ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ   作:れいが

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遅くなりました。申し訳ございません。


>'<、⊦>'<、⊦ 乱闘

 20階層の天井を抜けると姿勢を崩す事で空気抵抗を発生させ、天井に差し掛かるまでに下の地表を見据えた。

 

 そこではイヴィルスの使者、ヴィルガ、ヴィオラス、そして、グガランチに対抗しているロキ・ファミリアのメンバーが見える。

 傷だらけのティオネ達は頭上を見上げ、何が起きているのか戸惑っているようだった。

 

 それに構わずティオナはグガランチに握り潰されそうになっているティオネを助けようと背鰭の武器を構えた。

 体を回転させて天井に足を付け、そのまま天井を蹴るとグガランチ目掛けて降下していく。

 

 攻撃を仕掛けようとしているのに気付いたレヴィスは、迎撃すべく食人花を呼び寄せた。

 

 ティオナを喰らおうとヴィオラスは蔓を伸ばし、大口開けて襲い掛かった。

 しかし、ティオナは体を勢いよく回転させながらヴィオラスを物ともせず一瞬して斬り裂いた。

 

 驚くレヴィスに隙を突いてアイズはデスペレートを振るう。

 

 しかし、その一撃は受け止められてしまう。

 だが、想定内だと言わんばかりにアイズの背後から眩く光る雷撃が放たれ、レヴィスの顔面に直撃した。

 

 「どっりゃぁぁぁぁああああああああああああああっ!!!

 

 ティオネを掴んでいるグガランチの手を斬り落とし、先に着地するとすぐさま跳び上がって、落下していたティオネを抱き抱える。

 着地して血塗れの顔を拭ってやり、ティオネの安否を気遣う。

 

 「ティオネ!しっかりして!」

 「...ティオ...ナ...?」

 「うんっ...遅れてごめんね?もう大丈夫だから」

 

 ティオネをゆっくりと寝かせ、立ち上がるとティオナは再び背鰭の武器を構える。

 ティオネは呆然とした様子でティオナの背を見つめた。

 

 その時、複数のヴィオラスが再び襲い掛かってきて迎撃しようと構えた時、横から聞こえてくる風切り音にティオナは不敵な笑みを浮かべた。

 

 次の瞬間にヴィオラスの首が宙を舞い、胴体の茎は地面に転がった。

 

 風切り音に反応していたアリシアは上空を飛び交う影を目を凝らして見上げた。

 その正体はレイだった。

 どうやらキングコングよりも先に飛行して、ティオナの元へ駆け付けて来てくれたのだろう。

 

 何故、セイレーンがヴィオラスからティオナを守ったのかアリシアが理解出来ないでいると、地面が再び揺れ始めて小さく悲鳴を上げた。

 背後を振り返ったラウルとクルスは体が硬直してしまっていた。

 地面に空いた穴から巨大な手が伸びてきて、その付近を徘徊していた

 ヴィルガは手が地面を掴む際に巻き込まれて、そのまま潰される。

 

 「おいおいおいおいっ!?」

 「に、逃げるっすよぉおおおお~~~!」

 

 のそりと巨大な体が穴から現われて、危険を感じ取ったラウルとクルスはその場から走り出し、次に周囲の仲間達に警告を促す。

 ロキ・ファミリアのメンバーはラウルの叫びを聞き、目を見開く。

 

 「何、なの、一体...?」

 「あたしを鍛えてくれたししょー達と友達が来てくれたんだよ」

 「ししょーって...まさか、モンスターじゃないでしょうね...」

 「そうだよ」

 即答されて頭を抱えそうになるティオネだが、やがてハッキリと見え始める正体に愕然とした。

 今までに見た事のない巨大なモンスター、異形の人影が2つ。

 キングコングと肩に乗っているナルヴィとフェルズだ。

 

 ティオナに何を聞き出せばいいのか、ティオネはわからず口を半開きにしたままとなった。

 それを気にせず、ティオナはそのままキングコング達の元へ向かおうとしている。

 

 「ま、待ちなさいよっ!ティオナ、アンタ...

  ホントに何があったの...?」

 「...ティオネ。終わったら、ちゃんと説明するよ。

  だから...待ってて」

 

 振り向いて微笑みながらもティオナの真剣な眼差しで見つめられ、ティオネは何も言えなくなる。

 唇を噛み締め、走り出したティオナの背中を見送るしかなかった。

 そして、ティオナとレイはキングコング達の元に集う。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 偶然なのか奇しくもティオナ達が居る位置と、対面する様にイヴィルスの使者、グガランチ、ヴィルガ、ヴィオラスが待ち構えている。

 グガランチは失った手の激痛に怒りを露わにしており、今にも突進して来そうな勢いだった。

 ティオナはどうするべきか、ナルヴィやフェルズに問いかけようとはせず、目を閉じて精神統一を始めた。

 全身から赤いオーラが溢れ出し、瞼が開かれたティオナの瞳は右目が青、左目が緑となっている。

 

 そして、冷静に状況を把握するとキングコング達に指示を出した。

 

 「レイ、マリィの血は持ってる?持ってたら、皆を回復させてあげて」

 「私は全癒魔法を使える。だからレイ、余らせるより使い切るんだ」

 「あと...アイズやベートは危ないから気をつけて」

 「は、はイ。...攻撃されそうになったとしてモ、やってみせまス!」

 「ししょーとナルヴィは...一緒に暴れちゃおっか」

 「いいよ。精霊の恐ろしさを...思い知らせなきゃね」

  

 フーッ!

 

 キングコングも鼻息を荒くして答えると、ティオナは背鰭の武器を掲げて高らかに宣言した。

 

 「よくもティオネや皆を傷付けてくれたねッ!

  あたしは許したりなんかしないから、覚悟しなよッ!!」

 

 その声は階層全体に響き渡り、イヴィルスの使者は怯み後退りする。

 

 グガランチは遂に怒りが頂点まで高まり、咆哮を上げるとヴィルガとヴィオラスを引き連れて向かってきた。

 

 ヴオ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ッ!!

 

 ドゴンッ! ドゴンッ! ドゴ ドゴ ドゴッ!

 

 キングコングのドラミングを合図にティオナとナルヴィは向かって行く。

 その画は正しく、勇壮に溢れて見えただろう。

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