ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ 作:れいが
「ティオナ!さっきはああ言ったけどアンタどうかしてるわよ!?
リヴェリアは...皆、心配してくれて一緒に戦争遊戯に参加しようとしてたのに...」
自室で身支度をしているティオナを見つけ、ティオネは開口一番に先程までのネフテュスとのやり取りについて言及した。
先程までの場ではティオナの意思を尊重する物言いをしていたが、やはり不安な気持ちには変わりないのだ。
しかし、ティオナはそんな姉の心配など気にも留めず、淡々と身支度を済ませていく。
そして着替え終わると立ち上がりながら答えた。
「もちろん心配してくれて嬉しいと思ってるよ。
でも...捕食者との決闘するのだけは絶対に曲げたくないの」
「...好きになったからってだけじゃないって事?」
「うん...ずっと考えてたんだ。どうしてリベンジしてみたかったのかって...
それはね...お礼をしたかったから、だよ」
ティオナはそう答えると、今までの出来事を思い出しているのか懐かしむように微笑む。
その微笑みに影が差すのをティオネは見た。普段の明るい笑みとは違う、見た事のない妹の顔。
今までにない表情に戸惑っているとティオナは振り返ってティオネと向き合う。
「何度も助けてくれたそのお礼をするのは本人でないとダメでしょ?
だから...皆には悪いけど、あたしだけでやらせて。...それじゃ」
「...待ちなさいよ!」
そう告げてティオナは自室から出て行こうと歩き出し、声を張り上げてティオネはその背中を呼び止める。
ピタリと足が止まった事に気付くとゆっくりと近づいて行く。そして...背後から優しく抱き締めるのだった。
突然の行動に驚いて振り向くティオナだったが、姉から伝わる温もりが心地よさに身を委ねた。
そんな妹を慈しむ様に背中を撫でながら子守歌の様に呟く。
「...信じるって言ったんだから...勝ってきなさいよ」
「...うん。任しといて、ティオネ」
そう告げたティオナは歩き出し、残されたティオネは掌に感じる温もりを握り締めるのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
その頃、ネフテュス・ファミリアでは...
「という訳で...ティオナとの再戦を執り行うわ。それまでにベル、どうするのかしら?」
ネフテュスの目の前に跪いていたベルは立ち上がると、エルダーの前へと移動して再び跪く。
エルダーは見下ろしたままベルの発言を待った。
『Elder...』
『...It's owkui.Showwe me yowura powwera』
『thunwku yowu...』
ヤウージャ独自の語源で話し合い、ネフテュスに頭を下げた2人はそのままどこかへと向かう。
その様子にネフテュスはとても面白そうな面持ちで見送った。
「ティオナ...もっと強くなっていないと勝てないわよ。
ふふっ...頑張りなさいね...」