笑顔の絶えない世界~道楽の道化師の軌跡~   作:マーキ・ヘイト

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お久し振りです!!
リアルが忙し過ぎて、中々書く暇が見つかりませんでした!!
これからもこんな感じで更新が遅れると思いますが、
気長に待って頂ければ幸いです!!


真緒VSフォルス

 「……どうして、こんな所にいるんですか?」

 

 「それは、今聞くべき程の重要な事なのか? 俺が何処にいようが、お前達には関係無いだろう」

 

 「関係大ありですよ!! だって、私達は仲間じゃないですか!!? ずっと……ずっと心配していたんですよ」

 

 何故という疑問と、会えたという喜びが混ざり合い、いったいどんな顔をして良いのか、分からなくなっていた。

 

 只一つ言えるのは、フォルスの姿を見て嬉しいと感じた事であった。思わず涙目になってしまう程に。

 

 「取り敢えず、その弓を下ろして……」

 

 「心配か……だが、お前達がここに来たのは俺を探しに来た訳じゃないんだろう?」

 

 何とかフォルスの武装を解こうと説得する真緒。しかし、フォルスが構える弓矢が下ろされる事は無かった。寧ろ、より一層狙いをこちらに定め始める。

 

 「……フォルスさん、最初の質問に答えて下さい。何故、ヘルマウンテンの中にいるんですか?」

 

 「悪いが、何度聞かれても答えるつもりは無い」

 

 真緒の問い掛けに対して、頑なに答えようとしないフォルス。そんな冷たい態度を取る彼に、リーマが食い下がる。

 

 「今、鳥人の里で異変が起こっているんです!! 気まずいのは分かりますがおねがいします。少しの間だけ、私達に協力して下さい!!」

 

 「その異変というのは、上昇気流が発生しなくなって、里の連中が俺の様に飛べなくなってしまった事だろう?」

 

 「ど、どうしてその事を……?」

 

 「そして、その原因と思われる場所に進んだ先で俺と出会した。ここまで言えば、もう何が言いたいかは分かるよな?」

 

 「まさか……いや、そんな筈はありません!!」

 

 首を横に振って、強く否定する真緒。疑問は疑惑へ、喜びは絶望へと変わった。

 

 「俺こそがこの異変を引き起こした張本人だ」

 

 「嘘です!! そんなの信じられません!!」

 

 「信じる信じないは勝手だ。今、重要なのは……」

 

 「「「!!!」」」

 

 そう言ったフォルスは次の瞬間、真緒達目掛けて矢を放った。

 

 放たれた矢は真っ直ぐ真緒へと迫る。脅しとか、頬をかするとかでは無く、正真正銘真緒の命を奪う攻撃。

 

 「ぐっ!!!」

 

 咄嗟の出来事に反応が数秒遅れる。剣で弾こうにも今からでは間に合わない。そこで真緒が取った行動は、敢えて左肩を前に突き出し、自ら矢に刺さりに行く事で致命傷を避けた。

 

 「マオぢゃん!!」

 

 「マオさん、大丈夫ですか!!?」

 

 しかし、それでも負傷するのには変わり無い。そのあまりの痛みに、真緒は片膝を付いた。そこにハナコとリーマが慌てて駆け寄る。

 

 「う、うん……私なら平気だよ……」

 

 真緒が言葉を発した瞬間、フォルスによる二発目の矢が放たれていた。気付かない三人。そして、矢が真緒の額に突き刺さる……と思われたが、直前でエジタスが片手でキャッチしていた。

 

 「おっと、危ない危ない」

 

 「何だとっ!!?」

 

 「し、師匠……ありがとうございます」

 

 「フォルスさ~ん、これはさすがに洒落になりませんよ。狙うなら足とかにした方がオススメですよ~」

 

 そう言いながら、手にした矢で真緒の足をポンポンと叩いて見せる。

 

 「いや、そういう問題じゃないと思うんですけど……」

 

 エジタスのずれた考えに、若干引きつつも真緒は肩に刺さった矢を引き抜き、立ち上がる。

 「フォルスさん、本気なんですね。本気で私達を殺すつもりなんですね」

 

 「あぁ、お前達も殺されたく無いなら、さっさとこの場から立ち去る事だな」

 

 「…………」

 

 俯き、無言の真緒。その様子にフォルスは一度目を瞑ると、何かを決意したかの様にカッと大きく目を見開き、三度目となる矢を真緒目掛けて勢い良く放った。

 

 しかし、矢が当たる事は無かった。直前に真緒が顔を上げ、剣を強く握り締めると勢い良く振り上げ、飛んで来た矢を弾いたのだ。

 

 「……それなら、もう遠慮はしません。私も全力を出します」

 

 「マオぢゃん、本気なのがぁ?」

 

 「マオさん、相手はあのフォルスさんですよ? もう一度、よく考えた方が……」

 

 「ごめん……皆は手を出さないで」

 

 前に出ようとする真緒を止める二人。だが、そんな二人を押し退け、真緒はフォルスへと近付いていく。

 

 「あぁ、それで良い。どうしても退けないのなら、この俺を殺すしか道は無いぞ」

 

 「……行きます!!」

 

 次の瞬間、真緒はフォルスとの距離を一気に詰める。近付いて来る真緒に対して、フォルスは横移動で一定の距離を保ちながら矢を連続で放つ。

 

 それを剣で器用に弾きながら、少しずつ距離を詰めていく真緒。

 

 「流石だな。だが、それもここまでだ!! スキル“急所感知&ロックオン”!!」

 

 フォルスがスキルを発動すると、真緒の体に赤いターゲットマーカーが表示され、急所である心臓付近へと移動する。

 

 「これで終わりだ!!」

 

 そう言うと、フォルスは真緒がいる方向では無く、真後ろや右、左斜め上など、的外れな方向へ次々と矢を放っていく。

 

 しかし、真緒は知っている。このスキルの恐ろしさを。一見、無関係な方向へと発射された矢は、物理法則を一切無視して、ターゲットマーカーが表示されている真緒の心臓目掛けて襲い掛かる。

 

 すると真緒は一度歩みを止め、飛んで来る矢から逃げる様に走り出した。

 

 「無駄だ!! 何処へ逃げようと、俺のスキルが発動している間、全ての矢はお前に当たるまで永遠に追い続ける!!」

 

 フォルスの言う通り、真緒がジグザグに動いて逃げようとするも、矢も同じ様にジグザグに動いてピッタリ後を追い続ける。

 

 「ご、ごのままじゃマオぢゃんが殺られぢゃうだぁ!!」

 

 「エジタスさん!! エジタスさんの転移魔法でマオさんを助けてあげて下さい!!」

 

 「う~ん……嫌で~す!!」

 

 「ど、どうして……?」

 

 このままでは真緒が殺られてしまう。そう思ったリーマ達は、エジタスに助けを求めるも、それを拒否する。

 

 「だって、戦う前にマオさんが言ってたじゃありませんか。“皆、手を出さないで”って……」

 

 「それはそうですけど……だからって見捨てるなんてそんなの……そんなのあんまりじゃないですか!!?」

 

 エジタスの服を掴んで泣き崩れるリーマ。するとエジタスは、掴むリーマの手を払いのけ、乱れた服を整える。

 

 「ちょっと引っ張らないで下さい。この服はオーダーメイドなので、替えが利かないんですよ」

 

 「もう……いいです」

 

 絶望の表情を浮かべるリーマ。ゆっくり立ち上がると、真緒のいる方へと走ろうとする。

 

 「おやおや、いったい何処に行くおつもりですか~?」

 

 そんなリーマの肩を掴んで、行かせないエジタス。一方、ハナコはどうして良いか分からず、あたふたしている様子であった。

 

 「決まっています!! マオさんを助けに行くんです!!」

 

 「ん~、分かりませんね~? どうしてそんな無駄な事をしようとするんですか?」

 

 「っ!! いくらエジタスさんでも言って良い事と悪い事があります!! 早く助けに行かないとマオさんが殺られてしまうんですよ!!?」

 

 「はい~? マオさんが殺られる? 何がどうやったら、そんな発想になるんですか?」

 

 「発想も何も、今まさに殺られそうになっているじゃないですか!!?」

 

 「リーマさん。まさかあなた、あの状態のマオさんが本気で殺られそうだと思っていませんよね?」

 

 「えっ……だ、だって……剣で弾かず、逃げ回っていますし……」

 

 「マオさんは只逃げているのではありません。チャンスを伺っているんですよ」

 

 「チャンス……?」

 

 「まぁ、黙って見てて下さい」

 

 言われるがまま、リーマは複数の矢に追い掛けられる真緒を見守る。

 

 すると、いつの間にか矢は一直線に並びながら後を追い掛けていた。その事を走りながら確認した真緒は歩みを止めて振り返り、迫り来る矢に真正面から受けて立った。そして……。

 

 「スキル“ロストブレイク”!!」

 

 勢い良く放った真緒の一撃は、一直線に並んでいた矢を全て跡形もなく吹き飛ばした。

 

 その光景にハナコは勿論、リーマも驚きを隠せなかった。

 

 「す、凄い……これがマオさんの狙いだったんですね。すみませんエジタスさん、そうとは知らず生意気な口を聞いてしまいました」

 

 「いえいえ、謝る必要はありませんよ~。それにマオさんの狙いはこれだけじゃありませんから……」

 

 「えっ、それってどういう……あっ!!?」

 

 「……ぐふっ!!!」

 

 リーマの疑問は直ぐに解消された。真緒が放った一撃は、矢だけでは無く更にその先にいたフォルス本人にまで、ダメージを負わせていたのだ。

 

 が、フォルスも直前で気が付き、咄嗟に避ける事で肩の肉が少し抉れるだけの軽傷で済んでいた。

 

 「さ、流石だな……矢を対処するだけに留まらず、俺にまで攻撃を当てるとはな……だが、こんな事で倒れる俺じゃない。さぁ、続けようか」

 

 「フォルスさん……え?」

 

 その瞬間、大地が大きく揺れ始めた。立っているのがやっとな程の大きな揺れ。

 

 「じ、地震!!?」

 

 「も、もじがじで、噴火だがぁ!!?」

 

 「いやいや、噴火だとしたら、私達はとっくに溶岩に飲み込まれて死んでしまっていますよ~」

 

 「じゃ、じゃあこの揺れはいったい……!!?」

 

 「くそっ!! 恐れていた事が起こってしまったか!!!」

 

 いったい何が起こっているのか、訳が分からない真緒達。そんな中、唯一事情を知っているであろうフォルスが大声を上げる。

 

 「皆、今すぐここを離れろ!!」

 

 「フォルスさん!! いったい何が起こっているんですか!!?」

 

 「いいから早く逃げるんだ!! でないと……あぁ、もう遅かったか……」

 

 必死に逃げる様に促すフォルスだったが、真緒達がいる方向を見て顔を青ざめる。

 

 「フォルスさん? どうしっ……!!?」

 

 その時、真緒達は察した。背後に何かがいる。荒い鼻息に生暖かい風が首筋を伝う。全身の毛が逆立つ様な、嫌な気配。出来れば振り返りたくない、だけど振り返らずにはいられない。真緒達は意を決して、恐る恐る振り返った。そこには……。

 

 「あ……あぁ……」

 

 「ご、ごれは……!!?」

 

 「あ、あ、あり得ません……」

 

 「ほほぅ、これはこれは……」

 

 全身、血の様に真っ赤な鱗に覆われ、頭部から生える突出した禍々しい二本の巨大な角、どんな刃よりも鋭そうな爪と牙。時折、覗かせる口の中はまるで地獄の釜の様に煮えたぎっていた。そして真緒達を睨み付けるその瞳は、死者すら凍り付いてしまう程の冷たさを宿していた。

 

 真緒達は知っている。これが伝説上で語られる存在である事。おとぎ話で何度も目にしたその姿だが、実物は比べ物にならない程、圧倒的であった。

 

 「ド、ドラゴンだ……」

 

 『ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』

 

 ヘルマウンテンに響く重低音な雄叫び。大地だけじゃない。大気までもが震え始める。

 

 真緒達は、言い知れぬ恐怖を味わうのであった。




フォルスとの戦いも束の間、突如ドラゴンが乱入!!
果たして、真緒達は伝説の存在から生き残れるのだろうか!?
という所で今回はここまで!!
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