ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ   作:れいが

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アポロン南無


>'、,<>∟ ⊦ 地獄

 ルシファー。かつては神の愛と信頼を得ていた最高位の天使であった。

 

 しかし、神に反旗を翻して天界の遥か下方の地獄に堕とされ...その後はサタンとも呼ばれる地獄を支配する王となったとされている。

 神々は地獄を追放されたはずのルシファーがここに居るのか、本来有り得ない状況に困惑するしかなかった。

 

 そんな神々に構う事もなく、ルシファーは流し目でアポロンを見た。その手には先程、吹き飛ばされたはずの羊皮紙を摘まみ持っている。

 

 「アポロンだったなぁ...いいか?地獄は言ってみればテーマパークだぁ!お楽しみが待ってるぜ?」

 「ほ、ほろ、滅びの子が何を言う...!?小さな角、穢れし者め!」

 「うふ~ふ~ふふふ!ふがっ...う~~ん、懐かしいなその呼び方は」

 「それ以前に、こ、この私を...神を地獄へ堕とす事など許されると思っているのか!?」 

 

 そう抗議するアポロンにルシファーはよく見せるように近付けた羊皮紙を見せびらかす。

 署名欄にはアポロンの名前の他に...ネフテュスを始め、アストレア、ウラノス、最後に...オシリスの名が書かれていた。

 

 天界に居るはずのオシリスがどのようにして署名したのか、わからないがその神聖文字は間違いなく彼のものだとアポロンは悟った。

 

 「ま、待ってくれ!頼む!愛しい私の子供達を見捨てて去る事などできない!」

 「俺の知った事じゃねぇな。おら、さっさと行くぞ」

 「や、やめろぉっ!やめてくれぇ!」

 

 アポロンの懇願を冷たく突き放し、ルシファーは羊皮紙を懐に仕舞うとそのまま手首を掴んで引きずって行く。

 腰が抜けて床に座っていたアポロンは何かに掴もうとするも無意味であり、他の神々に助けを求めるが当然誰も助ける事などできなかった。

 

 ルシファーが手を翳すと、目の前の景色に罅が入り...鏡のように割れると前方の空間が地獄の業火とも呼ばれる火炎に覆い尽くされる。

 

 神々でさえも見た事のない、正しく地獄門。顔が涙と鼻水に塗れたアポロンは恐怖し、最後の頼みの綱であるネフテュスに向かって叫んだ。

 

 「何故だぁ!?私は...私はお前の事を愛しているのに!?こんな仕打ちはあんまりじゃないかぁ!」

 「...それはまぁ、嬉しいけど...オシリス様を貶したからには報いを受けてちょうだいね。

  ルー、後の事はお願いね?」

 「はいよー」

 

 振り向かずに手をヒラヒラと振るだけでルシファーは地獄門を通ろうとする。

 アポロンは地面に爪を立てて悪足搔きを見せるも...

 

 「あぁ...ぁあ!うあぁあああああああああああああっ!!」

 

 パズルのピースがはめ込まれていくように割れていた空間が修復されていき、地獄の業火に吞み込まれながらアポロンはルシファーと共に消えた。

 まるで何もなかったかのような静寂が訪れ、神々は暫くの間、誰も口を開こうとはしなかった。

 

 すると、パンッと手を叩く音が鳴り響いて一斉にその方を向く。ネフテュスが注目させるために鳴らしたようだ。

 

 「皆、心配しなくても大丈夫よ?地獄に居る期間は...たったの50年なんだから。

  それまでになら彼の子供達も生きているでしょうし、感動の再会は果たせるはずよ」

 「そ、そないですか...ま、まぁ、ネフテュス先輩が言うんやったら...」

 

 ロキが不安そうにそう答えると神々も頷く他なかった。

 実際の所、その言葉は嘘ではなく本心であり、地獄へ堕とす事でアポロンの反省を促せればと考えていたのだった。

 

 但し...罵倒されたオシリス本人にまで署名させているため、恐らく本気で激怒していたに違いない。

 

 神々もそれを察してかアポロンに対する同情は殆どなかった。

 

 「さてと...それじゃあ、ロキ?いいかしら」

 「っあぁ~~...はい。すっかり忘れとりましたけど、ええですよ」

 「ふふっ...皆。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯は終わったから、次は...」

 

 一呼吸置き、面と向かうようにしてロキの方を向く。ネフテュスに合わせて、ロキも目を見開いたまま向かい合った。

 

 「ロキ・ファミリアと戦争遊戯を行うわ。1対1の一騎打ちでね」

  

 唐突に...しかし当然の様にそう宣言したネフテュスに神々は驚愕する。

 例外としてフレイヤは興味深そうに不敵な笑みを浮かべており、デメテルは頬に手を添えて不安そうであった。

  

 「要求は私の眷族が勝ったらティオナをファミリアとして迎え入れさせてもらう事。

  その代わりに...私の眷族を貴女のファミリアに改宗させてあげるのも約束するわ」

 「あの中から誰が来るんやろなぁ...あーえっと、うちらが勝ったら一騎打ちする相手と懸賞金を貰うっちゅー事で」

 

 お互いに勝利後の要求に問題がない事を確認すると、通信機越しにネフテュスはウラノスに呼びかける。

 

 「ロキ・ファミリアとの戦争遊戯を始めるわ。手筈通りに、ね?」

 『...よかろう...頼んだぞ』

 「ええ。任せてちょうだい」

 

 短いやり取りの後、ネフテュスはロキを連れて地上が見える30階フロアの縁まで移動した。

 何をするのかと、訝りながら2柱の背中を見る神々を他所に...ネフテュスは耳に付けたデバイスを起動させる。

 

 実はスカウト・シップとドロップ・シップ全機をマザー・シップから発艦、オラリオ上空に滞空させていたのだ。

 起動させた耳のデバイスから拡声器を通してネフテュスの声がオラリオ全域に響き渡った。

 

 「地上の皆、ごきげんよう。私の名はネフテュス...

  豊穣神ヌトの子、冥神オシリスの妹にして死神セトの妻となる女性神格。その属性は死と葬儀、神殺しの穢れを祓う者なり」




ホントは永久にしようと思ったけど、原作のように教会を壊してないので大目に見ました。
さて、いよいよベルVSティオナです。
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