。ではニニマさん、本日はそちらのご厚意に甘えさせていただきたく思います」

「は、はい。えっと、こちらこそ……?」

 

 河義の発した改まった言葉に、ニニマはぎこちない返事を返す。

 そして矢万や鬼奈落、ニニマ達は、フレーベル邸へと歩み入って行く。

 それに河義も続こうとしたが、そこで制刻が河義に声を掛けた。

 

「河義三曹。帰還したら、燃料の件の相談、忘れねぇよう願います」

「あぁ――承知しているさ」

 

 

 

 ニニマの好意により振る舞われた夕食を終え、その片づけなどを終えた各員は、各々に割り振られたスケジュールの元に動き出した。

 寝床こそフレーベル邸の一室という安全な場所が提供されたが、偵察隊は指揮通信車や各装備を安全のため夜を通して見張る必要があった。その夜哨の任にこれらか当たる者は、指揮通信車へと向かい、それ以外の隊員は体と装備を整え、そして休眠に入った。

 それから2時間ほどの時間が経過した所で、最初の立哨の役割を終えた新好地と河義が、次の組と交代して、フレーベル邸のリビングへと戻って来る。

 

「やれやれ、終わったぜ――お?」

「やぁ、お疲れ様」

 

 そんな河義と新好地に、労いの言葉が掛けられる、二人が視線向ければ、リビングのテーブルに付くハシアとアインプ、さらにニニマの姿がそこにあった。

 

「兄ちゃん達、それに嬢ちゃんも、まだ起きてたのか?」

 

 そんなハシア達に新好地は尋ねる。時刻は、少なくとも隊員等の所有する時計で確認するか限りは、間もなく日付を跨ごうとしていた。

 

「うん、武器の手入れをしておかなくちゃならなくてね」

 

 言いながら視線を手元に落とすハシア。ハシアやアインプの手には、それぞれが愛用する大剣や大斧があった。

 

「これが結構手間なんだー。でも、テキトーにするわけにはいかないんだよね」

「手入れの手間を怠れば、それが次の戦いで命取りになるかもしれない」

 

 言いながらも、二人は武器の手入れを念入りに行っている。

 

「成程。そういった点は、私達もハシアさん達も同じですね」

 

 ハシアのその言葉を聞いた河義は、自身が肩から下げる小銃を一瞥しながら呟いた。

 

「で、嬢ちゃんは?」

「私はお姉ちゃんを見てないといけなくて……」

 

 ニニマ曰く、姉のフレーベルは一度火が付くと、何日も睡眠も食事も取らずに作業に没頭する事がザラにあるとのことであった。それを防ぐには誰かが割って入り、無理にでも休みを取らせる必要があり、ニニマはそのためにこの時間まで起きているそうだ。

 

「何か悪い事をしてしまいましたね……私達が例の薬を持ち込んだせいで、お二人に負担をかけてしまっている」

「あ、いえ、気にしないでください。こういうのは今回に関わらず、いつもの事なので」

 

 謝罪の言葉を述べた河義に対して、ニニマは首を振ってそう発する。

 

「それに、あれはそもそもイロニスお姉ちゃんが生み出した物ですから……」

 

 そしてニニマは声のトーンを落として、そう呟いた。

 

「しかし、お二人とも無理はなさらないでくださいね」

「なんかあれば、遠慮なく俺等を呼んでくれ」

 

 そんなニニマに河義と新好地はそれぞれ言い、ニニマは「ありがとうございます」と静かに声を返すと、姉の夜食の準備があると言い、台所へと立った。

 

「――よし、終わったぁ」

 

 少し暗くなりかけた空気を、次の瞬間そんな一言が破る。声の主はアインプだった。どうやら自身の大斧の手入れを丁度終えたようであった。

 

「こっちもだ」

 

 続けてハシアも発し、手にしていたその大剣を鞘に納める。

 

「くぁ……ほんじゃ、悪いけど先に寝かせてもらおかな……?」

「アインプ、その前にインナーだけでも変えておいた方がいいよ。ここ数日で大分動き回ったし、替え時だろう」

 

 小さな欠伸をしながら言ったアインプに、しかしハシアはそう促す。

 

「あ。そういや、俺も着替えたいと思ってたんだ」

 

 そして二人の会話を聞いて、新好地も思い出したように発する。

 

「ああ、いいや。ここで脱いじまえ」

 

 そして新好地はその場で上衣を脱ぐ。そして彼の、男としては若干華奢ながらも、バランスよく鍛え上げられた、インナーに包まれた上半身が露わになった。

 

「おい新好地。アインプさんもいるんだぞ……」

「あー、大丈夫。あたし気にしないよー」

 

 河義が咎める声を上げるが、しかしアインプは平然とした様子で発する。

 

「旅の最中では、そういった事を気にしていられない場面も多いからね」

 

 言いながらハシアも新好地同様に上衣を脱ぎ出していた。そして彼のインナーを纏った上半身が露わになる。そのインナー越しに浮かぶハシアの体躯は、一見新好地のそれ以上に華奢に見えたが、しかし鍛えるべき部分は鍛えられており、絶妙なバランスを保っていた。

 

「あの、皆さ――え?」

 

 その時、台所側から声がする。見れば、台所に立っていたニニマが戻って来ていた。

 

「ら、ラクトさん、勇者様……!?」

 

そんな彼女は、リビングでの光景に顔を目の当たりにして、その顔を赤く染る。

 

「あ、すまん嬢ちゃん」

「ご、ごめんニニマさん。迂闊だった、見苦しい物をみせたね……!」

 

 そんなニニマの心情を推察し、新好地とニニマは慌てて謝罪の言葉を述べる。しかし、当にニニマが次に見せた反応は、何か新好地達の想像とは違った物だった。

 

「だ、ダメですよお二人とも!か、カワギさんも、男の人もいるのにその前で着替えなんて――」

「……ん?嬢ちゃん何言ってんだ?」

 

 ニニマの予測に反した不可解な反応に、新好地は疑問の声を浮かべる。

 

「何って――え、あれ……?」

 

 それに対して発しかけたニニマは、しかしそこで何かに気付いたように表情を変える。そして次の瞬間、彼女は驚くべき一言を発した。

 

「ら……ラクトさんと勇者様って、男の人だったんですか!?」

「……は?」

「え?」

 

 ニニマの一言に、新好地とハシアは何を言われたのか分からないという、呆けた顔を作る。そして少しの間、リビングに沈黙が訪れる。

 

「――ぶっ、あははははッ!」

 

 その沈黙の破ったのは、アインプの笑い声だった。

 

「え、まさか俺達の事……」

「は、はい……ラクトさんも勇者様も、ずっと女の人なんだと思ってました……」

 

 そして新好地の言葉に、ニニマは未だ驚き冷め止まぬといった様子で発した。

 

「俺、ずっと自分の事〝俺〟って言ってたよな……?」

「ぼ、僕も……」

「そ、そういう女の人なのかな、って……。その、二人とも綺麗なお顔なので……」

 

 言葉の最後に苦し紛れのフォローを入れるニニマ。確かに二人はどちらも、女と見紛わんばかりの整った顔立ちをしている。しかし、一応の誉め言葉ではあるものの、言われた当人達は大変複雑な気分であった。

 

「あは、あははは!――やっぱりハシアって女の子にしか見えないよね、ニニマちゃん?あたしも初めて会った時は正直、世間知らずのお嬢様が、ガティシアやイクラディ達美青年を侍らせて旅をしてるんだと思ったもん」

 

 アインプは腹を抱えて笑いを堪えながら、彼女が初めてハシアと出会った時の事を話して見せる。

 

「アインプ――」

 

 そんなアインプを、ハシアはすごみを利かせて睨みつける。

 

「ゴ、ゴメンゴメン――くくく……!」

 

 しかしアインプは謝りながらも、ハシアの肩に顔を埋めて未だに笑いを堪えていた。

 

「そ、その――ごめんなさい……」

「まぁ、あまり気にするな新好地……」

 

 一方でニニマは戸惑いながら二人に謝罪し、河義は新好地にそんな言葉を掛ける。

 

「いや、まぁ……俺は別にいいんですけどね?」

 

 そんな河義とニニマに、新好地は気にしてはいない旨の言葉を発する。しかしその後に彼は、「そんなに女顔か……?」と呟きながら、自身の顔に手を当てた。

 

 

 

 新好地達に関わる一問答が終わり、それから4時間ほどの時間が経過。

 偵察隊が借り受けたフレーベル邸の一室で、控えめなアラーム音が鳴り渡る。

 

「時間か」

 

 そのアラームに目を覚まされ、横になっていた制刻がその体を起こした。

 制刻は音の発生源である携帯端末を手に取り、端末を操作してアラームを止める。そして敷布団代わりにしていた寝袋から立ち上がり、部屋を出る。

 

「ふぎ~……自由さん、お早うございます……?」

 

 そこで丁度隣室から出て来た出蔵と鉢合わせる。彼女は眠気が覚めないのか、緩慢な口調で制刻に、時間帯的に正しいのか怪しい挨拶を発する。二人はこれから前の組と交代し、指揮通信車と装備の立哨に付く事となっていた。

 

「大丈夫か、お前ぇ」

「夜中に起きるのはキツイです~……」

 

 会話を交わしながら二人はリビングに出る。

 

「おろ?どしたの」

 

 二人がリビングに出た所で、声が掛けられる。リビングには、この家の主であるフレーベルがいた。彼女は椅子に座り、カップに注がれた夜食であるスープを口にしている。

 

「立哨の交代の時間だ。あんたは、今までずっと作業をしてたのか?」

「うん。本当はもう少し進めたい所だったんだけど――ニニマちゃんに今日はもう止めろって、怒られちゃってさ」

 

 フレーベルは困り笑いを浮かべながら言う。

 

「それがいいですよ。夜は本来、しっかり寝るべき時間です――」

 

 そんなフレーベルに出蔵は欠伸を噛み殺しながら発する。

 

「あはは、そうだね。ただ、今回は事が事だし……」

 

 フレーベルは言いながら、カップの中身に視線を落とす。どうやら今解析している薬の元凶たる、姉の事を思い浮かべたらしい。

 

「――まぁ、思う所はあるだろう。だが、あんたがぶっ倒れちゃぁ、それこそそっから足踏み状態になる」

「ふぁ~……自分の体も大事にして下さいね?」

 

 そんなフレーベルに、制刻と出蔵はそれぞれ言葉を掛ける。

 

「ん――だね。ありがと」

 

 その言葉にフレーベルは礼を返した。

 

「おっと、灯りが……」

 

 その直後、フレーベルはテーブルの上に置かれたランプの灯が、弱まりかけている事に気付いた。彼女は立ち上がって近くの棚へと向かう。

「あちゃー、植物油切らしちゃってる。じゃあ、こっちを使うか」

 棚の前で呟いた彼女は、そこから何かを取ると、テーブルへと戻って来る。彼女の手に持たれていたのは、何か黒い液体の入った瓶だった。

 

「――ん?」

 

 それに気づいた制刻は、訝しむ声を上げる。

 フレーベルはランプの火屋と瓶の栓をそれぞれ開けると、瓶の中身の黒い液体を、小さく火の灯るランプの油皿へと移す。するとその直後、消えかかっていた火は、再びその勢いを取り戻した。

 

「よしっと」

 

 フレーベルは一連の作業を終えると、ランプを元に戻して、瓶を片づけようとする。

 

「ちょい待った」

 

 しかし、制刻がその行動を差し止めた。

 

「え?何?」

「姉ちゃん。悪いが、ちょっとその黒い液体を見せてくれるか?」

「え?〝地下油〟を?」

 

 フレーベルは不思議そうに発しながらも、地下油という名らしきその液体が入った瓶を、制刻に差し出す。制刻は瓶を受け取ると、まず瓶口付近を手で扇いで臭いを確かめる。次に瓶を傾ける、軽く揺らす等して、液体の状態を確かめた。

 

「黒くて粘り気がある。それに微かな硫黄の臭い――こいつぁ原油だぞ」

「え!?」

 

 そして制刻の言葉に、横で寝ぼけ眼に様子を眺めていた出蔵も、そこで初めて目を見開いた。

 

「姉ちゃん、こいつをどこで手に入れたんだ?」

「んん?その地下油なら、知り合いの商店でもらったものだよ。今みたいに、普段ランプで使ってる植物油を切らしちゃってて、そういう時に代わりにその地下油を使ったりしてるの」

 

 フレーベルはそんな説明をしてみせる。

 

「その商店――いや、この地下油ってのは、どこで採掘されてるんだ?」

「さ、採掘?」

 

 制刻のさらなる質問に、さすがにそんな事を聞かれるとは思っても見なかったのか、フレーベルは少し戸惑う声を上げる。

 

「うーん、流石にそこまでは分かんないけど……その知り合いの商店の人は、〝荒道の町〟で商品の取引をしてるって聞いたから、その辺りじゃないかな?」

「荒道の町?」

 

 フレーベルの説明中に出て来た新たな町の名に、出蔵が首を傾げて疑問の声を上げる。

 

「この辺――〝月流州〟の東側、隣国の〝紅の国〟との国境付近にある町だよ」

「月流州……紅の国……」

 

 フレーベルはさらに説明して見せるが、当然のことながら出蔵等はこの近辺の地理に明るくは無い。出蔵はさらに登場した地名の数々に、余計に首の傾きを増す事となった。

 

「地理に関しちゃ、後ほど調べるとしよう。とりあえずは、明日朝一で河義三曹に相談だ。それと、その商店に詳細の確認に行ったほうがいいな」

「……そうですね」

 

 制刻の発案に、出蔵は寝起きでうまく働かない頭で物を考えることをやめて、同意の言葉を発した。

 

「姉ちゃん、明日んなったらでいい。その店を紹介してもらえるか?」

「ん、いいよ」

「ありがとよ。悪かったな、休憩中に色々と尋ねちまって」

 

 フレーベルに礼を言うと、制刻と出蔵は今からの役割である、立哨のためにリビングを後にした。


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