ダンジョンで捕食者たちと獲物を求めるのは間違っているだろうかⅡ   作:れいが

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>'、,<,、 ̄、⊦ プロポーズ

 レイが降下するタイミングに合わせてティオナが目の前に着地する。

 ...一目で強くなっているとわかった。背中と腰に携えている武器は僕との戦いに備えて用意したんだろう。

 僕と同じ領域達しているのなら、手加減は無用だ。

 

 「久しぶりだね、ベル!もう話してもいいんだよね?」

 『...そうだ』

 「そっか。じゃあ...あたしね、ベルの事が好きなの!ずっと、ずっと前から...」

 

 ...突然の告白に僕は面食らってしまった。けれど...内心、嬉しく思った。

 動揺させようという手口を彼女がするはずもない。本心から僕にその想いを伝えてくれたんだ。

 

 それなら...僕も答えるべきだ。ヘルメットに繋がれたパイプを引き抜き、顔を彼女に向けて晒した。

 この場にはティオナを含めてレイやキングコング、ショーティ達しかいないが、神の鏡によってオラリオ中にも僕の顔が映し出されているはずだ。

 

 「...僕も君の...ティオナの事が好きだ。妻として迎え入れたい」

 「!」

 「こうして、顔を晒したからには...許嫁となる権利を与えた事になるんだ。

  だから...互いの全力をオラリオに知らしめよう」

 

 僕は掌を上に向けたまま手をティオナに差し出した。この手を握ればそれは承諾したという事になる。

 

 古来からヤウージャに伝わる、婚礼の申し出を受け入れる...わかりやすくこの地球上で言えばプロポーズだ。

 

 ティオナは僕の手、次に僕の顔を見て一瞬泣きそうな表情を浮かべそうになるが、目を瞑ると顔を勢いよく振るった。

 深呼吸をして顔を上げると、いつも見せる明るい笑顔を浮かべながら僕の手を重ねるように握ってくれた。

 

 「...勝敗にこだわらず、君を迎え入れたいが...ヤウージャの掟は絶対なんだ」

 「うん、わかってるよ。そのためにあたしは強くなってきたんだから」

 「...tsanwk u」

 

 これ以上の言葉は無用だ。始めよう、僕らの狩りを...!

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

  

 「これより互いを賭けた一騎打ちを行うのはロキの眷族、ティオナ・ヒリュテと...私の眷族、ベル・クラネルよ。

  先程話した通り、恩恵を授けていないけれど...私の眷族だと認めてちょうだい」

 

 ネフテュスは神威を発揮して威圧的に、高圧的にでもなく...慈悲深い悠然とした優しい声音で懇請した。 

 老若男女関わらず、一度その声を聞くだけで、頭の奥深くへと染み込んでいくのではないかというような気を齎す声を聞き入れた。

 神々も原初の神、若しくは大先輩であるネフテュスに楯突く事など出来るはずもなく、聞き入れる他無かった。

 

 

 「あの子が顔を晒した。つまり...ティオナを許嫁としての権利を与えた事になるわ。

  つまり...私達全員が見届け人として、彼らの婚姻を交わす光景から目を離さないようにしなさい」

 「うーん、なんちゅう物騒なプロポーズやねん...」

 

 確かに、と代弁してくれたロキに神々は頷く。

 そうして神の鏡に映る2人が距離を取り合って、所定の位置に着くと...まるで合図を求めるように、ベルがこちらを見ていた。

 それに対してネフテュスは微笑みを浮かべるとロキに目を配らせ、ティオナの勝利を信じてロキが頷くと2人の元に声が届くよう音声を繋げる。

 

 「準備はいいわね?...それじゃあ、始めましょう。Ā,u!」

 「いったれティオナァァア~~~!」

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 我が主神の合図が周囲に響き渡ったと同時に...僕はコンビスティックを構える。まずは様子見だ。

 いきなり攻撃を仕掛けるなんてあの愚かな狼ぐらいだろう。キャンキャン吠えて一撃を狙う安直な思考しかないだろうから。

 

 まぁ、今はそんな事どうだっていい。真剣勝負の最中にティオナに失礼だ。

 

 ティオナも同じように様子見をしており、背中の大剣や腰の左側の斧、右腰の銃型の武器をまだ手に取っていない。

 僕がジリジリと動き始めると彼女もまた拳を構えて忍び足で動き始める。

 反時計回りに移動したところで足を止め、一気に間合いを詰められるよう足の位置を変えて身構える。

 

 そして...どこからか聞こえてきた破片が落ちた音を皮切りに地面を踏みしめた。




デク君とかはどんなプロポーズするんだろ?
意外と跪いて爆弾渡したりするのかな。
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