パワフル緋真さん   作:汚名卍解

3 / 25
日常回

バーに色がついとる…嬉しい
誤字修正してくれた方もありがとうございます


仕事する緋真さん

 

 

はい 色々あって十一番隊第四席になりました戌吊緋真です

 

なーんかあの一件以来、十一番隊の人達みんな「姐さん!」とか言ってきちゃってまぁ困ってる。

つーか更木隊長なんか暇さえあれば私に「()らせろよ」とか言ってきて凄い困ってる。

なんなんだあの人…

 

とりあえずまぁ私が生き残る為に戦って身体を強く鍛える必要があるし、一ヶ月に一回程度は更木隊長と戦ってる。

 

え、勝敗?一度も勝った試しがありません

 

だってあの人どんどん強くなるんだもん。

更木隊長との試合は大体私の負けで終わる。

 

なんで負けるのかって?よく考えろ。相手に応じて霊圧を調整して強さが変わる化け物にどうやって勝てんだっつーの。

そんで、私を負かした後は「愉しかったぜ」つって隊舎戻って寝るんだよ?怪我とか治さずにさ。一角さんに書類仕事押し付けてないでアンタも仕事しろや

んで、この間休んでる時に一角さんにそれを愚痴ったら更木隊長は仕事()()()んじゃなくて()()()()らしい。

そういえばあの人は流魂街最下層スラム街の更木(ざらき)出身だったわ。そら読み書き出来んわな…

 

そんで今、私は十一番隊の書類仕事に奔走してます。

書類仕事出来るのが私を含めて一角さんと弓親さんの三人しかいないから凄んごい忙しい。

 

忙しくて碌に休めない…部屋に寝転んでDMCやりたい…

あ、プレイしようにもゲーム機そのものが無いやん…クソが…

 

本当にざけんな。こちとら卍解習得したばっかりの新人だっつーの。

いやね、院生時代は斬魄刀との対話とか私の厨二心をくすぐってつい暇さえあれば何度も何度も刃禅して斬魄刀と対話してたらいつの間にか屈服してたのよ。

具象化の方も呼んだらなんか斬魄刀の方から勝手に出てきてたし。

私の斬魄刀が従順な性格で助かったわ…

 

そんで話は戻るけど私はどうやら瀞霊廷で結構ウワサになってるらしい。

 

曰く「斬っては治してまた斬ってくる真性の外道」

曰く「入隊初日で隊長に挑んだ戦闘狂」

曰く「力に飢えた獣」

曰く「女の皮を被った鬼」

曰く「次代の剣八」

 

ちっげーよ。勝手な事言うなクソ共がブッ殺すぞ

 

 

もういいや

とりあえず目の前の仕事に集中しよう。

 

あ、更木隊長きた

 

え、「ヤろうぜ」?

やだよ。服が汚れるし、仕事遅れるし

あ、草鹿副隊長もいる。更木隊長の肩に乗っかってて可愛らしい。

ちなみに私は草鹿副隊長からは「ヒサッチ」って呼ばれてる。

 

「喧嘩の方が大切だ。仕事なんていつでもできらァ」

 

なにその意味不明な理屈。逆だろ

まぁ良い感じにバージルごっこ出来るから付き合ってやろうかな?とは思うけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戌吊緋真は瀞霊廷でも有名な死神だ。

 

霊術院では伝説的な女傑として名を馳せ、その凶暴さから十一番隊に配属され、新人でありながら既に始解どころか卍解を修得しており、十一番隊の第四席に異例抜擢された女性。

 

その強さはあの更木剣八に追随する程だと言う。

 

「だからさっさとヤろうぜ!仕事なんか放っておいてよォ!」

 

()りません!こっちもこっちで忙しいんです!更木隊長も隊長なんですからお仕事してください!珍しく出撃命令出てましたよね⁉︎」

 

「心配すんな。もう終わった」

 

「速っ⁉︎」

 

「評判の割には大した事ない虚だったがなぁ…」とつまらなそうに愚痴る剣八を緋真は呆れた目で見つめる。

護廷十三隊の隊長となれば事務仕事だけでなく虚討伐の為に現世に出撃命令などが出てごく稀に出撃する事もある。

 

だが、大抵は他の隊長で充分なので普段は殆ど更木剣八の出番が無いのが現状だった。

 

「ちなみにその虚の容姿は?」

 

「そんなん覚えてるワケねェだろ」

 

「ですよね…」と緋真は項垂れる。

強力な虚を討伐したならば詳細な報告書を作成しなければならない義務があるのだが、そんな事を剣八が覚えてるワケもないので、作成に手間取るのだ。

その事実に緋真は溜め息をつく。

 

「ヒサッチ。疲れてる?」

 

「まぁそれなりに…でもまだ大丈夫ですよ」

 

溜め息をついて疲れてる様子の緋真を見て草鹿やちるは彼女を心配するが、彼女は笑みを浮かべて大丈夫だと返す。

 

一応剣八が討伐しにいった虚は十数人の死神が被害を受けた強力な虚ではあったのだが、剣八にとっては雑魚でしかなかったようだ。

 

「だったら尚更憂さ晴らしに()ろうぜ?緋真」

 

()りません。まだ仕事が残ってるので!仕事が終わってからなら構いませんよ」

 

初日に行われたあの決闘騒ぎから彼女は更木剣八と何度も決闘を行っていた。

勝敗はいつも更木剣八の勝ちだ。

決闘の度に緋真も相応の大怪我を負っているが、いつも自分で治療して数時間後にはケロっとしていた。

 

実力があり、斬り甲斐があり、斬っても多少の怪我ならすぐに回復する。

そんな()()()()を見つけた更木剣八は暇さえあれば彼女に戦いを申し込むようになった。

当の本人はあまり乗り気ではないようだが「回道の練習にいいかな?」「強くなるには丁度いい相手かも?」などの理由で大抵は断るが一ヶ月に一回は更木の相手をしていた。

 

緋真本人としても無意識とはいえは自分と強さを合わせてくれる良い相手と戦えるので良い経験になるし、何より好きなようにバージルごっこ出来るから緋真本人も多少は乗り気だった。

 

「チッ…分かったよ…」

 

「じゃあね!ヒサッチ!」

 

自室へ向かう剣八とやちるを見送り、緋真は職務に戻る。

剣八との決闘は命の危険は多少あるが、その辺は剣八も気にかけてくれている。

剣八の目的はあくまでも闘争そのもの。相手を殺す事ではない。

ある程度の実力があれば相手を殺すような事は滅多に無い。

 

だからなのか緋真は更木の事を邪険にはしない。なんだかんだで剣八の強さには彼女も憧れているのだ。

 

何処までも底知れない戦闘力

 

それに憧れる事は悪い事ではない。強さに憧れる事に男も女も関係ないのだから。

 

ただ緋真の場合は少し特殊だ

 

(あれ…私なんかどんどんバージルっぽくなってない?「I need more power!(もっと 力を!)」的な?悪い気分はしないしまあいっか!)

 

普段はまともなクセに戦闘となるとかつて憧れたキャラと同じムーブをして悦に浸る彼女は、他の者が見れば不気味に思えただろう。

 

だが、その異常性に気づく者は幸いな事に誰もいなかった。

 




次は戦闘回
ちなみに今の緋真さんは卍解できてはいるけど、そこまで強くない。卍解の修練も1年程度でまだまだ未熟。
尸魂界編の卍解習得したばっかの恋次と同じくらい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。