パワフル緋真さん   作:汚名卍解

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BLEACH見返してたら唐突に思いついたネタを書き起こした

後悔はしてない



パワフル緋真さん

 

私…「緋真」は転生者だ。

 

記憶を自覚したのは現世で死んでこの尸魂界の流魂街「戌吊」に送られた時だった。

現世でどんな生活をしていたのかはよく覚えていない。

だって戌吊の生活がクッソキツくて忘れちゃったんだもん。

なんなんだあの街。改善しろよ死神共。

 

盗みや強盗は当たり前。

酷い時には殺しもある。

赤ん坊を抱えて生活するにはあまりにも過酷な環境だった。

 

霊力があった私はお腹空くわ、栄養失調で体調不良だわ、その事を住人に言ったら「知るか」と言われてツバを吐きつけられた挙句、霊力を持ってる事が知られると妙に目をつけられて嫌がらせされるわ碌な目に合わない。

 

追い詰められた私は思い立った。

 

そうだ。ルキアを捨てよう

 

私には生前の記憶ではない前世の記憶がある。

その記憶の私はBLEACHのファンだった。

完結してからすっかりご無沙汰でその後はDMCばっかやってた記憶があるが、連載当時はめちゃくちゃハマっていた。

 

私の今いるこの場所は尸魂界。

そして私の側には幼いとはいえルキアがいる。

つまり今はBLEACHの原作開始前。

 

じゃあ別に捨てても大丈夫だよね!

 

という訳で、ルキアを捨てた私は晴れて自由の身となった。

 

 

 

 

そして自由の身となった私は、ふと思い至る。

 

あれ……よく考えたら私死なない?

 

私は緋真。

緋真というキャラは、後のルキアの義兄となる朽木白哉の妻であり原作開始前に既に亡くなっている。

ヤバいじゃん。死ぬじゃん私。

 

というか私この先朽木白哉の奥さんになんの?

 

ヤバいじゃん。私あのスーパーイケメンわかめ大使と結婚すんの?玉の輿じゃん

いや素直に喜べねぇよ

死にたくないし、病気にも罹りたくない

病気で苦しんで死ぬとか真っ平御免だコラ

 

という訳で私は死神になる事にした

 

だって瀞霊廷の方が良い暮らし出来る訳じゃん?

ついでに私も霊力ある訳だし多少は強くもなれる訳じゃん?

 

だったら死神になるしかねェだろ

 

死んでたまるかコンチクショウ

私は生きてやる

生きて良い暮らしをして、贅沢して、戌吊のクソッタレ供を見下してやる!

どいつもコイツも踏みつけにして泥を啜ってでも生きてやる

 

という訳で心機一転した私は、死神になるべく鍛錬を始めた。

 

私は楽する為には努力は惜しまんぞ!

 

やってやらぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戌吊緋真(いぬずりひさな)という女性は霊術院始まって以来の才女だった。

 

斬拳走鬼を全てを満遍なく鍛え、座学の成績も優秀。

それだけならまだ普通の優等生だが、彼女は他と違った所があった。

 

彼女は()()()()()()()()、そして()()だった

 

霊術院に入学早々に上級生に目をつけられイジメられ、現世に演習に出かければほぼ必ずと言っていいほど虚に出くわしている。

酷い時には大虚すら出現する始末だ。

 

そんな彼女に付けられた渾名は「厄病神(やくびょうがみ)

 

彼女と一緒に行動すると必ず不幸になる。そんな噂が学院中に広まるほどに彼女の不幸は有名だった。

 

だが彼女はその不幸に屈服するほど弱くはなかった。むしろ強すぎたくらいだった。

 

彼女は自分をイジメる生徒を一人残らず報復し恐怖を植えつけた。

被害に遭った生徒はその時の報復がトラウマとなり、霊術院を辞める者もいる程だ。

どの様な報復を行なったのかを他の生徒が聞いた所

 

回道(かいどう)の練習してただけですけど?」

 

と答えた。質問した生徒はこれ以上は深く考えてはいけないと思い質問をやめた。

 

演習中に現れた虚も同様に彼女が一人で倒していた。

 

普段の華奢な身体からは想像出来ない程の苛烈な斬術。

特に彼女は居合を主体とした独自の戦い方をしていた。

なんで居合を使うのか?と他の生徒が聞いた所

 

「オサレでカッコイイじゃないですか。バージルスタイル」

 

おされ?ばーじるすたいるって何?と思った生徒はその後更に無双する彼女を見て考える事をやめた。

 

そして彼女が他の生徒と一線を画すのは一時貸与されていた斬魄刀の名前を既に聞き出し始解に成功している事だった。

 

「斬り伏せろ夜魔刀(やまと)

 

その斬魄刀の名は夜魔刀。

見た目は殆ど変わらない普通の斬魄刀だが、その能力はただひたすらに刀の切れ味のみを強化するという実に剣呑な斬魄刀だった。

彼女は斬魄刀を解放し虚達と渡り合い、時には大虚すら討伐した。

彼女が居合を主に使うのは通常より切れ味の鋭い斬魄刀と相性が良いからだと他の生徒にはそう考察されていた。

 

そして彼女は他の拳走鬼の三つも他の生徒より遥かに優れていた。

特に鬼道の方は既に一線級の腕前でありながら、己の霊圧を押し固めて霊子の剣を精製する「幻影剣」という独自の鬼道を作っていた。

 

「これで五月雨幻影剣(さみだれげんえいけん)が出来ます」

 

なにそれ?と不思議に思う他の生徒の前で、彼女は敵の虚達の頭上に数十本の幻影剣を作り数秒後、幻影剣が虚達に降り注いだ。

虚達は悲鳴を上げながら串刺しにされ、消滅していった。

 

「ね?」

 

ね?じゃねぇよと他の生徒は思った。

雑魚虚相手ならば斬魄刀を抜く事も無く、もはや歩くだけで倒す事が出来る彼女に、霊術院の院生達は緋真という女性に恐怖した。

 

そして彼女が正式に死神となった際に戌吊緋真という存在はかつて君臨していた霊術院の【女帝】として霊術院の歴史に記録される事となった。




人物紹介

戌吊 緋真
転生者。クズ。見た目はルキアと同じ美少女。
前世ではBLEACHよりどちらかいうとDMCにハマってた。バージル信者。
マジの戦闘中にバージルごっこ始めるくらいにバージル信者。
ただ偶然そのスタイルのOSR値が高いのでこの世界ではかなり強い。
回道を修めてるのは自分が怪我したり病気になっても自分で治療出来る様にしたかったから。つまり自分の為。

ルキアの事は流石に罪悪感があって時々戌吊に帰ってルキアを探しては様子を見に行ったり、暇な時はルキアにバレないようにルキアの生活のサポートをするようにしてた。

赤パイン少年がルキアと一緒に行動するようになったら様子見をやめて自分の人生をエンジョイする予定。やっぱりクズ

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