ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ   作:れいが

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 「タナトス様、ロキ・ファミリアは現在39階層に居るようです。

  こちらの存在には一切気付いてはいません」

 「もうそんな所まで潜ってるのかぁー...

  とりあえず、アイツらが居る間は誰も出ないように言っておいて」

 「はっ。かしこまりました」

 

 「タナトス」

 「おーっと?これはこれはエニュオ~...何か用?」

 「ロキ・ファミリアをここで潰す。

  ネフテュスは後回しだ。先に目先の邪魔なモノを排除する」

 「んー...どうやって?まさかアレ使うの?」

 「無論。ヴィルガとヴィオラス...デミ・スピリットも使ってな」

 「マジ?あー、うーん...じゃ、乗るしかないね。

  準備はこっちでやっとくから」

 「...頼んだぞ」

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 「...」

 

 目を開くと、見知った天井であると気付く。

 長い長い夢を見ていたのだと実感し、深く息を吸ってゆっくりを肺の

 空気を吐き出した。

 

 どれくらい眠ってたんだろう...?

 左腕のガントレットを開いて時計を見ると、丸一日眠っていた事が

 わかった。

 

 僕は両手を見て、拳をつくり握り締めてみる。

 しっかりと指先から手首、肘から肩まで力は入る。

 上半身を起こしてベッドの縁に座り、足も前後左右に動かしてみて

 体のどこかに異常は無いと確認した。

 

 ふと、デスクの上に置かれている物が目に入った。

 ベッドから立ち上がり、近付いて見てみる。

 

 ...僕のヘルメットだ。

 誰かが外してからここに置いてくれたのか。

 クイーンに踏み付けられた事によって外装が破損し、ゴーグル部分に

 亀裂が入っている。

 予備はあるが...折角、刻印を刻んだのだから修理をして、まだまだ

 使っていこう。

 

 亀裂をなぞってそうしようと思いながら、破損したヘルメットを

 一度デスクに置く。

 

 クローゼットの前に移動すると装着しているガントレットやバーナーと

 アーマーを全て外し、フックに掛けていく。

 ...よく見れば、胸部のアーマーも破損している。

 あれだけ踏まれたのだから、無傷で済む訳もないか...

 

 ジャラララ...

 

 それから、着ているネットメイルも脱ぎ捨てた。

 これもボロボロになっているので新しい物に替えよう。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 ピッ ピッ キュリリリリ...

 ジャキンッ

 

 左腕にガントレット、右腕にリスト・ブレイドを装着する。

 どちらも破損はしていないが、ビッグママに点検してもらおう。

 次に胸部のアーマーを除いて肩の装甲を装着し、ブーツを履いた。

 

 ガチャンッ

 キュインッ キュインッ...

 

 最後にヘルメットを被り、起動させてみるがやはり視界に亀裂が

 入っていて視界不良となっている。

 仕方ないが、今日だけはこれで過ごすしかないな...

 

 胸部のアーマーを持ち、自室から出る。

 

 通路を歩いている際に通り掛かったアン・ブラッドのヤウージャ達が

 僕を見て立ち止まり、肩に手を置いた。

 本来は挨拶を交わす時に使うボディランゲージだが、彼らの場合は

 敬意を込めての辞儀だ。

 

 僕は同じ様に肩に手を置いて、彼らの前を通り過ぎていく。

 

 鍛冶場に着いてすぐにビッグママが出てきた。

 僕はアーマーの修理とガントレットとリスト・ブレイドの点検を頼んで

 ヘルメットの方は、また後日という事にしてもらった。

 ビッグママは3つを受け取り、すぐに作業へ取り掛かる。

 

 完了するその間に、我が主神の元へ向かうと伝えて僕は鍛冶場を

 後にした。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 「おはよう、ベル。2日ぶりね」

 『申し訳ございません』

 「いいのよ、疲れていたのだから。

  ...さて、色々と話さなければならないわね」

 

 そうして我が主神からこれからの事について聞かされた。

 まず1つ目は母星へ戻り、族長評議会に出席する。

 他の長の方々に認めてもらわなければならないからだ。

 

 2つ目は長になるに当たって僕が持つクランの命名。

 当然ながら僕自身が決めなければならない。 

 

 3つ目はクランメンバーの構成。

 まだ1人も居ないので、無所属の者を探す必要がある。

 

 4つ目は僕が長になる事に関してではなく、僕らの存在を

 オラリオに居る神々に知らしめるという事だった。

 

 『到頭、明かしてしまうのですか。

  ...面倒な神々に目を付けられない事を望みましょう』

 「そうね...まぁ、その時はその時で...ね?」

 

 僕は我が主神が何を伝えているのか、すぐに理解する。

 潰せ、と慈悲も已む無しに徹底しろと言っているんだ。

 すると、我が主神は玉座から立ち上がり、微笑みながら何かしらの

 準備を始める。

 

 「話はこれくらいにして、アストレアの所へ行きましょうか。

  皆に貴方のすごさを早く見せてあげたいから」 

 

 と、失礼だとは思うがまるで幼女の様に胸を躍らせていらした。

 そより、いきなりそう言われてしまっては、僕自身も準備をしないと。

 僕は立ち上がって、オープンスペースから立ち去るとビッグママの元へ

 急ぐ。

 点検と修理も終わっているはずだ。

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