パワフル緋真さん   作:汚名卍解

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ちょっと定期更新キツくなってきたかも…
まだもうちょっと頑張れる。


迎えに行く緋真さん

 

説得し終えて結婚式の準備段階に入った時期に、「私、結婚します!」って知り合い皆に報告したらめっちゃ驚かれたけど…

 

結婚式には一角さんとか更木隊長も呼ぼうとしたけど、

 

「結婚式?そこでお前と戦っていいのか?」

 

色々と論外なんで更木隊長は来ないように伝えた。

 

「隊長が行かねえなら俺も行かね」

 

お前は一応私の上司だろうがハゲ。

部下の結婚式くらい来いよ。常識だろうが

 

「僕が行くから機嫌直して」

 

サンキュー弓親さん。

十一番隊の中じゃアンタは比較的に常識人で本当に助かるよナルシスト野郎。

 

そんでよく世話になってる卯ノ花隊長や雀部副隊長も結婚式に誘った。

2人共、十一番隊と違って笑顔で承諾くれて嬉しいわ本当。

 

女性死神協会のメンバーにも何人か声かけたけど、普通に来てくれて祝福してくれた。

やっぱこういう時は素直に嬉しい。

 

乱菊さんとか「やるじゃない緋真!」とかいってバシィ!って叩きながら祝福してくれた。

 

そして迎えた結婚式は特に問題無く進み、私は朽木緋真になった。

 

 

私が朽木緋真になってから数年後、結婚したからといって私の生活にそこまで変化は無い。

 

死神として十一番隊第四席として仕事をして、プライベートでは朽木邸で礼儀や作法を勉強し、朽木家の嫁として恥じないように教養を身に付けて振る舞うようにキツく言われ続けてる。

勉強は正直言ってかなりキツイ。

鬼道とか斬魄刀の修行と違って地味だし、そこまで楽しくない。

でも私は白哉さんの嫁になったんだ。

 

私が贅沢して楽に暮らしていくには、それ相応に苦難があるの百も承知だ。

だが私は楽をする為なら苦労を惜しまないタチだ。

それくらいの努力くらいやってみせるとも!

 

そんな忙しい日々は年月が流れるのが速く感じた。

 

いつの間にか結婚してから5年の月日が経っていた。

 

 

 

私がいつも通りに十一番隊の仕事終わりの帰り道を歩いてる時にふと思った。

 

(…そういえばルキアどうしてるだろう?)

 

本当にふとそんな事を考えてしまった。

 

私はルキアを捨てた。

戌吊という劣悪な環境で生きていくには赤ん坊のルキアの存在は足枷以外の何者でもなかった。

 

だから耐えられなくなった私はルキアを捨てた。

 

躊躇いもなく捨てる事は出来たのはそれは原作の記憶があったからだ。

 

けど、この世界は本当に原作通りにいくのか正直不安な所だ。

 

もしかしたらキャラの内の誰かが、原作とは違う動きをしてるかもしれない。

 

私の存在が原作へのノイズになりかねない。

 

もしかしたら、私のせいで原作のキャラが欠けてしまうかもしれない。

 

そこまで考えると、私は原作の主要メンバーであるルキアを真っ先に思い出す。

 

原作の緋真は体が弱く、病死している。

だが“私"は今も健康で元気バリバリに生きている。

私の存在がどんな影響を齎すのか私自身も分からない。

 

私は原作の記憶を限界まで振り返る。

ルキアはこれから朽木家の一員となり、主人公の黒崎一護と出会い、現世で過ごし、尸魂界で処刑されかけ、破面と戦って、一護の力を取り戻させる為に駆け回って、滅却師と最後の戦いを繰り広げる。

そして、最後には幼馴染の阿散井恋次と結婚し、子どもを生んで一児の母になる。

 

道は険しいけど最終的にはそんな一般的な女としての幸せを掴むんだ。

 

いやルキアの幸せへの過程が厳し過ぎね?

 

ルキアの幸せってもしかして奇跡が色々重なって初めて成し得たみたいなモンなの?

 

もしかして私が捨てた時に思ってた「原作通りに行くから大丈夫やろ!」って考えめちゃくちゃ甘かった⁉︎

 

ヤバいじゃん…もしこの世界が原作から外れてたら私の今の生活が世界ごと終わる⁉︎

 

どうしよう…マジで心配になってきた…

 

あの子がこの先赤ん坊の状態で生きていけてんの?

いや、一応院生時代にちょくちょく顔を見に行って、赤パインこと恋次君に出会ってるのを見届けてるから大丈夫とは思うけど…

 

「緋真。こんな所でどうした?いつもの時間に帰って来ぬから心配したぞ」

 

あ、白哉さんだ。

色々と考えてたら夜も更けていったみたいだ。

そういえばこの人の趣味は夜の散歩だった。

もしかして散歩がてらに私の事探してたのかな?

 

「いえ…少し…考え事をしていまして…」

 

どうしようかな?白哉さんにも言うべきかな?

いやでも妹捨てたなんて妻が急に言ってきたら流石にドン引きするかな?

 

「悩み事があるなら遠慮するな。私はお前の夫だ。お前の悩み事は私の悩み事だ」

 

この人ったらすぐカッコイイ事言う…また惚れさす気か?

 

まぁ確かに白哉さんには言っといた方がいいだろう。

 

「この話をしたら…もしかしたら白哉さんは私の事を嫌っちゃうかもしれません…」

 

でもやっぱ心配だわ。

ルキアの話をしたら万が一の確率でこの人に嫌われちゃうかもしれない…。

 

「心配するな。どのような話でもお前を嫌ったりはせん。何度も言うが私はお前の夫だぞ?それくらいの器量が無くてどうする」

 

ほんまこの人ずっとカッコイイ…

そこまで言われたらもう言うしかないじゃん…

 

「実は…私には妹がいるんです」

 

「まだ赤ん坊だった妹を抱えての戌吊の生活は厳しくて…遂に限界になった私は赤ん坊の妹を捨ててしまったんです」

 

「その事をずっと後悔してるんです。こんな事を思う資格は無いと思いますけど…あの子がまだ元気に生きているのか心配なんです」

 

そこから私は白哉さんにルキアの存在を教えた。

勿論、戌吊での生活が厳しくて私が生きる為に捨てた事も伝えた。

ルキアを捨てた罪悪感もあるけど、なによりもルキアの身にもしもの事があって万が一死んだりしたらこの世界は原作とは異なる流れになってしまう事が何より恐ろしい。

破面や藍染、星十字騎士団やラスボスのユーハバッハ。

アニオリを含めると不安要素はこれでもかとある。

よく考えたら不安要素抱え過ぎだろこの世界…

どうしよう…泣けてきた…

 

「そうか…辛かったな。緋真よ」

 

白哉さんになんか抱きしめられた。

あれ?まだルキアを捨てて何処かで死んでないか心配って段階までしか語ってないはずだけど?

 

あ、気がついたら私まじで泣いてたわ。それでちょっと勘違いしちゃったのかな?

まぁいいや好都合だし。

 

「つまり…お前は妹を見つけ出したいのだな?」

 

「…はい」

 

出来ればちゃんとルキアを見つけて原作通りにいくか見守りたい。

 

「探すのは明日からでも遅くは無い。私も出来る限りの協力しよう」

 

マジで?そりゃあ助かるわ。

朽木家が全力で戌吊探せば流石に見つかるだろう

 

「はい…ありがとうございます。白哉さん…」

 

「遠慮するなと言った筈だ」

 

そして私と白哉さんはそのまま家に帰った。

 

どうしよう…お礼に一発ヤろうかな?

せっかく私達夫婦なんだし、夫婦の営みくらいやらないとね!

 

その日、白哉さんの部屋に行ったらなんか白哉さんが銀嶺のお爺さんと密談しててルキアの事を話してた。

しかも私が捨てたんじゃなくて「幼少の頃に生き別れた妹」というマイルドな感じに改変して伝えてた。

確かにこれなら朽木家の人も探す理由に納得して協力してくれそう。

 

白哉さんには感謝しかないけど、どう見てもヤる雰囲気じゃないので流石に断念した。ちょっと残念…

 

 

 

翌朝、私が仕事に行く前に白哉さんに呼び出された。

 

「真央霊術院にお前そっくりの女生徒がいるらしい。もしやと思うがお前の妹ではないのか?」

 

速攻で見つかって草

 

 

 

 

 

 

 

ルキアは霊術院でも浮いた存在だ。

 

ルキアの顔を見た古参の教師陣は、何故か顔を青くする。

新人の教師はそうでもないが、緋真の事を知っている者は全員ルキアを見る度にまるでトラウマを思い出したように表情を固くする。

 

無論、そうした教師の対応に気づいた生徒達もいた。

そして生徒の間では「ルキアは教師達の弱味を握っている」という噂が広がった。

 

そこから更に尾ひれが付いて「ルキアは教師達に影で脅して成績を操作して貰っている」などという良くない噂も立っていた。

 

「…はぁ〜」

 

ルキアはそんな噂で盛り上がる周囲に溜め息しか出なかった。

ルキアはそんな噂こそされるが至って普通の生徒だった。

鬼道こそ優秀だが、他はあまり優秀な成績とは言えなかった。

ルキアとしては努力を重ねているつもりだ。だがそれでも普通の生徒の域を出ない。

劣等生では無いが、優等生でも無い。それがルキアの評価だった。

 

ルキアの腕前を見る度に教師達のどこか失望した眼差しが辛くてあまり勉強に身が入らない。

 

そんなどこか教師から一種の特別扱いを受けているルキアは当然クラスでも馴染めず、友人の1人も出来なかった。

ルキアに話しかけるのは幼馴染の阿散井恋次のみ。

 

とても充実した学園生活とは言えない日々をルキアは強いられた。

 

要するに恋次以外友達のいない“ぼっち"だった

 

 

 

ルキアは知る由も無いが、かつての緋真の事を知る教師陣から見ればルキアの存在は非常に扱いにくい火薬庫のような存在だった。

彼等は緋真がかつて院生時代に暴れた伝説の数々を知っていた。

中には緋真の被害に合った者もいた。

 

ルキアの顔を見て、誰もが緋真の縁者だと気づいた。

ただ確証が無く、ただの憶測という形な為、あまり強く出れずビビりまくっていた。

それもその筈、緋真は自分に喧嘩を売った者には容赦しない。

それが例え貴族であろうと必ず滅ぼしてくる。

 

もしルキアが憶測通り緋真の縁者だとすれば、絶対に傷つける訳にはいかない。

生徒から嫌がらせがあるようなモノなら緋真に「生徒が嫌がらせを受けていたのに何してたんです?貴方達?」と因縁をつけられて滅ぼされてしまう。

 

しかも現在、彼女はあろう事か四大貴族の一つである【朽木家】に嫁入りしたと聞いた。

 

力を持っている上に権力まで手にした彼女に喧嘩を売った場合、待っているのは滅びだけだ。

 

そしてある日、一か八か朽木家にルキアの存在を知らせた。

自分達の憶測が正しいのかどうか気になっていたからだ。

それで朽木家にバッサリ切られたならルキアはただのそっくりさんという事でそう思う事にした。

 

緋真を知る教師陣達は、朽木家にルキアの情報を伝えた後、その結果が来るのはだいぶ後だろうと思った。

正直な所、四大貴族といえど教師達の言う事にあまりまともに取り合わないと思ったからだ。

 

緋真は特別枠とはいえ流魂街出身。彼女に反感を持つ者も多いと聞く。

彼女に僅かでも復讐しようとルキアの存在を隠す者が現れるだろう。

故に彼女にルキアの存在が知れるのはだいぶ先だろうと思い込んでいた。

 

「私の妹を見つけてくださり、ありがとうございます」

 

朽木家に報告した翌日に緋真が霊術院に現れ、唐突に現れた恐怖(トラウマ)そのものに教師陣は恐れ慄き、一部の教師は泡を吹いて倒れた。

 

 

 

 

 

 




ちょっと長くなってきたので分割します。

次回、ルキアの対面する緋真さん


体調崩したり仕事とか色々あったりして、あんまし書く暇と余裕が無くなってきた…

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