ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ 作:れいが
「最後に...私の眷族はダンジョンで獲物を求めて潜っているけど姿は見えない事は覚えておいてね?
狩りの邪魔をされたくないから」
「それと狩りがエグイとか言うのもアカンで。
ベートもあのアメンギ言う気色悪い虫みたくなるとこやったんやから。ホンマに」
その注意事項を言い終えると、丁度午後3時を回ってデナトゥスは
終了となった。
最初こそは緊張感が漂ってまともな会話もままならないと思っていた
神々だったが漸く終わった事に重いため息を吐いた。
特にロキは机の上に突っ伏し、魂が抜けかけている状態となっていた。
やがてネフテュスにお疲れ様でしたと挨拶を交わしてから席を立つ神を
先頭に他の神々も同じ様にして出て行った。
恐れを抱くネフテュスではあるが、それ以上に神望が厚いのを窺える。
「それじゃあ、ネフテュス先輩。失礼させてもらうわね」
「ええ、気をつけて帰るのよ。フレイヤ」
「ふふ...ありがとうございます」
嬉しそうな笑みを浮かべて立ち去って行くフレイヤ。
ロキは妙に大人しかったのが気になったようだが、ふと同じく
一言も喋っていなかったアポロンを見やる。
しかし、指定の席にその姿はない。
「へ?...あ、ファイたん?アポロンの奴は?」
「ついさっきまで座ってたけど、何か動かなくなってたから強引に引き摺られていったわよ」
「あぁ...せやか。ほなええわ、おおきに」
「ええ。じゃあね」
ヘファイストスもネフテュスにキチンと挨拶を交わして
去って行った。
ずっと座ったままだったからか立ち上がると腰を伸ばして、
スッキリした面持ちになるとヘスティアはネフテュスに近寄る。
「ネフテュス様、いつもジャガ丸くんを買ってくれてありがとう!
またいつでも買いに来てほしいよ」
「ふふ...そうさせてもらうわ。
...ヘスティア、少し時間あるかしら?」
「え?あ、うん。この後は特に用事もないから...」
「そう。ロキ、貴女もいいかしら?」
「ウチもですか?...は、はい。ええですけど...」
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そうして3柱が残り、少し椅子を引いてネフテュスはヘスティアと
ロキの前になるように座った。
これから何を話し始めるのか、ロキは酷く胸の内が締め付けられる様な
感覚となった。
「(ずっと気になっとったんや。何でドチビが呼ばれたんか...
まさか、コイツがイヴィルスに関わってるっちゅう事...)」
「ネ、ネフテュス先輩?ボク、何かしちゃったのかな?
はっ!?ま、まさか前に買ってくれたジャガ丸くんの中身が半生だったとか!?」
「(んな訳あらへんか...というか、何気にネフテュス先輩と会ってたんかいな)」
内心でツッコみ頭を抱えるロキに目もくれず、ヘスティアはオロオロと
慌てていた。
そんなヘスティアにネフテュスは微笑み掛けて首を横に振り、
否定すると話し始めた。
「ロキには既に話してあるけど...
ヘスティア、貴女にもあの子の事を教えてあげたかったの。
彼女の...メーテリアの最愛の息子について」
「え...?」
「驚くのも無理はないわよね。貴女には無関係かもしれないけど...
全くそうではないとも言えるの」
突然の事で呆然とする2柱を前にネフテュスは語り始めた。
「ベル・クラネル...それがあの子の名前よ。
あの子はこの世界では私の眷族だけど、別の世界のほとんどは貴女の眷族となっているの」
「べ、別の世界?」
「そう。パラレルバースという異なる世界がいくつもあるわ。
さっきも言った通り、ベルが貴女の眷族であったりロキの眷族である場合もある。
でも、無限に広がるパラレルバースに存在するベルが主神としているのは70%は貴女なのよ」
「そ、そんなに!?」
「残り30パーはウチとか別の神っちゅう事ですか?」
「そうね、貴女の次に多いのはアストレアの場合もあるわ。
貴女の眷族にならない世界は大抵、ホームに居る門番に門前払いをされる事が多いわね」
ロキは思わず息を呑んだ。
それはつまり、万が一にその世界に自分が居たとしたら、知らない所で
ファミリアが危機に陥ってしまうという事である。
しかし、それを察したのかネフテュスは苦笑しながら口を開く。
「大丈夫よ、ロキ。
私の眷族のベルだったら終わっていたかもしれないけど...
その門前払いされるベルはとっても純粋で泣き虫で力が足りない子だから」
「...そ、そないですか...」
テーブルに背を預けてロキは不安を拭うように天を仰いだ。
すると、口を閉ざしていたヘスティアが問いかけてくる。
「その、クラネル君は...別の世界のボクと仲良くしてるの?」
「ええ、それはもう...場合によっては婚約している世界もあるくらいにね」
「はぁ!?う、嘘やろ...!?」
「こ、こここ、ここ、婚約ぅ!?い、いや、そんな、ボ、ボボ、ボクが、そんな...」
目を見開いたまま絶句するロキと顔を真っ赤にして慌てふためく
ヘスティアを見て微笑みを浮かべるネフテュス。
しかし、すぐに真剣な表情に戻って続きを話し始めるとヘスティアも
我に返って姿勢を正す。
「70%が貴女の眷族になっているという事は...
私の眷族のベルは非常に異例と言える。
つまり...物語の主人公を奪ったと言っても過言ではないの。
寂しい思いをさせる酷い女神だと思ってくれても...それが正しいわ」
「そ、そんな事思ってなんかないよ!
その...えっと、別の世界でそう思われてしまったら、どうしようもないけど...
この世界の物語ではネフテュス先輩がクラネル君の主神って解釈にすれば、何も問題はないと思うよ?」
「せやな、ドチビの言う通りやと思います。
そもそもベルがネフテュス先輩を主神と決めたなら、別の世界の事は余所は余所、こっちはこっちっちゅう事でええんやないです?」
ロキの言葉を聞いて、そう考えた事がなかったのか俯くネフテュスに
ヘスティアは笑顔のまま、顔を覗き込んで励ました。
「ボクには今、リリ君が居る。
寂しくなんてないし、とっても楽しく過してるから...
ネフテュス先輩はクラネル君とこれからも仲良くしてほしいな」
「...そう...ありがとう、ヘスティア。ロキも...」
「ええんですって。先輩にはもう感謝してもしきれんくらいの恩があるんですから」
「ふふ...そうね。ちなみにロキが私に助けてもらう世界は、この世界だけなのよ?」
「ホンッッッッマに感謝しておりますはい!」
深々と頭を下げるロキにやれやれと言った様に肩を竦めるヘスティア。
ネフテュスはいいのよ、と微笑みながら許すのだった。
今まで見た小説でのベル君が所属するファミリア(ヘスティア以外)の勝手な比率。
1.ロキ(いっぱい)
2.アストレア(いっぱい)
3.ミアハ(結構ある。でもほとんど無くなった)
4.ゼウス(同上)
5.フレイヤ(他サイト3作品くらい)
6.ヘファイストス(1作品)
7.ガネーシャ(1作品)
8.アポロン(1作品)
9.その他(オリ神、所属してないect)