パワフル緋真さん 作:汚名卍解
※お知らせ
来月から更新が遅くなります。
今までのように1日空きでの投稿は難しいのでご了承ください
本当に申し訳ない。
ルキアが護廷十三隊に入隊するに当たり、白哉さんが六番隊隊長に昇進した。
昇進祝いに白哉さんの部屋に行ったら、ルキアを十三番隊に配属させる事を伝えられた。
「一部ではお前のいる十一番隊に入隊するのもアリではないかという意見もあったが」
「それは絶対に無しでお願いします」
あんな世紀末部隊にルキアを入隊させたらルキアが不良になっちまうよ。
そういえば十三番隊ってどんな所だっけ?
なんかしょっちゅう隊長が倒れてる隊って印象しかないや。
「十三番隊には私の知己がいる。志波家の者もいる。ルキアを悪いようにはせんだろう」
ちなみに白哉さんの知己というのは十三番隊隊長の浮竹十四郎さんの事だ。
なんか知り合いらしい。
まぁ浮竹隊長の人柄は有名だし、あの人は色んな人脈があるんだろう。
「志波家の者というのは?」
「
思い出した。志波海燕。ルキアのトラウマ。
原作では十三番隊に入隊したルキアが彼と共に修行する日々を送り、最終的にはルキアの手で彼は命を落とす。
ちょっと見過ごせないけど、ルキアのバックボーンに関わる人だ。
あまり関わるのはやめておこう。
でも、流石にルキアのトラウマになるのは姉として頂けないな。もしその時が来たら私が介入するのもアリかな?
閻魔刀使えばワンチャン助けられそうだし…
「私としては
白哉さんがちょっと微妙な顔してる。
「志波家の者は苦手ですか?」
「奴等は平気な顔で掟を破るからな…」
ちょっと聞いてみたら、白哉さんがめっちゃ嫌そうな顔で答えた。
なるほど。朽木家は代々掟に厳格であり遵守している。
対して志波家の人達は大体人情家で、その為なら掟とか規則も平気で破る人達だ。
別名「チョコラテ一族」
掟に厳しい人だし、まあ癇に障りますわな…
そして、ルキアが護廷十三隊に入隊する日が来た。
ルキアが十三番隊に行く前にちょっと安心出来るように発破をかけておこう。
「今の貴女ならば舐められる事は無い筈です。もし陰口を言われたら私に言ってください。私がやっつけてあげますから」
「は…はい!絶対言わないでおこう…」
私の発破で少し緊張が解けたのかルキアはいつも通りの足取りで十三番隊に向かって行く。
さて…私も仕事に向かうか。
その三ヶ月後
「今日からお世話になります!阿散井恋次です!よろしくお願いします!」
ルキアの未来の旦那が十一番隊に来た。
そういえば君って十一番隊に来るんだっけ?普通に忘れてたよ
阿散井恋次はまだまだ力不足を感じていた。
今の自分の実力では目標にしている白哉と緋真にはまだまだ遠すぎる。
だからまだまだ実力をつける必要がある。
もっと強く
もっと強く
もっと強く
その思いで恋次は入隊した五番隊で死神の仕事をこなしては懸命に訓練に励んでいた。
そして、ある日恋次は十一番隊の転属が決まった。
隊長の藍染曰く「あそこは君の気質に合っているだろう」との事だった。
なんの事だか分からなかった。
だが十一番隊の隊舎に足を運んでその意味が分かった。
十一番隊は最強の戦闘部隊と呼ばれる部隊。
その実態は護廷十三隊の中でも荒くれ者達の巣窟だ。
そんな荒くれ者達の所に足を踏み入れた新人が喰らうのは当然荒くれ者特有の“歓迎"だ。
生意気な新人にはお灸を据える。それが十一番隊なりの歓迎だ。
勿論、恋次もその被害に遭った。
この時のまだまだ新人の域を出ない恋次だったが、平隊員を何人か倒すくらいの実力はあった。
中々生きの良い新人に席官の死神は気分を良くしたのか名乗りでた。
「次は俺だ」
先程の平隊員との戦いの連続で疲労していたがまだ戦える。
恋次は勇んでその席官【斑目一角】に向かっていった。
結果、恋次はボコボコにされた。
まだまだ恋次には
当然のようにボロ雑巾にされ、恋次は四番隊送りになって三ヶ月間入院した。
退院後、恋次は改めて十一番隊に行く。
「今の君なら堂々とウチに来ても問題無いよ。一角に負けたとはいえ君はある程度の実力を示したんだ。他の平隊員も君には一目置いている筈さ」
見舞いに来ていた弓親から聞かされた。
どうやら“歓迎"で少しは一目置かれたらしい。
だが、それで気を抜いてはいけない。
今の恋次より強い者は十一番隊にはごまんといる。
目標はある。これから更に強くなる為に。
恋次は気合を入れて十一番隊の隊舎の戸を開けた。
「今日からお世話になります!阿散井恋次です!よろしくお願いします!」
新人としての挨拶を声を大きくして言う。
今の自分はまだまだ新人。ならば先輩達には一応挨拶しなければと思ったから。
すると恋次の目には意外な人物が飛び込んできた。
「ルキ…ア…?」
先程恋次が挨拶した者は恋次の幼馴染であるルキアにそっくりだった。
「お前!一体どうしてこんな所に⁉︎」
恋次は興奮してルキアによく似た人物の肩をつい掴んでしまう。
仕方ないだろう。少なくともあと何十年くらいは会えないだろうと覚悟していたのだ。
邪魔しちゃいけないと止めたい思いを必死に抑え込んで見送ったのだ。
そんな人が急に目の前に現れたら動揺するのも無理もないだろう。
「いきなり人妻の肩を掴むのは感心できませんね…」
その興奮と動揺は目の前の人物【朽木緋真】のアイアンクローによって塗り潰された。
顔面を握られ万力のような握力で顔面を潰されそうになる。あまりの激痛に恋次の意識はメキッという音と共にシャットアウトされた。
宇餓鬼はとある人物と伝令神機でやり取りをしていた。
盗聴されないように特殊な伝令神機を用いたやり取りだった。
「なんだよ…アンタかエロ店主。先生はどうしたァ?」
「いやだなーいつも取引してるのにそんな言い草は無いでしょう?」
宇餓鬼がやり取りしているのは【
以前、尸魂界で虚化を研究していたという大罪人だ。
今は現世で潜伏し、浦原商店という店を構えている。
表向きは駄菓子屋だが、正体は死神相手に商売をする闇商人。
それが今の浦原だった。
「よくモデルガンとか煙草を仕入れてあげてるの誰だと思ってるんスか?少しはアタシにも懐いてもいいじゃないんかと鉄裁サンが…」
「ウゼェよ…誰が懐くかボケ!」
そう。いつも宇餓鬼はモデルガンやタバコなどの現世の物を浦原から買っていた。
本来なら罪人である浦原とやり取りするのは鬼道長である宇餓鬼にとってもバレたらマズい事だ。
宇餓鬼としては「バレたらバレたで先生の所に転がり込んでやる!」と完全に開き直ってて罪悪感など一切無かった。
「んで、何の用だよ?また
「いえ…今回は違います」
宇餓鬼は尸魂界の物を浦原商店に横流ししていた。
宇餓鬼と浦原がやり取りするのは主にそういう横流しだったが、今回は違うらしい。
「今から貴方にある物を送ります。これはとても重要な物っス」
「いつになく真面目ちゃんじゃあねェかエロ店主?いつからそんな真面目になったんだ?」
「アタシはいつだって真面目ですよ」
そんな軽口を言いつつ宇餓鬼の目の前にある物が転送される。
今、浦原が使った技術は、浦原がかつて見た空間転移の鬼道を模して作った技術。
その技術は今使ってる宇餓鬼と浦原の伝令神機に仕込まれており、2人はいつもそれで取引していた。
「何だ、この変な玉っころ?」
「【
その言葉を聞いて宇餓鬼は瞠目する。
今の今まで浦原と鉄裁は自分を嵌めた犯人の事を言わなかった。話題に出そうとすらしなかった。
それは弟子である宇餓鬼を巻き込みたくないという鉄裁の思いからだった。
「もうそろそろアタシ等の居場所を奴等が突き止めるのも時間の問題。いずれ襲いかかってきて
「貴方を信頼に足る人と信じて頼みます。どうしても崩玉を奴等に渡す訳にはいかないんです」
「
物語が少しずつ動き出そうとしていた
次回、恋次君を鍛える緋真さん